この記事では、英検用単語帳「でる順パス単(パス単)」を、最短で合格点につなげるための具体的な使い方をまとめます。
どの級から始めるか迷っている人、買ったのにうまく使い切れていない人、紙とアプリのどちらにするか悩んでいる人を想定して、今日からマネできるレベルまで細かく手順を書いていきます。
最後には「明日から何をどれだけやればいいか」まで落とし込むので、自分の級・残り日数をイメージしながら読み進めてください。
- パス単の特徴と、他の単語帳との違いがわかる
- 紙パス単を使った1日の具体的な回し方がわかる
- 音声・アプリを使って暗記を定着させる方法がわかる
- 自分のレベル・残り日数に合った学習計画が立てられる
パス単の特徴と選び方
最初の章では、「そもそもパス単とは何か」「どの級のどのレベルから始めればよいか」を整理します。
どの単語帳を使うかで、その後の勉強の効率が大きく変わるので、ここで一度しっかりイメージをそろえておきましょう。
パス単とは何か概要
「でる順パス単」は、旺文社が出している英検専用の単語帳シリーズです。
過去10年分以上の英検過去問を分析し、出題頻度が高い単語から並べてあることが最大の特徴です。
対応している級は、1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級の7冊で、英検を受ける人ならどのレベルでも対応する1冊が見つかります。
1つの見出し語について、「英単語 → 日本語の意味 → 例文(英語) → 例文の日本語訳」というセットで載っているので、意味だけでなく使い方まで一緒に覚えられるつくりです。
また、書籍にCDは付いていませんが、旺文社公式の音声アプリ「英語の友」と連携して、スマホで簡単に音声を聴くことができます。
英検協会や旺文社の公式ページでも、語彙の重要性がくり返し説明されています。たとえば、日本英語検定協会の対策情報を見ると、2級レベルでもかなりの語彙力が求められていることがわかります。
級別の収録語数と構成
正確な数は版によって少し変わりますが、パス単はおおよそ次のような語数が入っています。
| 級 | おおよその語数(単語+熟語) | 難易度の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 約1900語 | 大学上級〜社会人上級 |
| 準1級 | 約1850語 | 大学中級レベル |
| 2級 | 約1700語 | 高校卒業レベル |
| 準2級 | 約1500語 | 高校中級レベル |
| 3級 | 約1200語 | 中学卒業レベル |
| 4級・5級 | 各約800〜1000語 | 中学初級〜中級レベル |
どの級の本も、おおまかに次の3つに分かれています。
ページのレイアウトはほぼ同じなので、級が変わっても「使い方の型」は共通で使えます。
どのくらいの語数があるかを知っておくと、後で学習計画を立てるときに「1日何語ペースなら終わるか」が逆算しやすくなります。
他単語帳との違いと強み
パス単の強みは、次の3点に集約できます。
たとえばTOEIC用の単語帳はビジネス寄り、TOEFL用は学術寄りの語彙が多く、英検とは少し色が違います。
そのため、英検合格を第一目標にするなら、TOEIC用の単語帳を流用するよりも、最初からパス単のような英検専用の本を使った方が、合格に必要な単語を取りこぼしにくくなります。
また、パス単は「見出し語+意味」だけではなく、必ず例文がついています。これは、英検の長文やリスニングが「文の中」で単語を理解しているかを見る試験だからです。
語彙学習の重要性や、単語帳選びの考え方については、英語教育関連の情報サイトでも詳しく説明されています。興味があれば、たとえばベネッセの英検対策特集なども参考になります。

パス単の基本的な使い方
ここでは、「パス単をどう回すか」の基本パターンを説明します。
目的をはっきりさせたうえで、1日のモデルスケジュールと、出る順をどう周回するかを具体的に見ていきます。
学習の目的と到達イメージ
パス単を使う目的は、とてもシンプルです。
「試験本番で、英検レベルの単語を見て(聞いて)、一瞬で意味がわかる状態にする」ことです。
そのために、次の3つの力を同時に伸ばします。
到達イメージとしては、でる度A〜Bの単語は「考えなくても口から意味が出る」レベル、でる度Cは「少し考えれば思い出せる」レベルを目標にします。
「1周した=覚えた」ではなく、「何周もしてやっとスタートライン」と考えておくと、ペース配分を間違えにくくなります。
紙パス単の1日モデル
紙のパス単を使うときの、1日のモデルスケジュール例です。
ここでは「2級パス単」「1日100語ペース」を例にしますが、級や語数は自分に合わせて調整してください。
①朝:インプット(20〜30分)
・その日の新しい範囲(例:でる度Aの100語)を、「英単語 → 日本語 → 例文 → 日本語訳」の順に読みます。
・1語ずつ、意味を確認しながら、例文もしっかり目を通します。
・時間が許せば、小声で構わないので例文を音読します。
②夕方〜夜:アウトプット(20〜30分)
・同じ範囲で、今度は赤シートを使ってテストします。
・英単語だけ見て、日本語の意味を口で言えるかをチェックします。
・スラスラ出てこない単語には印を付けておきます。
③3日おきの復習(10〜20分)
・3日前・4日前にやった範囲を、同じようにテストします。
・忘れていた単語は、その場で意味を確認し、再度チェックを入れます。
この流れを守ると、「新しい単語を覚える日」と「少し前の単語を復習する日」を自然に組み合わせることができます。
ある英検2級の合格者は、「1日10ページずつ、朝にインプット・夜に赤シートでテスト・3日おきに復習」というスタイルで、ほぼ満点に近いスコアを取っています。
出る度順と周回の考え方
パス単は出る順で並んでいるので、基本的には「最初のページから順に」やっていけば大丈夫です。
ただし、時間が限られている場合は、でる度AとBを優先し、でる度Cは後回し、もしくは試験後に回すという戦略も必要です。
周回についての考え方は次の通りです。
目安として、「本当に覚えた」と言えるところまで仕上げるには、1冊を10〜20周ほど回すイメージを持つとよいです。
もちろん、人によって必要な周回数は違いますが、「回数が足りなくて覚えられない」ケースが圧倒的に多いので、少なめに見積もらないようにしてください。

