英検2級に合格するには、単語だけでなく文法力がとても大切です。とくに大問1・2では、文法の正確さがそのまま得点に直結します。ただ、「どこからが2級レベルなのか」「準2級との違いは?」「何から手をつければいいのか」が分かりにくいですよね。
この記事では、英検2級の文法レベル・出題数の内訳から、頻出分野の優先順位、効率的な勉強ステップ、教材の選び方、スケジュール例までまとめて解説します。順番通りに読めば、「どの文法を、どの順で、どう勉強すればいいか」がはっきり見えるはずです。
- 英検2級の文法レベルと試験での出題位置・出題数が分かる
- 頻出文法分野(仮定法・関係詞・比較・分詞構文など)の優先順位が分かる
- 準2級の総復習から2級文法までの具体的な勉強ステップが分かる
- おすすめ教材の組み合わせ方と時間別学習スケジュールの例が分かる
英検2級文法の全体像
まずは「英検2級で文法がどのくらい重要なのか」「準2級とのレベル差はどのあたりなのか」を整理します。ここが見えていないと、勉強の量も深さも決めにくくなります。
英検2級のレベルと範囲
英検2級の目安レベルは「高校卒業程度」です。学校で習う文法で言うと、次のような内容までがしっかり問われます。
ただし、2級で重要なのは「新しい文法をたくさん知っていること」より、準2級までの文法をミスなく使えることです。
一次試験のリーディングは全38問で、そのうち大問1・2で文法・語法が集中的に問われます。また、長文や英作文でも、文法の理解がないと正しく読めず、正しく書けません。つまり、文法は「大問1・2の得点源」+「長文・英作文の土台」という二重の役割を持っています。
英検公式サイトでは最新の問題が公開されているので、問題の雰囲気をつかみたい人は一度見ておくとよいでしょう(例:日本英語検定協会公式サイト)。
準2級との文法レベル差
準2級までは「基本文法を知っていればなんとなく解ける問題」が多いですが、2級では次のような点が変わります。
たとえば、仮定法なら「If I had money, …」だけでなく、「Without your help, I could not have succeeded.(あなたの助けがなかったら成功していなかっただろう)」のように if を使わない形もよく出ます。
また、準2級ではあまり深く聞かれなかった「分詞構文」「動名詞 vs 不定詞の使い分け」「可算・不可算名詞と数量詞」などが、一気に重要になります。ここがあいまいなままだと、2級の問題で「なんとなく」で選ぶことになり、正答率が安定しません。
そのため、2級対策のスタートラインは「準2級の文法を説明できるレベルで理解していること」です。あいまいなところが多い場合は、後で紹介するように、いったん準2級の文法から総復習する方が結果的に近道になります。
試験構成と文法の出題数
英検2級一次試験の全体構成は、リーディング38問、リスニング30問、ライティング1題です。このうち、文法がはっきり問われるのは主にリーディングの大問1・2です。
過去問分析から見ると、おおよそ次のようなイメージです(年度により多少変動します)。
| 大問 | 内容 | 文法が関わる問題数の目安 |
|---|---|---|
| 大問1 | 短文の語句空所補充(単語・熟語・文法) | 文法知識問題が約3問、前置詞1問前後 |
| 大問2 | 文整序・短い文の空所補充 | 接続詞や文法知識が2〜3問 |
| 大問3〜5 | 長文読解(内容一致・空所補充など) | 直接の文法問題ではないが、文法力がないと読めない |
「純粋な文法問題」は10問もありませんが、実際には、語彙・熟語問題でも文法の理解があるかどうかで正答率が変わります。さらに、英作文でも主語動詞の一致・時制・冠詞・前置詞のミスは減点対象になります。
つまり、文法は「直接問われる問題」以上に、試験全体の土台として影響していると考えましょう。

頻出文法分野と優先順位
次に、「どの文法分野を優先して勉強するか」を整理します。全部を一気に完璧にしようとすると、時間も気力も足りません。よく出る分野から順番に仕上げていくのが、英検2級合格への近道です。
まず固める基礎文法
英検2級対策といっても、いきなり分詞構文や仮定法の応用に飛びつくのは危険です。まずは、準2級レベルまでの次の基礎を「説明できるレベル」で固めましょう。
特にチェックしたいのは、次の3つです。
① 主語と動詞の一致:主語が長くなったときに動詞を間違えやすいです。例:
The number of students in this school is increasing.
