英検準1級は、「大学中級レベル」の英語力が求められる、2級と1級の間にある重要な級です。大学入試や就職、教員採用試験でも評価されるため、「取って終わり」ではなく、しっかり活用したい資格でもあります。
一方で、「2級とのギャップが大きい」「CSEスコアがよく分からない」「どれくらい勉強すれば合格できるのか見えない」という悩みもとても多いです。
この記事では、英検準1級のレベル・試験内容・合格基準から、受験方式の違い、4技能別勉強法、合格までのロードマップまでを一つにまとめて解説します。
読み終えるころには、「自分はどれくらいの勉強が必要で、何から始めればいいか」がはっきり分かる状態を目指します。
- 英検準1級のレベル感と、2級・1級や他試験との比較が分かる
- CSEスコアや合格率の目安から、自分に必要な勉強量をイメージできる
- 大学入試・就職・教員採用などでの具体的な活用シーンが分かる
- 4技能別対策と学習ロードマップで、今日からの勉強計画を立てられる
英検準1級のレベルと価値
最初に、英検準1級がどれくらいのレベルなのか、どんな価値があるのかを整理します。ここがあいまいだと、勉強の目標もぼやけてしまいます。
準1級の位置づけと難易度
英検準1級は、日本英語検定協会が「大学中級程度」と位置づけている級です。1級の一つ下で、「1級を目標とする人が、その手前まで力を伸ばしている段階」とされています。
2級と比べると、次のようなギャップがあります。
難易度としては、「学校の授業だけでは届きにくいが、計画的に対策すれば高校生でも十分狙えるレベル」です。実際、高校生の準1級受験者は年々増えており、高3までに合格する人も多くなっています。
社会人や大学生にとっても、英語力を客観的に示せるラインとして、履歴書でのアピールには十分な級だといえます。
必要語彙数と読解レベル
準1級で安定して合格点を取るには、およそ7,000〜7,500語程度の語彙が必要と言われます。これは「難関大学入試」で要求されるレベルとほぼ同じか、やや高いくらいです。
特徴的なのは、次のような語が多いことです。
これらを「単語帳で意味だけ覚える」のでは足りません。準1級では、長文や会話の中で「どんな文脈で、どんなニュアンスで使うか」を理解しているかが問われます。
読解レベルとしては、次のような文章に慣れておく必要があります。
・新聞やニュースサイトの「特集記事」レベルの英文
・大学の一般教養の授業で扱うような、社会問題の解説文
・科学や環境問題を扱った、やや長めの解説記事
これらを「辞書を引きながら何とか読める」ではなく、「制限時間内に内容をつかみ、設問に答えられる」レベルまで持っていくのが目標です。
他試験とのレベル比較
英検準1級のレベルを、よく使われる他の試験・指標と比べると、だいたい次のようなイメージになります(あくまで目安で、完全に一致するわけではありません)。
| 試験・指標 | 準1級のおおよその対応レベル |
|---|---|
| CEFR | B1〜B2の境目あたり(高得点ならB2に近い) |
| TOEIC L&R | およそ 785〜945点 |
| TOEIC S&W | およそ 310〜360点 |
| IELTS | 5.0〜6.0程度 |
| TOEFL iBT | 60〜80点程度 |
このように、準1級は「英語で大学の授業を何とか追える」「海外の大学進学を考えはじめる」くらいのラインと重なります。ただし、試験の性格がかなり違うので、スコア換算はあくまで目安と考えましょう。
たとえば、TOEICはビジネス寄りで、ライティングとスピーキングは別試験です。一方、英検準1級は4技能をバランスよく見ますし、社会問題などのアカデミックな題材も多く出ます。
もし留学や海外大学進学を考えているなら、英検だけでなく、IELTSなどの国際試験の情報も合わせて確認しておくとよいでしょう。

試験構成と合格基準
ここでは、英検準1級の試験形式と合格ラインを整理します。どんな試験かを具体的に知ることで、逆算して勉強計画を立てやすくなります。
一次試験の構成と時間
準1級の一次試験は、リーディング・ライティング・リスニングの3技能を測ります。時間配分は次の通りです。
