共通テスト英語リスニングで9割を狙うには、「リスニングの基礎力」と「共テ形式に特化したテクニック」の両方が必要です。
なんとなく聞き流すだけでは点数は安定しません。
この記事では、大問ごとの戦略や、シャドーイングを使った具体的な勉強法、本番での先読み・メモ・時間配分までを、1つの流れとして整理します。
読み終わるころには、「今日から何をどの順番でやればいいか」がはっきり分かるはずです。
- 共テ英語リスニングの全体像と、大問別の得点戦略が分かる
- リスニング力を底上げするシャドーイングとスクリプト精読のやり方が分かる
- 先読み・メモ・時間配分など、本番で点を落とさないテクニックが分かる
- 9割を狙うための教材の組み合わせ方と、開始時期・学習期間の目安が分かる
共テリスニングの全体像と戦略
最初に、共テリスニングの「仕組み」と「どこで点を稼ぐか」をはっきりさせておきます。
ここがあいまいなままだと、せっかく勉強しても点数に結びつきにくくなります。
配点・時間・難易度のバランスを押さえたうえで、9割を取るための目標ラインまで具体的に確認していきましょう。
配点時間構成と難易度
共通テスト英語は、リーディング100点・リスニング100点の「完全50:50」です。
旧センター試験の「200:50」から大きく変わり、リスニングの比重はかなり高くなりました。
リスニングで大きく失点すると、英語全体の点数に直結します。
リスニングの試験時間は60分ですが、音声が流れている時間を除いた「解答時間」はおよそ30分ほどです。
じっくり考える余裕はなく、音声を聞きながら素早く判断する力が求められます。
大問は1〜6まであり、短い会話・イラスト問題から、講義・ディスカッションまで様々です。
2023年度本試験の平均点は約62点で、難しすぎず、しかし満点も取りにくいレベルといえます。
読み上げ回数は次の通りです。
つまり、2回読みの前半で「落とさない」、1回読みの後半で「どこまで粘るか」が戦略の軸になります。
試験の基本情報や過去の平均点は、大学入試センターや予備校サイトでも確認できます。
全体像をつかむために、たとえば四谷学院の共通テストリスニング解説ページなども参考になります。
大問別の役割と得点源
大問ごとの配点と役割をざっくり整理すると、次のようなイメージになります。
| 大問 | 内容 | 読み上げ | 役割・難易度イメージ |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 短い発話/イラスト | 2回 | 超・得点源。満点前提で練習 |
| 第2問 | 短い対話+図・場所 | 2回 | 得点源。多少の先読みで安定 |
| 第3問 | やや長めの対話 | 1回 | 中堅。時間管理と切り替えが重要 |
| 第4問 | 長めの発話+図表/条件整理 | 1回 | 前半は標準、後半はやや難。メモ力が問われる |
| 第5問 | 講義+図表 | 1回 | 山場。長文理解と資料読み取り |
| 第6問 | 意見交換・ディスカッション | 1回 | 最難。人ごとの意見整理がカギ |
特に重要なのは、第1問+第2問で全体の約4割を占めるという点です。
ここをほぼ取り切れば、その後で少し落としても9割に届きやすくなります。
逆に、第5問・第6問は「差がつくゾーン」です。
ここで全問正解を狙うのは難しいですが、内容と形式に慣れておけば、半分〜7割ほどは十分狙えます。
9割満点を狙う目標ライン
9割(90点)を狙う場合の、大まかな目標ラインを示します。
あくまで目安ですが、次のような感覚を持っておくと計画が立てやすくなります。
このラインなら、少しミスが増えても80点台後半には乗せやすく、調子が良ければ90点超えも十分に見えます。
「大問1〜4はパターン慣れでほぼ落とさない」「5・6は基礎力+形式慣れで粘る」というイメージを持っておくと、勉強の優先順位がはっきりします。

リスニング力を伸ばす勉強法
次に、「そもそも聞こえる耳を作る」ための勉強法です。
共テ形式のテクニックだけを覚えても、リスニングの基礎力が足りないと、1回読みの後半で必ず苦しくなります。
読解力とリスニングの関係を整理しつつ、スクリプト精読とシャドーイングの具体的な手順を見ていきましょう。
読解力とリスニングの関係
リスニング対策で忘れてはいけない前提が、「読めない英文は、聞いても分からない」ということです。
単語や文法があいまいなまま音声だけを聞いても、聞き流しになりやすく、点数にはつながりにくくなります。
共テリスニングでは、次の3つがセットで求められます。
