英検3級は「中学卒業程度」と言われますが、合格率は約50%と、決して油断できないレベルです。
一方で、きちんと対策すれば小学生でも合格できる試験でもあります。
この記事では、合格率や合格ラインの数字をもとに、「どれくらい勉強すれば、どんな勉強をすれば合格できるか」をできるだけ具体的に解説します。
自分やお子さんの現在地から、合格までのイメージをはっきりさせていきましょう。
- 英検3級の一次・二次それぞれの合格率と、通算合格率の目安が分かる
- CSEスコア・素点ベースで「何割取れば合格圏か」の具体的な目安が分かる
- レベル別の必要勉強時間と、効率的な対策の流れが分かる
- 4級・準2級との違いや、3級取得のメリットが分かる
英検3級の合格率と難易度
まずは「どのくらいの人が受かっているのか」「自分にとって難しいのか」を数字ではっきりさせます。
2016年以降、英検3級の公式合格率は公表されていませんが、過去データと現在の出題傾向から、かなり正確に推定することができます。
一次二次それぞれの合格率目安
英検3級は「一次試験(筆記+リスニング+ライティング)」と「二次試験(面接)」の2段階で合否が決まります。
2015年まで公表されていたデータを見ると、おおよそ次のような合格率でした。
| 試験 | 内容 | 合格率の目安 | イメージ |
|---|---|---|---|
| 一次試験 | 筆記+リスニング+ライティング | 約50%前後 | 2人に1人が合格 |
| 二次試験 | 面接(スピーキング) | 約90%前後 | 10人中9人以上が合格 |
一次試験の合格率は、2013〜2015年で毎年50%を少し超える程度でした。
二次試験は、2009〜2011年のデータで毎年92%台と、かなり高い合格率です。
つまり、山場は一次試験であり、二次はパターンを押さえれば通りやすい試験と言えます。
※合格率は「合格者数 ÷ 志願者数」で計算されます。欠席者も含まれるので、実際に受けた人に限れば合格率は少し高くなります。
通算合格率とレベル感
一次・二次を合わせた「通算の合格率」をざっくり計算すると、次のようになります。
一次約50% × 二次約90% ≒ 通算約45% です。
一部の調査では「全体として6割合格」とするところもありますが、欠席者の扱いなどで数字の出方が変わります。
どちらにしても、「誰でも受かる簡単な試験」ではありません。
レベルとしては、英検協会は3級を「中学卒業程度」としています。
必要な語彙数は、一般的な目安として約1,250〜2,580語ほどです。
文部科学省の調査では、CEFR A1以上(だいたい英検3級レベル)に達している中学生は約5割とされています。
つまり、中学生の約半分が到達する標準的な目標だが、半分は届かないレベルというイメージです。
英検のレベルやCSEスコアとCEFRの関係は、英検協会公式の説明が参考になります。
英検CSEスコアとCEFRの関係(日本英語検定協会)も合わせて確認しておくと、自分の位置づけがより分かりやすくなります。
非公開後も推定できる根拠
2016年度から、英検3級の合否は「CSEスコア」という新しい尺度で判定されるようになりました。
このタイミングで、合格率の公式発表は行われなくなりました。
それでも現在の合格率がおおよそ「一次50%前後、二次90%前後」と考えられるのには、次のような理由があります。
特に重要なのは、CSEスコアが「問題の難しさをならす」仕組みだという点です。
もしある回の問題が難しければ、同じ正答数でもCSEスコアは高めにつきます。
逆に簡単な回なら、スコアは低めになります。
このおかげで、毎回の合格率が大きくブレないようになっていると考えられます。
そのため、過去の合格率50%前後という数字は、今も大きくは外れていないと見て良いでしょう。

合格ラインと必要な実力
ここでは「何点取れば合格なのか」「どのくらいの力があれば合格圏か」を、CSEスコアと素点の両方から整理します。
また、「中学卒業程度」とは具体的にどんなレベルなのか、語彙や文法の範囲も確認しておきます。
CSEスコアと合格基準
現在の英検3級は、次のCSEスコアを満たせば合格です。
英検3級では、4技能それぞれに550点ずつの上限スコアが設定されています。
一次試験では、リーディング・リスニング・ライティングの3技能(各550点)が合計された「1650点満点」で判定されます。
合格基準の1103点は、おおよそ満点の3分の2弱(約67%)です。
注意したいのは、CSEスコアは「素点の単純な割合」ではないことです。
問題の難しさによってスコアが調整されるため、同じ正答数でも回によってCSEスコアが少し変わります。
そのため、「CSEスコアで1103点を目指す」ことを意識しつつ、実際の勉強では「素点で何割を取るか」を目安にすると計画が立てやすくなります。
何割取れば合格圏か
素点ベースの「合格ラインの目安」は、各種データから次のように考えられます。
一次試験目安:全体で6割強、できれば7割目標
一次試験の素点は、おおよそ88点満点と考えるのが一般的です。
そこから計算すると、合格圏のイメージは次の通りです。
実際に、53/85点(約62%)で合格したケースも報告されています。
