英検準一級を持っていると、「共通テスト英語が満点扱い」「大学独自試験の英語が免除」「高得点に換算」など、入試で大きな優遇を受けられます。
一方で、大学や学部ごとに扱いが大きく違い、「準一級を持っていればどこでも満点」というわけではありません。
この記事では、満点扱いになる大学の具体例から、CSEスコアの目標値、志望校別の戦略、準一級取得までの勉強法までをまとめて解説します。
- 英検準一級が満点扱い・高得点換算になる代表的大学と入試方式が分かる
- 「満点扱い」「高得点換算」「加点」「出願資格」など評価パターンの違いが分かる
- 志望校レベル別に、準一級をどう受験戦略に組み込むかが分かる
- 準一級取得までの勉強量・スケジュールと、現実的な対策ステップが分かる
英検準一級の満点扱いの結論
この章では、まず「どの大学で、どのように満点扱い・高得点扱いになるのか」を整理します。
同時に、「満点扱い」と「高得点換算・加点・出願資格」との違いも押さえておきましょう。
準一級で満点扱いの大学例
結論から言うと、英検準一級を取ると共通テスト英語が満点扱いになる大学は、国公立・私立ともに複数あります。
ただし、「級」だけで判断する大学と、「CSEスコア」で細かく条件を決める大学があり、条件は大学ごとに違います。
主な「満点扱い」の具体例を整理すると、次のようになります。
| 大学名 | 学部・方式 | 扱い | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 広島大学(国立) | 全学部(前期・後期) | 共通テスト英語をみなし満点 | 英検準一級取得 |
| 東京藝術大学(国立) | 音楽学部(前期) | 共通テスト英語を満点換算 | 準一級など所定の英語資格 |
| 埼玉大学(国立) | 工学部(学校推薦型) | 共通テスト英語満点扱い | 英検準一級等の指定資格 |
| 国際教養大学 AIU(公立) | 一般選抜 | 共通テスト英語満点換算 | 英検準一級(CSE基準あり) |
| 九州大学(国立) | 一部学部 | 共通テスト英語満点換算 | CSE2300以上 |
| 立教大学(私立) | 共通テスト利用・全学部 | 共通テスト英語を満点〜高得点換算 | CSE2450以上で満点相当など |
| 立命館大学(私立) | 共通テスト方式・全学部 | 共通テスト外国語(英語)を満点に換算 | 英検準一級取得 |
| 明治大学(私立) | 国際日本・経営・農など全学部入試等 | 英語を満点または満点に近い点で換算 | 準一級+所定のCSEスコア |
このように、「共通テスト英語をみなし満点」として扱う大学は、広島大学・国際教養大学・九州大学・立命館大学・立教大学など、国公立・私立のどちらにもあります。
ただし、立教や九大のようにCSEスコアが一定ライン(2300・2450など)に届いていることが条件の大学も多い点に注意が必要です。
※具体的な条件や点数は毎年変わる可能性があります。必ず最新の募集要項や英検協会の大学検索ページを確認してください。
高得点換算や加点の大学例
満点まではいかなくても、英検準一級を持っていると「英語が8〜9割相当の点数で保証」「総合点に大きな加点」という大学もたくさんあります。
代表的な例を、国公立と私立に分けて紹介します。
国公立大学の例
私立大学の例
早慶上智・MARCH・関関同立クラスでは、準一級を前提とした優遇が多く見られます。
たとえば、次のようなイメージです。
このように、「準一級=自動で満点」ではありませんが、CSEスコア次第では共通テスト8〜9割相当、それ以上の点数として扱ってくれる大学が多いです。
満点扱いと他評価パターンの違い
英検準一級を入試に使うときの評価パターンは、大きく分けて次の6つです。
特に大きなメリットになるのは、
「満点扱い」「高得点換算」「試験免除」の3つです。
英語の出来が当日に悪くても、ある程度の得点が保証されるので、他科目に時間と集中力を回しやすくなります。
一方、「出願資格」「参考利用」は、点数が直接上がるわけではありませんが、「その方式に出られるかどうか」「評定や活動に英語力を添える」という意味で重要になります。
※同じ大学でも、学部や入試方式ごとに扱いが違うことが多いです。「大学名だけ」で判断せず、必ず自分が受ける方式の要項を見ましょう。

評価パターンとCSE基準を理解
ここからは、「満点扱い」「高得点換算」「加点」「試験免除」「出願資格」「参考利用」が、実際にどんな意味を持つのかをもう少し深く見ていきます。
