英語でビジネスメールを書くとき、「自己紹介をどう書けば失礼にならないか」「どこまで書けばいいのか」で迷う人は多いです。
日本語メールの感覚で長々と書くと、英語ではくどく感じられることがあります。
一方で、名乗り方が足りないと「この人は誰?」と不安にさせてしまいます。
この記事では、ビジネス英語メールでの自己紹介を、シーン別のフレーズとテンプレートつきで整理します。
件名から署名まで、メール全体の中で自己紹介をどう置けばよいかも、具体的に解説します。
- ビジネス英語メールにおける自己紹介の基本ルールと必須要素が分かる
- 社外・社内・就活など、場面別の自己紹介フレーズとテンプレが手に入る
- 「My name is〜」以外の自然な自己紹介表現と、フォーマル度の違いが整理できる
- メール全体の構成の中で、自己紹介をどこにどの程度書くべきか判断できる
英語メール自己紹介の基本
最初に、英語ビジネスメールでの自己紹介の考え方と、日本語との違いを押さえておくと、後のテンプレがぐっと使いやすくなります。
ここでは文化的な違い、自己紹介の役割、必須情報と基本文型をまとめます。
日本語との文化的な違い
英語ビジネスメールの自己紹介でまず大事なのは、日本語より「短く」「目的をはっきり」書く文化だという点です。
日本語メールでは、丁寧さを出すために、会社紹介や自分の経歴を長く書くことがあります。
しかし、多くの英語圏のビジネスでは、次のように考えられています。
そのため、自己紹介で会社の歴史や個人の細かい経歴を書きすぎると、「回りくどい」「時間を取られる」と感じられます。
一方で、初めて連絡する相手には、最低限の自己紹介がないと、相手はあなたの立場や権限を判断できません。
英語メールでは、次の2点が特に重視されます。
1つは、「このメールは誰から届いたのか」がすぐ分かること。
もう1つは、「何のための連絡か」が冒頭で明確になっていることです。
この2つを満たせば、自己紹介は長く書きすぎる必要はありません。
自己紹介の役割と目的
ビジネス英語メールの自己紹介には、主に3つの役割があります。
1つ目は、自分の「身元」と「立場」を伝えることです。
相手は、あなたの会社名や役職を見て、「どのレベルの話なのか」「どの部署からの依頼なのか」を判断します。
2つ目は、「あなたと相手の関係」を示すことです。
たとえば、「新しい担当者です」「先日の展示会でお会いしました」「御社の求人を見て応募しました」などです。
この一言があることで、相手はあなたとの距離感やメールの背景をすぐにつかめます。
3つ目は、「この後に続く話の信用度」を支えることです。
営業メールやコラボ提案では、「どんな会社の誰が言っているのか」で、読んでもらえるかどうかが変わります。
逆に言うと、自己紹介の目的はここまでです。
会社の歴史や、個人の長い経歴を書くのは、多くの場合やりすぎになります。
メール本文では、用件や提案内容に文字数を使い、自己紹介は「名前+会社+役職+関係性」を1~2文で伝えるイメージを持つとよいです。
必須情報と基本文型
初めて連絡する社外の相手には、次の4つをセットで伝えるのが基本です。
これらを自然に伝える代表的な文型は次の通りです。
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英語:My name is Taro Suzuki, and I am a sales manager at ABC Corporation.
日本語:ABC社で営業マネージャーをしております鈴木太郎と申します。 -
英語:I am Taro Suzuki, working in the marketing department at ABC Corporation.
日本語:ABC社マーケティング部の鈴木太郎と申します。 -
英語:This is Taro Suzuki from ABC Corporation, sales department.
