英検準一級の二次試験(スピーキング)は、「型」と「テンプレ」を知っているかどうかで難易度が大きく変わります。難しい単語や完璧な文法よりも、決まった流れの中で、沈黙せずにシンプルな英語を出せるかどうかが合否を分けます。
この記事では、4コマナレーションと意見Q&Aでそのまま使える鉄板テンプレを中心に、短期間で合格点に届くための優先順位と注意点まで、実践的にまとめます。
まず「試験の全体像」と「どこで何点を取るか」を押さえ、その上でナレーション用テンプレ、If you were 型、意見Q&A三文テンプレ、理由量産のコツを順に解説していきます。
- 英検準一級二次スピーキングの構成・配点・合格ラインが分かる
- 4コマナレーションとQ&Aで使い回せる鉄板テンプレを習得できる
- If you were 型・社会問題Qへの答え方が三文構成で組み立てられる
- テンプレ頼みの落とし穴と、短期合格のための優先順位が分かる
英検準一級二次スピーキング全体像
最初に、英検準一級二次試験の「型」と配点バランスを整理します。どのパートが点の取りどころなのか、どこをテンプレで固めるべきなのかが分かると、勉強の優先順位がはっきりします。
試験構成と各パート概要
英検準一級の面接は約8分で、構成は毎回ほぼ同じです。
配点付きの中身は次のようになっています。
ナレーションが15点、ナレーション関連Q&Aが5点、意見Q&A3問が計15点(サイトによって表記が多少違いますが、質疑応答全体で20点前後)、アティチュードが3点です。合計38点満点で、22点前後が合格ラインとされています。
試験の流れやセリフは、英検協会の「バーチャル二次試験」で事前に確認しておくと、本番のイメージがつかみやすくなります。
英検バーチャル二次試験(英検公式サイト)では、本番に近い音声付きシミュレーションが公開されています。
ポイントは、自由会話は「ウォーミングアップ+態度評価」、ナレーションとQ&Aが点数のほぼすべてという構造です。
配点バランスと合格ライン
配点と合格ラインから、「どこで何点取るべきか」をイメージしてみましょう。
よく紹介される目安は次の通りです。
| パート | 配点目安 | 役割 |
|---|---|---|
| ナレーション | 15点 | 4コマをストーリー化できるか |
| ナレーションQ&A | 5点 | If you were 型で思考を説明 |
| 意見Q&A(3問) | 合計15点前後 | 社会問題についての意見・理由 |
| アティチュード | 3点 | 積極性・アイコンタクト・声 |
合格ラインは22点前後なので、例えば次のような配点イメージになります。
ナレーション10〜11点、ナレーションQ&A3点、意見Q&Aで10〜11点、アティチュード2〜3点。
つまり、どこか1つで満点を取る必要はなく、各パートで「6〜7割の出来」をそろえていけば合格圏です。
テンプレで狙う得点ゾーン
テンプレで特に狙いやすいのは次の3か所です。
この3つをテンプレ化しておくと、ナレーション15点+質疑応答20点の大部分を「自動運転」に近い形で話せるようになります。
逆に、自由会話で凝った表現を準備しても配点はつかないので、ここは「短く・笑顔で・はっきり」ができれば十分です。

ナレーション対策と万能テンプレ
ナレーションは配点が高く、しかもストーリーの作り方をテンプレ化しやすいパートです。この章では、「4コマのルール」「準備1分の使い方」「1コマの型」「セリフ表現の選び方」を整理します。
4コマの基本ルールと時制
ナレーションは4コマのストーリーを2分で説明するパートです。まずは「時制」と「文量」のルールを固めておきましょう。
基本ルールは次の3つです。
カード左上の説明文はほとんどが過去形です。ここに合わせて、自分の文も原則すべて過去で統一すると、時制で迷わなくなります。
例えば、1コマ目は「One day, a woman was walking in the park.」、2コマ目は「The next day, she decided to visit the shop again.」のように、時間を表す表現(One day / The next day / A few days later など)を最初につけると、どの場面の話かも分かりやすくなります。
ナレーションで求められているのは、「正確な文法」よりも「筋の通ったストーリー」です。動詞も、go / see / buy / talk / call / decide など、自分が言いやすい基本動詞を過去形にして使えば十分です。
1分準備時間の使い方
ナレーション前には1分の準備時間があります。この1分をどう使うかで、出来が大きく変わります。おすすめは、次の「黄金の1分ルール」です。
①では、”This is a story about …” と “Your story should begin with …” をしっかり読みます。ここで出てくる人物が主人公になることが多いので、名前や立場を頭に入れておきます。
②では、4コマを一気に見て、「問題→行動→結果」の流れをざっくりつかみます。細かい英作文をここで考える必要はありません。
③では、各コマごとに「誰が(Who)」「どこで(Where)」「何をした(What)」のセットをイメージします。
例えば、
1コマ目:the woman / at a supermarket / found a new product
2コマ目:the woman / at home / tried it and was disappointed
というように、日本語でもいいので「主語+場所+行動」をざっくり決めておきます。ここまで決まっていれば、本番ではテンプレに当てはめて英語にするだけでOKです。
1コマの型と必須フレーズ
4コマの各コマは、基本的に次の「最大3文テンプレ」で組み立てます。
1文目:状況(When / Where / Who / What)
2文目:セリフや文字(吹き出し・看板)
3文目:感情・気持ち
それぞれのパーツで使いやすいフレーズをまとめます。
1文目:状況を説明するテンプレ
時間:
A few days ago / The next week / A few months later など。
場所:
in the park / at the station / in the meeting room / from the station など、in / at / on / from+簡単な名詞でOKです。
人物:
the man / the woman / some people / some kids / his mother / her boss / a customer / the driver / the police officer など。
何をした:
found / decided / bought / complained / asked / called / tried / read など、自分が言いやすい動詞を過去形で固定しておくと安心です。
例:
One day, the man found a strange poster in front of the station.
