英検3級は「中学卒業程度」とよく言われますが、実際にどれくらいのレベルなのか、どのくらい勉強すれば合格できるのか、イメージしづらい人も多いと思います。
この記事では、公式情報と入試での活用例をもとに、「英検3級のレベル感」「合格に必要な力」「勉強の進め方」をできるだけ具体的にまとめました。
4級・準2級・TOEICとの違いや、面接・S-CBTの選び方まで触れるので、「そもそも3級から受けるべきか?」「合格後は何を目指せばいいか?」もはっきりさせられます。
英語学習をこれから本気で続けたい人にとって、3級はひとつの大きな目標です。迷っている方は、まずこの記事で全体像をつかんでから受験を決めてください。
- 英検3級のレベル感と「中学卒業程度」の具体的な意味がわかる
- 試験構成・CSEスコア・合格ラインが整理できる
- 4級・準2級・TOEICとの違いから、自分に合う受験級が判断できる
- 合格までの勉強ステップと、面接・S-CBTの対策方法がイメージできる
英検3級のレベルとできること
まずは「英検3級とはどんなレベルなのか」をおさえます。ここがはっきりしないと、勉強量も受験級の選び方も決めづらくなります。
公式が示す「中学卒業程度」の意味や、扱われる話題、語彙数などの客観的な数字から、実際にどのくらいの力が必要なのかをイメージしていきましょう。
中学卒業程度とはどのレベルか
英検3級の公式なレベルは「中学卒業程度」です。これは、中1〜中3で学ぶ文法・単語をひととおり理解し、日常生活の基本的なことを英語で読み・聞き・話し・書きできるレベルを指します。
できることのイメージは次のようになります。
たとえば「部活に入るべきか」「スマホは中学生に必要か」のような身近なテーマについて、「私は〜だと思う。なぜなら〜だからです。」という形で、シンプルでも理由をそえて伝えられることが求められます。
文法で言うと、現在形・過去形・未来表現(be going to / will)、助動詞(can, must など)、比較級・最上級、不定詞・動名詞、接続詞(because, if, when など)といった中学文法を一通り使えることが前提です。
ただし、「教科書の暗記」で終わっていると厳しくなります。3級では、覚えた文法や単語を「読解・リスニング・英作文・面接」の中で自在に使えるかどうかが試されるからです。
扱われる話題と場面の例
英検3級で扱われる話題は、ほとんどが「身近な日常生活」に関するものです。難しい専門分野は出ませんが、場面の種類は意外と広めです。
主な話題・場面の例をまとめると、次のようになります。
リーディングでは、学校からの案内文、イベントのお知らせ、友達からのメール、簡単な説明文などがよく出ます。リスニングでも、「駅やバスでのアナウンス」「店員と客の会話」「親子の会話」など、実際にありそうな場面が選ばれます。
面接試験のカードに登場するテーマも、「読書週間」「朝市」「冬のスポーツ」「スマートフォン」など、ニュースよりは身近だけれど、少し社会性のある話題です。
このレベルの話題であれば、日本語なら小学生〜中学生が普通に話せる内容ばかりです。「内容は難しくないが、それを英語で説明する練習が必要」と考えるとイメージしやすくなります。
語彙数と難易度の目安
英検3級で必要とされる語彙数の目安は、約2,100語です。これは中学3年間で習う基本単語を中心に、少しだけプラスしたくらいの量です。
ただし、単語帳を2,100語まるごと暗記すれば十分、というわけではありません。3級では、単語の意味を単に知っているだけでなく、「文脈の中で適切に選べるか」「会話や英文の中で聞き取れるか」が問われます。
客観的なレベル感は、他の指標で見ると次のようになります。
| 指標 | 英検3級の目安 |
|---|---|
| CEFR | A1レベル相当 |
| TOEIC L&R | 約120〜225点程度 |
| TOEIC S&W | 約80〜160点程度 |
CEFR A1は「ごく基本的な表現を使って、簡単なやりとりができるレベル」です。日常会話をスラスラこなすレベルではありませんが、「ゆっくり話してもらえば、自己紹介や簡単な質問には答えられる」段階だと考えるとよいでしょう。
公式の試験概要や過去問は、英検協会のサイトで確認できます。最新の出題傾向や問題形式をチェックしたい場合は、英検3級の試験内容・過去問(英検公式サイト)を一度見ておくと安心です。

英検3級の試験構成と合格基準
次に、英検3級の試験構成と合格ラインを整理します。どの技能で何問出るのか、どのくらい正解すれば合格できるのかを知っておくと、勉強の優先順位が決めやすくなります。
英検3級は一次試験(R・W・Lの3技能)と二次試験(S)の2段階で行われ、結果はCSEスコアという共通指標で判定されます。
