英検5級を受けるときに一番気になるのが、「何点取れば合格なのか」「何問くらい正解していれば安心なのか」という点です。ところが、今の英検はCSEスコアという方式になっていて、公式には「何問で合格」とは発表されていません。
この記事では、公式データと塾などの実例から、英検5級の合格点(CSE419点)と、実際にどのくらい正解していれば合格ラインに届くのかを、できるだけ具体的に解説します。リーディングとリスニングのバランス、合格率や必要な勉強量、効率のよい勉強手順までまとめているので、「今の自分でも合格できるのか」を判断する材料にしてください。
- 英検5級の正式な合格基準(CSE419点と850点満点の内訳)が分かる
- 「何問正解すれば合格か」の現実的な目安と安全ラインが分かる
- CSEスコアと素点(正解数)の関係や、自己採点からの合否予測のしかたが分かる
- 419点を超えるための具体的な勉強手順と、合格後の4級・3級へのつなげ方が分かる
英検5級の合格点と合格ライン
ここでは、まず「英検5級の合格点」がどう決まっているのかを整理します。公式な基準と、そこから見える素点(正解数)の目安、安全に合格するために狙いたいラインまでをまとめます。
5級の公式な合格基準
英検5級の一次試験は、リーディング25問・リスニング25問の合計50問です。合否は「何問正解したか」ではなく、「CSEスコア」という共通のスコアで判定されます。
公式な合格基準は次のとおりです。
| 技能 | CSE満点 |
|---|---|
| リーディング | 425点 |
| リスニング | 425点 |
| 一次試験合計 | 850点 |
| 一次試験 合格基準 | 419点 |
つまり、リーディング425点+リスニング425点=850点満点のうち、合計CSE419点以上取れば合格です。これは公式サイト(英検CSEスコア | 日本英語検定協会)で公開されている固定の基準で、年度や試験回によって変わりません。
※4級・5級のスピーキングテストのスコア(266点)は、級の合否には関係ありません。5級合格はあくまでリーディング+リスニングだけで決まります。
CSE419点と素点の目安
合格基準はCSE419点ですが、「実際は何問くらい正解すればこの点数になるのか」が気になります。ところが、英検協会は「何問正解=何点」という対応表を公開していません。
そのため、塾や予備校では、受験者の成績表と自己採点結果を集めて、経験則として「このくらい取れていれば合格しやすい」という目安を出しています。複数のデータをまとめると、次のようなラインが現実的です。
また、ある塾の詳細な分析では、30問程度正解していれば多くの場合で合格というデータも出ています。公式の「各技能6割程度で多くが合格」という説明とも、だいたい一致します。
ただし、ここでの「30〜31問」はあくまで目安であり、「30問あれば絶対合格」「29問なら必ず不合格」といった線引きではありません。試験回ごとの難しさや、どの問題を落としたかによってもCSEスコアは少し変わるからです。
安全ラインとなる正答数
「目安」だけだと不安なので、できれば「このくらい取れていればかなり安心」というラインも知りたいところです。合格率はおよそ8割と言われており、しっかり対策すれば余裕を持って合格をねらえます。
過去のデータや問題の難易度をふまえると、次のようなターゲットが「安全ライン」としておすすめです。
33問前後正解できる実力があれば、多少のミスや難易度の変化があってもCSE419点を超える可能性が高くなります。逆に、25〜28問あたりだと、運良く受かることもあれば、少し足りずに落ちることもある「ボーダーゾーン」になりやすいです。
合格だけでなく、次の4級・3級にスムーズにつなげることを考えると、「ギリギリ合格」ではなく「6〜7割しっかり取れる実力」を目指す方が、長い目で見ると得になります。

CSEスコアと合否の仕組み
ここからは、「なぜ何問で合格と決められないのか」「CSEスコアとは何か」という仕組みを、できるだけやさしく説明します。これが分かると、自己採点から合否を予測するときの考え方も整理できます。
CSEスコア方式の概要
CSEスコアは、「Common Scale for English」の略で、英検が1級〜5級すべてに使っている共通のスコアです。どの級でも同じモノサシで測れるようにすることで、自分の英語力の伸びを追いやすくしています。
英検5級の場合の流れは次のようになります。
この素点をもとに、試験の難易度や問題の重さを考えながら、リーディング425点満点・リスニング425点満点のCSEスコアに変換します。その2つを足したもの(850点満点)が、合否判定に使われます。