たとえば、リーディングで共通テストの英文が「時間をかければ一応読める」レベルなら、リスニングではまだ厳しいことが多いです。
目標としては、「共通テスト本試のリーディングを、制限時間の8〜9割の時間で解き終わる」くらいの読解力があると、リスニングの内容理解もかなり楽になります。
読解力とリスニング力は別物ではなく、読解で身につけた語彙と文構造を、音と結びつける作業がリスニング練習だと考えてください。
スクリプト精読と音声対応
リスニング力を上げる基本の流れは、次の4ステップです。
それぞれのポイントを簡単に説明します。
まず、スクリプト精読では、分からない文法・構文を1つずつつぶし、「日本語に訳せる」だけでなく、「英語の語順のまま意味が追える」状態を目指します。
文構造があいまいなまま聞くと、「単語は聞こえるけれど、何を言っているか分からない」という状態になりやすいからです。
次に、スクリプトを見ながら音声を聞きます。
このとき、「文字」と「音」を1つ1つ対応させる意識が大切です。
そのあと、スクリプトを見ながら、音声に少し遅れて声を重ねる「オーバーラッピング」を行います。
口を動かすことで、リズムとイントネーションが体に入り、聞き取りも楽になります。
最後に、スクリプトを閉じて同じ音声を聞き、「どこまで理解できるか」を確かめます。
聞き取れなかった部分だけ、もう一度スクリプトを見て原因を分析しましょう。
・知らない単語だったのか
・音の連結や脱落に慣れていなかったのか
・文構造が取れていなかったのか
を毎回確認することで、弱点がはっきりしてきます。
シャドーイングの手順とコツ
リスニングの伸びを一気に加速させるのが、シャドーイングです。
シャドーイングとは、音声を聞きながら、ほんの少し遅れて同じように声に出していく練習法です。
共テ対策としてのシャドーイングは、次の手順で行うと効果的です。
大事なのは、「意味が分かっている英文だけをシャドーイングする」ことです。
意味があいまいなまま音だけ追いかけると、「早口の英語のマネ」をしているだけになり、得点にはつながりません。
また、「聞き流し」との違いも意識しましょう。
BGMのように英語を流しても、「音を意識して聞き、意味をとる」練習にはなりにくいです。
聞き流しは「耳慣らし」としての意味はありますが、共テで点を伸ばす目的なら、時間の多くをシャドーイングやスクリプト精読に使った方が効率的です。
なお、シャドーイングのやり方や効果については、予備校サイトや教育機関の解説も参考になります。
たとえば友の会の共通テスト英語対策記事では、リスニングの復習方法やシャドーイングの流れが丁寧に説明されています。

本番で点を取る実践テクニック
ここからは、試験本番で点数を最大化するためのテクニックです。
同じリスニング力でも、先読みやメモ、時間配分の工夫で5〜10点くらいは平気で変わります。
大問別の攻略方針を整理したうえで、失点を減らすための具体的な行動パターンをまとめます。
大問別の攻略方針
まず、大問ごとの「ねらい方」をもう少し具体的に見ていきます。
第1問・第2問:満点を狙う得点源
ここは語彙・内容ともにやさしく、2回読みです。
過去問や予想問題で形式に慣れ、「聞こえたら自動で選べる」状態まで持っていきます。
1回目の読みで答えが分かったら、2回目は確認しつつ、次の問題や第3問の先読みの時間に回すのも有効です。
第3問・第4問:先読みと集中力で勝負
ここから1回読みになります。
第3問は「やや長い会話」、第4問は「図表・条件整理」が中心です。
第1・2問の合間の時間や、2回目読みの余裕を使って、できるだけ先に問題文と選択肢を見ておきましょう。
聞き逃したと感じても、1問にこだわりすぎないことが大切です。
第4問Aの後半(条件がたくさん出る部分)は、例外的にメモを使う前提で練習しておくと安定します。
第5問:長文・図表の総合力
講義形式の長文+図表問題です。
ここは文構造が取りにくいと一気に崩れます。
ふだんから長めの英文を使ってシャドーイングしておくと、本番の負荷がかなり軽くなります。
前半はパラグラフごとに1問ずつ対応していることが多いので、流れを意識して聞くと整理しやすくなります。
第6問:人物整理と「立場」の把握
ここは登場人物が多く、誰が何を主張しているかを整理しながら聞く必要があります。
最初の発言のときに、「この声がこの名前」と対応させてしまうことが重要です。
あとは、その人が賛成なのか反対なのか、どんな条件付きの意見なのかを追いかけていきます。
先読みとメモの使い分け
共テリスニングで得点を伸ばすうえで、先読みとメモの戦略はとても大きなポイントです。