2文目:セリフ・文字を説明するテンプレ
セリフや看板などがある場合は、直接話法でそのまま読むのが安全です。
The woman said to him, “We should try this.”
It said that the sale would end next week.
間接話法(said that ~)も使えますが、時制の一致を気にする必要が出てきます。迷うなら、吹き出しをそのまま読む「直接話法」をメインにするのがおすすめです。
3文目:感情を表すテンプレ
人物の表情を見て、次のような感情表現をストックしておきます。
be shocked at … / be surprised to … / be relieved / feel embarrassed / be glad to … / be angry with … / be concerned about …
例:
The man was shocked at the news.
The woman felt relieved because the problem was solved.
4コマすべてで3文ずつ言う必要はありませんが、「状況+セリフ+感情」の3パーツのうち、2つ以上を入れると、自然に内容のあるナレーションになります。
セリフ表現テンプレの選び方
セリフや看板の内容をどう表現するかは、自分の得意さに合わせて決めておくと安心です。大きく分けると、次の2パターンがあります。
それぞれの特徴は次の通りです。
直接話法が向いている人
・吹き出しをそのまま読む方が楽
・時制の一致をあまり練習していない
→ テンプレ:S said to 人, “……”. / He thought, “……”.
間接話法が向いている人
・学校や参考書で時制の一致を練習してきた
・吹き出しを少し言い換えて説明したい
→ テンプレ:S said that SV. / It said that SV.
どちらをメインにしても良いですが、本番では迷いが少ない方法を1つ決めておくことが大切です。自信がないうちは、「吹き出しはそのまま読む」と決めてしまうと楽になります。
看板や紙に書かれていることを説明したいときは、It said that SV. や The sign said that SV. を1つ覚えておくと便利です。

Q&Aテンプレと理由量産のコツ
ナレーションの後は、Q&Aが4問続きます。Q1はIf you were 型、Q2〜4は社会的な意見問題です。この章では、「If you were 型の答え方」「三文構成テンプレ」「質問タイプ別冒頭フレーズ」「4観点で理由を量産する方法」「準一級らしい意見表現ストック」を整理します。
If you were 型の答え方
ナレーション後に必ず聞かれるのが、「Please look at the 4th picture. If you were the man, what would you be thinking?」のようなIf you were 型の質問です。
ここでは、次のテンプレで統一してしまいましょう。
1文目:If I were the ~, I would be thinking, “……”.
2文目:Because ~.(理由)
3文目(余裕があれば):It makes me +感情形容詞. or I would feel +感情.
例文を見てみます。
-
英語:If I were the man, I would be thinking, “I have to apologize to her.” Because he made a mistake. I would feel very sorry.
日本語:もし私がその男性なら、「彼女に謝らないと」と考えていると思います。彼は間違いを犯したからです。私はとても申し訳なく感じるでしょう。 -
英語:If I were the woman, I would be thinking, “I should talk with my boss.” Because she looks very worried about her job.
日本語:もし私がその女性なら、「上司と話すべきだ」と考えていると思います。彼女は仕事についてとても心配しているように見えるからです。
ポイントは、心の中のセリフ部分を直接話法にしてしまうことです。I would be thinking, “I should …” のように、「”」の中はふだんの会話と同じ感覚で作ればOKです。
意見Q&A三文構成テンプレ
Q2〜4の意見問題は、内容が難しく感じられますが、構成はどれも同じです。次の「三文テンプレ」をそのまま使います。
1文目:自分の意見(Yes / No / I think ~)
2文目:理由(Because ~. / This is because ~.)