このことから、「全体で6割ちょっと」取れていれば合格の可能性があり、7割近く取れればかなり安全と考えられます。
各技能のバランスについては、次のような目安配分がよく紹介されます。
この配分が示しているのは、「リスニングでしっかり稼ぎ、リーディング・ライティングは5〜6割でも合格可能」ということです。
ただし、ライティングを0点にする戦略は絶対にNGです。
4技能合計2,200点満点のうち、ライティングだけで550点を占めるため、ここが0点だと、他で高得点でも合格はほぼ不可能になります。
二次試験については、CSE353点(約64%)が合格ラインです。
素点ベースでは23点前後がよく目安として出されます。
二次の合格率は約90%なので、ある程度の型とフレーズを押さえれば、落ちる人は多くありません。
※CSEスコアは難易度補正が入るため、「○割取れば必ず合格」とは言えません。安全のため、一次は7割前後、二次も65〜70%を目標にしましょう。
必要語彙量と文法範囲
英検3級で求められるレベルを、語彙と文法の面から整理します。
語彙(単語・熟語)の目安は、各社の指導情報を総合すると約1,250〜2,580語です。
幅があるのは、「教科書だけで想定するか」「英検独自語も含めるか」で数え方が違うためです。
ざっくり言えば、
というイメージです。
たとえば、ニュース・環境・ボランティアなど、教科書にも出てくるけれど、やや「勉強寄り」の単語も多くなります。
文法は「中学3年間の総まとめ」と考えるとイメージしやすいです。
特に、次のような単元がしっかり使える必要があります。
これらは、長文読解にもライティングにも、二次面接の受け答えにも関係してきます。
「知っている」だけでなく、「自分で使えるレベル」まで仕上げることが、合格への近道です。
英検各級で求められる語彙数やレベル感については、語学学校のコラムも参考になります。
英検3級のレベル解説記事(ESL Club)などで、他級との比較も確認しておくとよいでしょう。

効率的な勉強時間と対策法
ここからは、「今のレベルから、どれくらい勉強すればいいか」「どの順番で勉強すれば合格に近づくか」を具体的に見ていきます。
同じ3級合格でも、必要な勉強時間には人によって大きな差があります。
レベル別の勉強時間目安
英検3級までに必要な勉強時間は、元の英語力によって大きく変わります。
代表的なパターンごとに、だいたいの目安を整理します。
「中3内容が終わっている+苦手が少ない」場合は、1日30分を1か月ほど続ければ合格圏に届くイメージです。
一方、「4級レベルから一気に3級を目指す」場合は、文法・語彙・リスニングの土台作りに時間がかかるため、1日30分でも半年〜1年ほど見ておく必要があります。
大切なのは、「時間」そのものよりも、その時間をどう使うかです。
同じ100時間でも、
では、得られる成果がまったく違います。
一次試験の優先対策
一次試験の合格率が約50%と低めなぶん、ここでの対策の優先順位がとても大事です。
おすすめの順番は次の通りです。
- 単語・熟語:毎日20分、音声を聞きながら声に出して覚える
- リスニング:1日5〜10分でも良いので、公式問題や過去問音声を聞く習慣をつくる
- 基本文法の整理:中1〜中3の主要文法を一冊で総復習する
- リーディング(長文):過去問・予想問題で形式と時間感覚に慣れる
- ライティングの型:テンプレートを暗記して、実際に数多く書いてみる
なかでも、リスニングは最も得点源にしやすいパートです。
単語がある程度入っていれば、音声は2回流れますし、会話もそれほど難しくありません。
逆に、単語力が足りないと長文・文法問題はどうしても伸びにくくなります。
一次試験の理想的な時間配分も、早めに体に染み込ませておきましょう。
例として、65分の使い方は次のようにイメージすると良いです。
本番前に、過去問を少なくとも3回分は「時間を測って」解き、間違えた問題を必ず復習しておきましょう。
ライティングと面接対策
ライティングとスピーキング(二次面接)は、「怖い」と感じがちな分野ですが、実はパターン化しやすい得点源です。
まずライティング(一次)から見てみます。
3級のライティングは、
の2種類が定番です。
どちらも、次の「型」を覚えることで、難しい単語を使わなくても高得点を狙えます。
意見英作文の型
1行目:I think 〜.(自分の意見)
2行目:First, 〜.(理由1)
3行目:Second, 〜.(理由2)
理由は、because や so などの接続詞を使って、できるだけシンプルな文で書きます。
たとえば「difficult」という単語が出てこなければ、「not easy」と言い換えてもかまいません。
次に二次試験(面接)です。
面接は5分ほどで、流れがほとんど固定されています。
- 入室 → 挨拶
- パッセージ(短い文章)を黙読 → 音読
- 内容についての質問3問+自分のことについての質問2問
- カードを返して退室
よく使うフレーズをあらかじめ決めておき、口が勝手に出るくらいまで練習しておくと安心です。
-
英語:I think so because it is fun.
