「early」と「earlier」はどちらも「早い・早く」と訳せますが、意味と使い方にははっきりした違いがあります。
とくに early this month と earlier this month は、日本語ではどちらも「今月」と訳せてしまうため、混乱しやすいポイントです。
この記事では、文法上の違いから、「〜前」を表す ago / before / earlier の整理、さらにビジネスメールでそのまま使えるフレーズまで、時間に関する「早い」「前」の表現を一気に整理します。
- early と earlier の文法的な違いとコアイメージが分かる
- early this month / earlier this month のニュアンスを正しく使い分けられる
- ago / before / earlier の「〜前」の違いと注意点が整理できる
- ビジネス・日常会話ですぐ使える自然な時間表現フレーズが身につく
early と earlier の結論と基本
最初の章では、「early」と「earlier」のいちばん大事な基本だけを、品詞と意味から整理します。ここが分かると、あとで出てくる時間表現やビジネス表現も理解しやすくなります。
early の意味と品詞
結論から言うと、early は「比較していない早さ」を表す語です。
そして品詞は、形容詞と副詞の両方になります。
主な意味は次の2つです。
どちらも「何かと比べて」というより、「時間的に早い位置にある」「始まりの方に近い」というイメージです。
具体例で見てみましょう。
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英語:I got up early this morning.
日本語:今朝は早く起きました。 -
英語:I took an early train.
日本語:早い電車に乗りました。 -
英語:There were few people in the early morning.
日本語:早朝は人がほとんどいませんでした。
どの文も、「ふつうより…」という比較は文の中にはありません。ただ、「時間が早い位置にある」というだけです。これが early の基本です。
earlier の意味と比較級
一方 earlier は early の比較級です。
つまり意味は「より早い」「より早く」「前の」「さっきの」といったものになります。
earlier も品詞は形容詞と副詞の2つです。違いは、いつも「何かと比べて」いるという点です。
英語では、「より〜」という比較を表すとき、多くの形容詞に -er をつけて比較級を作ります。early → earlier もその1つです。
実際の例を見て、比較の感覚をつかみましょう。
-
英語:I got up earlier than usual.
日本語:いつもより早く起きました。 -
英語:Can we take an earlier train?
日本語:もっと早い電車に乗れますか。 -
英語:I finished the report earlier than I expected.
日本語:レポートは思ったより早く終わりました。
どの文も、「usual(いつも)」「another train(別の電車)」「I expected(自分の予想)」など、何かしらの基準と比べています。
そのため、earlier は「〜より早い」「〜より前」という相対的な意味になるのです。
比較なしと比較ありの違い
early / earlier のいちばん大切なポイントを一文でまとめると、こうなります。
比較していない「早い」なら early、何かと比べて「より早い」なら earlier。
次のように比べてみると、違いがはっきりします。
| 英語 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| I arrived early. | 私は早く着きました。 | ただ早く着いたと言っているだけ。比較はない。 |
| I arrived earlier than my friends. | 私は友だちより早く着きました。 | friends と比べて、自分の方が先に着いた。 |
| I took an early train. | 早い電車に乗りました。 | その電車自体が早い時刻の電車。 |
| I took an earlier train. | もっと早い電車に乗りました。 | 他の電車と比べて、より早い方を選んだ。 |
会話では、比較の相手をはっきり言わずに、「さっきの〜」「前の〜」という意味で earlier を使うことも多いです。
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英語:Sorry about earlier.
日本語:さっきのこと、ごめんね。 -
英語:As I said earlier, we need more time.
日本語:先ほど言ったように、私たちにはもっと時間が必要です。
ここでは「今」という時点と比べて、「それより前のタイミング」を earlier で表しています。これが、次の章で出てくる earlier this month などにもつながります。

時間表現での意味とニュアンス
ここからは「early this month」「earlier this month」など、時間表現にくっついた形をくわしく見ていきます。
カレンダーのイメージと、「今」との関係をセットで覚えるのがコツです。
early this month のイメージ
まずは early this month です。これは構造をそのまま読むと、
early(早い時期)+ this month(今月)
= 「今月のはじめの方」「今月の上旬」
という意味になります。カレンダーの1〜10日あたりをイメージすると分かりやすいです。
具体的な文で見てみましょう。
-
英語:I sent you the file early this month.
日本語:今月の初め頃にそのファイルを送りました。 -
英語:We had a big meeting early this month.
日本語:今月の初めに大きな会議がありました。
どちらも、「今月の上旬」という時期そのものが大事になっています。
つまり early this month は、「今月の中でも、初めの方の時期」を割とハッキリ指している表現です。
このような「カレンダーの頭の方」を表す early は、英語学習サイトでもよく説明されています。たとえば、文科省が公開している英語教育向け資料でも、日付や期間と early / late を組み合わせる用法がくり返し登場します。詳しくは、教師向けの解説ですが参考になります。
文部科学省:小学校外国語活動・外国語教育関連情報
earlier this month のイメージ
次に earlier this month です。構造は、
earlier(今より前のどこか)+ this month(今月)
= 「今という時点から見て、それより前の今月のどこか」
という意味になります。ポイントは、「上旬」とはかぎらないことです。中旬でも下旬でも、今から見て「前なら」OKです。
例文でイメージをつかみましょう。
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英語:I sent you the file earlier this month.
