「well の比較級・最上級って、weller / wellest じゃないの?」と迷ったことはありませんか。
実は、well の比較級は better、最上級は bestです。
しかも good も同じ better / best を使うので、意味と使い分けを知らないと、テストでも会話でもミスが増えてしまいます。
この記事では、good / well の本質から、better / best が文の中でどう働くか、会話でよく使うパターン、不規則変化のまとめまで、1本で整理できるように解説します。
- well の比較級・最上級が better / best になる理由と位置づけが分かる
- good / well から来る better / best の意味と使い分けが整理できる
- 英文中で better / best の意味を見分ける手順が身につく
- like A better / the best など会話でよく使う型と、不規則変化の一覧を覚えられる
wellの比較級と最上級の結論
まず最初に、「well の比較級・最上級はどうなるのか」をはっきりさせます。
ここを押さえてから、細かいルールや例文を見ていくと、理解がかなり楽になります。
wellの比較級はbetter
結論から言うと、well の比較級は betterです。
「もっと上手に」「前よりよく」「もっとじょうずに」という意味を表します。
ふつう、短い語の比較級は「-er」をつけて作ります。
たとえば、
ところが well は、規則どおりに weller とはならず、不規則に better に変わるグループです。
実際の例文で見てみましょう。
ここでは、動詞をどれくらい「上手に」しているかを比べます。
-
英語:She plays the piano better than me.
日本語:彼女は、私よりもっと上手にピアノを弾きます。 -
英語:We will do better next time.
日本語:私たちは、次はもっと上手くやります。 -
英語:I can understand English better now.
日本語:今は前より英語をよく理解できます。
どの文も、もとの形は well(上手に・よく)ですが、比較しているので better を使っています。
「より上手に」と言いたいときは、まず better を思い出すようにしましょう。
wellの最上級はbest
次に、well の最上級は bestです。
意味は「一番上手に」「いちばんよく」です。
最上級の基本ルールは、
well も同じで、「一番上手に」と言いたいときは the best を使います。
-
英語:Yumi sings the best in my class.
日本語:由美は、クラスの中で一番上手に歌います。 -
英語:He swims the best of the three.
日本語:彼は、3人の中で一番上手に泳ぎます。 -
英語:Which subject do you study the best?
日本語:あなたは、どの教科を一番よく勉強していますか。
ここで大事なのは、「一番〜」の best には the をつけるということです。
会話でもテストでも、「best ときたら the best」とセットで覚えておくとミスが減ります。
wellerが誤りとなる理由
では、なぜ「weller / wellest」はダメなのでしょうか。
理由は、well は不規則変化の単語だからです。
比較級・最上級の作り方には、次の2種類があります。
well は、後者の「不規則変化」に属します。
つまり、スペルの決まりではなく、「そういう形」として丸暗記するグループです。
代表的な不規則変化は、学校英語の重要ポイントとしてよく表になっています。
たとえば、学習サイトでも次のように説明されています。
Try IT(トライイット)の比較級・最上級の解説では、good / well → better → best が「特に大事な不規則変化」として紹介されています。
そのため、
※weller / wellest という形は「規則変化のルールをそのまま当てはめた誤り」です。
テストではひっかけ問題として出ることもあるので、「well → better → best」を1セットで覚えておくと安心です。

goodとwellの本質理解
ここからは、better / best の元になっている「good と well」そのものを整理します。
この2つの違いをおさえると、比較級・最上級の使い分けも一気に分かりやすくなります。
goodとwellの品詞と意味
まずは、「good と well が何を表す言葉なのか」をはっきりさせましょう。
大切なのは、good は基本「形容詞」、well は基本「副詞」だということです。
かんたんにまとめると、
例文で見てみます。
-
英語:He is a good student.
日本語:彼はよい生徒です。
→ good は「student」という名詞を説明する形容詞。 -
英語:She speaks English well.
日本語:彼女は英語を上手に話します。
→ well は「speaks」という動詞を説明する副詞。 -
英語:I’m very well today.
