「英検1級って、結局どのくらい勉強すれば受かるの?」という疑問に、レベル別・期間別・技能別でできるだけ具体的に答えていきます。
この記事では、実際の合格者のデータや、日本英語検定協会が公表しているレベル情報、国内の教育機関・英語塾のデータを元に、無理のない勉強時間の目安と、最短で合格に近づく時間の使い方を整理します。
単に「○時間必要」と言うだけでなく、「1日あたり何時間を、何に使えばいいか」「忙しい社会人・学生でも続けられる現実的な勉強モデル」まで落とし込みます。
- 現在レベル別に必要な総勉強時間と期間の目安がわかる
- 半年〜2年での合格を狙うときの、1日あたりの学習量がイメージできる
- 一次・二次、4技能ごとの時間配分モデルと具体的な勉強内容がわかる
- 忙しい人向けの時間捻出法と、独学かスクールかの判断基準が整理できる
英検1級の勉強時間の結論
まずは、全体の結論から整理します。
英検1級は、公式にも「大学上級・CEFR C1レベル」とされ、合格率はおよそ1割前後の難関です。
そのため、すでに準1級レベルにある人でも、合格までの目安は450〜600時間ほどと言われています。
一方、2級・準2級・3級レベルからだと、基礎固めから必要になるため、必要時間は1000時間前後まで増えます。
こうした目安は、英検1級の解説をしている英語塾などでも、ほぼ共通した数字が示されています(例:日米英語学院のコラム)。
この章では、スタートレベル別の必要時間と、半年〜2年での学習モデル、「○時間で必ず受かるのか?」という考え方を整理します。
レベル別の必要勉強時間目安
まずは、自分の今のレベルから、だいたいどれくらいの勉強時間が必要かを確認しましょう。
| 現在のレベル | 1級合格までの目安時間 | 毎日2時間勉強した場合の目安期間 |
|---|---|---|
| 準1級レベル | 約450〜600時間 | 約7〜10か月 |
| 2級レベル | 約780時間 | 約13か月 |
| 準2級レベル | 約970時間 | 約16か月 |
| 3級レベル | 約1100〜1200時間 | 約18〜20か月 |
これらは、日本国内の英語塾が、受講生アンケートや指導経験からまとめた数字です。
もちろん、留学経験がある人や、仕事で英語を毎日使っている人などは、必要時間が短くなることもあります。
逆に、学生時代からブランクが長い人、文法を忘れている人は、同じ準1級でも600時間以上かかる場合もあります。
目安時間は「合計でこのくらいを見ておけば、大きく外さない」くらいに考えておくのが現実的です。
半年〜2年の期間別モデル
次に、「いつまでに受かりたいか」から逆算して、1日あたりの勉強量を考えてみます。
ここでは、準1級レベルから1級を目指す人を想定して、450〜600時間を基準にします。
現実には、「毎日まったく同じ時間」は難しいので、
・平日:少なめ(例:1〜1.5時間)
・休日:多め(例:3〜4時間)
のように、週単位で帳尻を合わせる考え方がおすすめです。
4か月という短期間で合格した大学生の例もありますが、そのケースでは、
・単語:1か月でパス単約2400語を一周+毎日復習
・読解:毎日1時間、The Economistなどの難しい英文
・ニュース視聴:BBC・CNNをほぼ毎日
・ライティング:3か月目から毎日250語程度の英文作成
といった「1日数時間レベルの高密度学習」を続けています。
半年〜1年での合格を目指す場合は、「平日1.5〜2時間+休日3〜5時間くらい」をひとつの目安にすると、大きくはずれにくいです。
「何時間で受かる」の考え方
ネット上には、「○時間で受かった」「300時間で合格」など、さまざまな体験談があります。
たとえば、ある合格者は、
・留学経験なし・準1級取得からブランクあり
・半年で座学300時間+映画やニュースなどで英語に触れる時間を大幅に増やす
・結果として1級合格
というケースを紹介しています。
これだけを見ると、「300時間で受かる」と思ってしまいがちですが、実際には、
・座学以外の「英語に触れた時間」がかなり長い
・もともと読書が好きで、洋書もよく読んでいた
・CNNなどのニュース教材をやり込んでいた
といった前提条件があります。
つまり、「○時間で必ず合格」「○時間あれば誰でも」という話は存在しないということです。
現実的には、
・目安時間は「計画を立てるためのガイド」
・短期合格例は「かなり高密度+それ以前の蓄積あり」のことが多い
・自分の生活・英語経験に合わせて、1〜2年スパンで見ておく
と考えた方が、途中で消耗せずに続けやすくなります。

多くの時間が必要な理由
なぜ、ここまで多くの勉強時間が必要になるのでしょうか。
ここでは、「試験のレベル」「求められる語彙量」「一次+二次の負荷」「日常英語とのギャップ」という4つの視点から整理します。
