「however」は「しかし」というイメージが強い単語ですが、実は「どんなに〜でも」「どのように〜しても」「一体どうやって?」という全く別の意味も持っています。
しかも、文頭・文中・文末での位置や、カンマやセミコロンの打ち方で、文の雰囲気や正しさまで変わります。
この記事では、「however」の意味を4本柱で整理しながら、but / nevertheless / no matter how との違い、フォーマルな文書での正しい書き方、日本語訳し分けのコツまでまとめて解説します。
- 「however」の4つの基本意味と品詞・位置の関係が分かる
- but / nevertheless / no matter how との使い分け方が分かる
- ビジネス・論文で通用する句読点・語順のルールを理解できる
- 「However did you ~?」など実用的な表現のニュアンスがつかめる
「however」の基本意味と品詞
最初に、「however」が持つ意味の全体像と、文法的な立ち位置を整理します。ここを押さえておくと、あとで出てくる細かい用法もスッと理解しやすくなります。
4つの基本意味と全体像
「however」の意味は、次の4本柱で整理すると、とても覚えやすくなります。
大事なのは、「however=しかし」だけに決めつけないことです。
文の形と後ろに続く語で、どの意味かがほぼ決まります。
たとえば次のように、形が変わると意味も変わります。
-
英語:However, I disagree with you.
日本語:しかし、私はあなたには反対です。 -
英語:However hard I try, I can’t win.
日本語:どんなに頑張っても、私は勝てません。 -
英語:You may do it however you like.
日本語:好きなようにやっていいですよ。 -
英語:However did you do that?
日本語:一体どうやってそんなことをしたのですか。
同じ「however」でも、周りの形が変わると、意味が4パターンにきれいに分かれていることが分かります。
副詞と接続副詞の位置づけ
文法的に言うと、「however」は基本的には副詞(接続副詞)です。
ただし、次のように振る舞い方が変わるため、「接続詞的」「疑問詞的」と呼ばれることもあります。
構造を少しだけ整理すると、次のようになります。
「しかし」のときは、文と文の間に入り、前の内容を受けて方向を変える役をします。
「どんなに〜でも」「どのように〜しても」のときは、how と同じように「程度」「方法」を表し、後ろに続く形容詞・副詞・節を修飾します。
つまり、品詞としては「副詞」ですが、文の中での役割が4パターンに分かれると考えると分かりやすいです。
フォーマル度とレベル感
「however」は、but に比べると少しかたい印象のある語です。
多くの辞書では、中学〜高校レベル、英検3級程度の単語とされていますが、実際にはビジネス文書や論文でとてもよく使われます。
フォーマル度の目安は次のように考えるとよいでしょう。
「しかし」と言いたいとき、カジュアルなら but、フォーマル寄りなら howeverと覚えておくと選びやすくなります。
フォーマルな英文のつなぎ方については、たとえば国立大学のライティングガイドなどが参考になります。
構成や接続語の使い方を詳しく解説している資料として、京都大学公式サイトなどから公開されている英語ライティングの資料も役立ちます。

逆接「しかし」のhowever
ここでは、もっともよく目にする「逆接の however」を扱います。
but との違い、文頭・文中での位置、句読点のルール、そして「しかし」なのか「ただし」なのかという訳し分けまで見ていきます。
butとの違いと使い分け
「しかし」の代表は but ですが、however とは役割が少し違います。
ざっくり言うと、but は接続詞、however は接続副詞として使われることが多いです。
主な違いを整理します。
| 表現 | 品詞・位置 | フォーマル度 | イメージ |
|---|---|---|---|
| but | 接続詞(文の途中に置く) | カジュアル〜中間 | 会話で一番よく使う「でも・しかし」 |
| however | 接続副詞(文頭・文中・文末) | ややフォーマル・書き言葉寄り | 前の内容を受けて、丁寧に話を切り替える |
例で比べてみます。
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英語:I like the idea, but it’s too expensive.