日本語:ABC社営業部の鈴木太郎です。
社外の初回メールなら、上のどれか1文を書けば、自己紹介としては十分です。
社内宛や何度もやり取りしている相手には、「会社名」を省略して「部署+名前」だけでも問題ありません。
また、「I work as a sales representative at ABC Corporation.(ABC社で営業担当として働いています)」のように、職種の説明を加えるパターンもよく使われます。
どの形を使うかは、次の章の「フォーマル/カジュアル」「My name is 以外の表現」で詳しく比べていきます。

メール全体の構成と型
自己紹介だけを考えるより、メール全体の流れをおさえると、どこに何を書くべきかが分かりやすくなります。
ここでは、件名から署名までの基本構成と、自己紹介を置く位置・長さ、署名との役割分担を説明します。
件名から署名までの流れ
多くの英語ビジネスメールは、次のような流れで構成されます。
これは、各種ビジネス英語教材や企業の研修でも共通している基本形です。
| パート | 役割 | 自己紹介との関係 |
|---|---|---|
| 1. 件名(Subject) | 用件・目的を一目で伝える | 自己紹介は書かない |
| 2. 宛名(Salutation) | 誰宛かを示す | Dear Mr./Ms. Name, など |
| 3. 挨拶+自己紹介 | 軽い挨拶と「誰か」を伝える | 初回連絡では必須 |
| 4. メールの目的 | なぜ書いているのかを一文で示す | 自己紹介のすぐ後に続ける |
| 5. 本文(詳細) | 背景説明・提案・質問など | 自己紹介は基本入れない |
| 6. 結びの挨拶 | 感謝・今後してほしいこと | 自己紹介は不要 |
| 7. 結びの言葉+署名 | Best regards, など+署名ブロック | 署名で詳細な身元情報を補う |
特に重要なのが、「挨拶+自己紹介 → 目的提示」の流れです。
多くの英語学習サイトや企業研修でも、この流れが基本とされています。
英語ビジネスメールの構成や自己紹介の位置づけについては、たとえばプロの英語コーチングを行う企業の解説ページ(progrit.co.jp)でも、同じ構成が紹介されています。
この型をまずはそのまま使い、「どのパートに何を書くか」を固定してしまうと、毎回のメール作成がとても楽になります。
自己紹介を置く位置と長さ
自己紹介を書く位置は、原則として本文の一番最初です。
流れとしては、次のようになります。
1. 宛名(Dear Mr. Smith,)
2. 軽い挨拶(I hope this email finds you well. など)
3. 自己紹介(My name is 〜 など)
4. メールの目的(I am writing to 〜.)
自己紹介の長さは、原則1〜2文で十分です。
一文目で「名前+役職+会社」を伝え、必要なら二文目で「担当領域」や「相手との関係(どこで会ったか、誰から紹介されたか)」を添えます。
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英語:My name is Taro Suzuki, and I am a project manager at ABC Corporation. We briefly met at the XYZ Conference last week.
日本語:ABC社でプロジェクトマネージャーをしております鈴木太郎と申します。先週のXYZカンファレンスで少しお話しさせていただきました。
ここまで書いたら、すぐに「I am writing to inquire about 〜.(〜についてお問い合わせしたくご連絡しました)」のように、メールの目的へと入ります。
自己紹介や前置きが3〜4文以上続くと、相手は「要件は何だろう?」と感じます。
「名乗りはコンパクト、目的は早く」が基本です。
省略と署名で補う情報
英語ビジネスメールでは、本文の自己紹介で全てを書く必要はありません。
むしろ、本文は短くし、詳細な情報は署名ブロックで補うのが一般的です。
署名には次の情報を入れておくと安心です。
本文の自己紹介では「名前+会社+部署+役職」だけにし、会社住所や電話番号などは署名に任せましょう。
また、同じ相手と何度もやり取りしている場合は、本文の自己紹介を省略し、署名だけで十分なことも多いです。
たとえば、2通目以降は次のような書き出しで問題ありません。
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英語:Thank you for your quick reply. I am writing to confirm the schedule for our next meeting.
日本語:早速のご返信ありがとうございます。次回ミーティングの日程を確認させていただきたくご連絡しました。
このように、自己紹介は「初回の社外メールでは必須」「同じ相手とのやり取りが続くときは簡略化または省略可」と考えると分かりやすいです。
※自己紹介を省いても、署名ブロックは常に付けるようにしましょう。誰からのメールかが一目で分かることは、ビジネス上とても重要です。

場面別の自己紹介フレーズ
ここからは、実際の場面ごとに使える自己紹介フレーズとメールの型を紹介します。
社外向け初回連絡、社内の挨拶、就活・転職メールという3つの代表的なシーンに分けて見ていきます。
社外向け初回連絡の型
初めて連絡する社外の相手には、自己紹介が特に重要です。
ここでは、営業メール・問い合わせ・担当変更・コラボ提案など、よくあるパターンに共通する「基本の型」を紹介します。
まずは、フォーマル寄りの基本テンプレートです。
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英語:Dear Mr. Smith,
I hope this email finds you well.
My name is Taro Suzuki, and I am a sales representative at ABC Corporation.
I am writing to inquire about your cloud storage services.
日本語:スミス様
いつもお世話になっております。
ABC社で営業をしております鈴木太郎と申します。
御社のクラウドストレージサービスについてお問い合わせしたくご連絡いたしました。
ポイントは次の通りです。
営業メールやコラボ提案なら、「自社紹介」を1〜2文だけ添えてもよいです。
例:
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英語:We are a leading provider of HR software solutions in Japan, helping over 500 companies streamline their HR processes.