同時に、英検準一級とCSEスコア・CEFRの関係も整理しておきます。
満点扱い・高得点換算・加点の整理
受験戦略を立てるうえで、次の3つの違いをはっきりさせておくと分かりやすくなります。
たとえば、共通テスト英語200点満点の大学で、
「CSE2450で満点扱い」「CSE2300で85%換算」となっている場合、
というイメージです。
一方、「二次試験の英語に+20点加点」のような方式では、
本来80点なら+20で100点になりますが、もともと95点取れても加点後は100点までしか行きません。
つまり、英語がかなり得意な人にとっては、加点方式は「頭打ち」になることもあるということです。
試験免除・出願資格・参考利用
次に、点数以外のパターンも整理します。
試験免除
英検準一級などの資格があれば、大学独自の英語試験や共通テスト英語を免除してくれる方式です。
実際には、「免除」ではなく「満点扱いで代用」する場合もあります。
たとえば、
英語に割く時間を他教科に回せるのが大きなメリットです。
出願資格
「この方式に出願するには、英検準一級以上が必要」という形です。
京都大農(特色)、大阪大歯・工(推薦)、同志社グローバル・コミュニケーション、上智の多くの総合型・推薦などが代表例です。
この場合、準一級を持っていないと、そもそも受験のスタートラインに立てません。
参考利用
総合型選抜や推薦型選抜では、英検準一級を「合否判定の参考資料」として提出させることがあります。
点数としては加算されない場合もありますが、
などにつながります。
CSEスコアとCEFRの基礎知識
多くの大学は、今後ますます「級」ではなく「CSEスコア」や「CEFRレベル」で条件を決めていく流れです。
ここで一度、数字のイメージをつかんでおきましょう。
英検準一級とCSEスコア
英検準一級の合格目安は、
つまり、「合格ライン=CSE2304前後」です。
大学によっては、
といった基準を設定しています。
このため、「ギリギリ合格(2304)」では足りず、志望校によっては2450〜2500を目標にする必要がある場合もあります。
CEFRとの関係
CEFR(セファール)は、A1〜C2まで6段階で語学力を示す国際的な基準です。
英検とのおおよその対応は、
上智大学や関西大学などは、「CEFR B2以上」という書き方で条件を出していることがあります。
この場合、準一級合格レベルなら基本的には条件を満たせますが、やはりCSEスコアもセットで確認しておくことが大切です。
なお、CSEスコアやCEFRの詳しい説明は、英検協会や文部科学省の資料が参考になります。
英検協会(CSEスコアの解説ページ)や、文部科学省のCEFR関連資料も、目を通しておくと安心です。

志望校別の戦略と入試比較
次に、「どのレベルの志望校で、準一級をどう生かすか」を考えていきます。
共通テスト中心の受験と比べたときのメリット・デメリットも整理して、自分に合う戦略を選びましょう。
国公立・難関私大での利用傾向
ざっくり言うと、
国公立の利用傾向
広島大・国際教養大・九大・千葉大・東京都立大など、多くが「共通テスト英語」を基準に、
・満点(みなし満点)
・85〜95%換算
・数点〜数十点の加点
といった形で準一級を評価します。
また、京都大・大阪大・神戸大などは、総合型・推薦型で準一級を出願資格としている学部が多いです。
難関私大の利用傾向
早慶上智・MARCH・関関同立では、
・英語試験免除(早稲田文・文化構想、慶應文など)
・高得点換算(明治・立教・法政GIS・中央など)
・出願資格(青学・同志社・関学など、多くの総合型・推薦)
といった形で、準一級を強く評価する方式が増えています。
特に、MARCH・関関同立レベルでは、準一級を持つことで選べる入試方式が大きく増えるため、受験の自由度がかなり高まります。
共通テスト中心との比較
「英検を使うルート」と「共通テスト・一般入試の英語で勝負するルート」の違いを、イメージでつかんでおきましょう。
英検準一級を活用するルートの特徴
共通テスト中心ルートの特徴
英語が得意で「本番で9割以上を安定して取る自信がある人」は、共通テスト重視でも十分戦えます。
一方、「英語に波がある」「早めに英語を固めて他教科に時間を使いたい」という人は、準一級を取りつつ外部試験利用を併用する方が安定しやすいです。
外部試験利用のデメリット
外部試験利用方式にはメリットが多い一方で、次のようなデメリットもあります。
例えば、ある私大で「英検準一級=英語85%換算」の方式しかない場合、