一次試験の形式と出題内容
英検3級の一次試験は、「リーディング+ライティング」で65分、「リスニング」で約25分です。すべて同じ日に実施され、リーディング→ライティング→リスニングの順で行われます。
出題の内訳は次の通りです。
リーディングはマークシート方式です。文法・語彙の問題も「単体で覚えているか」ではなく、文脈にあう表現を選べるかどうかがポイントになります。
ライティングは記述式で、
・Eメール問題:本文中の2つの質問に、各15〜25語で英文回答
・意見英作文:1つの質問について、意見+理由を25〜35語で記述
という形式です。「文法のミスがゼロでないとダメ」ではなく、「内容・構成・語彙・文法」の4観点でバランスよく評価されます。
リスニングは3パート構成で、第1部は1回読み上げ、第2部・第3部は2回読み上げです。音声はすべてアメリカ英語よりの標準的な発音で、スピードも極端に速くはありません。しかし、問題文を読む時間も含めてテンポよく進むため、形式に慣れておく必要があります。
二次試験面接の流れと内容
英検3級の二次試験は、試験官と1対1の面接形式で行われます。時間は入室から退室まで含めて約5分です。
面接の大まかな流れは次の通りです。
たとえば、カードに「読書週間」の説明がある場合、
・その内容について「なぜこのイベントを行うのか?」のような質問
・イラストの人物が「本を読んでいる」「本をかりている」様子を説明する質問
・最後に「あなたは本を読むことが好きですか? なぜですか?」という自分自身への質問
といった流れで聞かれます。
評価の観点は、内容の適切さ・文法・語彙・発音・流ちょうさ・積極性などです。多少の文法ミスや沈黙があっても、「質問の意味を理解し、自分なりの答えを伝えようとしているか」が重視されます。
本番の雰囲気や手順は、英検公式の「バーチャル二次試験」動画で事前に確認できます。緊張しやすい人は、実際の流れをイメージしておくとかなり安心です。
CSEスコアと合格ライン
英検3級の合否は、「CSEスコア」という指標で判定されます。これは各回・各フォームで難易度が多少変わっても、公平になるよう調整されたスコアです。
3級の合格基準は次の通りです。
各技能の満点は550点で、一次は3技能合計1650点満点となります。CSEスコアは「何問正解=何点」という単純換算ではありませんが、全体として各技能6割前後の正答率で合格している受験者が多いと言われています。
ただし、「6割正解なら必ず合格」とは限りません。問題の難しさや技能ごとのバランスによってスコアは変わります。特定の技能だけ極端に点が低いと、他でカバーしきれない場合もあります。
そのため、目標としては「どの技能も7割前後の正答を目指す」つもりで対策するのが安全です。自分のCSEスコアは、受験後に英検の「試験結果・解答」ページから確認できます。

他級や他試験とのレベル比較
ここでは、英検3級を4級・準2級・TOEIC・CEFRと比べながら、「どの級から受けるべきか」「合格後にどこを目指すか」を考える材料を整理します。
今の自分に3級がちょうどよいのか、それとも4級からにした方がよいのか迷っている人は、この章をじっくり読んで判断してみてください。
4級との違いと受験級の判断
英検4級との一番大きな違いは、3級から「ライティング」と「面接スピーキング」が必須になる点です。4級まではリーディングとリスニングが中心で、スピーキングは任意の録音テストでした。
その他の主な違いは次の通りです。
では、「4級から受けるべき人」と「3級から受けてよい人」はどんな人でしょうか。
4級から受けた方がよい人の目安
最初から3級で問題ない人の目安
一度、英検公式や旺文社などの過去問を本番同様に解いてみると、自分に合う級がかなりはっきりします。3級が「難しすぎて何も解けない」と感じた場合は、4級から受けて自信と基礎力を固めるのも良い選択です。
準2級とのギャップと次の目標
英検準2級は「高校中級程度」のレベルで、3級よりも一段階上の実力が必要です。ここでは、3級から準2級に進むときに感じやすいギャップを整理します。
主な違いは次のようになります。
合格基準スコアも、3級の1456点に対し、準2級は1728点と高めに設定されています。3級合格直後にいきなり準2級に挑戦すると、「単語が足りない」「長文の量と難しさに対応できない」という壁にぶつかりやすいです。
そのため、3級合格後のおすすめプランは、
・3級レベルの文法と単語を「使いこなせる」レベルまで復習する
・同時に準2級の単語を少しずつ増やし、興味のある分野の英語記事や教材を読み始める
といった形で、段階的にレベルアップしていくことです。
準2級は高校・大学入試での評価も高くなるので、3級を取ったあとは、無理のないペースで準2級を中期目標にするとよいでしょう。