CSEスコアのポイントは、「級が違っても比較できる」「技能ごとの得意・苦手が数字で分かる」ことです。5級・4級ではCEFRレベルは表示されませんが、上の級に進んだときにも同じスケールで自分の成長を見られます。
素点と点数が非公開の理由
以前の英検は、「何問中○問正解で合格」という基準でした。しかし、CSEスコア方式では、問題ごとにスコアへの影響が少しずつ違ったり、試験回ごとの難易度を調整したりします。そのため、単純な「何問=何点」という表を作ることができません。
また、公式サイトでも説明されているように、CSEでは次のような考え方を大切にしています。
例えば、ある回の問題が少し難しければ、同じ正解数でもCSEスコアは高めに出ることがあります。逆に、簡単な回なら、同じ正解数でもスコアは少し低めになることがあります。こうした「難易度調整」を行うことで、「たまたま難しい回に当たって不利」ということを減らしています。
この仕組みがあるため、素点とCSEスコアの対応表を公開してしまうと、かえって誤解を生みやすくなります。そこで英検協会は、「合格基準スコア」と「各技能の満点」だけを公表し、「何問で何点」という細かい部分は非公開にしているのです。
自己採点での合否予測
とはいえ、受験後に自己採点をして、「これで受かっているのかどうか」を知りたい人は多いと思います。完璧には分からなくても、「合格圏かどうか」をざっくり判断することはできます。
英検5級の全50問について、次のように考えるとよいでしょう。
30〜32問あたりは「ボーダーライン」です。スコアの付き方や試験の難易度によって、合格になる人もいれば、わずかに届かない人もいるイメージです。29問以下だと、CSE419点に届かない可能性が高くなります。
よりくわしい目安は、後半の「自己採点別の合否目安」で表にまとめますが、ここではまず、「30問を一つの目標、33問以上ならかなり安全」というイメージを持っておくと良いでしょう。

リーディングとリスニング戦略
次に、「リーディングとリスニングをそれぞれどのくらい取れば合格しやすいのか」「得意な方でどこまでカバーできるのか」を具体的に整理します。どちらかが苦手な人ほど、この章の内容が戦略を考えるヒントになります。
各技能6割目安の根拠
英検協会は、「2級以下の級では、各技能で正答率6割程度の受験者の多くが合格している」と公表しています。5級もこのグループに含まれます。
これを5級に当てはめると、次のようなイメージになります。
この数字を両方満たせる人は、合計のCSEスコアでも419点をかなり超えているはずです。つまり、「各技能6割」は合格をねらう上でのわかりやすい目標ラインと言えます。
ただし、英検協会が言っているのは「6割程度の多くが合格している」のであって、「6割に届かなければ不合格」という意味ではありません。この点を誤解して、「どちらかが6割に届かないからもうムリだ」とあきらめるのは、かなりもったいないです。
得意で苦手をカバーする範囲
実際には、リーディングとリスニングのバランスが悪くても、合計CSEスコアが419点を超えていれば合格になります。たとえば、ある小学生の実例では次のような結果で合格しています。
・2018年度第3回 受験例(小学生)
リーディング:10/25 正解(4割) → CSE 217点
リスニング:20/25 正解(8割) → CSE 212点
合計:429点(合格基準419点を+10点でクリア)
このケースでは、リーディングは4割しか取れていませんが、リスニング8割でしっかりカバーしています。英検協会の説明とも合っていて、次のように理解できます。
では、どこまでカバーが可能なのでしょうか。ざっくりした目安としては、「片方が4割台でも、もう片方を8割前後まで上げれば合計スコアで合格ラインに届きやすい」と考えられます。ただし、両方とも5割を切ってしまうと、カバーしきれない可能性が高くなります。
安全に合格する点数配分
現実的な勉強計画を立てるなら、どちらか一方だけに極端に頼るのではなく、「両方5〜6割以上」を基本ラインとして、得意な方で少し上乗せする形がおすすめです。
具体的な目安は次のようになります。
このくらいの配分だと、合計で30〜32問前後になります。さらにどちらかが7割近く取れていれば、全体33問以上も十分ねらえます。
小学生の場合は、リスニングの方が取りやすい人が多いので、「リーディング5割+リスニング7割以上」を一つのモデルにしてよいでしょう。逆に、中学生で学校の英語がある程度できる人は、「リーディング6〜7割+リスニング5〜6割」を狙う方がイメージしやすいかもしれません。
どちらのパターンでも、共通する狙いは「どちらかを捨てない」「苦手も5割ラインまでは引き上げる」ことです。そのうえで、得意な方を伸ばして全体6〜7割に乗せていくと、安全にCSE419点を超えられます。

