「TOEICと英検、どちらを受けるべきか」「自分のスコアや級はどのくらいのレベルなのか」と迷っている方は多いです。
両方とも有名な試験ですが、目的や測っている力、評価のされ方は大きく違います。
この記事では、TOEICと英検の違いを整理しながら、「自分の目的ならどちらを選ぶべきか」「どのスコア・級を目標にすればいいか」がはっきり分かるように解説します。
最後まで読めば、今後の学習と受験計画を自信を持って決められるはずです。
- TOEICと英検の決定的な違い(目的・形式・評価方法)が分かる
- TOEICスコアと英検級・CEFRの対応目安を把握できる
- 受験・就活・転職・留学など目的別の最適な試験が分かる
- 自分の現在レベルから、次に狙うべきスコア・級と計画を立てられる
TOEICと英検の違い
この章では、まずTOEICと英検の「そもそもの目的」と「測っている力の違い」を整理します。
主催団体や試験形式、出題範囲、評価方法、受験者層を押さえることで、自分に合う試験のイメージがつかみやすくなります。
試験の目的と測る力
最初に押さえたいのは、両試験の「作られた目的」です。
ここが違うので、問題の内容や評価のされ方も変わってきます。
TOEICは、主にビジネス場面を含む「実務的なコミュニケーション力」を測ることが目的です。
運営は国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)で、世界約160か国で実施されています。
Listening & Readingテストは、リスニングとリーディングの2技能に特化した試験です。
一方、英検(実用英語技能検定)は、日本英語検定協会が実施しています。
目的は「段階的な級別試験を通して、社会で使える総合的な英語力を伸ばすこと」です。
1級〜5級まで7段階に分かれ、読む・聞く・書く・話すの4技能をバランスよく評価します。
つまり、ざっくりまとめると次のようになります。
どちらが「上」「下」ということではなく、目的と測る範囲が違う別物と考えた方が納得しやすいです。
形式と出題範囲の違い
次に、具体的な試験形式と出題範囲を比べます。
ここを知ると、どちらが自分に解きやすいか、対策しやすいかが見えてきます。
TOEIC Listening & Readingは、2時間で200問を解くマークシート試験です。
内容はすべて英語で、設問や選択肢に日本語は出てきません。
リスニング100問(約45分)とリーディング100問(75分)で、主なテーマは次のようなものです。
大量の英文を素早く処理する力が必要で、「量」と「スピード」が大きな特徴です。
英検は級によって形式が変わりますが、3級以上は一次と二次に分かれます。
一次試験では、リーディング(長文読解・語句穴埋め)、リスニング、英作文(ライティング)を解きます。
二次試験では、面接官との1対1のスピーキングテストが行われます。
1級や準1級になると、教育・環境・医療・テクノロジーなど、社会性の高いテーマが多くなります。
出題の幅も次のように違います。
ビジネスメールや会議の表現を重点的に伸ばしたいならTOEICが合っています。
一方、ニュース記事や社会問題なども含めて幅広く読み書き・会話したいなら英検の方が近いと言えます。
評価方法と受験者層
評価の仕組みも両者で大きく違います。
ここを理解しておくと、「履歴書に書いたときの見え方」もイメージしやすくなります。
TOEICは10〜990点のスコア制で、合否はありません。
ListeningとReadingそれぞれ5〜495点がつき、その合計が総合スコアです。
スコアは問題の難易度を考慮した統計処理で出されるため、単なる正答数ではなく「全体の中での位置」が分かります。
英検は1級〜5級の「級」と合否で評価されます。
最近は英検CSEスコアという4技能別の数値も出ますが、履歴書などでは「英検準1級合格」のように級で書くのが一般的です。
受験者層もかなり違います。
そのため、就職・転職・昇進での評価軸としてはTOEICが主流になりつつあります。
一方で、国内の中高・大学入試や学校評価では英検の方が使われる場面が多い傾向です。

レベル対応と評価の目安
この章では、TOEICスコアと英検級がどのくらい対応しているのかを整理します。
同時に、国際的な指標であるCEFRとの関係も確認し、「自分の今のレベル」と「次の目標レベル」のイメージを持てるようにします。
TOEICと英検の対応表
まずは、「TOEIC何点くらいが英検の何級レベルか」という目安を表で確認します。