日本語:当社は日本で人事ソフトウェアを提供しており、500社以上の企業様の人事業務の効率化を支援しております。
一方で、問い合わせや見積もり依頼などでは、自社の詳しい説明は省略し、「必要ならウェブサイトや資料で確認してもらう」という感覚でOKです。
メール本文では、相手にとって重要な情報(要件・条件・締切など)に文字数を使うようにしましょう。
社内挨拶メールの型
社内向けの自己紹介メール(新入社員の挨拶・異動の挨拶)は、社外メールよりもカジュアルでOKです。
会社名は省略してもよく、「部署+役職+名前」を中心に書きます。
新入社員としてチーム全体に挨拶するメールの例を見てみましょう。
-
英語:Hi Everyone,
I hope you are all doing well.
My name is Taro Suzuki, and I have just joined the marketing department as a digital marketing specialist.
Previously, I worked at XYZ Inc. for five years, focusing on social media campaigns.
I am really excited to work with all of you and contribute to our upcoming projects.
日本語:皆さま
いつもお世話になっております。
このたびマーケティング部にデジタルマーケティングスペシャリストとして入社しました鈴木太郎と申します。
以前はXYZ社で5年間、主にSNSキャンペーンを担当しておりました。
皆さまと一緒に仕事ができることをとても楽しみにしており、今後のプロジェクトに貢献できれば幸いです。
社内挨拶では、次のような情報を入れると、相手があなたをイメージしやすくなります。
一方で、社内メールでは、家族構成や趣味などのプライベート情報を長々と書く必要はありません。
フラットな文化の会社でも、「仕事でどう関われるか」の情報を中心に、3〜5文程度にまとめるとよいでしょう。
就活・転職メールの型
就職・転職活動のメールでは、自己紹介が少し変わります。
「自分が誰か」だけでなく、「どのポジションに応募しているのか」「どんな経験があるのか」まで含めて伝える必要があります。
応募メールの基本の型は次の通りです。
これを1〜2パラグラフでまとめます。
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英語:Dear Ms. Johnson,
My name is Taro Suzuki, and I am writing to apply for the position of Sales Manager, which I found on your company website.
I have over seven years of experience in B2B sales in the IT industry, and I have successfully led a team of five sales representatives for the past three years.
日本語:ジョンソン様
セールスマネージャー職に応募させていただきたくご連絡しました鈴木太郎と申します。
御社のウェブサイトで求人情報を拝見しました。
IT業界の法人営業で7年以上の経験があり、直近3年間は5名の営業チームを率いてまいりました。
この後に「なぜその会社に興味があるか」「自分がどう貢献できるか」を続け、最後に履歴書や職務経歴書を添付していることを伝えます。
リクルーター(人材紹介会社)宛のメールでは、「専門分野」と「経験年数」を前に出します。
こちらも、多くの転職支援サイトで同様の構成が推奨されています。
就活・転職メールの自己紹介でも、「長い自己PR」をメール本文に書きすぎないことが大切です。
詳細は履歴書や職務経歴書に任せ、メール本文は「誰が・どのポジションに・どんな強みで応募しているか」がすぐ伝わるように、短くまとめましょう。

表現の使い分けと注意点
最後に、自己紹介でよく使う英語表現の違いと、フォーマル/カジュアルの切り替え方、書きすぎ防止のポイントをまとめます。
ここを押さえておくと、「My name is 〜」以外の自然な表現も使いこなせるようになります。
My name is 以外の表現
自己紹介でまず覚えるべきなのは、「My name is 〜」ですが、実際のビジネスメールでは他の表現もよく使われます。
代表的な3つを比べてみましょう。
それぞれの例を見てみます。
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英語:My name is Taro Suzuki, and I am a consultant at ABC Consulting.
日本語:ABCコンサルティングでコンサルタントをしております鈴木太郎と申します。 -
英語:This is Taro Suzuki from ABC Consulting.
日本語:ABCコンサルティングの鈴木太郎です。 -
英語:I am Taro Suzuki with ABC Consulting, working as a senior consultant.
日本語:ABCコンサルティングでシニアコンサルタントをしております鈴木太郎と申します。
フォローアップや、少しくだけた業界同士のメールでは、「This is Taro from ABC.」のように、短く自己紹介することも多いです。
一方で、求人応募やフォーマルな営業メールなどでは、「My name is 〜」または「I am 〜, a 〜 at 〜.」のような形が無難です。
また、出身地や部署・職種を加えたいときの代表的な言い方も合わせて覚えておきましょう。
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英語:I am from Osaka, Japan.
