英検準1級は「大学中級レベル」とされ、合格率はおおよそ15%前後と、決して簡単ではない試験です。
一方で、入試・奨学金・就職・留学などでの評価は高く、合格できれば見返りも大きい資格です。
この記事では、合格率や難易度を数字で整理しつつ、「どのくらいのレベルを目指せばよいのか」「どう勉強すれば合格率を上げられるのか」を、できるだけ具体的に解説します。
自分の今の実力と照らし合わせながら、ムリのない合格プランを立てるためのガイドとして活用してください。
- 英検準1級の合格率と難易度の実態がわかる
- CSEスコア・正答率の目安から合格ラインをイメージできる
- 2級から準1級に上がるための学習戦略と勉強期間の目安がつかめる
- 準1級のメリットと、他試験との比較から「どの試験を受けるべきか」が判断できる
英検準1級の合格率と難易度
この章ではまず、「準1級はどれくらい狭き門なのか」「2級や1級と比べてどのくらい難しいのか」を数字ベースで整理します。
自分の立ち位置を知ることで、必要な勉強量や受験回数のイメージがはっきりしてきます。
最新の合格率と過去推移
英検準1級の合格率は、現在は公式にパーセンテージが公表されていません。
ただし2015年度までの協会データや、各社の分析から、全体の合格率は「おおよそ15〜16%前後」と見てよいです。
合格率15%というのは、「受験者6〜7人に1人が受かるレベル」です。
ほとんどが不合格になるので、英検の中でもかなりハードな級といえます。
過去には、英検協会や旺文社などから試験回ごとの合格率が公開されていた時期があり、準1級はだいたい10%台半ばで推移していました。
2016年以降は、代わりにCSEスコアやCEFRレベルなど「スコア基準」が前面に出され、合格率は参考値として扱われるようになっています。
参考までに、CSEスコアの仕組みや基準値は英検公式サイトに詳しくまとまっています。
仕組みを確認したい方は、日本英語検定協会のCSE紹介ページもあわせてチェックしておくと理解が深まります。
合格率だけを見ると厳しく感じますが、後で説明する通り、二次試験まで進めば合格率はぐっと上がるため、「一次を突破できる実力作り」が最大のポイントです。
一次試験と二次試験の合格率
準1級は「一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)+二次試験(スピーキング)」の両方に合格して、はじめて合格となります。
この2段階があることが、合格率をさらに低く感じさせる理由です。
正確な公式データは出ていませんが、各種予備校・教材会社の分析から、およそのイメージは次のようになります。
つまり、最大の関門は一次試験です。
二次まで進んだ人の多くは、きちんと対策すれば合格できるレベルにいます。
ただし二次は「英語で話すこと」に慣れていないと実力を出しきれません。
一次対策に集中しつつも、「合格したらすぐ二次が来る」と考えて、スピーキングの練習も少しずつ進めておくと安心です。
2級・1級との難易度比較
準1級の難しさをイメージしやすくするために、2級と1級との違いを簡単に整理します。
英検が公表している位置づけでは、各級のレベル感は次のようになります。
| 級 | 想定レベル | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2級 | 高校卒業程度 | 日常生活+身近な社会的話題 |
| 準1級 | 大学中級程度 | 政治・経済・環境・文化など、社会性の高い話題 |
| 1級 | 大学上級程度 | 専門性の高いテーマまで深く扱う |
TOEICスコアでの目安は、各種資料から次のようにまとめられます。
また、準1級の語彙レベルはおよそ7,500〜9,000語、2級は4,000〜5,000語とされています。
語彙だけ見ても、「2級 → 準1級」で必要単語数が大きく跳ね上がることがわかります。
CEFR(ヨーロッパで使われる国際的な語学レベル指標)では、準1級は主にB2レベルに対応します。
これは「大学の授業・セミナーで英語を使って学び、自分の意見もある程度述べられる」レベルと考えてよいでしょう。
このように、準1級は2級よりも1段上、1級よりは少し手前という位置づけで、「難関大受験レベルの実力」が必要とイメージしておくと現実的です。

