英検準一級の二次試験(面接)は、わずか約8分の中でナレーションと4つの質問に答える、密度の高いスピーキングテストです。
一次に受かった方でも、「形式がよく分からない」「時事問題が不安」「態度でどれくらい減点されるのか知りたい」と感じる人は多いです。
この記事では、公式情報と実戦的なコツをまとめて、面接の全体像からパート別の攻略法、効率のよい練習手順までを一気に整理します。
読み終えるころには、「何を」「どこまで」準備すれば合格ラインに届くのかが、はっきりイメージできるはずです。
- 英検準一級面接の形式・流れ・配点を正確に理解できる
- ナレーションとNo.1〜4質問の答え方の「型」が身につく
- 時事・社会問題へのインプット方法と優先順位が分かる
- 自分のレベル別に、合格へ向けた具体的な勉強計画を立てられる
英検準一級面接の全体像
まずは、英検準一級二次試験の基本仕様と当日の流れを押さえましょう。
形式や配点を知っておくと、「どこに力を入れるべきか」「どのパートで点を稼ぐか」がはっきりします。
試験時間とパート構成
準一級の面接は、約8分の個人面接です。
面接官は1人で、日本人の場合もあればネイティブの場合もあります。
試験中の会話はすべて英語で行われ、メモを取ったり録音したりすることはできません。
面接は次の順番で進みます。
入室から退室までの大まかな流れは、英検協会の「バーチャル二次試験」でアニメ動画として確認できます。
実際の動きや雰囲気をつかみたい場合は、公式サイトの英検準1級ページから「バーチャル二次試験」コンテンツにアクセスしておくと安心です。
出題内容と問題カード
面接の中心になるのが「問題カード」です。
1枚のカードに、短い英文と4コマイラストがセットで印刷されています。
カードの中身はおおまかに次の3つです。
流れとしては、まずカードを1分間黙読して、ストーリーを考えます。
その後、指示にしたがって言い出し文からナレーションを始め、2分以内で4コマを説明します。
ナレーションが終わると、同じカードを見ながらNo.1の質問に答えます。
そのあとカードを裏返して、トピックについての質問(No.2〜No.4)に答える形です。
質問の内容はおおむね次のように決まっています。
No.1では「イラストの人物になりきって、何を考えているか」を聞かれることが多いです。
No.2・No.3では「あなた自身の意見」を聞かれます。
No.4は、トピックを広げた社会的な質問で、質問の前に短い導入文が読まれます。
配点と合格ライン
準一級面接の配点は次の通りです。
| 項目 | 内容 | 配点(素点) |
|---|---|---|
| ナレーション | 4コマイラストの説明 | 15点 |
| No.1〜4 | 質問4問(各5点) | 20点 |
| アティチュード | 態度・積極性 | 3点 |
| 合計 | – | 38点 |
合格ラインは、素点で22点前後が目安です。
英検CSEスコアでは約512/750が基準とされています。
ここで重要なのは、ナレーションだけ満点近く取っても、それだけでは合格しにくいという点です。
ナレーション15点満点でも、質問4問とアティチュードがほぼ0点なら、合計は18点しか取れません。
逆に、ナレーションがそこまで完璧でなくても、質問でしっかり答え、態度で2〜3点取れれば合格ラインに届きます。
そのため、面接対策では「ナレーション+質問4問+態度」をバランスよく伸ばすことが大切です。

各パート別の攻略ポイント
ここからは、自由会話・ナレーション・No.1〜4質問という各パートごとに、具体的なコツと「使える型」を解説します。
型を覚えておくと、本番で頭が真っ白になっても、そこから自動的に言葉を出しやすくなります。
自由会話とアティチュード
入室してすぐに行われるのが、自由会話(フリートーク)です。
内容は難しくなく、「名前の確認」「学校・仕事」「趣味」「将来の希望」などの、ごく身近な話題が中心です。
ただし、この短い会話の間もアティチュード(態度)の採点は始まっています。
アティチュードで見られている主なポイントは次の通りです。
完璧な英語は求められていません。
むしろ、多少文法ミスがあっても構わないので、「話そうとする姿勢」を見せることが大切です。
自由会話用に、次のような短い自己紹介と話題をいくつか準備しておくと安心です。
聞き取れなかった時は、次のように自然に聞き返せば減点になりません。
“Pardon?” “Could you say that again, please?” といった表現を、口が勝手に出るまで練習しておきましょう。
ナレーションの型とコツ
ナレーションは、配点15点と最も比重の大きいパートです。
ここでは「2分で4コマを話し切るための型」と「内容を豊かにするコツ」を整理します。
ナレーションは、次の4ステップで考えると安定します。
まず、動詞は原則すべて過去形にします。
4コマは「すでに起こった出来事」として説明するからです。
次に、1コマずつ「誰が+どこで+何をした」を作ります。
例として、1コマ目なら、
“A man was working in his office.”
