「英検1級ってどれくらい難しいの?」「TOEICやTOEFLと比べるとどんなレベル?」「取ると何に役立つの?」という疑問を、この記事でまとめて解決します。
英検1級は英検の最上位で、「大学上級レベル」「社会生活全般で通用する高度な英語力」と説明されています。
ただ、そう言われても、実際の難しさや、ネイティブとの違い、自分の今のレベルからどれくらいギャップがあるかは、イメージしにくいと思います。
そこでこの記事では、公式データやCEFR・TOEICなどとの比較、実際の合格者の感覚をもとに、英検1級レベルをできるだけ具体的に言葉にしていきます。
最後には、「自分は1級を目指すべきか」「目指すなら何から始めるか」までイメージできる状態をゴールにします。
- 英検1級が英語試験の中でどの位置づけにあるかが分かる
- 合格率・必要語彙数・試験構成から具体的な難易度が分かる
- TOEIC・TOEFL・IELTS・CEFRとの対応イメージがつかめる
- 今のレベルから1級合格までのギャップと学習戦略が見える
英検1級レベルの結論と位置づけ
この章では、英検1級の「公式な位置づけ」と、実際のレベル感をまとめます。
英検の中でどれくらい上なのか、CEFRではどこに当たるのか、1級を持っていると何ができるのかを、まず全体像として押さえましょう。
英検最上位級としてのレベル
英検1級は、英検1級〜5級の中で最終目標とされる最上位級です。
公式サイトでは、1級は次のように説明されています。
準1級(大学中級程度)と比べると、「専門性」と「抽象度」が一段上がります。
たとえば、準1級でもニュース記事は読めますが、1級では「経済政策の是非」「バイオテクノロジーの倫理」「エネルギー政策の長期的影響」など、背景知識がないと読みづらいテーマが普通に出てきます。
また、単に意味が分かるだけでなく、「筆者は何を主張したいのか」「どんな根拠でそれを支えているのか」といった論理の流れまで追って理解することが求められます。
このため、帰国子女や留学経験者でも、対策なしでは落ちることがあるレベルです。
公式基準とCEFR対応
英検1級は、ヨーロッパで使われる英語力の物差しであるCEFRと対応づけられています。
英検協会の公表では、1級はおおむねCEFR C1レベルに対応します(スコア帯としてはB2〜C1をまたぐイメージ)。
CEFR C1は、次のようなレベルです。
英検は「英検CSEスコア」という独自のスコアも公開しており、1級の合格ラインは合計2630点(一次2028点+二次602点)です。
CEFRとCSEの関係は、英検の公式サイトにまとめられています。
詳しい基準やスコア表は、英検協会の公式ページを一度確認しておくとイメージがわきやすいです。
英検1級でできること
では、英検1級レベルの人は、実際にどんなことができるのでしょうか。
公式の説明や合格者の声をまとめると、次のようなイメージになります。
一方で、映画やドラマのセリフを字幕なしで完全に理解したり、どんな雑談でもスラスラこなしたりという「ネイティブ完全同等」のレベルまでは、まだギャップがあるケースが多いです。
つまり、1級は「日本人としてはかなり高い総合英語力」ですが、「英語ネイティブの平均的な大人」とはまだ差がある、という位置づけになります。

ただしネイティブ完全同等ではなく、「ニュースや専門的な話題にしっかり対応できるレベル」と考えるとイメージしやすいです。
難易度指標と他試験との比較
ここでは、試験の構成や合格率、必要な語彙数、TOEICやTOEFLとの対応をもとに、英検1級の難しさを数字で見ていきます。
「TOEIC○点だけど、1級はどれくらい大変?」「どの試験とレベルが近い?」という疑問に答えるパートです。
試験構成と合格基準
英検1級は、一次試験(R・L・W)と二次試験(S)に分かれています。
主な構成と時間は次の通りです。
| 試験 | 技能 | 時間 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 一次試験 | リーディング+ライティング | 100分 | 語彙・長文読解・要約・意見エッセイ |
| 一次試験 | リスニング | 約35〜40分 | 会話・ナレーション・インタビューなど |
| 二次試験 | スピーキング | 約10分 | 2分スピーチ+質疑応答の面接 |
合格は「英検CSEスコア」で判定されます。
ざっくり言うと、全体で7割強を安定して取れれば合格圏です。
なお、一次ではリーディング・リスニング・ライティング、それぞれ850点満点で均等に扱われます。
どれか1技能が極端に弱いと、他でカバーしきれないことが多いので、バランスよく鍛えることが重要です。
合格率と必要語彙数
英検1級の合格率は、公開されている2015年度データで約12%です。
内訳としては、次のようなイメージです。
つまり、「一次を突破するのが一番の壁」で、そこを越えれば二次はしっかり対策をすれば通りやすい、という構造です。
語彙レベルについては、合格に必要な語彙数の目安は1万〜1万5千語程度といわれます。
比較のために、他の目安も並べると次の通りです。
英検1級の大問1(語彙問題)は、日常ではまず出てこないような単語も多く、「語彙で落とされる」受験者がかなりいます。
その一方で、単語帳で対策しやすい部分でもあり、「パス単1級」などをやり込んで、ここを得点源にする受験者も多いです。
TOEICなど他試験との対応
英検1級レベルを、TOEICやTOEFLなど他の試験に置きかえるときは、CEFRを軸に考えると整理しやすくなります。
主な対応イメージは次の通りです(あくまで目安です)。
このため、TOEIC900点前後であれば、英検1級は十分射程圏内ですが、「語彙力」と「ライティング・スピーキング」の対策が必要になります。
逆に、TOEIC800点台だと、「長文とリスニングはある程度できるけれど、語彙とアウトプット力をかなり伸ばす必要がある」というケースが多いです。
海外大学進学やビザ申請など、「国際的な証明」が必要な場合はTOEFLやIELTSが基本になります。
一方で、日本国内での評価や入試・就職でのアピールなら、英検1級は非常に強いカードです。
英検1級の合格率や他試験との詳細な比較は、教育系企業の解説ページなども参考になります。
英検1級の合格率と他試験との比較(Best Teacherブログ)