日本語:日本の大阪出身です。 -
英語:I work as a software engineer in the development department.
日本語:開発部でソフトウェアエンジニアとして働いています。 -
英語:I belong to the human resources department.
日本語:人事部に所属しています。
ビジネスの自己紹介メールでは、「出身地」は必須ではありません。
長くなりそうな場合は、省略してしまって問題ありません。
フォーマルとカジュアル差
同じ自己紹介でも、フォーマル/カジュアルで表現を少し変える必要があります。
判断の基準は次の3つです。
フォーマルなシーン(社外初回、求人応募、役職が高い相手など)では、次のような点に気を付けます。
・省略形(I’m, I’dなど)を避ける
・宛名は「Dear Mr./Ms. + 姓」で始める
・結びは「Best regards,」「Sincerely,」などを使う
カジュアル寄りのシーン(社内、スタートアップ同士、何度もやり取りした相手など)では、次のように変えられます。
・宛名は「Hi John,」「Hello team,」など
・自己紹介を短く、「This is Taro from Sales.」程度にする
・省略形(I’m, I’veなど)も許容される
たとえば、同じ内容でも、次のように書き分けられます。
-
フォーマル:
英語:My name is Taro Suzuki, and I am a sales manager at ABC Corporation.
日本語:ABC社で営業マネージャーをしております鈴木太郎と申します。 -
カジュアル:
英語:Hi, this is Taro from ABC’s sales team.
日本語:こんにちは、ABC社営業チームの太郎です。
フォーマル度の判断に迷ったら、「初回の社外メールはフォーマル寄り」「そこから徐々にカジュアルに寄せる」と考えると安全です。
フォーマル/カジュアルの挨拶や宛名の使い分けについては、たとえば外資系転職エージェントが公開しているビジネスメール解説(enworld.com)でも、同様の方針が紹介されています。
書きすぎ防止とよくある疑問
最後に、「自己紹介はどこまで書くべきか」という悩みに答えておきます。
書きすぎを防ぐための基本ルールは、次の3つです。
よくある疑問に、簡単に答えておきます。
Q. 会社紹介はどこまで書くべき?
A. 営業メールやコラボ提案なら、「何をしている会社か」を1〜2文で書けば十分です。
それ以上は、ウェブサイトや資料へのリンクで補うとよいです。
Q. 出身地や趣味を書いてもいい?
A. ビジネスメールの自己紹介では、ほとんどの場合不要です。
どうしても書きたい場合は、社内のカジュアルな挨拶メールに一言添える程度にしましょう。
Q. 自己紹介を省略してよいのはどんなとき?
A. 次のような場合は、本文の自己紹介を省略しても問題ありません。
ただし、どの場合でも、署名ブロックだけは毎回付けておきましょう。
メールが転送されたときにも、「誰からのメールか」が一目で分かることが大切だからです。
もし自己紹介を書きすぎると、次のようなデメリットがあります。
・相手が本題にたどり着く前に読むのをやめてしまう
・「自分の話ばかりしている」と感じさせてしまう
・要件がぼやけて、「で、何が言いたいのか?」と思われる
自己紹介は、あくまで「本題に入る前の最低限の情報」と割り切るのが、ビジネス英語メールで好まれるスタイルです。

まとめ
最後に、この記事で押さえたポイントをまとめます。
- 英語ビジネスメールでは、自己紹介は「短く・目的をすぐに伝える」文化が基本である。
- 自己紹介の必須要素は「名前・会社名・部署・役職(または職種)」で、1〜2文に収める。
- メール構成は「件名 → 宛名 → 挨拶+自己紹介 → 目的 → 本文 → 結び → 署名」が基本の型になる。
- 社外初回メールでは、自己紹介の後に「I am writing to 〜」で目的をはっきり示す。
- 社内挨拶メールでは、会社名は省略し「部署+役職+名前+前職の概要+一言の意気込み」を書けば十分。
- 就活・転職メールの自己紹介では、「名前+応募ポジション+求人を見た場所+経験の概要」をセットで伝える。
- 「My name is〜」「This is〜 from〜」「I am〜 with〜」を場面ごとに使い分けることで、より自然な自己紹介になる。
- フォーマルな社外初回メールでは省略形を避け、宛名や結びも丁寧な表現を選ぶ。
- 自己紹介を長くしすぎると本題が伝わりにくくなるため、会社紹介や出身地などは原則省略し、必要なら署名や資料で補う。
- 自己紹介は初回の社外メールでは必須だが、同じ相手とのやり取りが続く場合は簡略化または省略し、署名ブロックで身元を明確にする。