日本語:その案は気に入りますが、高すぎます。 -
英語:I like the idea. However, it’s too expensive.
日本語:その案は気に入ります。しかし、高すぎます。
どちらも意味は近いですが、(2)の however の方が、文をいったん区切ってから論点を切り替えるため、少しかしこまった印象になります。
メールやレポートなどでは、(2) の形がよく使われます。
文頭・文中の位置と語順
逆接「しかし」の however は、文頭・文中・文末の3か所に置けますが、それぞれ微妙にニュアンスが変わります。
それぞれのイメージを例文で確認します。
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英語:However, we need more data.
日本語:しかし、私たちにはさらなるデータが必要です。 -
英語:We, however, need more data.
日本語:しかし、私たちにはさらなるデータが必要なのです。 -
英語:We need more data, however.
日本語:しかし、私たちにはさらなるデータが必要ですけれどね。
(1) 文頭に置くと、前の文全体を受けて、話の方向を切り替える標準的な使い方になります。
(2) 文中に挿入すると、「私たち」に軽くフォーカスが当たります。
(3) 文末に置くと、「とはいえね」「そうは言っても」といった、やや言い足しのニュアンスになります。
ビジネスや論文では、まずは文頭の「However,」を基本形として押さえておくと安心です。
Howeverの訳し分けのコツ
文頭の「However,」を見たとき、日本語では常に「しかし」と訳してしまいがちですが、実務では「ただし」「もっとも」とした方が自然なことも多くあります。
ポイントは、前後の文が「対立」しているのか、「条件や例外を追加」しているのかを見極めることです。
次の例で比べてみましょう。
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英語:All students can apply for this program. However, only ten will be selected.
日本語:すべての学生がこのプログラムに応募できます。ただし、選ばれるのは10名のみです。 -
英語:I thought the task would be easy. However, it turned out to be very difficult.
日本語:その作業は簡単だと思っていました。しかし、実際はとても難しいものでした。
(1) は前の文を打ち消しているわけではなく、応募条件に「人数制限」という但し書きをつけています。
この場合、「ただし」とした方が自然です。
一方、(2) は予想と結果が対立しているので、「しかし」がぴったりです。
法律・医療・契約文などでは、この訳し分けが特に重要です。
医療系の翻訳ガイドなどでも、文頭の However を機械的に「しかし」と訳さないよう注意喚起されています(例:日本翻訳連盟など専門団体の情報)。

譲歩構文と「どんなに〜でも」
次に、「どんなに〜でも」「どれほど〜しても」を表す譲歩の構文を見ていきます。
ここでは、「however+形容詞・副詞」「however much / many」「no matter how」との関係を整理します。
however+形容詞・副詞
「どんなに〜でも」を表す一番代表的な形が、however + 形容詞 / 副詞です。
基本形は次の通りです。
例を見てみましょう。
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英語:However hard I try, I can’t please everyone.
日本語:どんなに頑張っても、みんなを満足させることはできません。 -
英語:However late it is, call me if you need help.
日本語:どれだけ遅い時間でも、助けが必要なら電話してください。 -
英語:However difficult a problem is, we will solve it.
日本語:どんなに難しい問題でも、私たちはそれを解決します。
どの例も、「程度」がどれほど大きくても、主文の結果は変わらない、というイメージです。
「〜だとしても」「どれだけ〜しても」と訳すと自然になります。
however much/many構文
量や回数に関して「どれほど〜しても」「いくら〜しても」と言いたいときは、however much / however many が定番です。
例文で確認しましょう。
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英語:However much you study, you can always learn more.
日本語:どれだけ勉強しても、もっと学ぶことはできます。 -
英語:However many times I try, I keep failing.
日本語:何度挑戦しても、私は失敗してしまいます。 -
英語:Any information, however small, will be helpful.