“His boss told him that he should work from home.”
のように、「the man / the woman / their son / her boss / some people」などを使って登場人物を決めてしまいます。
イラストから関係がはっきり分からなくても、「her husband」「their son」のように、自分で設定して構いません。
4つのコマを作ったら、今度は接続語でつなぎます。
よく使えるのは次のような表現です。
最後に、表情や様子から分かる感情を短く足します。
“He looked happy.” “She was worried.” のような単純な文で十分ですが、“happily / nervously / angrily / excitedly” といった副詞も使えると、内容が豊かになります。
また、吹き出し内のセリフは、そのまま読むのではなく、
“He said that he should go there.”
のように間接話法に変えると、より自然なナレーションになります。
本番までに、ストップウォッチで2分を測りながら、
「1コマ1〜2文 × 4コマ + 接続語 + 感情表現」
という組み立てを何度も練習しておきましょう。
No.1〜4質問の答え方
ナレーションが終わると、No.1〜No.4の質問に答えます。
ここでもそれぞれに「型」を持っておくと、緊張しているときでも答えやすくなります。
No.1はイラストについての質問です。
多くの場合、
“Please look at the third picture. If you were the woman, what would you be thinking?”
のように、「もしあなたがこの人だったら、何を考えているか」と聞かれます。
このときの基本の型は次の通りです。
例えば、オフィスが暑すぎて仕事にならない場面なら、
-
英語:I’d be thinking, “This situation is really bad.” The office is so hot that we cannot concentrate on our work. I’m already exhausted. I think we should use the air conditioner during the daytime.
日本語:「この状況は本当に良くないな」と考えると思います。オフィスがとても暑くて、私たちは仕事に集中できません。私はもう疲れ切っています。昼間はエアコンを使うべきだと思います。
このように、「一言評価 → 原因と結果 → 気持ち → 解決策」という流れを作ると、5点満点に近づきます。
No.2・No.3は、カードのトピックに関する意見を聞く質問です。
質問型は “Do you think ~ ?” “Should ~ ?” “Is it better for ~ ?” などが中心です。
ここでは、次の「30〜35語テンプレ」を使うと安定します。
導入としては、
“Yes, I think so, for two reasons.” / “No, I don’t think so, for two reasons.”
と始めると、自分も整理しやすくなります。
注意したいのが、“From my experience” の乱用です。
自分の体験だけで「日本全体」「社会全体」の話をしてしまうと、論理が飛びやすくなります。
代わりに、
“Generally speaking, …” “It is said that …” “In many cases, …”
といった一般論のフレーズをよく使うようにしましょう。
No.4は、導入文付きの社会的な質問です。
例えば、
“Many communities have residents with different needs and lifestyles. Are local governments doing enough to help their people?”
のように、最初に背景が説明され、そのあとに “Do you think ~ ?” と聞かれます。
ここでは、導入文を頭の中で短く要約してから、No.2・No.3と同じ型で答えます。
“In my opinion, they are not doing enough, for two reasons.”
“First, … Second, …”
“So I think there is still a lot to be done.”