ここでは、一般的によく使われるレンジをもとにしています。
※あくまで目安であり、「完全に同じ力」という意味ではありません。問題形式や測っている内容が違うため、前後にぶれることがあります。
| 英検 | TOEIC L&Rスコア目安 | レベルのイメージ |
|---|---|---|
| 1級 | 870〜970点前後 | 大学上級レベル。高度な議論・専門的な内容も運用できる。 |
| 準1級 | 740〜820点前後 | 大学中級〜上級。留学や専門分野の学習にも対応できる。 |
| 2級 | 550〜600点前後 | 高校卒業〜大学受験レベル。一般的な海外留学の基礎条件クラス。 |
| 準2級 | 450〜490点前後 | 高校中級レベル。進学・就職で最低限アピールしやすいライン。 |
| 3級 | 約290点前後 | 中学卒業レベル。基礎的な文法と語彙が身についている。 |
| 4級 | 260点前後 | 中学中級レベル。簡単な文章なら読み書きできる。 |
| 5級 | 100〜250点前後 | 中学初級レベル。ごく基本的な表現が分かる。 |
たとえば、「TOEIC600点なら、おおよそ英検2級レベル」「英検準1級なら、TOEICで700〜800点が狙えるイメージ」と考えると分かりやすいです。
より詳しいCEFRとの対応については、英検CSEスコアとCEFRの対応(日本英語検定協会)でも確認できます。
CEFRとの対応と注意点
TOEICと英検は、そのまま直接比べると混乱しやすいです。
そこで役に立つのが、ヨーロッパの言語指標であるCEFRです。
CEFRは、A1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階で言語力を示します。
日常レベルから高度な専門レベルまで共通のものさしで表せるため、異なる試験同士を比べるときに使われます。
TOEIC L&Rと英検をCEFRでざっくり対応させると、次のようなイメージになります。
ここで大事なのは、「同じCEFRレベルでも、試験ごとの得意・不得意が出る」という点です。
たとえば、TOEICでB2レベルの人が、必ず英検準1級に合格するとは限りません。
英検はライティングやスピーキングも含むため、読み聞き中心の勉強だとスコア差が出ることがあります。
CEFRは「方向性を決めるための共通ものさし」として使い、「このレベルならこの試験でどの程度を目指すか」を考える材料にするのが現実的です。
スコア級ごとの評価感覚
最後に、「そのスコア・級が現実にはどう評価されるのか」という感覚を整理します。
ここでは、就活や転職でよく聞くラインを中心にまとめます。
TOEIC L&Rでは、主に次のラインが一つの目安になります。
英検の場合、履歴書でアピールしやすいのはおおむね次のラインです。
すでに持っているスコアや級を見直すときは、「大学受験ではどの程度か」「ビジネスではどこまで通用するか」という2つの軸で考えると、自分の立ち位置をつかみやすくなります。

目的別の選び方と目標設定
ここからは、「自分の目的から見て、TOEICと英検どちらを選ぶべきか」を具体的に整理します。
受験・進学・就活・転職・昇進・留学・スピーキング強化など、目的ごとに最適な試験と目標ラインを考えていきましょう。
受験や進学で使う場合
国内の中学・高校・大学受験、そして学校での評定や単位認定で重視されるのは、今のところ英検が優勢です。
多くの大学では、英検・TOEICの両方を外部試験として利用できますが、採用大学数で見ると英検の方が多い状況が続いています。
例えば、英検は400校以上、TOEICは200校台といったイメージです(年度により変動)。
実際の活用方法は次のようなものがあります。
このため、受験が主目的なら、まずは志望校の募集要項で「どの試験・どの級やスコアがどのように評価されるか」を確認することが最優先です。
目標ラインの一例は次の通りです。
大学ごとの詳細は、英語外部検定試験の大学入試活用状況(大学公式・各校サイト)などからリンクをたどって確認すると確実です。
就活転職昇進で使う場合
就活・転職・社内昇進・海外赴任での評価軸としては、現状ではTOEICが圧倒的に主流です。
理由はシンプルで、「認知度が高い」「スコアで細かくレベルを指定しやすい」「年に多く実施されている」からです。
企業の調査では、新卒採用でTOEICスコアを参考にしている会社は多数あり、「◯点以上を応募条件」としている求人も珍しくありません。