CEFRやTOEICとの対応関係
英検3級のレベルを、国際的な指標や他の試験と比べると、より客観的な位置づけが見えてきます。
一般的な対応関係は次の通りです。
CEFR A1は、「ゆっくりで簡単な表現であれば、自分や身の回りのことについて、短いフレーズでやりとりできる」レベルです。ビジネスや学術レベルの英語から見るとまだ入口ですが、英語に全く触れていない状態とは明らかに違う段階に入っています。
また、英検3級は高校・大学入試でも一定の評価を受けます。たとえば、英検の大学入試活用校情報(英検公式)では、多くの大学が準2級以上を基準としつつ、3級でも「加点」や「参考資料」として扱う例があります。
このように、英検3級は「国際的には初級レベル」ですが、「日本の入試や資格の世界では、英語学習の起点としてきちんと評価される級」と言えます。

英検3級の勉強法と受験のコツ
最後に、英検3級に合格するための具体的な勉強ステップと、受験方式ごとのコツをまとめます。今のレベルによって必要な学習期間は変わりますが、基本の流れは共通です。
「いつまでに合格したいか」「どの方式で受けるか」を決めたうえで、自分に合う計画を立てましょう。
レベル別学習期間とステップ
英検3級の対策期間は、今の英語力によって大きく変わります。おおよその目安として、次のように考えてみてください。
どのレベルの人でも、勉強の進め方は次の4ステップが基本です。
1. 過去問1回分を本番同様に解き、「今の実力」と「形式」を知る
2. 中学文法と3級レベル単語の基礎固めをする
3. 技能別(R・L・W・S)の対策をバランスよく進める
4. 検定日の1〜2か月前から、過去問で時間配分と仕上げを行う
最初の過去問であまりに難しいと感じたら、そのまま無理をしても効率が悪くなります。その場合は、「中学英語総まとめ」などの基礎教材で文法と単語を固めてから、再度3級の問題に戻るとスムーズです。
技能別の対策ポイント
ここでは、4技能それぞれの対策のコツを簡潔にまとめます。
リーディング
・3級レベルの単語・熟語を毎日少しずつ暗記し、何度も復習する
・過去問で「語句補充」「会話文」「長文」のパターンに慣れる
・長文は、設問→本文の順に読んで、大事な部分に線を引きながら読む
リスニング
・過去問音声を使い、まずはスクリプトを見ずに解いてみる
・答え合わせ後、スクリプトを見ながら音声を聞き、聞き取れなかった単語に印をつける
・その単語の発音をマネして声に出し、もう一度スクリプトなしで聞いてみる
ライティング
・「意見+理由2つ」の基本型を身につける(例:I think〜. First,〜. Second,〜.)
・よく出るテーマ(部活・スマホ・勉強法など)で、短い英作文を量産する
・学校の先生やオンライン添削を利用して、フィードバックをもらう
スピーキング
・面接の流れ(入室→あいさつ→音読→質問)を動画やテキストで確認する
・カード音読の練習をし、知らない単語が出たときも止まらず読む癖をつける
・「Yes/No+理由」「I like〜 because〜.」などの型を使って、身近な質問に声を出して答える練習をする
ライティングとスピーキングは、自分だけでは採点が難しい分野です。学校や塾の先生、オンライン添削サービス、学習アプリのAI採点などをうまく利用して、「どこを直せばいいのか」を具体的に知ることが上達の近道になります。
面接とS CBTの選び方
英検3級は、「従来型(紙+対面面接)」と「英検S-CBT(PC+録音スピーキング)」の2つの方式で受験できます。どちらも問題形式・難易度・CSEスコアは同じですが、受け方や雰囲気がかなり違います。
主な違いは次の通りです。
従来型が向いている人
・学校の友達と同じ回を受けたい
・紙に書いて解く方が落ち着く
・人と話すスピーキングに慣れておきたい
S-CBTが向いている人
・部活や受験日程の都合で、検定日の自由度がほしい
・PC操作に抵抗がなく、録音スピーキングの方が安心
・同じ級を同じ検定回で最大3回まで受けて、早めに合格したい
どちらを選んでも、英検3級としての資格・CSEスコアはまったく同じです。「自分が一番実力を出しやすい環境はどちらか」を基準に決めましょう。

総括
ここまで、英検3級のレベル感から試験構成、他試験との比較、勉強法まで一気に見てきました。最後に、要点をもう一度整理しておきます。
英検3級は、「英語を勉強してきた成果を形にできる最初の本格的な級」です。合格そのものはもちろん大切ですが、そのプロセスで身につく4技能の基礎は、準2級や高校・大学入試、その先の学び直しにもずっと役立ちます。
この記事を参考に、自分に合った勉強法と受験スタイルを決めて、一歩ずつ合格に近づいていってください。