日本語:どんなに小さな情報でも、役に立ちます。
(3) のように、名詞を前に置いて「名詞, however small, …」と、挿入的に使う形もよくあります。
この場合も意味は「どんなに小さな〜でも」です。
no matter howとの違い
「どんなに〜でも」と聞くと、すぐに思い浮かぶのが no matter how だと思います。
多くの場合、however とほぼ入れ替えが可能です。
たとえば次の2つは、意味もニュアンスもほとんど同じです。
-
英語:However hard you work, you can’t do everything alone.
日本語:どんなに一生懸命働いても、すべてを一人ではできません。 -
英語:No matter how hard you work, you can’t do everything alone.
日本語:どんなに一生懸命働いても、すべてを一人ではできません。
違いをまとめると、次のようになります。
実務的には、論文やビジネス文書では however、会話や物語では no matter how もよく使われる、というイメージを持っておくとよいでしょう。

方法・自由と強調疑問のhowever
ここでは、「どのように〜しても」「好きなように〜して」といった「方法・自由」を表す用法と、「However did you ~ ?」という強調疑問について解説します。
どちらも会話やビジネスでよく出てくるので、形ごと覚えるのがおすすめです。
「どのように〜しても」の用法
方法・やり方について「どのように〜しても」「どんなふうに〜したとしても」と言いたいときは、次の形を使います。
However + S + V, …
これは、no matter how S V とほぼ同じ発想です。
例を見てみましょう。
-
英語:However you handle it, it won’t break.
日本語:どのように扱っても、それは壊れません。 -
英語:It is wrong however you look at it.
日本語:どう見ても、それは間違っています。 -
英語:Victory, however it was brought about, was sweet.
日本語:勝利がどのようにもたらされたにせよ、それは甘美でした。
ポイントは、「方法・視点がどうであれ、主文の評価は変わらない」というところです。
日本語では「どう〜しても」「どのように〜しても」「どう見ても」といった訳が合います。
「好きなように〜して」の表現
相手に「好きなように〜していいですよ」と伝えるときも、however をよく使います。
この場合の基本形は次の通りです。
例文でイメージをつかみましょう。
-
英語:You may arrange the seats however you like.
日本語:席は好きなように配置してかまいません。 -
英語:Judge me however you like.
日本語:どうとでも好きに判断してください。 -
英語:I can live however I want.
日本語:私は好きなように生きることができます。
この「however you like / want / decide」などは、よく使われるパターンです。
no matter how you like とはふつう言わないので、「好きなように〜して」と言いたいときは however をセットで覚えておきましょう。
However did you ~?のニュアンス
最後に、「一体どうやって〜?」という強調された疑問の表現です。
形は次の通りです。
However did you + 動詞 … ?
本来は how ever と2語で書くのが伝統的ですが、実際の文章では however と1語で書かれていることも多いです。
例を見てみましょう。
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英語:However did you manage it?
日本語:一体どうやってそんなことをやり遂げたのですか。 -
英語:However did you make that cake?
日本語:一体どうやってそのケーキを作ったのですか。 -
英語:However did you find this place?
日本語:一体どうやってこの場所を見つけたのですか。
ふつうの how did you ~? よりも、驚き・感心・半分あきれた気持ちが強く出ます。
日本語では「どうやって〜したの?」より、「一体どうやって〜したの?」と訳すとニュアンスが近くなります。

句読点ルール・比較・注意点
最後に、フォーマルな英文を書くときに重要になる「. However」「; however」の区切り方、カンマの誤用、but / nevertheless / no matter how との比較といった注意点をまとめます。
ここを押さえておくと、英作文でも「きちんとした英語」にぐっと近づきます。
. Howeverと; howeverの違い
フォーマルな英文では、独立した2つの文を however でつなぐときの区切り方がとても大切です。
伝統的な文法では、次のような形が推奨されています。
例を見てみましょう。
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英語:We expected sales to increase. However, they decreased.