問題構成は次のようになっています。
【リーディング】
・大問1:短文の語句空所補充(語彙・熟語+文脈理解/18問)
・大問2:長文の語句空所補充(説明文・評論文/6問)
・大問3:長文の内容一致選択(説明文・評論文/7問)
出題される題材は、環境問題、科学技術、医療、教育、文化、ビジネス、政治など、社会性の高い内容が中心です。設問の順番と本文の流れはだいたい対応しており、「段落ごとに要点をつかむ力」が大切です。
【ライティング】
2024年度のリニューアル後、準1級のライティングは主に次の2つに分かれます。
・英文要約:200語前後の英文を、60〜70語で要約
・意見作文:社会的テーマについて、提示された4つのPOINTSのうち2つを使い、120〜150語で自分の意見を書く
どちらも、「情報を整理する力」と「論理的に書く力」が求められます。文法の正確さも大事ですが、まずは「筋の通った内容」を書けることが合否に強くひびきます。
【リスニング】
リスニングは約30分で、3つのパートから構成されます。
・Part1:会話の内容一致選択(男女2人の会話/12問)
・Part2:モノローグ(1人の説明や講義など/12問)
・Part3:Real-Life形式(アナウンスやガイダンスなど実生活寄りの音声/5問)
ビジネスの連絡、留守電、店舗での案内、公共施設のアナウンスなど、実際の社会生活に近い音声が多いのが特徴です。
二次試験スピーキング概要
二次試験は、面接官1人との個人面接で行われるスピーキングテストです。所要時間は入室から退室まで含めて約8〜10分ほどです。
おおまかな流れは次の通りです。
評価されるポイントは、大きく分けて次のようなものです。
・内容の適切さと情報量
・語彙・文法の正確さ
・発音・イントネーション
・積極性やコミュニケーション態度(アティチュード)
難しい表現を使う必要はなく、むしろ「簡単な表現でいいので、はっきり・筋道立てて話す」ことが高評価につながります。
英検協会は、二次試験のサンプル問題や「バーチャル二次試験」(面接の流れを動画で体験できるコンテンツ)を公開しています。面接が不安な人は、必ず一度目を通しておきましょう。公式サイトの準1級ページから確認できます(英検準1級 試験情報(公式))。
CSEスコアと合格ライン
英検は、「CSEスコア」という共通のスコアで合否を判定します。準1級の満点と合格基準は次の通りです。
・各技能(R・L・W・S)の満点:750点
・一次試験(R+L+W)の満点:2250点
・二次試験(S)の満点:750点
・トータル満点:3000点
準1級の合格基準は、目安として次のようになっています。
・一次試験(R+L+W):1792点以上
・二次試験(S):512点以上
・一次+二次のトータル:2304点以上
よく「各技能7割くらい正解できれば合格」と言われますが、これはあくまで目安です。なぜなら、CSEスコアは「問題の難しさ」や「他の受験者の結果」も考慮して計算されるからです。
とはいえ、実際の対策としては、次のように考えるのが現実的です。
どれか1技能だけ極端に低いと、他でカバーしきれないこともあります。特に、ライティングとスピーキングは「勉強すれば伸ばしやすい技能」なので、苦手なまま放置せずしっかり対策しておきましょう。

活用メリットと受験方式
準1級は、勉強そのものが英語力アップにつながるだけでなく、「資格」としての活用価値も高い級です。また、今は「従来型」と「S-CBT」という2つの受験方式から選べるようになっています。
入試優遇と進学での利点
英検準1級は、大学入試で非常に多く活用されています。外部英語試験を利用した入試制度では、利用者の約9割以上が英検を使っているというデータもあります。
活用のされ方は主に次の4パターンです。
例えば、東京外国語大学や上智大学、明治大学、同志社大学など、多くの国公立・私立大学で、準1級やCEFR B2相当が条件・優遇ラインとして使われています。
さらに、大学入学後に「英語の単位認定」として準1級が使われる例もあります。お茶の水女子大学・秋田大学などでは、準1級で4単位認定されるケースもあり、英語の授業を一部免除してもらえる可能性があります。
