TOEICの参考書は種類が多く、「どれを選べばいいのか分からない」と困りやすいです。しかも、自分のレベルに合わない本を選ぶと、時間だけかかってスコアが伸びません。このガイドでは、スコア帯別・目的別に、本当に役立つ参考書の選び方と使い方をまとめます。
「今のスコアから+100〜200点上げたい」「短期間で結果を出したい」「古い本を買い替えるべきか知りたい」といった悩みにも、順番や学習プランまで踏み込んで答えていきます。
- スコア帯別におすすめできるTOEIC参考書と、その役割が分かる
- 総合本・単語帳・文法本・模試本・パート別本の使い分けが分かる
- 自分のレベルと目標に合った「揃えるべき基本セット」が分かる
- 公式問題集や古い参考書の扱い方、伸び悩み時の次の一手が分かる
結論とレベル別おすすめ
最初に、この記事全体の結論をまとめます。TOEIC参考書選びで一番大切なのは、現在スコアと目標スコアに合ったレベルの本を「必要な種類だけ」そろえることです。ここでは、スコア帯別のおすすめと、まず揃えるべき基本セット、短期で伸ばすための組み方を見ていきます。
スコア帯別おすすめ一覧
まずは、おおよその現在スコアごとに、「このレベルならここから」という目安を示します。ここで挙げる本はあくまで代表例ですが、レベル感や種類のバランスは、この表を基準に考えると失敗しにくいです。
| 現在スコア目安 | 目標スコア | まず1冊目の候補 | 次に足す本の候補 |
|---|---|---|---|
| 〜500点 | 〜600点 | はじめて受けるTOEIC L&Rテスト 全パート完全攻略 | TOEIC L&Rテスト 英文法 出るとこだけ!/頻出英単語帳 |
| 500〜600点 | 600〜700点 | 世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試1[600点突破レベル] | TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ/文法問題 でる1000問 |
| 600〜750点 | 700〜800点 | TOEICテスト新形式精選模試 リーディング2 | 公式TOEIC Listening & Reading 問題集(最新巻) |
| 750〜850点 | 800〜900点 | TOEIC L&Rテスト 究極の模試600問+ | TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6 |
| 850点以上 | 900〜990点 | TOEIC L&Rテスト990点攻略/990点獲得 最強Part7模試 | 極めろ!TOEIC L&R TEST 990点 リスニング特訓 |
選び方の基本は、「現在スコア+100〜200点」が対象レベルの本を選ぶことです。現在500点なら「600〜700点向け」と書かれた本を選ぶイメージです。これより高すぎるレベルを選ぶと、読めない・解けないで止まりやすくなります。
まず揃える基本セット
どのスコア帯でも、最初に揃えるべきセットはほとんど共通です。それは、レベルに合った総合本(または基礎本)と、TOEIC頻出単語をカバーする単語帳の2冊です。この2冊をやり込むだけでも、多くの人は100〜200点ほど伸びます。
基本の組み合わせの例は次の通りです。
ここで大切なのは、最初から参考書を3冊も4冊も同時に開かないことです。1冊目は「8〜9割のページを2周以上」やったと言えるまで繰り返した方が、結果的に早くスコアが伸びます。
また、単語帳は多くても2冊までにしぼり、それ以外の時間を問題演習に回す方が効率的です。単語だけ増やしても、問題に当たる経験が少ないとスコアにはつながりません。
短期で伸ばす本の組み方
試験まで1〜2か月、あるいは数週間しかない場合は、「やる本」と「やらない本」をはっきり決めることが重要です。短期で伸ばすときの基本の組み方は、次の三つです。
たとえば、600点を2か月で狙うなら「2カ月で攻略 TOEIC L&Rテスト600点!」をメインにし、毎日「今日のボキャビル」で単語を覚えつつ、週末に公式問題集の模試を1セット解くような流れです。
短期で一番やってはいけないのは、いろいろな本を少しずつかじることです。時間がないときほど、「1〜2冊を決めて、最後までやり通す」方がスコアに直結します。

TOEIC参考書の種類と役割
次に、TOEICの参考書にはどんな種類があり、それぞれ何のために使うのかを整理します。種類と役割が分かると、自分に今足りない本がどれなのか見えやすくなります。
総合対策本と基礎本
総合対策本・基礎本は、全パートの形式と攻略法をひと通り学べる「土台作り」の本です。初めての人や、久しぶりに受ける人は、まずここから始めると安心です。
代表的な総合本の例としては、「はじめて受けるTOEIC L&Rテスト 全パート完全攻略」や、「ゼロからのTOEIC L&Rテスト600点 全パート講義」などがあります。これらは、試験の流れ、各パートの特徴、基本の解き方を教えてくれます。