日本語:今月(の前のほうで)そのファイルをお送りしました。 -
英語:We talked about this issue earlier this month.
日本語:この問題については、今月の前の方で話しましたよね。
日本語にするとどちらも「今月」と訳せてしまいますが、英語では「今という時点」より前であれば、今月の中のいつでも構いません。
たとえば、今日は25日だとしても、10日でも15日でも20日でも、すべて earlier this month と言えます。
つまり、
と整理しておくと混乱しにくくなります。
earlier+時間語の共通ルール
earlier this month の this month の部分は、today / this morning / this week などに入れ替えができます。
どれも共通のルールは1つです。
「同じ枠(今日・今週・今年など)の中で、今より前のどこか」
よく使うパターンと意味をまとめてみます。
例文で確認しておきましょう。
-
英語:I called you earlier today, but you didn’t answer.
日本語:今日は先ほどお電話しましたが、出られませんでした。 -
英語:As I mentioned earlier this week, the deadline is next Monday.
日本語:今週の前半にもお伝えしたとおり、締め切りは次の月曜日です。 -
英語:We had a similar problem earlier this year.
日本語:今年の前の方にも、同じような問題がありました。
どの表現も、「今日」「今週」「今年」という期間の枠は変わりません。
その枠の中で、「今より前」の位置にある出来事を、earlier で指している、と考えればOKです。
なお、「さっき」「この前」といったあいまいな時間の表現は、日本の英語教育でも学習者がつまずきやすい部分とされています。この点については、大学などの英語教育研究でも多く扱われています。興味があれば、例えば次のような資料も参考になります。
広島大学:英語の時間表現に関する研究論文

「〜前」を表す語の整理
ここからは、earlier とよく一緒に出てくる ago / before との違いを整理します。
どれも日本語では「〜前」と訳せるのでまぎらわしいですが、「どこを基準にして前なのか」が違います。
ago の基準と使い方
まずは ago です。 ago の一番大事なポイントは、
基準はいつも「今(現在)」である
ということです。今から見て「〜前」「〜ほど前」を表します。
文の形としては、過去形の動詞と一緒に使うのが基本です。
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英語:I met her three years ago.
日本語:私は3年前に彼女に会いました。(今から3年前) -
英語:I moved here two months ago.
日本語:私は2か月前にここへ引っ越してきました。
どちらも、「今からさかのぼって」どのくらい前かを言っています。
この「今からさかのぼる」という感覚が、次の before / earlier との大きな違いになります。
before と earlier の違い
before は、「〜より前に」「以前に」という意味を持つ単語です。副詞としても、前置詞としても使われます。
ここでは、earlier と比べながら整理してみましょう。
時間の話だけにしぼっても、ニュアンスに違いがあります。
earlier は、「さっき」「その時より前の、同じ期間のどこか」といった、わりと近い時間を指すことが多いです。
before は、「以前に」「それよりも前のどこか」と、距離はあまり意識しません。
次の例を比べてみましょう。
-
英語:As I said earlier, we need more staff.
日本語:さっき言ったように、スタッフがもっと必要です。 -
英語:As I said before, we need more staff.
日本語:前にも言いましたが、スタッフがもっと必要です。
earlier の方は、「さっきの会議」「今日の打ち合わせ」など、同じ場面・同じ日の少し前をイメージさせます。
before の方は、「以前から何度も言っているけれど」という広いニュアンスになりやすいです。
また、前置詞としての before は、具体的な時刻や出来事を基準にして、その前を表します。
-
英語:Finish this report before Friday.
日本語:このレポートを金曜日までに終わらせてください。(金曜より前に) -
英語:He left the company before 2020.
日本語:彼は2020年より前にその会社を辞めました。
このように、before は「〜より前に」と、基準となる時点を後ろにそのまま書けるのが特徴です。
earlier は「比較級」なので、本来は than で比べる形が基本ですが、「同じ枠の中で前」を表すときは than を省いて使われることが多い、という違いもあります。
過去完了と three years earlier
最後に、学習者が特につまずきやすい「〜年前」の表現を整理します。ここで大事なのは、ago は「今基準」なので、過去完了などでは使えない場合があるという点です。
次の文を比べてみてください。
-
英語:I married her three years ago.
日本語:私は3年前に彼女と結婚しました。(今から3年前) -
英語:When he was working with me, he said that he had married her three years earlier.
日本語:彼が私と一緒に働いていたとき、彼は3年前に彼女と結婚していたと言いました。
1つ目の文では、「今」から3年前を見ています。だから ago が正しいです。
2つ目の文では、基準は「彼が私と働いていたそのとき」です。
彼がそう言った時点から見て3年前、という意味なので、「今」からではありません。
このときは、ago ではなく earlier / before を使います。
ルールをまとめると、次のようになります。
別の例でも確認しておきましょう。
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英語:By 2010, he had left the company three years earlier.
