「TOEICで〇点だけど、英検だと何級レベル?」「英検準1級を持っているけど、TOEICではどれくらいが目標?」と悩む人はとても多いです。
ただ、TOEICと英検は試験の目的や内容がかなり違うので、単純な「○点=△級」の換算はできません。
この記事では、文部科学省などが出しているCEFRの目安や、英検保持者のTOEIC平均点などのデータをもとに、現実的な「対応の目安」と、目的別のおすすめ試験・目標ラインを整理します。
読み進めれば、「自分は次にどの試験で、どの点数・級を狙えばいいか」がはっきりします。
- TOEICスコアと英検級、CEFRのだいたいの対応関係が分かる
- 英検級別の平均TOEICスコアから、自分の現在地をつかめる
- 就職・転職・大学受験など目的別に、どちらを優先すべきか判断できる
- TOEIC対策と英検対策の違いを知り、次の勉強戦略を立てられる
TOEIC点数と英検級の対応表
まずは「レベルのものさし」をそろえるところから始めます。
ここでは、CEFR(国際的な言語レベル指標)を軸に、TOEICと英検の対応の目安を見ていきます。
さらに、英検を持っている人のTOEIC平均スコアも紹介し、「自分はどのあたりか」をイメージしやすくします。
TOEICと英検の対応目安
細かい前提はのちほど説明しますが、まずは「ざっくりした対応イメージ」を表で確認しましょう。
ここでは、CEFRと各種調査データをまとめて、現実的な目安になる形にしています。
| CEFRレベル | TOEIC L&R 目安 | 英検級の目安 | だいたいのレベル感 |
|---|---|---|---|
| C1 | 945〜990点 | 1級 | 高度な議論や専門書もこなせる上級 |
| B2 | 785〜940点 | 準1級〜1級 | ネイティブとも自立してやり取りできる |
| B1 | 550〜780点 | 2級〜準1級 | 日常生活はほぼ英語だけで対応可能 |
| A2 | 225〜545点 | 準2級〜2級 | ゆっくりならシンプルな会話ができる |
| A1 | 120〜220点 | 3級〜準2級 | 自己紹介などごく基本的な会話レベル |
CEFRベースの目安に、国内のデータや指導現場の感覚を加えると、次のようにイメージできます。
ここで重要なのは、「あくまでレベル感」であって、合否と1対1ではないという点です。
詳細な理由は後の章で説明します。
CEFRで見た対応レベル
CEFR(セファール)は、ヨーロッパで作られた言語の共通指標です。
A1〜C2の6段階で、A1が入門、C1・C2が上級です。
日本の英語試験も、このCEFRに自分たちのレベルを当てはめています。
文部科学省や各試験団体が公開している資料によると、TOEIC L&Rと英検のCEFR対応は概ね次の通りです。
また、CEFRは4技能(読む・聞く・話す・書く)すべてを前提とした指標です。
一方、一般的なTOEIC L&Rは「リスニング+リーディング」の2技能だけです。
そのため、TOEIC L&Rの点数だけで「自分はB2!」と決めつけるのは危険です。
より正確にCEFRレベルを見たい場合は、「TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)」や英検のCSEスコアも含めて判断する必要があります。
CEFRと試験の関係については、文部科学省の資料も参考になります。
レベル換算表の使い方
ここまで見てきたように、「TOEIC◯点=英検△級」という対応は、目安としては役に立ちます。
ただし、使い方を間違えると、レベルを過大評価したり、逆に自信を失ったりしてしまいます。
おすすめの使い方は次の3つです。
たとえば、今TOEICが450点なら、「英検2級は少し背伸びだけど、準2級ならほぼ合格圏かな」と判断できます。
逆に、英検2級を持っているなら、「TOEIC500〜600点くらいをまずの目標にしよう」といった感じです。
