英検は5級から1級までありますが、どの級でも「正しい順番で」「コツコツ継続」できれば、独学でも十分に合格を狙えます。
ただし、やみくもに問題集を解くだけでは時間ばかりかかり、点数が伸びにくいのも事実です。
この記事では、目標級の決め方から、級別・技能別の勉強法、2024年度の新形式対応、さらに過去問の使い方や学習計画の立て方まで、すべてひと通り分かるように整理しました。
中学生でも読み進められるレベルで説明していくので、「これから英検を本気で取りたい」という人は、必要なところから読んでください。
- 自分のレベルから見た「目標級」とスタート位置が分かる
- 全級共通で使える英検の合格戦略と勉強の優先順位が分かる
- 単語・文法・リスニング・ライティング・面接の具体的な勉強法が分かる
- 2024年度新形式に対応した過去問の使い方と学習計画を作れる
英検勉強法の結論と全体像
最初の章では、「どの級を目指すか」「どんな順番で勉強するか」という全体の設計図をつくります。ここが固まると、その後の勉強が一気に楽になります。
自分に合う目標級の決め方
まずは「今のレベルから見て、どの級をいつ取りたいか」を決めます。
目安は次のように考えるとよいです。
学校の成績や模試だけでなく、「英検の過去問を1セット解いてみて、素点で6割前後取れるか」を基準にするのがおすすめです。
6割前後取れるなら、その級を本気の目標級にできます。4〜5割しか取れないなら、一つ下の級から受けると、成功体験を積みやすくなります。
また、英検は年3回(おおよそ6月・10月・1月)あります。
「1年で何級上を目指すか」を決めて、逆算でスケジュールを組むと、勉強のペースが決めやすくなります。
試験日や形式変更の情報は、必ず英検公式サイトで最新情報を確認してください。
全級共通の合格戦略の骨組み
どの級でも、合格までの道筋は大きく変わりません。
「過去問」×「語彙」×「文法+長文」×「音読・リスニング」×「ライティング・面接」の5本柱で考えます。
基本の流れは次の通りです。
ポイントは、「過去問」を常に中心に置きながら、足りない部分を補っていくことです。
過去問を定期的に解くことで、「本当に点数が上がっているか」「どの技能で伸びていないか」がはっきりします。
また、インプット(読む・聞く)だけに偏ると、3級以上のライティング・面接で苦労します。
最初から簡単な一文でもよいので、「書く」「話す」を1日の学習メニューに少しずつ入れておくと、後半がとても楽になります。
2024年度新形式への基本対応
2024年度から、3級以上の英検は問題形式が一部変わりました。
特に、準2級・1級でライティングが2問になったこと、3級・準2級で試験時間が延長されたことは、勉強法にも大きく関わります。
押さえておきたいポイントは次の3つです。
旧形式の過去問しか手元にない場合は、リーディングやリスニングの練習用として使い、ライティングや時間配分の練習は新しい問題で行うようにします。
新形式の詳しい内容や公式サンプル問題は、必ず英検協会のリニューアル特設ページで確認しておきましょう。
公式の説明と動画は、方針を決めるうえでとても参考になります。

級別のレベル感と勉強の優先順位
次に、級ごとのレベル感と、どの技能をどれくらい重視するかを整理します。同じ「英検勉強法」でも、5級と2級では力を入れるポイントがかなり変わります。
英検の級構成と必要語彙数
英検は5級〜1級に準2級・準1級を加えた7つの級があります。
おおよその必要語彙数は次の通りです。
| 級 | レベルの目安 | 必要語彙数の目安 |
|---|---|---|
| 5級 | 中1基礎 | 300〜600語 |
| 4級 | 中2程度 | 600〜1,300語 |
| 3級 | 中3修了 | 1,250〜2,100語 |
| 準2級 | 高校中級 | 2,600〜3,600語 |
| 2級 | 高校卒業 | 3,800〜5,100語 |
| 準1級 | 大学中級 | 7,500〜9,000語 |
この語彙数はあくまで目安ですが、級が上がるほど「語彙力=得点力」の比重が大きくなることは共通です。
まずは自分の目標級に対応した単語帳を1冊決め、それを何周も回すつもりで取り組みましょう。
5・4級向けの勉強の進め方
5・4級では、「中学英語の基礎を固めること」が最重要です。
