英検準一級は、英検2級と1級の間にある「壁」のような級です。
単語も長文も一気にレベルが上がるので、「どのテキストから手をつけたらいいのか分からない」「色々買ったのに点数が伸びない」と悩む人がとても多いです。
この記事では、最新の試験傾向と定番テキストをふまえて、「何を・どの順で・どう使うか」がはっきり分かるように整理します。
先に結論をまとめると、英検準一級対策で大切なのは、
①語彙を1冊の単語帳で底上げしつつ、②過去問と予想問題を軸に、③弱点分野のテキストを1〜2冊だけ追加し、④選んだテキストをやり切ることです。
そのうえで、レベル別・期間別のモデルプランも用意するので、自分用にアレンジして使ってください。
- 英検準一級のレベル感と、テキスト選びの前提条件が分かる
- 目的別・技能別に「外さない」定番テキストが分かる
- レベル別・期間別のテキスト組み合わせと学習計画がイメージできる
- テキストをやり切る復習法と、独学合格の具体的な進め方が分かる
英検準一級とテキスト選びの前提
この章では、英検準一級のレベルや合格率、必要な語彙数をふまえて、「そもそもどんな力が求められているのか」を整理します。
ここが分かると、自分に合ったテキスト難易度や、何から優先して勉強すべきかが見えやすくなります。
英検準一級のレベル感
英検準一級は、一般に「大学中級レベル」「TOEIC800点前後」に相当すると言われます。
英検協会のデータでは、一次試験の合格率はおおよそ15%前後で、2級よりかなり低くなります。
必要な語彙は、7,500〜9,000語程度が目安です。
長文のテーマも、環境問題・医療・テクノロジー・社会問題など、ややアカデミックで硬めの話題が中心になります。
リスニングは、講義調のスピーチやインタビュー、ディスカッションなどが多く、日常会話だけでは対応しづらい内容です。
公式な試験の概要や配点などは、英検協会の公式サイトで確認しておくと安心です。
例えば、試験形式や級別の目安レベルは、日本英語検定協会の公式ページにまとまっています。
ここまで聞くと「かなり難しそう」と感じるかもしれませんが、大学受験レベル(MARCHレベル)まで終わっていれば、正しいテキスト選びと勉強法で十分に届くレベルです。
合格に必要な語彙と力
英検準一級で合格ライン(CSEスコアで1792以上)を目指すには、次のような力が必要です。
特に重要なのは、語彙とライティングです。
語彙が弱いと、長文もリスニングもライティングも、全ての技能で点が伸びません。
ライティングは、他の技能と同じ750点満点で、配点が高いのがポイントです。
テンプレートとフレーズをきちんと身につければ、安定して高得点を狙いやすいので、専用テキストで仕上げておく価値があります。
テキストの種類と役割
英検準一級のテキストは、大きく分けると次の5種類に分けられます。
テキストを選ぶときは、まず「語彙」と「過去問・予想問題」を軸に考え、そのうえで自分の弱点技能を補う分野別問題集を1〜2冊だけ足すイメージが失敗しにくいです。
テキストをたくさん買うよりも、分野ごとのメイン1冊を決めて、2〜3周やり込むことを前提に計画を立てましょう。

目的別・分野別のおすすめテキスト
ここからは、単語・読解・リスニング・ライティング・面接の分野別に、「外さない定番テキスト」と選び方を整理します。
すべてを買う必要はありません。
自分の弱点や勉強スタイルに合うものを1冊ずつ選び、「分野ごとのメイン本」を決めるために読んでください。
単語テキストの比較と選び方
準一級の単語テキストは種類が多いですが、「出る単語はかなりかぶっている」のが実情です。
大切なのは、「自分が続けやすい形式か」「試験までに何周できそうか」です。
| テキスト名 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| でる順パス単 準1級(旺文社) | 過去問頻出順に約1,900語。アプリ「英語の友」で音声学習可。 | 初受験で、頻出語を効率よく押さえたい人 |
| 出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX | 語彙問題に特化した約2,400語。日本語→英語音声もあり。 | 語彙でしっかり差をつけたい人、2級レベルは終わっている人 |
| キクタン英検準1級 | 1日16語×70日。チャンツ音声で耳から覚えられる。 | 耳で覚えるのが得意な人、毎日コツコツ型の人 |
| 文で覚える単熟語 準1級 | 短い長文の中で単熟語を学ぶ。背景知識もつく。 | 単語だけのリストでは覚えにくい人、長文も伸ばしたい人 |
迷ったら、次のように選ぶと失敗しにくいです。
どの単語帳でも、1周では定着しません。
「1日○ページ」「試験までに3周」のように、最初にノルマと周回数を決めておくと、途中で投げ出しにくくなります。
読解とリスニングの定番本
長文とリスニングは、「基礎〜応用を順番に上げていける本」と「本番形式で仕上げる本」の2種類があると効率的です。
長文の定番は次の2シリーズです。
リスニングは、形式に慣れつつ、毎日音声に触れられるテキストを選びます。
そして、読解・リスニング両方の「仕上げ」は、
英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)を軸にします。
直近6回分の本試験が丸ごと入っているので、時間配分の練習、実際の難易度の確認、シャドーイングやディクテーションまで、これ1冊でかなりカバーできます。
ライティングと面接対策本
ライティングと面接は、「とりあえず1冊+添削・会話の実践」で進めるのが効率的です。
ライティングの本命候補は次の2冊です。
「まず1冊だけ」なら、要約+英作文を一気に学べる完全制覇シリーズがおすすめです。
面接(二次試験)は、形式理解と「口ならし」を素早く進めることが大事です。
どちらも音声付きで、自分の音読を録音→見直しという練習がしやすい構成です。
面接カードの内容や定番トピックは、新聞社の教育面や教育委員会サイトなどで時事背景もつかんでおくと、内容面で話しやすくなります。
例えば、教育や学習に関する統計や調査は、文部科学省(MEXT)の公式サイトからも参考になります。