※大学ごとに条件や対象学部、必要なCSEスコア、取得時期の制限が大きく異なります。必ず志望校の募集要項で最新情報を確認してください。
最新の入試活用情報は、英検公式サイトの「入試情報」や各大学のサイトから調べることができます(例:大学入試での英検利用(日本英語検定協会))。
就職や教員採用での評価
就職活動や転職の場面でも、英検準1級は評価されやすい資格です。特に次のような場面で役立ちます。
・商社、メーカーの海外部門、観光、航空、IT企業など、英語を使う仕事への応募
・グローバル展開している企業での社内昇進や配置転換のアピール材料
・公務員試験や地方自治体の採用での評価加点(自治体により異なる)
また、英語教員を目指す人にとっては、準1級は大きな武器になります。自治体によっては、準1級以上の取得者に「教員採用試験の加点」「一次試験の一部免除」などの優遇を設けているところもあります。
教職を目指しているなら、在学中に準1級に合格しておくことで、採用試験のための勉強にも良い土台ができますし、「英語力を証明できる客観的な資格」として評価されやすくなります。
従来型とS CBTの違い
現在、英検準1級は「従来型英検」と「英検S-CBT」のどちらでも受験できます。級の認定やCSEスコアは同じですが、受験方法や日程に違いがあります。
【従来型英検】
・紙の問題冊子+マークシートで解答
・一次試験(R・W・L)と二次試験(S)は別日程
・年3回の検定日が決まっており、その日程に合わせて受験
・準1級は「本会場」のみで実施
・スピーキングは試験官との対面面接
【英検S-CBT】
・コンピューターで受験(リーディングは画面表示、ライティングは手書きかタイピング、リスニングはヘッドホン)
・1日で4技能すべてを受験して完結
・全国のテストセンターで、土日を中心に多数の日程から選べる
・同一検定回・同一級を最大3回まで受験可能
・スピーキングはマイクに向かって録音形式(面接官は画面の指示のみ)
どちらが向いているかは、次のように考えるとよいです。
どの方式でも、問題の難易度や基準は同じです。自分の生活リズムや得意なスタイルを考えて、ストレスが少ない方法を選ぶのがおすすめです。

合格までの勉強法とロードマップ
最後に、2級レベルから準1級に合格するまでの現実的な勉強法とロードマップをまとめます。ここでは、学習期間の目安、4技能別のコツ、よくある誤解と注意点を整理します。
学習期間の目安と計画
準1級合格までの期間は、スタート時の実力や勉強のペースで大きく変わりますが、おおよその目安は次の通りです。
旺文社などの調査でも、「3か月以上」準1級対策に時間をかけた人が約半数というデータがあります。短期集中で一気に仕上げる人もいますが、無理なく取り組むなら「3か月〜半年」を一つの目安にするとよいでしょう。
計画の立て方としては、次の3ステップを基本にするとシンプルです。
1. 現状把握:過去問1回分を時間通りに解き、技能ごとの正答率を出す
2. 基礎固め:「語彙+長文読解」をメインに2〜3か月集中する
3. 仕上げ:「ライティングとスピーキングの量をこなす」+本番形式の演習
特に2級からステップアップする人は、「とにかく単語帳から」ではなく、「過去問でレベル感を体で知る」ことから始めるのがおすすめです。きつく感じても、一度実際の問題を通してみることで、「どこがどれくらい足りないか」がはっきりします。
4技能別の対策とコツ
ここからは、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能別に、優先順位と具体的な勉強法を整理します。
【リーディング】:合否を左右する最重要技能
1. 語彙:準1級レベルの単語帳を1冊決め、少なくとも2〜3周する
2. 長文:公式過去問集や問題集で、週に数セットは長文に触れる
3. タイムマネジメント:過去問を本番と同じ時間で解き、「どの大問に何分かけるか」を決める
語彙は、単語帳+過去問の間違い単語リスト化の2本立てが効率的です。長文は、「設問を先に読み、おおよその内容を予測してから本文を読む」習慣をつけると、読みやすくなります。
【リスニング】:過去問の「解きっぱなし」に注意
1. まず本番通りに解き、点数と聞き取れなかった感覚をチェック