難しい問題集よりも、教科書レベルの単語・文法にくり返し触れる勉強が合格への近道です。
優先順位は次のように考えます。
5・4級では、リーディングとリスニングが中心です。
まずは「英文を見てパッと意味が分かる」「簡単な会話が聞き取れる」という状態を作りましょう。
おすすめは、教科書や基礎問題集の例文を使った音読です。
1文につき10回ずつ声に出すぐらいの気持ちで、主語・動詞の位置や語順に体を慣らしていきます。
音読を続けることで、後の3級以降の長文読解もスムーズになります。
3・準2級の合格戦略の軸
3級・準2級からは、「4技能(読む・聞く・書く・話す)」が本格的に問われます。
特に3級では初めてのライティングと面接があり、準2級では長文もぐっと長くなります。
この段階で大事なのは、次の3点です。
たとえば3級のライティングでは、
「Do you like 〜?」や「Which do you like better, A or B?」のような質問に対して、
結論 → 理由2つ → まとめ、というシンプルな構成で書く練習をしておくと、本番でも落ち着いて書けます。
準2級になると、英作文のお題も少し抽象的になり、理由の説明も丁寧さが求められます。
ニュースや身近な社会問題について、日本語で自分の意見を整理しておくと、英語での表現がぐっと楽になります。
2級以上で重視すべき力
2級以上では、単語数も文章の長さも一気に増えます。
ここからは、「単に読む・聞く」だけでなく、社会的なテーマについて、自分の意見を筋道立てて書く・話す力が大きな差になります。
2級〜準1級で特に意識したいのは次の3つです。
このレベルでは、学校の教科書だけでは素材が足りません。
やさしめの英字新聞やニュースサイトの記事を読み、内容を日本語と英語で要約する練習をすると効果的です。
また、英検協会が公開している各級のサンプル問題や解説も非常に参考になります。
学習指導要領との対応や技能別のねらいについては、文部科学省の学習指導要領関連ページ(mext.go.jp)も一度目を通しておくと、試験の背景がよく分かります。

技能別の具体的な勉強法
ここからは、どの級にも共通する「技能別の具体的な勉強法」を説明します。単語・文法・リスニング・ライティング・面接、それぞれのやり方を知っておくと、自分の弱点に合わせた調整がしやすくなります。
単語と熟語の効率的な覚え方
英検対策でもっとも時間がかかるのが語彙学習です。
ただし、やり方を工夫すれば、同じ時間でも定着率は大きく変わります。
おすすめのやり方は、「単語だけでなく、例文とセットで覚える」方法です。
理由は、文脈ごと覚えることで「どんな場面でどう使うか」がイメージしやすくなり、長文やリスニングで出てきたときに意味を思い出しやすくなるからです。
具体的な手順は次の通りです。
たとえば「environment」という単語なら、「環境」という意味だけでなく、
「protect the environment(環境を守る)」のようなフレーズで覚えておくと、2級の長文などで一気に読みやすくなります。
また、1回覚えただけではすぐ忘れてしまいます。
「翌日・3日後・1週間後」に同じ単語を見直す「間隔復習」を取り入れると、記憶が長持ちするのでおすすめです。
文法理解と問題演習の進め方
文法は、「知っている」と「使える」の間に大きな差があります。
英検では、選択式の問題だけでなく、長文・ライティング・面接のすべてで文法力が試されます。
文法学習の基本セットは、「文法書+問題集+音読」です。
まず文法書でルールをざっと確認し、そのあとすぐに問題集でアウトプットして、最後に例文を声に出して読みます。
たとえば、3級〜準2級でよくつまづくのが「関係代名詞」や「受動態」です。
この場合、
という流れを1セットとして繰り返すと、テストでの正答率が上がっていきます。
「理解だけで終わらせず、必ず問題を解き、最後に声に出して確認する」ことが、文法を「使える知識」に変えるコツです。
リスニングと音読のトレーニング
リスニングは、「量×質」の両方が大切です。
ただ聞き流すだけではなかなか伸びないので、音読やシャドーイングと組み合わせて、能動的にトレーニングしていきます。
基本ステップは次の通りです。
慣れてきたら、ディクテーション(聞いた英語を書き取る)もとても効果的です。
