英検準一級は、「大学中級レベル」「社会生活に十分対応できる英語力」とされる、英検の中でも上位の級です。
一方で、2級とのギャップが大きく、合格率も約15%前後と高くありません。
この記事では、準一級のレベル感を数字と具体例で整理しつつ、「自分は受けるべきか」「どう勉強すれば合格できるか」を、順番に分かりやすく説明します。
高校生・大学生はもちろん、社会人で受験を考えている人にも役立つ内容です。
- 英検準一級のレベル・難易度を、2級・1級や他試験との比較で理解できる
- 自分の現在レベルから、準一級を受けるべきかどうか判断できる
- 合格までの勉強ステップと、技能別(R・L・W・S)の具体的な対策が分かる
- 準一級取得のメリットと、よくある失敗・勘違いをふまえた注意点が分かる
英検準一級のレベルと難易度
最初の章では、英検準一級の「公式な位置づけ」と「実際の難しさ」を整理します。
語彙数・合格率・試験構成、そして高校生・大学生の中での位置づけまで、数字とイメージの両方から確認していきます。
公式レベルと語彙数目安
英検公式サイトによると、準一級のレベルは「大学中級程度」です。
「社会生活で必要とされる英語を十分に理解し、実際に使える力」が求められます。
扱う話題は、日常会話だけでなく、環境問題・テクノロジー・教育・ビジネス・時事ニュースなどの「社会的な話題」が中心です。
文章も会話も、一文が長く、情報量も多くなります。
語彙レベルは、一般に次のように言われます。
つまり、2級から準一級に上がるには、2,500〜4,000語ほど新しい単語を増やす必要があると考えてよいです。
高校英語で習う単語の上限が約5,000語なので、準一級は「学校英語の外側の単語」をかなり多く知っている必要があります。
公式なレベルの説明は、英検の公式ページで確認できます。
詳しく知りたい人は、英検公式サイト(各級のレベルと試験概要)も参考になります。
合格率と試験構成の概要
英検準一級の合格率は、公開されている過去データではおおよそ約15〜16%前後です。
約6〜7人に1人しか受からない計算で、英検の中でも難しい部類に入ります。
ただし、「試験自体が極端に難しすぎる」というより、「2級に合格した直後で準備が足りないまま受ける人が多い」ことも、合格率が低く見える理由です。
しっかり対策すれば、決して手が届かない試験ではありません。
試験構成は次の通りです。
一次はマークシートと英作文、二次は面接官1人との英語面接です。
すべての技能でバランス良く点を取る必要があり、どれか1つだけが極端に弱いと合格が難しくなります。
公式の試験構成やサンプル問題は、英検準1級公式ページで最新情報を確認できます。
過去1年分の過去問・音声が公開されているので、レベル感をつかむのにも役立ちます。
高校生大学生での位置づけ
学習者の実感として、英検準一級は「MARCHレベルの英語」におおよそ相当すると言われることが多いです。
リーディングの長文だけを比べると、MARCHの入試問題と同程度か、やや易しいこともありますが、扱うテーマの幅広さや語彙レベル、リスニングの難しさを合わせると、総合的には「大学入試上位レベル」と考えてよいでしょう。
高校生で準一級を持っている人は、学校全体で見ればまだ少数派です。
特に、公立高校では「学年に数人〜数十人」というケースが多く、「英語がかなり得意な層」と見なされます。
大学生でも、TOEICの平均点が約470点前後であることを考えると、TOEIC785点相当と言われる準一級レベルに到達している人は、それほど多くありません。
そのため、就職活動や交換留学の選考などで、英検準一級ははっきりとしたアピール材料になります。
まとめると、準一級は「大学入試上位〜難関レベルの英語力をもつ高校生・大学生」が目指す級であり、一般的には『英語が得意と言ってよいレベル』だと考えてよいです。

他試験との比較と受験判断
ここでは、英検2級・1級やTOEIC・TOEFL・CEFRとの関係を整理し、「今の自分は準一級を受けるべきか、それとも他の試験を優先すべきか」を考える材料をまとめます。
英検二級一級との違い
英検2級・準一級・1級の主な違いを、レベル・話題・必要語彙で整理してみます。
| 級 | レベル目安 | 主な話題 | 必要語彙数の目安 |
|---|---|---|---|
| 2級 | 高校卒業程度 | 日常+身近な社会的話題 | 4,000〜5,000語 |
| 準1級 | 大学中級程度 | 社会問題・時事・ビジネスなど | 7,500〜9,000語 |
| 1級 | 大学上級程度 | 専門的・高度な話題 | 10,000〜15,000語とも言われる |
特に意識してほしいのは、2級と準一級の間には「1つ上の級」というより、半段〜1段分くらいの大きなギャップがあるという点です。
具体的には次のような違いがあります。
一方で、ライティングとスピーキングは、形式と「型」をつかめば、2級からでも伸ばしやすいパートです。