基本方針は次の通りです。
先読みの具体的なタイミングとして、よくあるパターンは2つです。
1つ目は、「常に今の大問+次の設問だけを見る」スタイルです。
音声が流れる直前の無音時間で、その設問の日本語の場面設定と選択肢にざっと目を通します。
「時間・場所・人数・数字」など、違いになりそうな部分に意識を向けておきましょう。
2つ目は、「空き時間で第3問・第5問の先読みを進める」スタイルです。
第1・2問の2回目読みで余裕があるところや、第4問Bの簡単な部分などを「先読みタイム」として使い、難しい大問の選択肢を軽く読んでおきます。
どちらのスタイルが合うかは人によって違うので、過去問演習で自分に合うリズムを見つけてください。
メモについては、むやみに取ると、書くのに集中してしまい、肝心の音声を聞き逃すことがあります。
原則は「メモなし」または「単語1〜2語だけ」の最小限がおすすめです。
ただし、第4問A後半のように条件が何個も出てくる問題や、第5問の数値計算がからむ問題では、メモを前提にした方が安全です。
メモを取るときは、
といった、自分だけの省略ルールを決めておくと、本番でも素早く書けます。
時間配分と失点を減らす工夫
リスニングは、自分で時間をコントロールしにくい試験です。
そのぶん、「聞き逃したときどうするか」「マークミスをどう防ぐか」といったリスク管理がとても重要になります。
まず意識したいのが、「1問にこだわりすぎない」ことです。
特に第3問では、1問で悩み続けると、その後の音声まで聞き逃し、連鎖的に崩れてしまうことがあります。
迷ったら、消去法でそれらしい選択肢にマークして、すぐ次に意識を切り替えましょう。
また、マークミス・マークずれを防ぐ工夫も大切です。
たとえば、
といった小さな習慣を、本番前から演習の中で徹底しておくと安心です。
集中力を保つためには、前日はしっかり睡眠を取り、試験中は「今の1問」に意識を集中させることが一番です。
聞き逃したとしても、「1問くらいは想定内」と割り切り、残りを取りにいった方が、トータルの点数は確実に高くなります。

教材選び学習計画とQ&A
最後に、「どの教材をどう組み合わせるか」と「いつからどれくらい続ければいいか」を整理します。
あわせて、よくある疑問にも簡単に答えておきます。
ここまでの内容をもとに、自分専用の学習プランをイメージしてみてください。
過去問と教材の使い分け
共テリスニングで9割を狙うなら、教材は大きく3種類を組み合わせるとバランスが良くなります。
①は、「共テの型」を身につけるための教材です。
大問ごとのパターン・注意点・時間感覚をここでつかみます。
1冊を2〜3周やり込み、「第1・2問は自動で解ける」レベルまで持っていくのが理想です。
②のセンター過去問は、共テと形式・レベルが近く、特に第2〜6問の練習材料として優秀です。
音声が2回読みの部分も多いので、耳慣らし用としても使えます。
③は、リスニングの基礎力アップが目的です。
たとえば「速読英単語」シリーズの音源や、単語帳アプリの音声、ニュース音源などを使い、毎日30分程度のシャドーイングと精読を続けます。
使い方の流れとしては、
・普段:③の基礎音源で耳と口を鍛える
・週に数回:①や②で共テ形式の演習+復習
というイメージが分かりやすいと思います。
開始時期と期間の目安
リスニングは、「今日やったから明日伸びる」というタイプの勉強ではありません。
耳と脳が英語の音に慣れるまで、少なくとも2〜3か月、できれば半年くらいのスパンで考える必要があります。
おすすめの開始時期と流れは、次のようなイメージです。
もちろん、今すでに高3の秋であっても、遅すぎるわけではありません。
その場合は、
・語彙・文法がまだ不安なら、まずはそこに2〜3週間集中
・同時進行で「毎日15分だけシャドーイング」を今日から始める
・1〜2か月で共テ対策本1冊をやり切る
という形で、できる範囲から組み立てていきましょう。
9割を狙う人は、少なくとも「3か月以上、ほぼ毎日英語を聞き続けた経験」があると心強いです。
よくある疑問と注意点整理
最後に、共テリスニング対策でよく聞かれる質問を、いくつか簡単にまとめます。
注意点としては、
・「やったつもり」で終わらせない(必ずスクリプトで確認)
・問題集を1周だけで満足しない(少なくとも2〜3周)
・リーディングの勉強とリスニングを切り離さない(同じ素材を読む・聞くのも有効)
といった点を意識しておくと、学習全体がうまく回りやすくなります。

まとめ
共テ英語リスニングで9割を狙うためのポイントを、最後にもう一度整理します。