まずは一次試験突破をゴールに据え、2級より語彙と読解量をしっかり増やす意識を持ちましょう。
合格基準とレベル感の整理
ここからは、合格判定の仕組みや「何割取れば合格圏か」を具体的に整理します。
自分の今のスコアや模試の結果を、合格ラインと比べられるようになると、学習計画が立てやすくなります。
CSEスコアと合格ライン
英検準1級では、合否が「何点中何点正解」ではなく、CSEスコアという共通スコアで判定されます。
準1級の合格基準は、英検公式の情報から次の通りです。
重要なのは、各技能の設問数が違っても、CSEの満点は全部750点で共通という点です。
つまり、どれか1技能だけ満点近く取っても、他が低いと合格できません。4技能をバランスよく伸ばす必要があります。
また、合格基準CSEスコアは試験回ごとに変わらず固定です。
そのため、「この回は難しかったから合格ラインが下がる」といったことはなく、いつ受験しても求められるレベルは同じと考えてよいでしょう。
必要正答率の目安と根拠
「結局、何割くらい正解すれば合格なのか」が一番気になるところだと思います。
英検協会は具体的な換算式を公開していないため、「○問正解で合格」といった形では言えません。
ただし、公開されたデータや過去の試験分析から、合格者の多くは各技能でおよそ7割前後の正答率を取っているとされています。
2016年度第1回のデータでも、「正答率7割程度の受験者が多く合格した」と公表されました。
そのため、実戦的な目標としては次のように考えるとよいでしょう。
もちろん、7割に少し届かなくても、ライティングやスピーキングで高評価を取れれば合格することもあります。
逆に、1技能だけ5割程度しか取れないと、他でカバーしてもCSEが足りず落ちるリスクが高いです。
模試や過去問を解いたら、「総合の正答率」とあわせて、各技能で7割ラインにどれくらい届いているかを必ずチェックする習慣をつけましょう。
他試験とのレベル対応表
自分の現状スコア(TOEICやTOEFLなど)から準1級までの距離を知りたい人も多いと思います。
ここでは、代表的な試験との対応目安を整理します。
さまざまな教育機関や英検公式のCEFR対応表などをもとにした、おおよその目安は次の通りです。
| 指標・試験 | 準1級の目安レベル |
|---|---|
| CEFR | B2(スコアによってはB1〜B2の間) |
| TOEIC L&R | 約730〜820点前後(資料によっては785点以上) |
| TOEFL iBT | 約72〜90点前後 |
| 英検2級 | 高校卒業レベル、TOEIC550点以上程度 |
| 英検1級 | CEFR C1前後、TOEIC900点級 |
CEFRの観点では、英検準1級に合格すると、多くのケースで4技能総合スコアが「B2レベル」に入ります。
これは「大学の講義で英語を使い、専門的でない範囲なら自分の意見も十分に述べられる」レベルです。
なお、CEFRやスコアの対応はあくまで目安です。
同じTOEIC800点でも、リスニング型かリーディング型かで準1級の合否は大きく変わります。
自分の強み・弱みを4技能ごとに見ておくことが重要です。

自分のTOEICや学校テストの結果を、CEFRやCSEの目安と結びつけて、「あとどれくらい伸ばせばよいか」を数字で意識してみてください。
合格率を上げる学習戦略
ここからは、実際に合格率を高めるための学習戦略を具体的に整理します。
2級レベルから準1級に届くにはどんなギャップがあり、どんな順番で対策していけばよいのかを、4技能別に見ていきます。
2級から準1級へのギャップ
2級に合格していても、「準1級の過去問を解いたら全然読めなかった」という声はよく聞きます。
ここでは、特に差が大きいポイントを整理します。
まず、語彙のギャップです。
2級が約4,000〜5,000語レベルに対し、準1級は約7,500〜9,000語レベルとされています。
つまり、2級レベルからさらに3,000〜4,000語程度、しかも抽象的・学術的な単語を追加で覚えるイメージです。
次に、長文の内容と量です。
準1級では、政治・経済・環境・医療・テクノロジー・歴史・文化など、社会性の高いテーマが中心になります。