メリットは、1冊でTOEIC全体を見渡せることです。デメリットは、問題数が限られるため、「解いた数をこなす」という意味では模試本ほどの量がないことです。そのため、総合本は「最初の1〜2か月でやり込む土台」として使い、その後は模試本で実戦練習に進むのが定番の流れです。
なお、英語そのものがかなり苦手な人は、中学英文法のやさしい復習本を1冊だけ並行させてもよいですが、本格的にTOEIC対策を始めたいなら、TOEIC用に作られた基礎本を優先した方が効率的です。
単語帳と文法特化本
単語帳と文法特化本は、「取りこぼしを減らして、安定して点を稼ぐ」ための本です。特にリーディングセクションのPart5・6・7に大きく影響します。
単語帳の代表としては、「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」や「TOEIC L&Rテスト 頻出英単語」などが定番です。これらは、TOEICで繰り返し出る語だけにしぼってあり、1冊をやり込むと、試験中に「知らない単語ばかりで読めない」という状態がかなり減ります。
文法特化本は、「1駅1題 TOEIC L&R TEST 文法特急」「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」「TOEIC L&Rテスト 英文法 出るとこだけ!」などです。これらはPart5・6対策が中心で、短文穴埋めを大量に解くことで、文法と語彙をまとめて鍛えます。
ここで意識したいのは、「解きっぱなしにしない」ことです。特に文法本は、間違えた問題だけ印をつけて、翌週にもう一度だけ解き直すだけでも、定着が全く違ってきます。
模試本とパート別対策
模試本は、本番と同じ200問形式で収録された問題集です。たとえば、「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」「TOEIC L&Rテスト 至高の模試600問」「TOEIC L&Rテスト 究極の模試600問+」「TOEICテスト新形式精選模試」などがあります。
模試本の主な役割は、次の3つです。
一方、パート別対策本は、Part1〜Part7の中から、特に苦手なパートを集中的に鍛える本です。たとえば、Part7が苦手なら「最強Part7模試」、リスニングが弱いなら「極めろ!TOEIC L&R TEST 990点 リスニング特訓」といった具合です。
模試本とパート別本は、「基礎がある程度できてから」の方が効果が高いです。総合本と単語・文法本で土台を作った後、試験の1〜2か月前から模試本を解き始め、模試で見つかった弱点パートをパート別本で補強すると効率的です。
模試本を選ぶときは、「新形式対応か」「解説がどれくらい丁寧か」「本番より少し難しめかどうか」を確認しましょう。難しすぎる模試だけやっていると、心が折れやすいので注意が必要です。
参考までに、TOEIC運営団体IIBCの公式サイトには、4つの質問に答えるだけで自分に合った公式教材が分かる診断サービスがあります。公式教材の中から選びたい人は、TOEIC公式「おすすめ教材診断」も参考になります。

レベル別の選び方と使い方
ここからは、スコア帯別に、どんな本をどう使うとよいかを具体的に見ていきます。今のスコアが分からない場合は、過去の成績や模試の結果を目安に、「このあたりかな」と感じる帯を読んでください。
〜500点向けの選び方
〜500点帯の人は、英語の基礎とTOEIC形式の両方がまだ安定していないことが多いです。このレベルで一番大切なのは、難しい本に手を出さず、「やさしめの総合本+基礎文法+頻出単語」にしぼることです。
まずは、「はじめて受けるTOEIC L&Rテスト 全パート完全攻略」や「TOEIC L&Rテスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリル」のような、入門〜600点レベル向けの本を選びます。表紙や紹介文に「初受験」「ゼロから」「600点」などのキーワードがあるかをチェックしましょう。
現在スコアが400点くらいなら、「次は600点を狙う」と考え、「600点レベル向け」と書かれた本がちょうどよいレベルです。これが、「現在スコア+100〜200点レベル」の本を選ぶ具体的な当てはめ方です。
このレベルでは、いきなり難しい模試本を解く必要はありません。まずは文法と単語を固めて、「聞いても読んでも、何となく意味が分かる問題」を増やしていくことを意識しましょう。
600〜800点向けの選び方
600〜800点帯では、基礎はある程度できている一方で、Part7の長文や、リスニングの細かい聞き取り、難しめの文法・語彙で取りこぼすケースが多くなります。ここでは、総合本での学習を終えていることを前提に、「模試+特化本」で弱点をつぶしていくのが効果的です。