暗記を定着させる勉強法
ここからは、「ただ読むだけで終わらせない」ためのテクニックを紹介します。
赤シート、例文、音声を組み合わせることで、短い時間でも記憶に残りやすくなります。
赤シートとテスト反復
単語を覚えるうえで一番大事なのは、「思い出す練習」をくり返すことです。
赤シートを使った基本のテスト方法は次の通りです。
1ページ分を覚えたと思ったら、この3ステップを使って確認します。
もし1つでも詰まる単語が出てきたら、そのページの最初に戻ってやり直します。
この「全部正解するまでページを抜けない」というルールを決めておくと、自然に反復回数が増え、記憶が定着しやすくなります。
※書く練習は時間がかかるので、まずは口でスラスラ言えることを優先し、英作文対策が必要な級なら、後半でスペルも確認する形がおすすめです。
例文活用と文型理解
パス単の例文は、「その単語が実際にどう使われるか」を知るための大事なヒントです。
使い方のポイントは次の3つです。
たとえば、「rely」という動詞なら、「rely on ~」という形で使われることが多いです。
例文を通じて「on とセットで使うんだな」と覚えておけば、長文やリスニングでも意味をとりやすくなります。
また、例文の日本語訳だけ見て、英語の文をできるだけ再現してみる練習も効果的です。
これは単語力だけでなく、英作文や二次面接で「自然な表現」を使える力にもつながります。
音声と発音トレーニング
英検にはどの級にもリスニングがあり、上の級では二次面接もあります。
単語の意味だけ覚えても、音で聞いてわからなければ得点につながりません。
「英語の友」アプリや、mikan・abceedなどでパス単の音声を使うときは、次のようなトレーニングがおすすめです。
①聞き流しではなく、「意味を思い出しながら」聞く
・見出し語の音声が流れたら、すぐに頭の中で日本語を思い浮かべます。
・意味があいまいな単語は、あとで本を開いてチェックします。
②例文シャドーイング
・例文音声を流し、それを少し遅れてマネして発音します。
・最初はゆっくりのスピードにして、慣れてきたら速さを上げていきます。
③就寝前の10分は音声タイムにする
・寝る前にパス単の音声を聞いておくと、睡眠中の記憶定着も期待できます。
・画面を見続ける必要がないので、目も疲れません。
「意味もスペルも知っているのに、リスニングで聞いたらわからなかった」という失点パターンは、暗記の段階から音声を使うことでかなり減らせます。

レベル別と期間別の使い方
同じパス単でも、受ける級や試験までの残り日数によって、やるべき範囲とペースは変わります。
ここでは、「残り日数から逆算する方法」「級ごとの優先範囲」「覚えられないときの立て直し方」を整理します。
残り日数からの学習計画
まず、「受験日まで何日あるか」「その間、1日何分なら単語に使えるか」をはっきりさせます。
たとえば、2級パス単(約1700語)を、1日100語ペースで回す場合を考えてみます。
・1周に必要な日数:1700語 ÷ 100語 ≒ 17日
・1ヶ月(30日)あれば、1周+復習(もう1周の半分〜1周)
・2ヶ月あれば、2〜3周+弱点補強まで可能
このように、まず「1周に何日かかるか」を出してから、「本番までに何周できるか」を逆算します。
残り日数が短い場合は、1日の語数を増やすか、でる度Aだけに絞るかのどちらか、または両方の調整が必要になります。
級別の優先範囲と配分
級ごとに、次のような優先度で考えると効率的です。
もちろん、これはあくまで目安です。
すでに学校や他の教材で語彙力がある人は、でる度Aは確認程度にして、B・Cに時間を多く割いてもかまいません。
覚えられない時の改善法
「1周したのに全然覚えられていない」「ページ数のわりに定着していない」と感じたときは、次の3つを見直してみてください。
単語暗記は、「少ない範囲を何度も」「短時間×高集中」で回した方が身につきます。
もし100語がきついなら、1日50語に減らして、その代わりテスト回数を増やします。
また、例文をまったく読まずに「単語と意味」だけ追いかけていると、どうしても記憶が弱くなります。
覚えにくい単語ほど、例文の中でイメージをつかむようにすると、定着しやすくなります。