3文目:具体例 or まとめ(For example, ~. / That’s why ~. / This trend will continue in the future.)
例えば、「Do you think children should learn a second foreign language at school?」という質問なら、
-
英語:I think children should learn a second foreign language at school. This is because it will help them communicate with people from other countries in the future. For example, many companies need workers who can speak more than one language.
日本語:子どもたちは学校で第2外国語を学ぶべきだと思います。将来、他の国の人とコミュニケーションを取るのに役立つからです。例えば、多くの会社は複数の言語を話せる人材を必要としています。
このように、まずはI think ~. でスタートし、理由をThis is because ~. でつなぎ、最後にFor example, ~. で例を1つ付けるだけで、準一級レベルとして十分な回答になります。
質問タイプ別冒頭フレーズ
意見Q&Aでは、質問の形によって使いやすい冒頭フレーズが少し変わります。よく出る3パターンと、それぞれの定番の答え方をまとめます。
この冒頭フレーズ+三文構成テンプレを組み合わせると、どの質問でも次のような流れで答えられます。
1文目:I think Japan should invest more in renewable energy.
2文目:This is because it will have a positive effect on the environment.
3文目:For example, it can reduce air pollution in big cities.
この型が身につくと、質問を聞いた瞬間に「1文目の型→理由→例」の順で頭が動くようになり、真っ白になるリスクがぐっと下がります。
意見問題のパターンや練習方法については、英検準一級の意見問題を詳しく解説しているサイトも参考になります。
英検準1級スピーキング 意見問題の答え方(Eigo-duke.com)では、質問パターンとテンプレ構文が整理されています。
4観点で理由を量産する方法
意見は決まっても、「理由が思いつかない」「2文目以降が続かない」という悩みはよくあります。そこで使えるのが、次の4つの観点です。
どんなトピックでも、「お金・時間・安全・環境」のどれかから理由を作れないか考えてみます。例えば、「オンラインショッピングは便利か?」という質問なら、
お金:It helps people save money because they can compare prices easily.
時間:It helps people save time because they don’t have to go to stores.
安全:It is safer for some people, such as the elderly, because they don’t have to go out.
環境:It may have a negative effect on the environment because it increases packaging waste.
このように、「どの観点で話すか」を先に決めると、理由や例が出しやすくなります。
よく使う表現も、観点別にストックしておきましょう。
Money:save money / reduce costs / financial burden / expensive
Time:save time / reduce commuting time / more free time
Safety:health risks / accidents / crime / safe / dangerous
Environment:protect the environment / pollution / emissions / waste
三文構成テンプレと組み合わせると、例えば次のようになります。
I think it is better to live in urban areas. This is because people can save time on commuting. For example, they can use trains and subways instead of driving long distances.
準一級らしい意見表現ストック
最後に、準一級レベルでよく使われる「意見・理由表現」のテンプレをまとめておきます。どれもさまざまなトピックに流用できます。
影響を述べる表現
S have a positive [negative] effect on ~.
S have a positive [negative] influence on ~.
S have a positive [negative] impact on ~.
可能にする・助ける表現
S allow [enable] people to do ~.
S help (us) (to) save time [money].
役割・重要性を表す表現
S will play an important role in ~.
It is important [necessary] to ~.
傾向・今後を述べる表現
More and more people are ~ing.
The number of people ~ing is increasing.
This trend will continue in the future.
結果を表す表現
原因 lead to 結果.
原因 result in 結果.
原因 cause 結果.
例えば、「スマートフォンは人々の生活に悪い影響があるか?」と聞かれたら、
I think smartphones can have a negative effect on people’s health. This is because using them too much can lead to a lack of sleep. For example, many people look at their phones late at night.
のように、「have a negative effect on」+「lead to」を組み合わせて使えます。

テンプレ活用の注意点と対策
テンプレは二次試験の強力な味方ですが、「丸暗記して全部同じ答え」になってしまうと危険な面もあります。この章では、「テンプレ頼みの落とし穴」「無言回避のフレーズ」「短期合格の優先順位」「自分用へのカスタム方法」を解説します。
テンプレ頼みの落とし穴
テンプレは便利ですが、次のような落とし穴もあります。
これを防ぐコツは、「文」ではなく「骨組み」を覚えることです。
例えば、
× I think technology is very important today. This is because …(この1セットを丸暗記)
○ I think ~. This is because ~. For example, ~.(「型」と「よく使うフレーズ」を覚える)
というイメージです。ナレーションでも、
× One day, a man …(特定の問題の答えを暗記)
○ One day, the man was ~ing at ~. / He was surprised to ~.(よく使うパーツを覚える)
と考えると、イラストが変わっても応用しやすくなります。
また、「テンプレを入れたいからその意見を言う」のではなく、まず自分の賛成・反対を決めてから、その内容に近いテンプレを選ぶように意識しましょう。
無言回避と態度アップ表現
二次試験で大きな減点になるのは、「無言の時間」が長いことです。完璧な英語よりも、何かしら話し続ける姿勢が重視されます。そのために役立つのが、次の「時間稼ぎフレーズ」と「聞き返しフレーズ」です。
考える時間を作るフレーズ
Well, …
Let me see. …
That’s an interesting question. Let me think about it.