日本語:今日はとても体調がいいです。
→ well は「体調がよい」という意味の形容詞。
このように、
・good:もの・人・アイデアなどの「性質・中身がよい」
・well:やり方が「上手に」、または「健康状態がよい」
という違いがあります。
アメリカ英語では、口語で You did good. のように good を副詞っぽく使うこともありますが、学校文法や試験では「You did well.」が基本形と考えておきましょう。
goodとwellの変化セット
次は、good / well の「原級・比較級・最上級」をセットで確認します。
ここをしっかり覚えると、better / best を見ても迷わなくなります。
| 元の語 | 品詞 | 原級 | 比較級 | 最上級 | 意味のイメージ |
|---|---|---|---|---|---|
| good | 形容詞 | good | better | best | 性質・気分が良い |
| well | 副詞 | well | better | best | 上手に・よく |
| well | 形容詞 | well | better | best(まれ) | 体調が良い・健康だ |
表を見て分かるように、
good も well も、比較級・最上級は同じ better / bestです。
でも、元の意味と品詞が違うので、文の中での役割も少し変わります。
たとえば、
・a better idea(よりよいアイデア):good の比較級
・sing better(より上手に歌う):well の比較級
どちらも better ですが、「何が better なのか」を見ると使い分けが分かります。
不規則変化としての位置づけ
good / well は、比較級・最上級が「不規則変化」になる代表的な単語です。
ふつうの語は、
しかし、good / well はこのルールに当てはまりません。
単語そのものが変わり、
good / well → better → best
という形になります。
同じタイプの単語には、
などがあります。
どれも頻出単語なので、あとでまとめて表で確認します。
不規則変化は、「例外」ではなく「よく使う定番セット」として丸ごと覚えてしまうのがコツです。

better・bestの用法と見分け方
ここからは、実際の英文の中で「この better / best は good 由来? well 由来?」と見分ける方法を説明します。
意味と品詞の両方から考えるのがポイントです。
good由来のbetterとbest
まずは「good → better → best」のパターンです。
これは、もの・人・アイデアなどの「よさ」「質」を比べるときに使います。
ポイントは、
よくある形を、be動詞の文で見てみましょう。
-
英語:This camera is better than that one.
日本語:このカメラは、あのカメラより良いです。 -
英語:This book is the best of the five.
日本語:この本は、5冊の中で一番良いです。 -
英語:He is the best player in our team.
日本語:彼は、私たちのチームで一番良い選手です。
これらの better / best は、もとの形が good(良い)です。
文の意味も、
・「より良いカメラ」
・「一番良い本」
・「一番良い選手」
というふうに、「性質の良さ」を比べています。
また、名詞の前に置かれるパターンもよく出ます。
-
英語:a better idea
日本語:より良いアイデア -
英語:the best answer
日本語:一番良い答え
このように、名詞の前についている better / best を見たら、まず good 由来だと考えて大丈夫です。
well由来のbetterとbest
つぎに、「well → better → best」のパターンです。
これは、動作の「上手さ」「ていねいさ」「どれくらいよくするか」を比べるときに使います。
ポイントは、
よく出る文型は、「S + 動詞 + better / the best」です。
-
英語:She sings better than before.
日本語:彼女は前より上手に歌います。 -
英語:He can speak English better than me.
日本語:彼は私より上手に英語を話せます。 -
英語:Yumi plays the piano the best in my class.
日本語:由美はクラスで一番上手にピアノをひきます。
これらはすべて、「上手に〜する」の程度を比べています。
つまり、もとの形は well(上手に)です。
また、体調・健康を表す well から来ている better / best もあります。
-
英語:I feel better today.
日本語:今日は前より体調がいいです。 -
英語:She is much better now.
日本語:彼女は今はだいぶ良くなっています。 -
英語:I’m in the best health now.
日本語:今はこれまでで一番健康です。
ここでは、「気分が良い」ではなく「体の具合が良い」「健康状態がよい」という意味です。
このときの better / best も、元は well(体調がよい)から来ています。
文中での判断手順
では、実際の英文を読んだときに、「この better / best は good? well?」とどう見分ければよいのでしょうか。
おすすめの手順は、次の3ステップです。
具体的に見てみます。
例1: This book is better than that one.
① better の前には is、後ろには than があり、その前には book があります。
② 「この本はあの本より上手に」だと変なので、「この本はあの本より良い」と考えるのが自然です。
③ be動詞(is)の後に来て、主語(this book)を説明しています。
→ 名詞(book)を説明しているので good 由来。
例2: She speaks English better than me.
① better の前には speaks があります。
② 「より良い英語」ではなく、「より上手に英語を話す」と考えると自然です。
③ 動詞 speaks を説明している位置にあります。
→ 動詞を修飾しているので well 由来。
例3: I feel better today.