日本語:2010年までに、彼はその3年前には会社を辞めていました。 -
英語:He said that he had met her three years before.
日本語:彼は、3年前に彼女に会っていたと言いました。(その「言ったとき」から見て3年前)
どちらも、「2010年」や「彼がそう言ったとき」という過去の時点から3年前をさかのぼっています。
この場合、「今から3年前」ではないので、ago は使えない、というわけです。

実践表現とよくある疑問
最後の章では、「早めに」「事前に」「さっきの」など、日本語でよく使う言い方を英語でどう表すかをまとめます。ビジネスメールですぐ使えるフレーズと、よくある誤用パターンもセットで確認しましょう。
早めに・事前にの言い分け
日本語の「早めに」「事前に」「先に」は、英語ではいくつかの表現に分かれます。ここを整理しておくと、ビジネスメールの表現がぐっと自然になります。
それぞれ、よくある日本語との対応を見てみましょう。
1.「早めに到着する」= 時刻が早い → early
-
英語:I’ll arrive early.
日本語:早めに到着します。(時間が早い) -
英語:If possible, please come a little earlier than 9 a.m.
日本語:できれば、9時より少し早めにお越しください。
2.「事前に連絡する」= 準備・手続きを前もって → in advance / beforehand
-
英語:Please contact us in advance if you are going to be late.
日本語:遅れる場合は、事前にご連絡ください。 -
英語:We need to book the room beforehand.
日本語:会議室は事前に予約しておく必要があります。
「事前に連絡する」を contact early としてしまうと、「通常より早い時間に連絡する」という少し不自然な意味になります。
「準備や手続きを前倒しにする」イメージなら、in advance / beforehand を選ぶのが安全です。
ビジネスでの自然な例文
ここでは、ビジネスメールや会議でそのまま使える early / earlier を含むフレーズをまとめて紹介します。よくある日本語のイメージとセットで覚えると便利です。
1. 「さっきお話ししたとおり」= As I mentioned earlier
-
英語:As I mentioned earlier, we will start the project next month.
日本語:先ほどお話ししたとおり、プロジェクトは来月開始します。
2. 「先ほどのメールについて」= about my earlier email
-
英語:I’m writing about my earlier email regarding the schedule.
日本語:スケジュールに関する先ほどのメールについてご連絡しています。
3. 「今月の前半に送った資料」= the documents I sent earlier this month
-
英語:The documents I sent earlier this month are attached again.
日本語:今月の前半にお送りした資料を、再度添付いたします。
4. 「早めの回答をいただけると助かります」
時間そのものを早くしてほしいので early を使います。
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英語:I would appreciate your early reply.
日本語:早めのご返信をいただけますと幸いです。
5. 「事前のご登録ありがとうございます」= Thank you in advance
-
英語:Thank you in advance for registering for the event.
日本語:イベントへの事前のご登録、ありがとうございます。
ビジネスでは、時間の「早さ」と「事前準備」をはっきり分けて表現する方が、丁寧で分かりやすい英語になります。
「早めに〜する」は、具体的に「早く到着する」のか、「前もって連絡する」のかを意識して、early と in advance / beforehand を選び分けてください。
よくある誤用とQ&A
最後に、日本人学習者がよく間違えやすいポイントを Q&A 形式でまとめます。
Q1. 「今月の頭に〜」は early this month? earlier this month?
「今月の頭(上旬)」というカレンダーの位置をはっきり言いたいなら、early this month が自然です。
一方、「今月のどこか前の方で(正確な日付は重要でない)」なら、earlier this month が向いています。
Q2. 「さっき」は earlier だけで言えますか?
はい、文脈があれば earlier だけで「さっき」「さっきのこと」と言えます。
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英語:Sorry about earlier.
日本語:さっきはごめんね。
よりはっきりさせたいときは earlier today / earlier this morning などとすると、時間の枠が伝わりやすくなります。
Q3. 「3年前に」と言いたいとき、ago と earlier / before をどう使い分けますか?
主な出来事が「今」の話であれば、3 years ago を使います。
過去のある時点から見た3年前なら、3 years earlier / 3 years before を使います。
誤りやすい例と正しい例を比べてみましょう。
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誤:He said that he had met her three years ago.
正:He said that he had met her three years earlier / before.
日本語:彼は、3年前に彼女に会っていたと言いました。
この文では、「彼がそう言った時」から3年前をさかのぼるので、基準は「今」ではありません。だから ago は不自然になってしまいます。
Q4. 「事前に早く教えてください」は early? in advance?
「事前に教えてほしい」という意味が強いので、in advance を使うのが自然です。
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英語:Please let me know in advance if there are any changes.
日本語:変更がある場合は、事前にお知らせください。
early を使うと「いつもより早いタイミングで」というニュアンスになるため、「事前準備」という意味では少しずれます。

まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。復習や実践のときに見返して、表現を自分のものにしていってください。