文章量も2級の約1.5倍ほどに増え、評論文や論文調の文章も多く出ます。
リスニングでは、「答えがそのまま聞こえる」2級に対し、準1級では言い換え表現や要約が多くなります。
会話の背景や話者の立場を理解していないと、選択肢がうまく選べない問題が増えるのが特徴です。
ライティングとスピーキングでは、「社会問題についての自分の意見」を、根拠を挙げて論理的に話す・書く力が問われます。
たとえば「オンライン授業を高校でもっと広げるべきか」「動物園は必要か」といったテーマに、自分の考えを英語で説明できる必要があります。
このように、2級とのギャップは主に「語彙量」「テーマの抽象度」「情報量」の3点にあります。
ここを意識して学習計画を立てることで、遠回りをせず合格率を上げることができます。
4技能別の弱点分析と対策
準1級は4技能バランス型の試験です。
どれか1つでも極端に弱い技能があると、CSEスコアが足りず合格を逃しやすくなります。
ここでは、技能ごとの「よくある弱点」と「合格率を上げる対策の方向性」をまとめます。
リーディングでは、「語彙不足」と「時間切れ」が最大の敵です。
まずは準1級レベルの単語帳を1冊決め、毎日20〜30語ペースで覚えながら、過去問の長文を精読していきましょう。
長文は、正解・不正解に関わらず、全問日本語に訳せるレベルまで読み込むと、読解力が大きく伸びます。
リスニングは、「英語を日本語に変換しながら聞くクセ」が残っていると厳しくなります。
過去問の音声を使い、「聞きながら日本語を介さず、状況をイメージでつかむ」練習をくり返しましょう。
スクリプトを読み込んでから聞く、ディクテーションをする、といった地道な訓練も効果的です。
ライティングは、構成のテンプレートを持つことが重要です。
たとえば「導入(自分の意見)→ 理由1 → 理由2 → 結論」という4段構成で、よく使う表現をあらかじめ決めておきます。
あとは、過去問のテーマで実際に書き、できれば学校の先生やオンライン添削サービスにチェックしてもらうと効率が上がります。
スピーキング(二次試験)は、「話す内容が思いつかない」「緊張して声が小さくなる」という悩みが多いです。
普段から、身の回りの出来事やニュースについて、1分程度で英語で説明する練習をしましょう。
オンライン英会話や友人との模擬面接など、「本番に近い形で声に出す」回数を増やすことが、合格率アップの近道です。
学習期間と勉強計画の目安
準1級合格までに必要な学習期間は、現在の実力や学習環境によって大きく変わりますが、各種調査では次のような傾向があります。
一般的には、2級合格レベルから準1級合格を目指すなら、3か月〜半年ほど見ておくと現実的です。
学習計画の大まかな例を挙げると、次のようになります。
【試験3か月前〜2か月前】
語彙の底上げと形式慣れの期間です。
単語帳を1周まわしつつ、過去問1年分を「時間を気にせず」解いて、形式に慣れます。
この段階では、正答率は5〜6割でも構いません。
【2か月前〜1か月前】
本番形式での演習と弱点補強の期間です。
リーディング・リスニングは時間を計って解き、ライティングも本番と同じ語数で書きます。
過去問を解いたら、間違えた問題とライティングの添削結果をもとに、弱点分野(語彙、特定のテーマ、文法など)を重点的に復習します。
【1か月前〜直前】
総仕上げの期間です。
過去問や模試を使って本番シミュレーションを何度か行い、時間配分と体力を整えます。
同時に、二次試験を見すえて、ニュース記事の要約や意見述べの練習を始めておくと、一次合格後に慌てずに済みます。
1日あたりの勉強時間は、社会人なら平日1〜2時間+休日3時間前後、高校生・大学生なら平日2〜3時間を目安に考えると、上のスケジュールが回しやすくなります。

語彙と長文量を3〜6か月かけて増やしつつ、4技能をバランスよく鍛えることが、合格率を着実に上げる一番の近道です。
準1級のメリットと試験比較
最後に、「準1級に挑戦する価値」と「他の英語試験との使い分け」について整理します。
入試・奨学金・就職・留学など、目的によって優先すべき試験は変わるので、自分にとってのベストな選択を考えてみましょう。
入試や就職での優遇と効果