難易度・勉強量・対策方法
ここでは、「英検5級の難易度は実際どのくらいか」「どのくらい勉強すれば合格レベルに届くか」「どんな順番で勉強すれば419点を超えやすいか」をまとめます。特に小学生や英語が苦手な中学生にとって、「本当に受かるのか」を判断する材料になる部分です。
合格率と難易度の目安
英検5級は、英検の中で一番やさしい級です。過去に公開されていたデータでは、合格率はおよそ80%前後(10人中8人が合格)で推移していました。CSEスコア導入後は合格率を公開していませんが、現在も同じくらいの水準と考えられています。
ただし、「合格率8割=ほとんど落ちない」とは限りません。次のようなケースでは、不合格になる人も少なくありません。
英検5級のレベルは「中学初級程度」です。学校の英語の授業で中1内容を一通り学んでいる中学生なら、少しの対策で合格が十分ねらえますが、小学生が「完全に無勉強」で合格するのはかなり難しいと考えた方がよいです。
つまり、「きちんと準備すれば合格しやすいが、準備なしだと普通に落ちる」というレベル感です。特に初めての英語検定の場合は、試験の形式に慣れるだけでも結果が変わるので、少なくとも過去問を1〜2回分は解いておくのがおすすめです。
必要な語彙数と文法レベル
英検5級で求められる語彙・文法のレベルは、一般に次のように言われています。
単語としては、「school, weekend, letter, cold, cute, easy」など、日常生活でよく使う基礎的なものが中心です。すべて完璧に覚えなくても合格は可能ですが、知らない単語が多すぎると、リーディングもリスニングも一気に難しくなります。
文法レベルは、中学1年生で学ぶ内容が中心です。例えば、次のような項目です。
とくにリーディング大問3(語句整序)は、基本的な語順や文法を理解していないと点が取りにくい部分です。小学生で文法をまだ習っていない場合は、5級用のテキストなどで「中1の基礎文法」だけは一通り押さえておくと安心です。
419点超えの勉強手順
最後に、「できるだけ効率よくCSE419点を超える」ための勉強手順をステップで整理します。ここでは、「中1内容を勉強中〜終えた中学生」と「小学生・英語初心者」の両方を意識しつつ、共通して使える流れにします。
そのうえで、次のように学習を進めていくと効果的です。
ステップ2:単語と基本表現を集中的に覚える
5級レベルの単語帳(例えば旺文社の『英検5級 でる順パス単』など)を1冊決め、少なくとも1周はやり切ります。このとき、意味だけでなく、音声を聞いて発音もまねると、リスニング対策にもなります。
ステップ3:中1の基礎文法を固める
be動詞・一般動詞・疑問文・否定文・代名詞・三人称単数などを、5級テキストか学校の教科書で整理します。特に「語順」を意識して練習すると、大問3の並べ替え問題で得点しやすくなります。
ステップ4:リスニングの「耳作り」をする
過去問や問題集についている音声を、毎日少しずつ聞きます。聞くだけでなく、音声に続けて声に出す「オーバーラッピング」や、音声を止めて自分だけで言う「リピーティング」を取り入れると、理解も発音も一気に伸びます。
ステップ5:過去問・模試で実戦練習をする
本番と同じ45分で通し練習を2〜3回行い、毎回自己採点をして「何問まで伸びたか」「どの大問で落としているか」をチェックします。全体30問を超えたら合格圏、33問を超えたら安全圏を目標に、弱い大問を重点的に復習します。
学習時間の目安としては、中1内容をだいたい終えている中学生なら、集中して取り組めば15時間程度(毎日30分×1か月)でも合格レベルに届くケースが多いです。小学生や英語初心者の場合は、単語や文法の定着に時間がかかるので、50時間前後(毎日30分×3か月強)を見ておくと余裕を持って準備できます。

よくある疑問と合格後の活用
最後に、「無勉強でも受かる?」「自己採点でどこまで分かる?」「5級合格後はどう動けばいい?」といった、受験前後でよく出てくる疑問にまとめて答えていきます。ここでは、合格点の知識を実際の行動につなげる視点を大事にします。
無勉強合格や誤解への注意
英検5級は合格率が高いことから、「何も勉強しなくても受かる」「小学生ならみんな受かる」といったイメージを持たれがちです。しかし、これにはいくつかの誤解があります。
また、「5級に受かるにはスピーキングテストも受けないといけない」「スピーキングも合格しないと5級合格にならない」と勘違いしている人もいます。実際には、5級・4級のスピーキングテストは任意受験で、受けなくても、あるいは落ちても、一次試験(リーディング+リスニング)に合格していれば5級合格となります。