2級と準一級の差が比較的小さいのもこの2技能で、逆に言えば、ここでしっかり点を取れるかどうかが合否を大きく分けます。
TOEIC TOEFL CEFRとの対応
英検準一級を他の指標で見ると、だいたい次のようなレベルに相当します(あくまで目安です)。
多くの大学や企業では、「英検準一級=CEFR B2相当」と扱うこともありますが、英検の公式なCEFR対応表では、準一級のレンジは「B1〜B2」とされています。
つまり、同じ準一級合格でも、CSEスコア(英検独自のスコア)によってはB1評価になる場合もあるということです。
海外大出願などで「CEFR B2以上」が条件になっている場合は、必ず成績表でCEFR表示を確認してください。
目安としては次のように考えると分かりやすいです。
TOEICの平均点(大学生で約470点)と比べると、準一級レベルは明らかに高い位置にあることが分かります。
受験すべき人の目安
準一級を受けるかどうか迷っている人は、次の3点で考えると判断しやすくなります。
おおよその目安は次の通りです。
1. 受験を強くおすすめしたい人
2. 一度2級を固め直した方がよい人
3. 他の試験を優先してもよい人
とはいえ、準一級対策で身につく「語彙・長文読解・リスニング・意見を述べる力」は、TOEIC・TOEFLのスコアアップにも直結します。
英語力そのものを底上げしたい人には、準一級は非常に良い目標になります。

合格までの勉強法と対策
ここからは、実際に英検準一級に合格するための具体的な勉強法をまとめます。
2級からどのくらい時間が必要なのか、各技能で何を優先して鍛えるべきかを、ステップごとに見ていきましょう。
二級からのステップと時間
英検2級レベルから準一級合格までに必要な時間は、元のレベルや勉強ペースによって差がありますが、よく言われる目安は次の通りです。
ただし、これは「計画的に」語彙・長文・リスニング・ライティング・スピーキングを鍛えた場合です。
なんとなく単語帳を眺めるだけ、過去問を解くだけでは、数年かけても届かないこともあります。
ステップのイメージは次のようになります。
大切なのは、「なんとなく全部を少しずつ」ではなく、「期間を決めて優先順位をつける」ことです。
たとえば、最初の2〜3か月は語彙と長文に集中、その後リスニングとライティングを厚めに、といった具合に計画を立ててみてください。
読解と語彙の効率学習
準一級で最初にぶつかる壁が「語彙」と「長文読解」です。
ここを効率よく伸ばすためのポイントをまとめます。
1. 語彙の増やし方
準一級レベルの単語は、見た瞬間に意味が出てこないと長文が止まってしまいます。
暗記のコツは次の通りです。
2. 長文読解の練習
準一級の長文は、MARCHレベルの入試問題に近く、段落ごとの主張と全体の流れをつかむ力が必要です。
効果的な読み方は次の通りです。
復習では、分からなかった文を「精読」し、主語・動詞・目的語・修飾語を丁寧に確認します。
このときに単語帳だけでなく、長文の中で出てきた単語も一緒に覚えると、記憶に残りやすくなります。
リスニングとライティング
多くの受験者にとって、準一級で一番の壁になるのがリスニングです。
一方で、ライティングは形式に慣れれば得点源にしやすいパートです。
1. リスニング対策
準一級のリスニングは、2級と比べて次の点が大きく違います。
おすすめの練習は「シャドーイング」と「ディクテーション」です。
・シャドーイング:音声を追いかけて、少し遅れて声に出す練習。音のつながりやリズムに慣れます。
・ディクテーション:音声を聞きながら書き取る練習。細かい聞き取り力が鍛えられます。
過去問とスクリプトを使い、「聞く → シャドーイング → スクリプトを読む → もう一度聞く」というサイクルを回すと、理解度が上がります。
2. ライティング対策
準一級では、社会問題について自分の意見を書く英作文と、英文の要約が出題されます。
ライティングで大事なのは、語数よりも構成と論理です。
基本の型は次のようなイメージです。
最初は、過去問の模範解答を参考にしながら、同じ構成で別のトピックを書いてみましょう。
可能なら、学校の先生やオンライン添削サービスでチェックしてもらうと、自分では気付きにくいクセが分かります。
二次面接スピーキング対策
一次試験に合格すると、二次試験の面接があります。
内容は、おおまかに次の4ステップです。
多くの人が苦戦するのは、「社会的なテーマについて意見を述べる」部分です。
内容自体が難しく、「そもそも日本語で考えたことがないテーマ」が出ることもあります。
対策のポイントは3つです。
英検公式の「バーチャル二次試験」では、入室から退室までの流れを動画で確認できます。
面接本番をイメージしやすくなるので、一度は見ておくと安心です。

メリット注意点とQandA
最後の章では、英検準一級を取ることで得られる実際のメリットと、よくある誤解・失敗パターン、そしてレベルに関するQ&Aをまとめます。
読み終えたあと、何から始めればよいかも整理します。