これらを1〜2秒言うだけで、頭の中で三文構成を組み立てる余裕が生まれます。
聞き返しフレーズ
Excuse me, but could you repeat that?
Pardon?
Could you say that again, please?
同じ質問で2回以上聞き返すと減点されますが、1回までは問題ありません。むしろ、聞き取れなかったのに適当に答えてしまう方がリスクがあります。
アティチュードを上げる基本行動
・入室時に”Hello.” / “Good morning.” と元気よく挨拶する
・”Please have a seat.” には “Thank you.” と返してから座る
・カードを見すぎず、ときどき面接官の目を見る
・答え終わったら “That’s all.” と軽く締める
これだけで、アティチュードの3点はかなり取りやすくなります。
短期合格へ優先順位の立て方
一次合格から二次本番までは、2〜3週間しかないことも多いです。その中で効率よく点を伸ばすには、次の順番で対策するのがおすすめです。
自由会話や細かい文法は、後回しで構いません。まずは「型どおりに2分ナレーションができる」「どのQ&Aでも三文は話せる」という状態を作る方が、合格点に直結します。
公式のバーチャル二次試験や市販の予想問題集を使って、「1日1セットの模擬面接」を2週間続けるだけでも、かなり感覚がつかめます。
テンプレを自分用にカスタム
最後に、テンプレを「自分のもの」にするカスタム方法をまとめます。
1. よく使われるテンプレ文を10〜20個ピックアップする
2. その中から、「自分が言いやすい」ものだけに絞る
3. 日本語→英語で口頭で出せるまで、毎日声に出す
4. 問題集の答えを、自分のテンプレに言い換えてみる
例えば、模範解答で「It is possible for individual actions to reduce global warming.」と書いてあっても、自分が「It’s possible to reduce global warming by changing our lifestyle.」の方が言いやすいなら、そちらを自分のテンプレにして構いません。
大事なのは、「書いてある英文を完全に再現すること」ではなく、本番で自分の口から自然に出てくる表現を増やすことです。

総括
最後に、この記事の要点をまとめます。復習やチェックリストとして使ってください。
- 英検準一級二次は、ナレーションとQ&Aで全体の9割以上の配点を占め、合格ラインは38点中22点前後(6割弱)である。
- ナレーションは「全体を過去形」「1コマ2〜3文」「状況+セリフ+感情」の三文テンプレで構成し、準備1分では指示文→全体把握→各コマのWho / Whatを決める。
- ナレーション後のIf you were 型は、If I were ~, I would be thinking, “…”. + Because ~. +感情一文、というテンプレで安定した答えが作れる。
- Q&A2〜4は「主張→理由→例・まとめ」の三文構成を固定し、Should / Is it possible / Do you think it is a good idea などの質問には、それぞれ対応した冒頭フレーズを用意しておく。
- 理由作りに迷ったときは、Money / Time / Safety / Environment の4観点から考え、「save time / reduce costs / health risks / protect the environment」などの表現をストックしておく。
- 準一級らしい表現として、「have a positive/negative effect on」「enable people to」「play an important role in」「lead to / result in」などのテンプレフレーズを10〜20個、自分が使える形で覚える。
- テンプレの丸暗記に頼りすぎると質問とのズレが生まれるので、「文そのもの」ではなく「構造+パーツ」を覚え、自分の意見に合わせて中身を入れ替える練習をする。
- 無言を避けるために、「Well, …」「Let me see. …」などの時間稼ぎ表現と、「Could you repeat that, please?」などの聞き返しフレーズを準備し、アティチュード満点を狙う。
- 短期合格を目指す場合は、①ナレーションテンプレ、②If you were 型と三文テンプレ、③意見フレーズストック、④模擬面接練習、の順で優先的に対策する。
- 最終的なゴールは、「難しい英語」ではなく「沈黙せず、型に沿って筋の通った答えを、自信を持って話すこと」であり、テンプレはそのための土台として活用する。