紙とアプリの比較と併用法
最近は、パス単も紙だけでなく、mikan や abceed などのアプリで学ぶ人が増えています。
ここでは、紙とアプリのメリット・デメリットを整理し、どう組み合わせると効果的かを説明します。
紙版のメリットデメリット
紙のパス単の主なメリットは次の通りです。
一方で、デメリットは次のような点です。
・持ち運びに少し重い
・音声を使うには、別途アプリやダウンロードが必要
・「分かる/分からない」の仕分けを自分で管理しないといけない
集中して机に向かえる時間がある人や、書き込みながら覚えるのが好きな人には、紙版が向いています。
mikan等アプリの特長
mikan や abceed などのアプリでパス単を使う場合、次のような特長があります。
ある学習者は、「アプリなら100問を5分くらいで1周できる」と話しています。
「わかる/わからない」の仕分けも自動なので、紙でやるときより短時間で多くの単語に触れることができます。
短期決戦で一気に語彙を増やしたい人や、通学・通勤のスキマ時間をフル活用したい人には、アプリ学習が相性が良いです。
併用パターンと向く人
紙とアプリを組み合わせると、お互いの弱点をうまく補えます。
代表的な併用パターンは次の3つです。
たとえば、「朝・夜の机の時間は紙で例文音読+赤シート、通学中はmikanで高速テスト」という組み合わせにすると、1日で触れられる回数が一気に増えます。
紙向きの人:手を動かして書いたりマークしたりするのが好き、スマホだと他のアプリを開いてしまう人。
アプリ向きの人:ゲーム感覚でテンポよく進めたい人、机に向かう時間が限られている社会人・部活生など。

よくある失敗とQ&A
ここでは、パス単でありがちな失敗パターンと、それを防ぐための考え方をQ&A形式でまとめます。
どれも多くの受験生が一度はハマる落とし穴なので、自分に当てはまりそうなものがないかチェックしてみてください。
完璧主義と挫折対策
Q:1周目から全部完璧に覚えないと不安で、なかなか先に進めません。
A:1周目は「わかる単語・知らない単語を仕分ける」ことが目的です。完璧は目指さなくて大丈夫です。
完璧主義になりすぎると、次のような悪循環に入りがちです。
この状態になると、途中で嫌になって本を開かなくなってしまいます。
対策として、「1周目は60〜70%わかれば合格」「忘れてもいいからどんどん前に進む」とルールを決めてしまいましょう。
2周目以降で、マーカーやチェックを付けた「分からなかった単語」を中心に、テストと復習を重ねていけば十分間に合います。
試験で出てこない原因
Q:パス単は覚えたはずなのに、試験本番で単語が出てきません。
A:原因は大きく3つあります。「反復不足」「アウトプット不足」「文脈での練習不足」です。
・反復不足:1〜2周では、ほとんどの人は本当に覚えきれません。
・アウトプット不足:読むだけで、テスト形式で「思い出す」練習が少ないと、本番で出てこなくなります。
・文脈不足:単語だけで覚えていると、長文の中で意味を取りにくくなります。
対策として、次の3点を意識してみてください。
さらに、過去問や問題集を解くときにも、「知らない単語が出たら必ずパス単に書き込み、同じ単語は二度と見落とさない」という姿勢で取り組むと、実戦とのつながりが強くなります。
リスニング二次対策活用
Q:リスニングや二次面接にも、パス単は役立ちますか?
A:むしろ、語彙力はリスニングと二次面接の土台になります。使い方次第で大きな武器になります。
リスニング用の活用法:
・「英語の友」やアプリの音声で、見出し語+例文をくり返し聞く
・通学中などに「意味を頭の中で答えながら」音声を聞く
・聞き取れなかった単語は、必ずテキストでスペルと意味を確認する
二次面接用の活用法:
・例文の中で、自分でも使えそうなフレーズにマーカーを引く
・そのフレーズを、自分の意見を話すときに使えるよう、口ならししておく
・質問に答える練習をするときに、「できるだけパス単の単語を使う」意識で話す
たとえば、「environment」「pollution」「solution」など、準2級・2級でよく出るトピック語は、二次面接でもそのまま使います。
単語帳段階から「話すことを意識して」覚えておくと、二次対策を始めたときにとても楽になります。

まとめと次のアクション
最後に、この記事で押さえたポイントを整理しつつ、「明日からどう動くか」を具体的な行動に落とし込みます。
ここまで読んだあなたなら、あとは実際に1日分を回してみるだけです。
最重要ポイントの整理
パス単を最大限生かすうえで、特に大事なポイントだけをもう一度まとめます。
明日からの具体的行動
最後に、明日から1週間でできる行動を、できるだけ具体的に書き出します。
自分の級と残り日数に合わせて、必要に応じて数字を変えてください。
まずは1週間、「パス単を毎日開く」ことだけを目標にしてもかまいません。
習慣さえできてしまえば、あとは回数を重ねるだけで、合格に必要な語彙力は必ずついてきます。