入試就職留学でのメリット
英検準一級は、「取って終わり」ではなく、さまざまな場面で活用できる資格です。
主なメリットを整理します。
1. 大学入試での優遇
多くの大学が、英検準一級を次のように評価しています。
どの大学がどのように使っているかは、英検公式の入試優遇一覧ページや、各大学の入試要項で確認できます。
たとえば、秋田大学・信州大学・東京外国語大学など、多くの国公立大でも準一級を評価しています。
2. 奨学金・授業料免除・単位認定
一部の大学では、準一級以上の取得者に対して、奨学金の給付や授業料の一部・全額免除を行っています。
また、英語の授業を受けなくても、「英検準一級合格=英語の単位認定」として扱われる大学もあります。
最新の制度は、英検公式サイトや各大学のサイトで確認する必要がありますが、目標とする大学が決まっている人は、一度調べておくとモチベーションが上がります。
3. 就職・教員採用試験・留学
就職活動では、履歴書に「英検準一級」を書くと、国内企業での知名度が高いため、「英語が得意」という印象を与えやすくなります。
特に、商社・メーカーの海外部門・旅行関係・IT企業などではプラスに働きます。
また、英語教員の採用試験では、自治体によっては「準一級以上」で優遇措置(加点など)がある場合があります。
海外留学でも、北米の一部大学やオーストラリアの高校などで、英検を英語力証明として受け入れているところがあります。
詳細は、英検留学情報関連ページなどで最新情報をチェックしてください。
よくある誤解と失敗例
準一級に挑戦するとき、事前に知っておくと避けられる「よくある誤解と失敗例」があります。
代表的なものを紹介します。
1. 「2級の延長線上でなんとかなる」
2級に受かった直後、「勢いで準一級も受けてみよう」と何も対策せずに受験し、リスニングと語彙で大きく崩れるパターンがとても多いです。
2級と準一級のギャップは、特に語彙とリスニングで大きいので、しっかり準備が必要です。
2. 「単語帳だけで十分」
語彙はもちろん重要ですが、単語帳だけを回して長文やリスニングの実戦練習をしないと、本番で時間内に読み終わらなかったり、音声のスピードについていけなかったりします。
過去問や模試で「本番に近い負荷」を定期的にかけることが大切です。
3. 「英検があれば海外大学にそのまま出願できる」
一部の高校・大学では英検を認めていますが、多くの海外大学では、依然としてTOEFLやIELTSなどのスコアが必須です。
「英検さえ取れば、どの海外大にも出願できる」というわけではないので、志望校の条件は必ず確認しましょう。
4. 「二次面接は英語力だけの勝負」
面接では、英語力に加え、社会問題に対する基本的な知識や、自分なりの意見も問われます。
たとえば、「在宅勤務は広げるべきか」「プラスチックごみを減らすために何ができるか」など、日本語でも考えたことがないテーマが多いです。
普段からニュースや時事問題に触れておくと、英語以前の「内容のネタ切れ」を防げます。
準一級レベルに関するQandA
準一級のレベルについて、よくある質問に簡潔に答えていきます。
Q1. 準一級はどのくらい「すごい」の?
A. 高校生・大学生の中では、「英語がかなり得意」と自信を持って言えるレベルです。
TOEIC換算で約785点相当なので、一般的な大学生の平均よりかなり上です。
Q2. 準一級=CEFR B2と考えてよい?
A. 多くの場面で「B2相当」と扱われますが、正式には「B1〜B2レンジ」です。
合否だけでなく、CSEスコアとCEFR表示を必ず確認しましょう。
Q3. 2級を取ってから、どのくらいで準一級を目指すべき?
A. 2級に余裕を持って合格している人なら、半年〜1年を目安に計画を立てるとよいです。
2級がギリギリだった人は、まず2級レベルの語彙・文法・長文・リスニングを固め直す期間(数か月〜半年)を取るのをおすすめします。
Q4. リスニングがとても苦手です。それでも準一級は目指せますか?
A. 時間はかかりますが、毎日シャドーイングとディクテーションを続ければ、確実に伸ばせます。
逆に言うと、「週に1回だけちょっと聞く」くらいではほとんど変わりません。
Q5. ライティングが苦手ですが、どこから始めればいい?
A. まずは過去問の模範解答を読み、「段落の構成」と「よく使われる表現」を真似するところから始めましょう。
最初は短くてもよいので、「結論 → 理由2つ → まとめ」の型にそって書く練習をすると上達が早いです。
要点整理と次のアクション
ここまでの内容をふまえ、準一級を目指すうえで大事なポイントと、今日からできる「次の一歩」を整理します。
まず押さえておきたいのは、次の3点です。
そのうえで、これから準一級を目指したい人への「次のアクション」は次の通りです。
小さくても「毎日続けること」が、準一級レベルに到達する一番確実な方法です。
自分のペースで構わないので、今日から一歩ずつ積み上げていきましょう。