① better の前には feel(感じる)、主語は I です。
② 文全体では「今日は前より体調がよい」「気分がよい」という意味です。
③ be動詞ではありませんが、状態を表す feel の後にあり、主語 I の状態を説明しています。
→ 文脈によりますが、ここでは「体の具合」を言っているなら well 由来、「気分・機嫌」を言っているなら good 由来に近いイメージです。
このように、何をどんな意味で説明しているかを1つ1つ確認すると、better / best の正しいイメージがつかめます。

よく使うパターンと関連表現
最後に、会話やテストでよく出る「better / best のパターン」と、「一緒に覚えたい不規則変化」を整理します。
ここを押さえておくと、英作文やスピーキングでスムーズに使えるようになります。
比較級と最上級の基本型
まずは、比較級・最上級全体の基本ルールを、better / best に当てはめて整理します。
比較級は「2つを比べて、〜よりもっと〜」という形で、よく使う型は次の2つです。
-
型:A is better than B.
意味:A は B より良い。 / A は B より(〜が)上手だ。
例:The blue hat is better than the white one.
→ 青い帽子のほうが、白いものより良いです。 -
型:S + 動詞 + better than ~.
意味:S は ~よりもっと上手に(よく)〜する。
例:She studies better than before.
→ 彼女は前よりよく勉強します。
最上級は「3つ以上の中で一番〜」という形で、基本は the best を使います。
-
型:A is the best in / of ~.
意味:A は ~の中で一番良い。
例:This camera is the best of all.
→ このカメラは、すべての中で一番良いです。 -
型:S + 動詞 + the best in / of ~.
意味:S は ~の中で一番上手に(よく)〜する。
例:He runs the best in our class.
→ 彼はクラスの中で一番速く走ります。
範囲を表す in / of の使い分けは、学校の授業でもよく説明されます。
たとえば、英語塾の解説ページでも、in my class / of the three などのパターンが詳しく紹介されています。
目安としては、
と覚えておくと便利です。
会話で使う定型表現
better / best を使った表現は、会話でもよく登場します。
ここでは特によく使うフレーズをまとめて紹介します。
1. 好き嫌いを表す:like + better / the best
-
英語:I like this one better.
日本語:私は、これはほうが好きです。 -
英語:I like the blue hat better than the red one.
日本語:私は、赤い帽子より青い帽子のほうが好きです。 -
英語:I like this one the best.
日本語:私は、これが一番好きです。
「A のほうが好き」は like A better、「A が一番好き」は like A the best で決まり文句として覚えてしまうと楽です。
2. 体調・気分を表す:I’m better. / I feel better.
-
英語:I’m better now.
日本語:今は(前より)良くなりました。 -
英語:I feel much better today.
日本語:今日はだいぶ気分(体調)が良いです。
病気やケガのあとに「もう大丈夫?」と聞かれたときの、定番の返事です。
3. 「もっと〜したほうがいい」:You’d better ~.
これは「better」が入っていますが、文法的には別の表現(助動詞の一種)です。
意味は「〜したほうがいいよ」「〜しなさい」というアドバイスになります。
-
英語:You’d better go now.
日本語:もう行ったほうがいいよ。 -
英語:You’d better study English harder.
日本語:もっと一生懸命英語を勉強したほうがいいよ。
比較級の better とは少し違う文法ですが、会話ではとてもよく使うので、形で覚えておくと役立ちます。
関連する不規則変化一覧
最後に、good / well 以外で、必ず覚えておきたい不規則変化を一覧でまとめます。
どれもテスト・入試でよく出る単語ばかりです。
| 原級 | 比較級 | 最上級 | 意味のまとめ |
|---|---|---|---|
| good / well | better | best | 良い / 上手に / 体調が良い |
| bad / ill | worse | worst | 悪い / 具合が悪い |
| many / much | more | most | 多い / たくさんの |
| little(量が少ない) | less | least | 少ない → より少ない → 最も少ない |
| far | farther / further | farthest / furthest | 遠い / 程度がはるかに |
これらは、学校の教科書や模試でも必ずといっていいほど登場します。
good / well とまとめて、「不規則変化のセット」として何度か声に出して覚えるのがおすすめです。
※口語で「You did good.」のように good を副詞のように使う表現もありますが、試験では基本的に「You did well.」を使うと考えましょう。

まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。