たとえば、現在600点前後で次に700点を狙うなら、「世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試1[600点突破レベル]」や「TOEICテスト新形式精選模試 リーディング2」など、600〜800点向けの模試本をメインにします。
同時に、「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」で語彙を底上げし、「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」で文法の抜けをなくすと、リーディング全体のスピードと正確さが上がります。
具体的な優先順位の例は次の通りです。
この帯になると、模試を解いた後の復習の質がスコアを大きく左右します。間違えた問題はもちろん、迷った問題も含めて、「なぜその選択肢が正しいか/他の選択肢がダメな理由」を説明できるまで、解説を読み込みましょう。
900点以上を目指す選び方
900点以上を目指す人は、すでに基礎は十分にあります。そのため、「1問の重み」がかなり大きくなります。満点近くを狙うなら、落としやすい難問を集めた本で、最後の数十点を取りに行くイメージです。
このレベルで役立つのは、「TOEIC L&Rテスト990点攻略」「TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6」「TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part7模試」「極めろ!TOEIC L&R TEST 990点 リスニング特訓」などの上級者向け本です。
選び方のポイントは、次の2点です。
たとえば、「Part7は読めるが時間が足りない」という人は、最強Part7模試を2か月かけてやり込み、「根拠を素早く探す練習」と「精読」を両方行います。リスニングであと数問落としている人は、リスニング特訓本で、ひっかけや難しい音のパターンだけを重点的に潰します。
900点以上を狙う段階では、1冊の本を3周するくらいのつもりで、深く掘り下げた方が効果的です。「とりあえず新しい本を買う」よりも、今持っている上級向け本をどこまでやり込めているかを自問してみてください。

公式問題集と関連Q&A
最後に、多くの人が迷いやすい「公式問題集の扱い方」「古い本を買い替えるべきか」「参考書だけで伸び悩んだときの次の一手」について整理します。
公式問題集の使い分け
「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」は、TOEIC運営団体が出している唯一の公式問題集です。本番と同じ形式・同じ制作機関・同じナレーターで作られているため、全レベルの受験者にとって、ほぼ必須の1冊です。
使い方の基本は、次のようになります。
ただし、公式問題集は解説があっさりしていることも多く、「なぜそうなるか」が分かりにくいと感じる人もいます。その場合は、解説が丁寧な非公式模試本(精選模試や至高の模試など)で理解を深めてから、公式で最終確認をする流れがおすすめです。
また、TOEICについての公式情報や試験概要は、IIBC公式サイトにまとめられています。問題形式やレベル感を確認したいときは、IIBC公式のTOEIC概要ページも合わせてチェックすると安心です。
古い本の買い替え判断
手元にある参考書が古い場合、「まだ使えるのか、買い替えた方がいいのか」は多くの人が迷うポイントです。ここでは、チェックすべき項目を整理します。
特に2016年の形式変更以降、Part3・4・6・7の問題タイプはかなり変わっています。旧形式の本でも文法や語彙の部分は使えることがありますが、模試としては時間配分や問題傾向が違うため、本番の練習にはなりにくいです。
中古本を安く買う場合も、必ず「発行年」と「新形式対応かどうか」を確認しましょう。文法特化本や単語帳については、やや古くても大きな問題はないことが多いですが、模試系・総合本については、できるだけ最新の版を選ぶのが安全です。
伸び悩み時の次の一手
参考書学習を続けているのにスコアが伸びない、あるいは同じスコア帯で止まってしまったと感じる人も少なくありません。その場合は、「本を変える」だけでなく、「勉強のやり方」や「外部の力」を取り入れることも考えてみましょう。
まず確認したいのは、次のような点です。
これらが十分にできていない場合は、まずは「勉強の深さ」を上げるだけでもスコアが動くことがあります。それでも伸びない場合や、短期間で大きく伸ばしたい場合は、通信講座やスクールの利用も選択肢です。
たとえば、目標スコアごとのTOEIC講座では、プロ講師がカリキュラムを組み、どの本をどう使うかまで具体的に示してくれることが多いです。自分ひとりでは参考書の選び方やペース配分が難しい人には、大きな助けになります。
また、公式サイトの「おすすめ教材診断」を使い、今のレベルや苦手分野に合った公式教材をチェックしてみるのも、行き詰まりを解消する一歩になります。

総括
最後に、この記事の要点をまとめます。ここだけ読み返せば、参考書選びと学習の方針をすぐに整理できます。