→ 主語は The number なので単数。「students」に惑わされないことが大事です。
② 時制と完了形:現在完了(have+過去分詞)と過去形の使い分け、By the time 〜, had done. のような過去完了が出てきます。
③ 可算・不可算名詞と数量詞:information, advice, furniture, equipment などは不可算で、many ではなく much / a lot of を使う…といった基本を正確に押さえます。
このレベルがあいまいだと、いくら難しい文法を勉強しても点が安定しません。「基礎の穴埋め」が先です。
2級レベルの重要文法
基礎を確認したら、英検2級で特に狙われやすい次の文法分野を優先して仕上げます。
たとえば仮定法は、文法問題としてだけでなく、長文・英作文でもよく出てきます。
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英語:If I had studied harder, I would have passed the exam.
日本語:もっと一生けん命勉強していれば、その試験に合格していただろうに。 -
英語:Without your advice, I could not have solved the problem.
日本語:あなたの助言がなかったら、その問題は解けなかっただろう。
どちらも「実際とはちがう過去のこと」を言っているので、If + had 過去分詞、助動詞の過去形+have+過去分詞の形になります。このパターンを丸ごと覚えておくと、選択肢問題でもすぐに判断できます。
また、動名詞と不定詞の使い分けも2級では必須です。たとえば:
・enjoy / finish / give up / avoid / consider など → 後ろは動名詞(〜ing)だけ
・agree / decide / expect / refuse / pretend など → 後ろは to不定詞だけ
さらに、forget / remember / regret / try などは、動名詞か不定詞かで意味が変わるので要注意です。
頻出パターンと出題傾向
英検2級の文法問題は、「ルールを説明できるか」よりも「パターンとして見抜けるか」が大事です。よく出る形をいくつか紹介します。
たとえば比較表現なら、次のような問題形式がよくあります。
-
英語:He has ( ) ten books.
選択肢:A. no more than / B. no less than / C. not more than / D. not less than
このとき、「10冊も持っている」という意味にしたければ、答えは B: no less than(〜も)です。一方、「たった10冊しかない」なら A: no more than になります。このように、比較表現は「量のニュアンス」で選ばせる問題が多いです。
すべてを一度に覚えるのではなく、「頻出パターンを1つずつ確実に身につける」ことを意識しましょう。

効果的な文法勉強法
ここからは、実際の勉強の進め方です。「準2級の復習 → 2級頻出文法 → 問題演習 → 長文・英作文で使う」という流れで学ぶと、ムダが少なく効率的に伸びます。
準2級の総復習の進め方
「準2級まではなんとなく通ってしまった」「文法用語があいまい」という人は、いきなり2級文法に入るのではなく、次の順番で準2級レベルを総復習しましょう。
このとき、「説明を読んでなんとなく理解」ではなく、「自分の口で説明できるか」「日本語訳と例文をセットで言えるか」を意識して確認してください。
教材は、教科書タイプ(例:総合対策教本や「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズ)でも、準2級向けの文法特化本でもかまいません。大事なのは、同じ1冊を何周もすることです。
準2級文法をやり直すのは遠回りに見えますが、ここで穴をふさいでおくと、2級レベルの文法が理解しやすくなり、結果的に合格までの時間が短くなります。
頻出文法の学習ステップ
2級頻出の文法分野は、「ルール→代表例文→問題演習」の3ステップで学ぶと定着しやすいです。ここでは例として、分詞構文と動名詞vs不定詞の学び方を見てみましょう。
たとえば分詞構文なら、次のような変形練習が効果的です。
-
英語:When I entered the room, I saw Tim.
日本語:部屋に入ったとき、私はティムを見ました。 -
英語:Entering the room, I saw Tim.
日本語:部屋に入ると、私はティムを見ました。 -
英語:When the island is seen from the sky, it looks like a cat.
日本語:その島は空から見ると、ネコのように見えます。 -
英語:Seen from the sky, the island looks like a cat.