日本語:売上が伸びると予想していました。しかし、実際には減少しました。 -
英語:We expected sales to increase; however, they decreased.
日本語:売上が伸びると予想していました。しかし実際には減少しました。
どちらも正しい使い方です。
一方で、次のように単なるカンマだけで2文をつなぐのは、厳密には誤りとされます。
※ We expected sales to increase, however, they decreased.
(カンマだけで独立した2文をつなぐのは「comma splice」と呼ばれ、フォーマルな文書では避けられます)
まとめ:
独立した2つの文を however でつなぐときは、「. However,」か「; however,」のどちらかにする、というルールを覚えておきましょう。
誤用しやすいカンマと語順
however を使うときに、日本人学習者が特につまずきやすい点は次の2つです。
1つ目については、直前の項目で説明した通り、「カンマだけで2つの文」をつなぐのは避けるのが無難です。
but を使うか、「. However,」か「; however,」にしましょう。
2つ目については、次のように意識を切り替えると読みやすくなります。
・文頭に単独で来ている「However,」→「しかし」「ただし」
・すぐ後ろに形容詞・副詞が続く「however hard」「however quickly」→「どんなに〜でも」
たとえば、
However, hard work is important.
However hard work is, it’s important.
は構造も意味も全く違います。
前者は「しかし、仕事は大事です」、後者は「どんなに仕事が大変でも、それは大事です」となります。
読み間違えないよう、however の直後に何が来ているかを必ず確認しましょう。
but等との比較とよくある誤解
最後に、よく比較される表現の特徴を簡単な表にまとめます。
| 表現 | 主な意味 | フォーマル度 | 典型的な用法 |
|---|---|---|---|
| but | しかし | ややカジュアル〜中間 | 会話・カジュアルな文章の逆接 |
| however | しかし/どんなに〜でも/どのように〜しても | 中〜ややフォーマル | 文章の逆接、譲歩構文、方法・自由、強調疑問 |
| nevertheless | それにもかかわらず | フォーマル | 論文・かたい文章で「意外な結果」を述べるとき |
| no matter how | どんなに〜でも/どのように〜しても | 中(話し言葉でもよく使う) | 程度・方法の譲歩(接続詞的に節を導く) |
よくある誤解としては、次のようなものがあります。
避けるコツはシンプルで、次の3点をいつも意識することです。
1. 会話ならまず but を優先し、「少しかたくしたいときだけ however」を使う。
2. 文頭の however は、前後関係を見て「しかし」か「ただし」かを選ぶ。
3. however の直後が形容詞・副詞なら「どんなに〜でも」と読む。

総括
最後に、「however」のポイントをまとめます。復習のチェックリストとして活用してください。
- 「however」の意味は「逆接」「譲歩」「方法・自由」「強調疑問」の4本柱で整理できる。
- 基本は副詞(接続副詞)だが、「接続詞的」「疑問詞的」にも振る舞う。
- 逆接の however は but よりフォーマルで、文頭・文中・文末に置ける。
- 文頭「However,」は「しかし」だけでなく、「ただし」「もっとも」と訳す場面も多い。
- 独立した2文をつなぐときは「. However,」か「; however,」とし、「, however,」だけでつなぐのは避ける。
- 「however+形容詞/副詞」「however much/many~」は「どんなに〜でも」「どれほど〜しても」という譲歩を表し、多くの場合 no matter how と入れ替え可能。
- 「however S V」「however you like」は「どのように〜しても」「好きなように〜して」の意味で、方法や自由度を表す。
- 「However did you ~ ?」は how を強くした疑問で、「一体どうやって〜?」という驚きや感心を含む。
- 会話では but を基本にし、ビジネス文・論文などフォーマルな場面で however を使うと自然になる。
- 訳や英作文で迷ったら、「直後の語(形容詞か?節か?)」「前後の論理関係(対立か?但し書きか?)」の2点を確認することで、多くの誤用を防げる。