英検1級の公式なレベル情報や、大学・英語塾の解説なども参考にしながら、時間がかかる理由をはっきりさせておきましょう(参考:南山大学の英検1級合格体験談 学部サイト)。
英検1級の難易度と語彙量
英検1級は、協会の公式説明でも「大学上級レベル」「社会生活で必要な英語を十分に理解し、使用できるレベル」とされています。
CEFRで言うとC1レベルにあたり、
・高度で長い文章を理解し、含まれた意味もつかめる
・流ちょうで自然な英語で、自分の考えを表現できる
・仕事や学問の場でも柔軟に英語を使える
といった力が求められます。
語彙だけ見ても、必要な単語数は1万〜1万5000語程度と言われます。
単語問題だけでも22問あり、長文でも専門的・抽象的な単語が大量に出てきます。
そのため、
・単語が足りないと、読む・聞く・書く・話すすべてで苦労する
・語彙力が合否を大きく左右する
という特徴があります。
結果として、「語彙を増やすための時間」「その語彙を使いこなすための読み書き・リスニングの時間」がどうしても必要になります。
一次試験と二次試験の負荷
英検1級は、一次と二次の両方で高いレベルが求められます。
一次試験は、
・リーディング:語彙+1300語程度の長文読解
・ライティング:要約+200〜240語の意見エッセイ
・リスニング:長めの会話・講義・インタビューを一度聞きで理解
という構成です。
ライティングでは、時事問題や社会問題について、論理的なエッセイを書く必要があります。
二次試験では、
・時事・社会問題のトピックから1つを選び、2分スピーチ
・その内容に関する質疑応答
が行われます。
ここで問われるのは、
・英語力そのもの
・政治・経済・環境・教育などの背景知識
・自分の意見を組み立てる力
です。
つまり、一次・二次ともに、「英語+教養+論理力」の3つを同時に鍛える必要があります。
この3つをバランスよく伸ばすには、やはりそれなりの時間がかかります。
日常英語との差と学習量
英検1級レベルの英語は、いわゆる「日常英会話」とはかなり性質が違います。
たとえば、
・ニュースで扱われる環境問題・経済政策・ジェンダー問題
・科学技術・教育制度・医療制度の課題
・民主主義の長所と短所、グローバル化の影響
といったテーマについて、
・英文記事を読み
・要点を要約し
・メリット・デメリットを整理し
・自分の意見を英語で述べる
ところまで求められます。
このレベルになると、
・英検用の教材だけでは足りない
・英字新聞・ニュースサイト・論説記事などを日常的に読む必要がある
という状態になります。
つまり、「英検の勉強時間」+「英語のニュースや本に触れる時間」の両方が必要ということです。
その結果として、合計の「英語に触れている時間」は、どうしても長くなります。

技能別・試験別の時間配分
必要な総時間のイメージがついたところで、「その時間をどう配分するか」を決めていきます。
同じ300時間でも、
・単語とリーディングにしっかり投資した人
・何となく全部を薄くやってしまった人
では、結果が大きく変わります。
この章では、最短合格を目指すうえでの「技能別・試験別の時間配分モデル」と、具体的な優先順位を整理します。
語彙とリーディングの比重
英検1級で最も時間をかけるべきは、語彙とリーディングです。
目安としては、
・準1級レベルから600時間勉強するなら、語彙+リーディングに全体の50〜60%
・残りをリスニング・ライティング・スピーキングに分配
というイメージです。
たとえば600時間を想定すると、
・語彙:200〜250時間(パス単・単語帳+読解中の新出語)
・リーディング:120〜150時間(過去問+英字新聞・ニュース記事)
くらいがひとつの目安になります。
具体的な進め方としては、
1. 単語帳(パス単1級など)の「出る度A」をまず完璧にする
2. 出る度Bを8割以上わかるレベルに上げる
3. 出る度Cは、意味をざっくりわかるレベルを目標にする
という3段階がおすすめです。
同時に、英字新聞やニュース教材(BBC・CNN・The Japan Timesなど)を毎日少しずつ読み、
・出てきた新出語をノートやアプリにメモ
・例文ごと覚える
ことで、「使える語彙」として定着させていきます。
リスニングとライティング
次に、リスニングとライティングの時間配分です。
600時間を例にすると、
・リスニング:100〜150時間
・ライティング:80〜100時間
くらいを目安にすると、バランスが取りやすくなります。
ただし、リスニングは「ながら学習」も使えるため、机に向かう時間としては、もう少し少なくても構いません。
勉強の組み合わせ方としては、
という分け方が効率的です。
ライティングについては、
・最初の1〜2か月:
エッセイの型(序論→理由3つ→結論)を覚える+過去問を週1〜2本
・残りの期間:
週3〜5本ペースで、時事テーマのエッセイを書く
くらいを目指すと、一次試験本番で200〜240語のエッセイを書く体力がつきます。
書いた英文は、
・文法書で自分でチェック
・英語に詳しい知人や先生に見てもらう
・オンライン英会話や添削サービスにたまに出す
といった方法で、フィードバックをもらうと伸びが早くなります。
スピーキングと二次対策
最後に、スピーキングと二次試験対策です。
多くの人が悩むのが、「二次対策はいつから始めるべきか」という点です。
おすすめは、
・本格的な面接対策:一次の1〜2回分の過去問が解けるレベルになってから
・それまでは、「音読・シャドーイング・簡単な英会話」で口慣らし
という二段階に分ける方法です。
時間配分のイメージとしては、
・全体600時間のうち、スピーキング・二次対策に80〜100時間
・一次試験の1〜2か月前までは、1日10〜15分の音読・シャドーイング程度
・一次試験の1か月前〜二次試験までは、1日30〜60分を面接練習に集中
と考えると、現実的です。
具体的な練習としては、
・1級の面接過去問を使い、カードの5トピックすべてについて2分スピーチを作る
・ニュース教材や英字記事を読んだら、「賛成か反対か」「その理由3つ」を英語で言ってみる
・オンライン英会話や英会話スクールで、模擬面接をしてもらう
などが挙げられます。
スピーキングは一人では限界があるので、可能なら少しお金をかけて、ネイティブ講師や1級合格者に見てもらう方が、時間的にはむしろ得です。

勉強時間の作り方と学習法
どれだけ良い計画を立てても、「勉強時間そのもの」が確保できなければ意味がありません。
この章では、忙しい社会人・学生でも実践しやすい「時間の捻出術」と、「習慣化のコツ」「独学とスクールの時間効率の違い」を整理します。
特に、通勤・通学や家事の時間をどう英語学習に変えていくかがポイントです。
忙しい人の時間捻出術
まずは、「どこに勉強時間を差し込むか」をはっきりさせます。
よくあるパターンとしては、
・朝:起きてから家を出るまでの30〜60分
・移動中:電車・バスの中、歩いている時間
・昼休み:職場や学校での休憩時間
・夜:帰宅後〜寝るまでの1〜2時間
があります。
ここに、次のように学習を割り振ると、無理なく総時間を増やせます。
ポイントは、「時間を空けてから何をするか」をあらかじめ決めておくことです。
たとえば、
・朝は必ずパス単を30個やる
・電車に乗ったら自動的にニュースアプリを開く
・夜はその日触れたニュースの中から1つを選んで、要点を日本語→英語でまとめてみる
のように、「時間」と「タスク」をセットにしておくと、迷う時間が減り、勉強が習慣化しやすくなります。
スキマ時間と習慣化のコツ
勉強時間を増やすためには、「大きな時間」だけでなく、「5〜10分のスキマ」も積み上げていくことが大切です。
スキマ時間に向いているのは、
・単語アプリでの復習
・ニュースの見出しだけざっと読む
・リスニングの聞き流し(英語ニュース・Podcast)
など、「始めるのに準備がいらないもの」です。
習慣化のためのコツとしては、
といった工夫が効果的です。
また、「毎日2時間」と決めてしまうと、できなかった日がストレスになりがちです。
そのため、
・1日ではなく「1週間で合計○時間」
・最低ラインと理想ラインを決める(最低1時間・理想2時間など)
といった形で、少し「ゆとりのあるノルマ」にしておくと、長く続けやすくなります。
独学とスクールの時間効率
最後に、「独学だけで行くか」「スクール・オンライン英会話も使うか」という問題です。
時間効率の面だけを見ると、
・独学:お金はかからないが、「回り道」の時間が増えやすい
・スクール・オンライン英会話:お金はかかるが、「最短ルート」を教えてもらえる
という違いがあります。
特に、
・ライティングの添削
・二次試験(面接)のフィードバック
は、自分一人では限界があります。
英検1級に対応したスクールや、オンライン英会話をうまく使うと、
・自分の弱点がすぐわかる
・必要な勉強に集中できる
・無駄な試行錯誤の時間を減らせる
という意味で、総学習時間を短くできる可能性があります。
一方で、
・すでに準1級に余裕で受かる実力がある
・自分で計画を立てて動くのが得意
・英語で話す機会が日常的にある
という人は、独学中心でも十分に合格を狙えます。
自分の性格や生活、予算を考えたうえで、
・「語彙+リーディング+過去問」は独学中心
・「ライティング添削と二次面接」はプロの力も借りる
という「ハイブリッド型」にするのが、コストと時間のバランスが良いケースが多いです。

まとめ
最後に、本記事の要点を整理します。