日本語:空から見ると、その島はネコのように見えます。
このように、「When S V, 〜」を「V-ing, 〜」「過去分詞, 〜」に変えるパターンとして覚えると、分詞構文の問題はかなり解きやすくなります。まずは形で覚え、慣れてきたら「時間」「原因」「条件」など意味の違いも意識しましょう。
動名詞vs不定詞も、一覧で整理してから例文・問題という順番がよく合います。学校や塾、教育委員会の資料などにも整理表が載っていることが多いので、確認してみるとよいです(例:各自治体教育委員会の英語学習支援ページなど:文部科学省公式サイトからリンクされていることがあります)。
長文と英作文への活かし方
文法を「問題集の中」だけで終わらせず、長文や英作文で使える力にすることが大切です。そのために、次のような練習を取り入れましょう。
たとえば英作文で「もしもっと時間があれば、ボランティアをしたいです」と書きたいとき、次のように仮定法を使えます。
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英語:If I had more free time, I would do volunteer work.
日本語:もっと自由な時間があれば、ボランティア活動をしたいです。
また、長文を読むときは、「後ろから日本語に組み立てる」のではなく、「英語の語順のまま」意味を追う練習をしましょう。たとえば:
-
英語:Would you like to come to school and talk about your job?
日本語:学校に来て、あなたの仕事について話してもらえませんか。
これを「来てほしいですか/学校に/そして話す/仕事について」と、英語の順のまま意味をつないでいくイメージで読むと、読みスピードがぐっと上がります。この読み方に慣れると、長文の時間が短くなり、英作文に時間を回せるようになります。

教材選びと学習スケジュール
最後に、文法対策に使える教材の種類と、時間別の学習プランを紹介します。文法書だけに偏ってもダメですし、過去問だけでも弱点が分かりにくくなります。役割のちがう本をうまく組み合わせて使うのがポイントです。
文法書と問題集の選び方
英検2級の文法対策用の本はたくさんありますが、必要なのは次の3タイプです。
文法専用本は、
・英検2級 英文法まる覚え
・英検2級 項目別 英文法
・英検2級 語彙・文法&読解問題ドリル(文法・語彙・読解をまとめて演習)
などが代表的です。持ち運びやすい文庫サイズ・スキマ時間用(「電車でおぼえる」シリーズなど)もあります。
総合対策本は、
・英検2級 総合対策教本(旺文社)
・英検2級をひとつひとつわかりやすく。
・1か月で攻略!英検2級
など、「試験全体の流れをつかむ」目的で1冊持っておくと安心です。
過去問は、
・英検2級 過去6回全問題集(旺文社)
・英検2級 過去問集(教学社・赤本シリーズ)
のどちらか1冊で十分です。重要なのは、「最新の形式に合っているか」「解説が分かりやすいか」です。
他教材との組み合わせ方
文法だけに集中しすぎると、単語・熟語・長文・英作文がおろそかになります。逆に、単語帳だけやっていても文法の穴は埋まりません。バランスの良い組み合わせの例を挙げます。
理想は、
・平日:文法+単語+短い長文(または英文)
・休日:過去問1回分 or 総合問題+英作文
のように、「毎日少しずつ4技能に触れる」形です。
特に、熟語は大問1で多く出るので、単語帳の熟語パートや「語彙・イディオム問題500」のような分野別問題集で集中的に鍛えると効果が高いです。前置詞のイメージ(in=中、out=外へ、on=くっつく、off=離れる など)とセットで覚えると、記憶に残りやすくなります。
時間別学習プランと注意点
最後に、学習期間別のおおまかなプランを示します。あくまで一例なので、自分の生活リズムに合わせて調整してください。
1日あたりの時間の目安は、
・毎日30分程度:文法+単語(スキマ時間活用)
・余裕がある日は:+長文1題 or 英作文1本
というイメージです。
※直前期に「過去問だけを何回も解きまくる」という勉強法はおすすめできません。間違えた原因(文法・語彙・読解力など)を分析し、文法書や単語帳に戻って弱点をつぶす「往復作業」がないと、点数はなかなか伸びません。
また、学校文法のノートだけを読み返しても、英検の形式には慣れません。必ず英検用の問題(過去問 or 専用問題集)を使って、「本番に近い形で解く」練習を入れてください。