特に3級〜準2級では、ディクテーションを週に1〜2回入れるだけで、細かい音の聞き取り力が上がります。
「聞く・読む・話す」の3つを同時に使うトレーニングは、時間はかかりますが、リスニングとスピーキングの両方に効いてきます。
毎日5〜10分でもいいので、音読とシャドーイングを習慣化しておくことが、後で大きな差になります。
ライティングと面接対策の手順
3級以上で合否を分けやすいのが、ライティングと面接です。
ここでは「難しい表現ではなく、ミスの少ないシンプルな表現」を目指します。
ライティングの基本は、「型+よく使う表現」をストックすることです。
たとえば3級なら、
というようなテンプレートを作り、いろいろなトピックに当てはめて練習します。
面接対策は、「過去問カードを使った音読+Q&A練習」が基本です。
最初は日本語で「こう答えたい」という内容を決め、そのあとでシンプルな英語に言い換えます。
友だちや家族に面接官役をしてもらうのも、とても良い練習になります。
可能であれば、オンライン英会話や塾で実際に面接のロールプレイをして、フィードバックをもらうと一気に伸びやすくなります。
独学の場合も、公式の模範解答や動画を真似しながら、「声に出す」練習を必ず取り入れましょう。

過去問の使い方と学習計画
最後に、「どの過去問をどう使うか」「どれくらいの期間・1日何時間勉強するか」を具体的に見ていきます。ここが決まると、合格までの道のりがはっきり見えてきます。
最新過去問の選び方と使い方
過去問は、英検対策の中心になる教材です。
特に2024年度から形式が変わった3級以上では、必ず新形式に対応した過去問をメインに使いましょう。
使い方の基本ステップは次の通りです。
過去問は「何回分解いたか」よりも、「1回分をどれだけ深く復習したか」の方が成績に直結します。
解説を読みながら、「なぜこの選択肢が正解で、ほかはダメなのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと、本番でのミスが減っていきます。
旧形式の過去問も、語彙・長文・リスニングの素材としては十分使えます。
ただし、ライティング形式や試験時間が違う場合があるので、「時間配分の練習」や「新形式の問われ方の確認」は、必ず最新年度の問題で行いましょう。
目標級別の勉強時間と期間
どれくらい勉強すれば合格できるかは、スタート時点のレベルによって大きく変わります。
ここでは「英語ゼロからその級に到達する場合」のおおよその総学習時間を目安として示します。
すでに学校の授業で学んでいる内容が多い人は、この時間より短く済むこともあります。
一方で、英語から離れていた期間が長い場合は、もう少し時間がかかることもあります。
1日の勉強時間の目安は、
くらいを想定しておくと、現実的です。
部活や仕事で忙しい人は、平日短め・週末長めなど、自分の生活に合わせて調整してください。
一日の学習メニュー例
ここでは、「3級〜準2級を目指す中高生」を想定した、1時間半〜2時間の学習メニュー例を紹介します。自分の目標級や空き時間に合わせて、時間を増減してみてください。
【平日・90分の例】
【休日・120分の例】
ポイントは、毎日4技能すべてに少しずつ触れることです。
どれか1つに極端に偏ると、合格に必要なバランスを崩しやすくなります。
独学と塾・講座の使い分け
英検は独学でも十分合格できますが、級や目標時期によっては、塾やオンライン講座を活用した方が効率がよい場合もあります。
独学が向きやすいのは、
一方で、塾やオンライン講座を検討したいのは、
おすすめは、「基本は独学+ポイントだけプロに頼る」形です。
たとえば、単語・文法・過去問演習は独学で進め、ライティングを週1回オンライン添削に出す、面接前の2〜3週間だけオンライン英会話で実戦練習をする、といった使い分けができます。
どちらを選ぶにしても、「毎日どれだけ勉強時間を確保できるか」「どこまで自分で管理できるか」を正直に見きわめて、無理のない形を選ぶことが大切です。

総括
最後に、この記事の内容を大事なポイントだけ一覧でまとめます。学習計画を立てるときや、途中で迷ったときのチェックリストとして活用してください。
これらを意識して学習を進めていけば、どの級を目指す場合でも、合格に必要な力をバランスよく伸ばしていけます。
自分に合ったペースで、一歩ずつ積み重ねていきましょう。