さらに、「各技能で6割取れていないと必ず落ちる」という思い込みもよくありますが、前に見たように、リーディング4割+リスニング8割で合格した例もあります。大切なのは、各技能ごとの正答率ではなく、最終的な合計CSEスコアが419点を超えるかどうかです。
ただし、「一方が極端に低くても、もう一方だけで何とかなる」は3級以上になるほど通用しにくくなっていきます。5級のうちから、リーディング・リスニングを両方バランスよく伸ばす習慣をつけておくと、後で楽になります。
自己採点別の合否目安
受験後に自己採点をしたあとの「だいたいの合否目安」を、全50問の正解数ベースでまとめます。あくまで目安ですが、気持ちの整理には役立ちます。
・全体の正解数ベースの目安
45〜50問:ほぼ確実に合格圏。CSEスコアも合格基準を大きく超えるレベル。
38〜44問:合格の可能性が非常に高いゾーン。
33〜37問:合格の可能性が高い。「安全圏寄りの合格圏」。
30〜32問:ボーダーライン。合格・不合格が分かれるあたり。
27〜29問:やや厳しいライン。難易度・配点次第では合格もあるが、再挑戦を意識。
〜26問:CSE419点に届かない可能性が高い。次回に向けて基礎固めが必要。
さらに、リーディング・リスニングのバランスも少し意識してみましょう。例えば、
このようにリスニングが高めで全体30問あれば、実例から見ても合格の可能性は十分あります。逆に、どちらも12〜13問程度(合計25〜26問)でバランスは悪くなくても、合計が足りないことが多くなります。
※CSEスコアは素点と1対1で対応しないため、「30問なら絶対合格」「29問なら絶対不合格」と決めつけることはできません。ここでの数値は、過去データにもとづく「おおまかな目安」として利用してください。
合格後の4級3級への活用
5級に合格したあと、「次は4級かな?それとも3級まで一気に?」と迷う人も多いと思います。このときに役立つのが、成績表に出ているCSEスコアと「英検バンド」です。
英検バンドは、「合格基準スコアからどれくらい上回ったか・下回ったか」を25点ごとに区切った指標です。5級一次試験の合格基準419点を、どのくらい上に超えたかで「+1」「+2」と表示されます。例えば、
このように、合格ラインを大きく超えている場合は、次の級に進んでも対応できる力があると考えやすいです。逆に、「ギリギリ合格(+0〜+1バンド以内)」の場合は、5級レベルの単語や文法にまだ抜けがあることも多いので、4級の勉強に入る前にもう一度5級レベルのテキストで復習しておくと安心です。
4級・3級では、扱う語彙数や文法の量が一気に増えます。日本英語検定協会の情報や、教育系サイト(例えばコエテコ by GMOによる英検5級解説)を参考にしながら、自分のCSEスコアと次の級の合格基準を比べて、どのくらいギャップがあるかを確認しておくと、学習計画を立てやすくなります。
大切なのは、「5級はただの通過点」ではなく、「自分の4技能(読む・聞く・話す・書く)のスタート地点」だと考えることです。5級の成績表で、リーディングとリスニングのCSEスコアを見比べて、「どちらが得意で、どちらを伸ばしたいか」を意識すると、その後の4級・3級の勉強がぐっと効率よくなります。

まとめ
最後に、この記事の要点をコンパクトにまとめます。復習や学習計画の見直しに使ってください。
- 英検5級の公式な合格基準は「CSE419点/850点満点」で、リーディング425点+リスニング425点の合計で判定される。
- 素点(正解数)とCSEスコアの対応表は非公開だが、実データから「50問中30〜31問前後」が合格目安、「33問以上」で安全圏と考えられる。
- 英検協会の「各技能6割で多くが合格」という説明は「目標ライン」であり、「6割に届かないと必ず不合格」という意味ではない。
- 実際にはリーディング4割+リスニング8割でCSE429点・ギリギリ合格した例もあり、得意技能である程度カバーすることが可能。
- 戦略としては、リーディング・リスニングともにまず5割を確保し、どちらかを6〜7割に伸ばして全体6〜7割(30〜35問)を目指すのが現実的。
- 5級のレベルは中学初級程度で、必要語彙は約300〜600語、合格率はおよそ8割とされるが、無対策での合格は難しい。
- 中1内容を終えている中学生なら約15時間、小学生・初心者なら約50時間を目安に、「単語 → 文法 → リスニング → 過去問」の順で対策すると効率がよい。
- 自己採点では「33問以上なら合格可能性大、30〜32問はボーダー、29問以下は再挑戦を意識」という目安を持っておくと、結果を冷静に待ちやすい。
- 5級合格後は、成績表のCSEスコアと英検バンドを見て、4級・3級へのステップアップに向けた自分の強み・弱みを把握すると、次の学習がスムーズに進む。