英検準1級は、日本国内での知名度と信頼度が非常に高い資格です。
特に、大学入試や就職活動での評価が大きなメリットとなります。
大学入試では、多くの大学が英検を「外部試験」として活用しています。
たとえば、準1級取得者に対して次のような優遇が行われるケースがあります。
実際に、国公立・私立問わず多くの大学が準1級を高く評価しています。
どの大学がどのように英検を利用しているかは、英検公式サイト(大学入試への活用情報)から最新情報を確認できます。
また、準1級以上の取得で、授業料免除や奨学金の支給を行う大学もあります。
たとえば、授業料1年分の全額免除、5万円〜20万円程度の奨励金支給、英語の単位認定(2〜4単位分)など、金銭面・時間面のメリットも少なくありません。
就職活動では、英検準1級は「実用レベルで英語を使える人材」としてのアピール材料になります。
グローバル企業、観光業、航空業、商社、教育関係などでは、履歴書に書いておくことで選考で目に留まりやすくなります。
さらに、教員採用試験(英語科)では、準1級以上を持っていると加点や一次試験免除などの優遇がある自治体もあります。
年度や自治体によって条件が違うため、受験予定の自治体の要項を確認しておくとよいでしょう。
英検と他資格の用途比較
「英検準1級を取るべきか、それともTOEICやTOEFL・IELTSを優先すべきか」で悩む人も多いと思います。
それぞれの試験の特徴と用途を簡単に比較してみましょう。
国内の高校・大学入試や、日本の企業就職が主な目的であれば、英検準1級+必要に応じてTOEICという組み合わせが現実的です。
一方、海外大学への進学や移住が目的なら、TOEFLやIELTSのスコアが必須となる場面が多くなります。
英検も、北米やオーストラリアなど一部の教育機関では英語力証明として受け入れられていますが、まだTOEFLやIELTSほどの国際的な標準ではありません。
「海外進学がメイン目標」の場合は、その国・学校が求める試験を最優先で準備しましょう。
よくある疑問と試験選びQ&A
最後に、準1級と合格率に関してよくある疑問を、Q&A形式で整理します。
Q1. 2級に合格したばかりですが、すぐ準1級を受けても大丈夫ですか?
A. 模試や過去問で4〜5割程度しか取れない場合は、もう少し時間をかけて語彙と長文を増やした方が効率的です。
ただし、「一度受けて現実を知る」目的で出願するのも有効です。実際の手応えから、自分に足りない力がはっきり見えてきます。
Q2. 合格率15%と聞くと不安です。どのくらい勉強すれば届きますか?
A. 目安として、2級合格レベルから3か月〜半年、1日1〜3時間の学習を継続できれば、合格圏に入る人が多いです。
大切なのは、なんとなく勉強するのではなく、「語彙」「長文」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」をバランスよく伸ばす計画を立てることです。
Q3. 準1級とTOEIC、どちらを先に取るべきでしょうか?
A. 進路によって優先順位が変わります。
大学入試や教員採用を意識しているなら英検準1級を優先、一般企業就職で英語力をアピールしたいならTOEICも早めに受ける価値があります。
とはいえ、準1級対策はTOEICリーディング・リスニングの力も同時に高めてくれるので、まず準1級を目標に据えるのも良い選択です。
Q4. 一度準1級に合格したら、スコアに有効期限はありますか?
A. 英検の合格そのものには有効期限はありません。
ただし、大学入試などでCSEスコアを利用する場合、「◯年◯月以降のスコアのみ有効」といった条件が付くことがあります。
利用先の最新の募集要項を毎回確認するようにしましょう。

自分の進路や目的に合わせて、英検・TOEIC・TOEFL・IELTSをうまく組み合わせていきましょう。
総括
最後に、英検準1級の合格率・難易度・合格戦略について、記事全体のポイントを整理します。
復習や学習計画の見直しに使ってください。
英検準1級は合格率だけを見ると厳しい試験ですが、求められるレベルや合格ラインを正しく理解し、計画的に学習すれば、着実に合格に近づけます。
「各技能7割」「3か月〜半年の計画」を一つの目安に、自分のペースに合わせて学習を進めていきましょう。