よく目安にされるラインをまとめると、次のようになります。
英検も、特に準1級・1級は高い評価を受けます。
ただし社内基準として「英検◯級以上」と明記する会社はまだ少なく、数値で一律に管理しやすいTOEICスコアが人事の共通言語になりやすいのが現状です。
社会人で「まず1つ資格を取る」ときは、
という2ステップを考える人も多いです。
留学四技能重視の場合
海外大学・大学院などへの正式な出願では、世界的に見て標準なのはTOEFL iBT や IELTSです。
TOEICは実務寄りの試験のため、出願で使える大学はほとんどありません。
英検は「英検留学」制度で一部の海外大学・カレッジ(北米・オーストラリアなど約400校)が採用しています。
該当校を狙う場合は、英検準1級や1級のスコアをそのまま出願条件として使えることもあります。
ただし、全世界で見るとTOEFL/IELTSの方が圧倒的に通用するため、次のように考えるのが現実的です。
「4技能をしっかり伸ばしたい」「スピーキングを含めて力を証明したい」場合、国内試験だけを見るなら、
という2つの選択肢があります。
スピーキングを重視するなら、英検の二次試験やオンラインスピーキングも良い練習になります。

試験の特徴比較と活用法
最後の専門章では、「受験のしやすさ」「有効期限」「メリット・デメリット」「タイプ別おすすめ」など、実際にどのように試験を活用すればいいかをまとめます。
これを押さえておくと、年間の学習・受験スケジュールを立てやすくなります。
受験頻度有効期限の違い
学習計画を立てるうえで大切なのが、「いつ受けられるか」と「資格はどのくらい有効か」です。
TOEICと英検ではこの点も大きく違います。
TOEIC Listening & Reading 公開テストは、ほぼ毎月実施されており、1日で午前・午後の2回ある日も多いです。
ネットから申し込みができ、結果は約2〜3週間でデジタル認定証が発行されます。
紙のスコアレポートも、希望すれば試験日から約30日以内に郵送されます。
一方、英検の本会場試験は、年間おおよそ3〜4回です。
学校などが行う準会場実施を含めると回数は増えますが、それでもTOEICほど多くはありません。
その代わり、合格した級は基本的に終身有効です。
ただし、海外留学などで英検スコアを提出する場合は、多くの学校で「2年以内の成績」に限定されます。
TOEICも同様に、企業が「過去2年以内のスコア」と条件を付けることが多いです。
まとめると、次のような違いがあります。
短いサイクルで何度も受けてモチベーションを保ちたいならTOEIC。
じっくり準備して確実に級を取りにいきたいなら英検、という選び方もできます。
メリットデメリット比較
ここでは、TOEICと英検のメリット・デメリットを整理します。
自分の性格や学習スタイルに合わせて、どちらが合いそうか考えてみてください。
TOEICの主なメリットは次の通りです。
デメリットとしては、
英検の主なメリットは、
一方のデメリットは、
大切なのは、「どちらが良い・悪い」ではなく、自分の目的と相性がいい方をメインに選び、必要に応じてもう一方も補助的に使うという考え方です。
タイプ別のおすすめとQ&A
最後に、よくあるタイプ別に「どちらがおすすめか」と、ありがちな質問に簡単に答えていきます。
次のように考えると、選びやすくなります。
よくある質問にも触れておきます。
Q. どちらの方が難しいですか?
A. 試験の目的や形式が違うので、一概には比べられません。
速読や大量処理が得意な人にはTOEICが得点しやすく、じっくり読むのが得意・4技能バランス型の人には英検が合いやすい傾向があります。
Q. 片方だけでいいですか?
A. 目的がはっきりしているなら、まずは1つに集中する方が効率的です。
そのうえで、余裕が出てきたらもう一方を追加すると、キャリアの幅が広がります。
Q. 今英検3級を持っている社会人ですが、次は何を目指すべき?
A. 「仕事で評価される指標が欲しい」ならTOEIC500〜600点を最初のゴールにするとよいです。
「段階的に力をつけたい」「スピーキングも伸ばしたい」なら英検準2級→2級とステップアップするルートもおすすめです。

総括
最後に、この記事全体の要点をまとめます。
復習しながら、自分が次に何をするかをはっきりさせてみてください。
TOEICと英検は、どちらも英語学習の強力なパートナーです。
自分の目的と状況に一番合う試験を選び、必要に応じて組み合わせながら、着実にステップアップしていきましょう。