2. スクリプトを見ながら音声を聞き直し、分からなかった単語や表現をメモ
3. メモした表現を声に出して読み、シャドーイング(音声の少し後を追いかけて発音)
重要なのは、「聞きっぱなし」ではなく、「聞き直しと分析」に時間をかけることです。特にPart3のReal-Life形式は、情報量が多くて難しいので、1回で完璧に聞き取れなくて当然です。要点だけをメモし、あとでスクリプトで答え合わせする練習を繰り返しましょう。
【ライティング】:型を決めて量をこなす
準1級のライティングでは、要約と意見作文の2つの力が必要です。
・要約:
- 原文を読みながら、「主張」と「主な理由(2〜3個)」を下線やメモで整理
- 自分の意見は入れず、「何が書かれているか」だけを第三者目線でまとめる
- 60〜70語の枠の中で、情報をどこまで削るかを意識する
・意見作文:
- 基本構成を「導入→自分の立場→理由1→理由2→まとめ」と決めてしまう
- よく出るテーマ(環境・教育・テクノロジー・働き方・健康など)について、事前に「賛成の理由」「反対の理由」をいくつかメモしてストック
- 週に2〜3本は実際に書き、学校・塾・オンライン添削・AIなどでフィードバックをもらう
ライティングは、自分一人での自己採点が難しい分野です。可能であれば、誰か第三者に見てもらう仕組みをつくると、伸び方が一気に変わります。
【スピーキング】:声に出す練習をどれだけ積めるか
1. 4コマナレーション練習:
- 過去問や市販の問題集で、4コマ漫画を見て60秒ほどで話す練習
- 「いつ・どこで・誰が・何をして・どうなったか」の5点を必ず含める
2. 意見を述べる練習:
- 「〜に賛成か反対か?」という質問に対し、「結論→理由1→理由2→まとめ」の形で30〜40秒話す
- テーマは、ニュースでよく見るトピック(在宅勤務、高齢化、環境問題など)から選ぶ
3. 実戦形式のリハーサル:
- 時間を計って、入室の挨拶から退室までを通しでシミュレーション
- 可能なら友人や先生に面接官役をしてもらい、フィードバックをもらう
スピーキングは、「頭の中で文を作るだけ」では絶対に上達しません。恥ずかしくても、1日数分だけでも声を出す時間をつくることが、合格への近道です。
よくある誤解と注意点
最後に、英検準1級でよくある誤解と注意点をまとめます。ここを知らないと、せっかくの努力がムダになってしまうこともあるので、必ずチェックしておきましょう。
これらを踏まえたうえで、「公式サイトで最新情報を確認する」習慣をつけておくと安心です。試験日程や検定料については、英検公式の「試験日程・受験案内」ページから最新情報をチェックできます(英検 試験日程・受験案内(公式))。

まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。復習や学習計画の見直しに使ってください。
- 英検準1級は「大学中級レベル」で、社会性の高い話題を理解し、自分の意見を説明できる力が求められる。
- 必要語彙数は約7,000〜7,500語で、環境・政治・医療・テクノロジーなどの専門寄りの語も多い。
- 他試験でいえば、CEFR B1〜B2の境目、TOEIC L&R 785〜945点、IELTS 5.0〜6.0程度が目安。
- 試験は一次(R・W・L)と二次(S)に分かれ、一次90分+30分、二次約8〜10分で構成される。
- 合格基準はCSEスコアで、一次1792点以上+二次512点以上、トータル2304点以上が目安。
- 大学入試では出願条件・得点換算・加点・試験免除などで広く活用され、大学の単位認定や教員採用試験での優遇も期待できる。
- 受験方式は従来型とS-CBTがあり、日程の自由度や受験スタイルを考えて自分に合う方を選ぶとよい。
- 学習期間の目安は3〜6か月(2級直後)〜半年以上(ブランクあり)で、「語彙→読解→産出(W/S)」の順に強化するのが効率的。
- リーディングと語彙が合否を左右し、ライティング・スピーキングは「型を決めて量をこなす」ことで大きく伸ばせる。
- CSEスコアや入試での有効期限、試験形式の変更など、最新情報は必ず英検公式サイトと志望校の募集要項で確認することが重要。