日本語:楽しいので、そう思います。 -
英語:Pardon? / Could you say that again?
日本語:すみません、もう一度言っていただけますか。 -
英語:Well, I like playing soccer with my friends.
日本語:ええと、友だちとサッカーをするのが好きです。
これらのフレーズは、録音して何度も真似し、反射的に出てくるまで練習しましょう。
二次の合格率は90%以上なので、型とフレーズを押さえさえすれば、よほどのことがない限り合格できます。

関連級との比較とよくある疑問
最後に、4級・準2級との難易度の違いや、3級取得のメリット、合格率に関するよくある疑問をまとめて解説します。
「今3級を受けるべきか」「次はどの級を目指すか」を考える材料にしてください。
4級準2級との難易度差
英検3級は、4級と準2級のちょうど中間に位置する級です。
それぞれの違いを、語彙数・レベル・合格率の観点から簡単に比べます。
特に大きな違いは、3級からライティングと二次面接が必須になる点です。
4級までは「読む・聞く」が中心ですが、3級からは「書く・話す」も同じくらい重要になります。
準2級になると、長文の量と単語レベルがさらに上がり、「高校の定期テスト〜入試レベル」の問題も多くなります。
このため、多くの学習者にとっては、
4級 → 3級 → 準2級 の順番で受験していくのが、無理がなくおすすめです。
4級に合格していれば、3級の文法や単語もある程度は重なりますので、その上に「ライティングと面接」を積み上げていくイメージです。
英検3級取得のメリット
英検3級を取ることで得られるメリットは、大きく3つあります。
3級は「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバランスよく問う最初の級です。
ここでしっかり土台を作っておくと、その後の学校の授業や、準2級以上の勉強がとても楽になります。
また、多くの中学・高校では、英検3級以上を入試で評価します。
たとえば、
といった形で優遇されることがあります。
学校ごとの具体的な扱いは、志望校の募集要項や進学情報サイトで確認する必要がありますが、「3級を持っているかどうか」で選べる学校の幅が変わるケースも少なくありません。
さらに、3級の勉強で身につけた文法・語彙・ライティングの型は、準2級・2級でもそのまま使えます。
3級合格は、「本格的な英語学習のスタートライン」として、とても良い区切りになります。
合格率に関するQ&A
最後に、英検3級の合格率や合格ラインについて、よくある疑問にQ&A形式で答えます。
Q1:英検3級の合格率は50%って、本当に難しい?
A:大学入試などと比べれば「十分に狙える」レベルです。
ただし、何も対策をしないと2人に1人は落ちる試験でもあります。
過去問演習と単語・リスニングの継続をすれば、合格率は自分で高めていけます。
Q2:何割取れば必ず合格できますか?
A:「必ず」は言えませんが、一次試験なら全体で6割強〜7割が1つの目安です。
CSEスコアで判定されるため、問題の難易度によって必要な正答数は少し変わります。
Q3:ライティングを捨てて他で頑張る戦略はアリ?
A:ナシです。
ライティングは4技能のうちの1つとして、550点分のCSEスコアが割り当てられています。
ここを0点にすると、他で満点近くを取っても合格ラインに届かない可能性が高くなります。
最低でも「型どおりの短い英作文」を書けるようにしておきましょう。
Q4:二次試験の合格率が90%以上なら、何も対策しなくても受かりますか?
A:合格率が高いのは事実ですが、「ノー対策」で落ちてしまう人もいます。
とくに、
といった場合は減点が大きくなります。
模擬面接やバーチャル二次試験などで、流れとフレーズだけは事前に練習しておきましょう。
Q5:3級合格後、すぐに準2級を目指すべき?
A:中学内容がしっかり身についているなら、3級合格後すぐに準2級を目指しても構いません。
ただし、3級にギリギリ合格した場合は、準2級の勉強に入る前に、「3級の単語・文法・リスニング」をもう一度しっかり固めておく方が、結果的に近道になることが多いです。

総括
ここまで、英検3級の合格率・合格ライン・必要な実力・勉強時間の目安などをまとめてきました。
最後に、特に大事なポイントを整理しておきます。
「合格率50%」という数字だけを見ると不安に感じるかもしれません。
しかし、その半分の人は、十分な準備をしていなかったり、対策の方向がずれていたりすることが多いのも事実です。
この記事で整理した合格ラインや勉強ステップを参考に、「自分に必要な時間」と「やるべきこと」をはっきりさせて、計画的に進めていきましょう。