共通テストや個別試験で普段から9割以上取れる人は、あえて外部試験利用に絞ると逆に損をする可能性があります。
また、「外部試験利用専用枠」のみの場合は、募集人数が少ないことが多く、ボーダーが高くなることもあります。
※自分の英語の実力と、各方式の「得点上限」「倍率」「併願可否」を必ず見比べて、どちらで勝負するか決めましょう。

準一級取得の勉強法とスケジュール
最後に、「実際にいつまでに、どのくらい勉強して準一級を取るのか」という話です。
他教科との両立も考えながら、現実的な計画を立てていきましょう。
いつまでに取得するべきか
多くの大学は「出願日からさかのぼって2年以内」の英検結果を有効としています。
この前提と、受験勉強の流れを考えると、
準一級の取得目安は「高2後半〜高3の1学期」が一番おすすめです。
推薦・総合型選抜を狙う場合
多くの総合型・推薦は、高3の夏〜秋に出願します。
この場合、
というペースで動きたいところです。
一般入試がメインの場合
一般入試は高3の1〜2月が本番なので、
高3の1学期(〜7月)までに準一級を取り切ると、その後は共通テスト・二次試験対策に集中しやすくなります。
もちろん、高3の秋に合格しても間に合う大学はありますが、
・不合格だったときに取り直す時間がない
・他教科の勉強時間が圧迫される
というリスクが大きいので、おすすめはしにくいです。
二級から準一級までの勉強量
英検2級に合格しているレベルから準一級に受かるまでには、おおよそ約340時間の学習が目安と言われます。
これは、
・1日1時間なら約11か月
・1日2時間なら約半年
というイメージです。
内容面では、次のようなレベルアップが必要になります。
2級までの文法や基本語彙があいまいなままだと、準一級の長文や語彙問題で大きく失点しやすいため、
まずは「2級レベルをミスなく使える」状態にすることが重要です。
準一級対策ステップと注意点
準一級対策の進め方を、大きく5つのステップで整理します。
① 2級レベルの完成
・2級の過去問で8割前後を安定して取れる
・基本文法でケアレスミスをしない
この状態になっていない場合は、準一級の問題集にいきなり手を出すより、2級の復習を優先した方が結果的に近道です。
② 語彙・長文の強化
準一級用の単語帳を1冊決めて、少なくとも3〜4周は繰り返します。
長文は、英検過去問に加えて、少しレベルの高いニュース記事や評論などを読み、
・段落ごとの要旨をつかむ
・接続詞(However, Therefore など)で論理の流れを追う
練習をしていきます。
③ リスニング対策
英検準一級のリスニングは、館内アナウンス・電話ガイド・ニュースなど、実生活に近い形式が多いです。
ポイントは、
・設問を先に読み、「何を聞くのか」を意識してから音声を聞く
・一語一句ではなく、要点と流れをつかむ
ことです。
聞き取れなかった部分は音声を止めてディクテーション(書き取り)をし、なぜ聞き逃したのか分析すると、かなり力がつきます。
④ ライティング対策
準一級では、
・英文要約
・意見エッセイ
の両方が問われます。
要約では、
・重要なポイントだけを抜き出して簡潔に書く
・自分の意見を入れない
ことが大切です。
エッセイでは、
という3段構成を守り、過去問を使って時間内に書く練習を繰り返しましょう。
ライティングは、第三者に添削してもらうと一気に伸びるので、学校の先生やオンライン添削サービスなどを活用するのも有効です。
⑤ 二次面接(スピーキング)対策
二次では、
・4コマ漫画のナレーション
・社会的テーマについての意見
が中心です。
ナレーションは、時制(過去形・過去進行形)と、Then, After that などのつなぎ言葉を意識しながら、「何が起きているか」を順番に説明する練習をします。
意見のパートでは、
・在宅勤務、環境問題、教育、テクノロジーなど
ニュースでよく出るテーマについて、日本語でいいので「自分の意見+理由+具体例」を日頃から考える習慣をつけると、本番で話しやすくなります。
スピーキングは独学だと客観的な評価が難しいので、
・英検対策塾
・オンライン英会話(日本人講師・ネイティブ)
などで模擬面接を受けると、合格の可能性がぐっと高まります。
こうした準一級対策は、そのまま共通テストや難関大入試の英語力アップにも直結します。
大学入試全体の視点から見た準一級の位置づけは、予備校や大学の情報ページが参考になりますので、河合塾Kei-Netなども必要に応じて確認してみてください。