目安として「TOEIC900前後・TOEFL80〜95・IELTS7.0〜8.0」が英検1級レベルと考えると、今の自分からのギャップが見えやすくなります。
英検1級レベルの実際の英語力
ここからは、スコアやレベル表だけでは見えない「リアルな英検1級レベル」を見ていきます。
ネイティブと比べるとどのくらいなのか、4技能ごとにどんな力が求められるのか、「ペラペラ」とはどこまで言えるのかを、実際の合格者の感覚もまじえて整理します。
ネイティブレベルとの違い
「英検1級=ネイティブ並み」と思われることもありますが、実際にはそうとは言い切れません。
感覚としては、次のようなイメージです。
また、英検1級は「C1までしか測れない」試験です。
C2(ネイティブハイレベル)相当の力があっても、スコアとしては上限が見えにくく、それ以上の差は分かりません。
そのため、「1級合格者の中にも幅がある」という点も大切です。
・ギリギリ合格ラインの人
・合格者の中でもトップレベルの人
では、実際の運用力にかなり差があります。
他の例でたとえると、日本語検定1級も「日本語の上級者」という位置づけですが、すべての日本人より上という意味ではないのと似ています。
各技能で求められる力
英検1級では、4技能それぞれにかなり高いレベルが求められます。
それぞれの技能について、試験で要求される力をもう少し具体的に見てみましょう。
合否を分けやすいのは、語彙(大問1)、ライティング、スピーキングです。
リーディング・リスニングは得意でも、「語彙が足りない」「論理的に書けない・話せない」という理由で落ちてしまう人が少なくありません。
ペラペラかどうかのリアル
よく話題になるのが「英検1級を持っていればペラペラなのか?」という点です。
答えとしては、「多くの場面で不自由なく話せる人も多いが、全員がドラマのネイティブのように話せるわけではない」というのが現実に近いです。
理由は主に3つあります。
とはいえ、全く話せない人が二次試験に受かることはほぼありません。
社会問題について最低限の意見を述べ、質問にも自分の言葉で答えられるだけのスピーキング力は、確実にあります。
ただし、「英検1級を取った=どんな話題でもネイティブと対等に雑談できる」と考えてしまうと、期待しすぎです。
普段から英語で働いている人や、海外長期滞在の経験がある人はかなり流暢ですし、「資格のために勉強したけれど、実際に話す場は少ない」という人は、会話面に課題を感じることもあります。

「ペラペラ度」は、試験対策だけでなく、どれだけ実際に英語を使っているかでかなり変わります。
英検1級を目指す価値と学習戦略
最後に、「英検1級を目指す意味」と「どうやってそこまで到達するか」を整理します。
メリットと限界を理解したうえで、自分の目的とレベルにあった学習戦略を立てていきましょう。
取得メリットと限界
英検1級には、国内で使いやすいメリットが多くあります。
主なメリットを整理すると次の通りです。
一方で、限界もあります。
ですので、「国内での総合的な英語力の証明」が欲しい人にはとても良いですが、「海外大学院進学」や「移住申請」で必要な人は、TOEFLやIELTSの方を優先する方が現実的です。
現状レベル別の到達ギャップ
自分の今のレベルから、英検1級までどれくらいギャップがあるのかをざっくり整理しておきます。
あくまで目安ですが、次のように考えるとイメージしやすいです。
どのレベルからでも共通しているのは、「語彙」「論理的アウトプット」「試験形式への慣れ」の3つが重要という点です。
逆に言うと、この3つを意識して積み上げれば、遠回りせずに近づいていくことができます。
効率的な学習順序と方針
最後に、英検1級を目指すときの「学習の順番」と「方針」をまとめます。
一次試験・二次試験を分けて考えると、整理しやすいです。
一次と二次のバランスとしては、「最初は一次の土台(語彙・長文・ライティング)に7〜8割の時間」「一次合格が見えてきたら、二次対策に3〜4割時間を割く」というイメージが現実的です。
また、「英検1級」「TOEFL/IELTS」「留学」のどれを優先するか迷う場合は、目的別に考えると決めやすくなります。
どの道を選ぶにしても、英検1級レベルまで到達しておくと、文法・語彙・読解の基礎がかなり固まるので、その後の伸びが速くなります。

語彙→長文→ライティング→リスニング→スピーキングの順で土台を固め、「試験形式に慣れる」ことまでセットで計画すると、最短ルートに近づけます。