というように、「立場 → 理由2つ → まとめ」という流れを意識しましょう。

効果的な勉強法と練習手順
形式とコツが分かっても、「何から手をつけるか」を間違えると、時間ばかりかかってしまいます。
ここでは、合格に必要なインプットの範囲と、一人でもできる練習手順、使い回しのきく定型フレーズの覚え方をまとめます。
インプットと時事対策
準一級のトピックは、「在宅勤務」「高齢化社会」「教育」「環境」「健康」「働き方」など、社会性の高いテーマが中心です。
すべてを専門家レベルで知る必要はありませんが、
「よく出るテーマごとに、賛成・反対の理由を2〜3個ずつ言える」くらいの知識は持っておきたいところです。
インプットの方法としては、次の組み合わせがおすすめです。
たとえば、環境・教育・高齢化などの基礎知識は、文科省や教育系サイトの記事も参考になります。
時間があれば、文部科学省の教育関連ページや、大学の解説記事(例:東京大学公式サイト内のトピック解説)など、信頼できる情報源で背景をつかんでおくと、英語で意見を言うときも楽になります。
語彙については、
“economic impact(経済への影響)” “jobless rate(失業率)” “aging society(高齢化社会)”
など、ニュースでよく見る単語を中心に、「使えそうだ」と思う表現をノートに書き出しておきましょう。
一人練習と模擬面接
スピーキング試験の対策は、
「一人でできる練習」→「人に聞いてもらう練習」
の順で進めると効率がよいです。
一人でできる練習は、次のステップがおすすめです。
録音してみると、自分では気づけないクセがよく分かります。
声が小さい・早口すぎる・え〜と、が多い、などは、録音を何度も聞いているだけで少しずつ改善します。
一人練習に慣れてきたら、オンライン英会話や塾・スクールの模擬面接を利用しましょう。
本番と同じ形式で何度か練習しておくと、当日の緊張がかなり減ります。
特に、聞き返し表現や、うまく言えないときの言い換え表現(“Let me put it another way.” など)は、人と話す場で練習した方が身につきやすいです。
定型フレーズと語彙強化
準一級面接では、「一語一句オリジナルの文章」で話す必要はありません。
むしろ、よく使う定型フレーズをストックしておき、そこに自分の理由や例をはめ込む方が安定します。
特に役立つのは、次のようなフレーズです。
これらを紙に書き出して、毎日声に出して読むだけでも、「最初の一言」に困ることが減ります。
語彙を増やすときは、テーマ別の単語帳(ビジネス・社会・環境など)を使い、「英語→日本語」だけでなく、「自分で短い英作文をしてみる」こともおすすめです。

よくある疑問と2級との違い
最後に、「2級との違い」「自分のレベル別の重点対策」「合格のための要点」をまとめます。
すでに2級を持っている人ほど、「2級と同じ感覚で受けると落ちやすいポイント」を知っておくことが大切です。
2級面接との主な違い
2級から準1級に上がると、形式と求められるレベルが大きく変わります。
主な違いを整理すると、次の通りです。
2級では、身近な話題を中心に「自分の経験」から答えても何とかなることが多いです。
一方、準1級では、
「日本全体で見たときどうか」「高齢化社会で何が問題か」といった、大きな視点で話す力が求められます。
そのため、2級と同じ感覚で「旅行の思い出」「自分の部活の話」だけで答えようとすると、内容不足になりやすいです。
意識して、
“In Japan, many people …” “In modern society, …”
のような「社会レベル」の主語を使う練習をしておきましょう。
レベル別の重点対策
受験者のバックグラウンドによって、重点を置くべき対策は少し変わります。
ここでは代表的なパターンを3つに分けて考えます。
高校生で2級レベルの文法・語彙がある人は、「ニュースや時事の知識」と「意見を2〜3点に絞って話す型」が鍵になります。
新聞のコラムや英語ニュースを読み、賛成・反対の理由をノートにまとめておきましょう。
社会人で英会話経験が少ない人は、文法や単語よりも、「口を動かす時間」を増やすことが重要です。
オンライン英会話で雑談の練習をしたり、自分の仕事や趣味を英語で説明する練習をしたりして、自由会話とアティチュードで落とされないようにしましょう。
日常的に英語を話している人は、英語力そのものより、「英検特有の形式」に慣れることが大切です。
公式のサンプル問題や、英検準1級対策の問題集で、ナレーションとNo.1〜4のセット練習を繰り返しましょう。
合格のための要点整理
ここまでの内容を、合格戦略の観点から整理します。
準1級面接で意識したいポイントは、大きく次の5つです。
なお、公式サイトには、二次試験のサンプル問題やバーチャル二次試験などの教材も用意されています。
まだ見ていない場合は、英検協会の準1級二次試験の解説ページも、一度は必ずチェックしておきましょう。

総括
最後に、この記事全体の要点をチェックリストとしてまとめます。
この記事の内容を参考にしながら、自分なりの「話す型」と「よく使うフレーズ集」を作り、毎日少しずつ声に出して練習していけば、準一級面接の合格は十分狙えます。
無理に難しいことを言おうとせず、「簡単な英語でいいから、はっきり自分の意見を伝える」ことを意識して、当日を迎えてください。