一方で、「この表どおりの点数を取れば、必ずあの級に受かる」と考えないことがとても大切です。
理由は、次の章でくわしく説明します。

合格を保証するものではない、と意識しておくと失敗しにくくなります。
レベル差とギャップの正しい理解
「英検準1級を持っているのにTOEICが思ったより低い」「TOEIC800点あるのに英検準1級に落ちた」という話はよく聞きます。
これは、どちらかが間違っているのではなく、試験の目的や測っている力が違うからです。
この章では、その違いと、1対1換算ができない理由、そして英検保持者のTOEIC傾向を整理します。
自分のスコアや級の「ギャップ」に悩んでいる人ほど、ここをしっかり理解しておくと楽になります。
試験の目的と測定技能の違い
まずは、両方の試験の「そもそもの目的」と「測っている力」の違いをはっきりさせます。
TOEIC L&Rは、主に「日常生活+ビジネス場面での英語コミュニケーション力」を測るテストです。
リスニングとリーディングの2技能だけで、スピーキングとライティングは別テストになっています。
出る場面は、会議、メール、発注、出張、ホテル、買い物など、かなりビジネス寄りです。
一方、英検は「教育+教養+実生活」を広くカバーする「総合的な英語力テスト」です。
3級以上は、読む・聞く・書く・話すの4技能をバランスよく測ります。
級が上がるほど、環境問題、テクノロジー、医療、歴史など、アカデミックで専門的な話題も増えます。
つまり、
TOEICは「2技能×ビジネス寄り」、英検は「4技能×教養寄り」
という違いがあります。
ここが、そのまま換算できない一番大きな理由です。
換算が一対一でない理由
レベル換算が「きっちり対応しない」理由は、ほかにもいくつかあります。代表的なものを整理します。
たとえば、TOEICで800点あっても、長い英文をじっくり読みながら意見を書く「英検準1級の英作文」は苦戦することがあります。
逆に、英検準1級に合格していても、「2時間で200問をさばく」TOEICのスピードに慣れておらず、700点前後にとどまる人もいます。
さらに、英検は一度合格すれば有効期限がありません。
高校生のときに2級に合格し、その後ほとんど英語に触れずに社会人になってからTOEICを受けると、400点台にとどまることも普通にあります。
このように、「同じ人でも、時期と試験が違えば数字はずれる」のが当たり前です。
だからこそ、「きっちり換算」ではなく「レンジの目安」として使うのが正しい考え方です。
英検保持者のTOEIC傾向
次に、「英検◯級を持っている人は、TOEICではどのくらい取っているのか」という統計を見てみましょう。
これは「傾向」を知るためのもので、個人ごとの保証ではありませんが、自分の位置を知るにはとても便利です。
代表的なデータは次の通りです(複数の調査をまとめたおおよその平均値)。
この数字から分かるのは、たとえば「英検2級を持っているなら、TOEIC500点前後が平均ライン」ということです。
つまり、英検2級保持者でTOEIC400点台前半なら「やや下ぶれ」、600点台なら「平均より上」というイメージになります。
一方で、大学の情報サイトなどでも、「これは平均値であり換算表ではない」とはっきり書かれています。
詳しいデータは、名古屋市立大学などの資料でも確認できます。

試験の性格の違いとタイミングの差があると理解して、落ちこみすぎないことが大事です。
目的別の試験選びと目標設定
ここからは、「自分はどちらを優先して受けるべきか」「どの点数・級まで取れば武器になるのか」という、実際の選び方に入ります。
就職・転職・大学受験・昇進など、目的によって最適な試験と目標ラインは変わります。
この章を読みながら、自分の目的を書き出してみると、どの試験をどこまで頑張るべきかがはっきりしてきます。
就職転職で有利な目安ライン
社会人・就活生にとっては、「企業が実際に評価しているライン」が一番気になります。
調査データを見ると、多くの企業が採用や昇進でTOEIC L&Rを基準にしています。
よく出てくる目安は次のようなものです。
では、英検だとどの級が目安になるでしょうか。
CEFRや平均スコアとの対応を考えると、
となるので、
就活や転職でまず狙いたいのは「TOEIC600点 or 英検2級以上」
と言えます。
そこから、英語を武器にしたい人は、TOEIC700点台や英検準1級を目標にするとよいでしょう。
大学受験など進学用途の使い分け
大学受験や高校入試では、「英検」と「TOEIC」の扱いが学校ごとにかなり違います。
文部科学省の方針もあり、特に英検は多くの学校で活用されています。
国内大学をざっくり見ると、
そのため、「受験で確実に使いたい」中高生にとっては、まずは英検を軸にする方が安全なケースが多いです。
とくに、英検2級〜準1級は、推薦や一般入試での加点・免除などに使われやすいラインです。
一方、海外大学や留学を考える場合は、TOEFLやIELTSが求められることが多く、TOEIC・英検はそのまま提出できない場合もあります。
ただし、英検には「英検留学」という制度があり、一部の海外大学では英検スコアで出願できるところもあります。
進学目的でどちらを優先するかは、
を募集要項で確認したうえで決めるのが一番確実です。
自分に合う試験と目標の決め方
最後に、「目的別にどちらを優先すべきか」をシンプルに整理しておきます。
そして目標の立て方としては、
「今のレベル+ワンランク上」
を基本にするのがおすすめです。
TOEIC500点なら、次は600点。
英検準2級なら、次は2級。
このくらいの「少し背伸び」ラインが、一番継続しやすく、結果も出やすいです。

無理のないステップアップが、結局いちばんの近道になります。
次の一手と勉強戦略の違い
最後の章では、「自分のスコア・級から見て、次はどこを目指すか」「そのためにどんな勉強が必要か」を具体的にまとめます。
TOEICと英検は同じ英語力が土台ですが、点数・級を伸ばすための「対策の方向性」はかなり違います。
TOEICスコア別の英検目標
まずは、現在のTOEICスコアから「どの英検級を狙うのが妥当か」を見ていきます。
ここでは、「無理なく届きやすいスタート級」と「次のチャレンジ級」の2段階で考えます。
たとえばTOEIC600点の人なら、英検2級にはほぼ合格圏内なので、次のステップとして準1級にチャレンジする価値が高いです。
逆に、TOEIC400点前後でいきなり2級から始めると、特にライティング・面接で苦戦しやすいので、準2級からの方がスムーズな場合もあります。
英検級別のTOEIC目標
次に、今持っている英検級から「どのTOEICスコアを目標にするか」を考えます。
ここでも、「まず狙いたい現実的ライン」と「その次の一つ上のライン」に分けてみましょう。
たとえば、英検準1級を持っているのにTOEICが650点台なら、「英語力というより、TOEIC特有の形式や時間配分に慣れていない」可能性が高いです。
逆に、英検2級でTOEIC700点ある場合は、TOEIC向けの速読・リスニングには強いが、英検準1級の語彙や英作文にはまだギャップがあることが多いです。
どちらの場合も、「自分はどの技能が弱いのか」をはっきりさせることで、次の一手が見えてきます。
TOEIC対策と英検対策の違い
最後に、「同じ英語力でも、TOEICと英検では勉強の重点がどう変わるか」をまとめます。
ここを意識すると、効率よく両方のスコア・級を伸ばすことができます。
TOEIC L&R対策のポイントは、
一方、英検対策では、
つまり、
TOEICは「速さと形式慣れ」、英検は「語彙の広さと4技能のバランス」
がカギになります。
どちらも土台の文法・基礎単語は共通なので、「まず基礎→どちらかを重点対策→もう一方に応用」という順番で進めると、ムダが少なくてすみます。

今いちばん必要な試験を決めて、そこで伸ばした力をもう一方に上手に「流用」していくのがコツです。