レベル別・期間別のテキスト活用術
同じテキストでも、「初挑戦で3か月ある人」と「過去問7割取れていてあと1か月の人」では、使い方がまったく変わります。
この章では、レベル別・期間別にモデルパターンを示しながら、「どのテキストを何冊組み合わせ、どう回すか」を具体的に解説します。
レベル別の組み合わせ例
まずは、自分が「初級・中級・上級」のどこにいるかをざっくり判定します。
それぞれのモデル構成は次の通りです。
初級者セット(テキスト3〜4冊)
・単語:パス単 or キクタン or 文で覚える単熟語
・総合:嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策 or 旺文社「総合対策教本」
・過去問:英検準1級 過去6回全問題集
・余裕があれば:リーディング or リスニングの分野別ターゲット
中級者セット(テキスト4〜5冊)
・単語:出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX
・弱点分野:完全制覇シリーズ(リーディング/リスニング/英作文から2冊まで)
・過去問:英検準1級 過去6回全問題集
・直前:7日間完成 英検準1級 予想問題ドリル or DAILY26日間 集中ゼミ
上級者セット(テキスト3冊前後)
・単語:単熟語EX(抜けの確認用)
・過去問:過去6回全問題集 + 3回過去問集など模試系
・ライティング:要約&英作文 完全制覇(高得点狙いの仕上げ)
目安として、一次試験までに持つテキストは3〜5冊程度に抑えると、やり切りやすくなります。
期間別学習計画と優先度
次に、「試験まであとどれくらい時間があるか」で、テキストの優先度を変えます。
残り3か月:標準パターン
1か月目:基礎固め
2か月目:実戦力+弱点補強
・週1回、過去問を時間を測って解く
・間違えた問題をノート化し、「なぜ間違えたか」「どう直すか」をメモ
・完全制覇シリーズなどで、苦手分野を集中トレーニング
・ライティングは週2本書いて、添削を受ける(後述)
3か月目:仕上げ
・週2回、フルセットで過去問/予想問題を解く
・7日間完成 予想問題ドリルやDAILY集中ゼミで、弱点と時間配分を最終調整
・二次対策(音読・録音・模擬面接)をスタート
残り1か月:直前集中パターン
・単語帳:1日2〜3ユニットで2周目/3周目を回す
・過去問:週2回フルセット(時間を本番どおり測る)
・予想問題:7日間完成ドリル or DAILY集中ゼミを軸に、苦手大問を重点的に
・ライティング:毎日1本 → 添削 or 自己採点 → 同じテーマで書き直し
残り7日:超直前パターン
・新しいテキストは増やさない
・7日間完成 予想問題ドリルを、可能な範囲で一気に回す
・過去問の間違いノート、単語帳のチェックマーク箇所だけを集中的に復習
・睡眠時間を削らない(コンディション優先)
過去問と予想問題の使い分け
過去問と予想問題は、どちらも重要ですが、役割が少し違います。
おすすめの使う順番は次の通りです。
① 早い段階で過去問を1回分解く
→ 現在地と試験のリアルな難易度を知る。
② 基礎を固めつつ、2〜3週間に1回ペースで過去問を追加
→ 成長と課題を確認しながら、分野別テキストで補強。
③ 試験1か月前から、予想問題ドリルや模試形式の問題集を投入
→ 最新形式への慣れ、不足分野の詰め、時間配分の最終調整に使う。
最新傾向への対応という意味では、「7日間完成 予想問題ドリル(6訂版)」や「DAILY26日間 集中ゼミ(7訂版)」のように、頻繁に改訂されているテキストを1冊持っておくと安心です。

独学で合格するための勉強法とQ&A
最後に、選んだテキストをどう使い切るか、ライティング・スピーキングをどう伸ばすか、よくある失敗をどう避けるかを解説します。
独学でも、テキストとオンラインサービスをうまく組み合わせれば、十分に合格は狙えます。
テキストをやり切る復習法
どんなに良いテキストでも、1周して終わりでは身につきません。
「1冊を2〜3周以上回す」前提で、復習サイクルを設計しましょう。
単語帳・問題集どちらにも使える基本パターンを紹介します。
① 1周目:ざっと全体を回す(理解優先)
・単語なら、分からない単語にチェックを付けながら最後まで進める
・問題集なら、時間をあまり気にせず、解説を丁寧に読み込む
② 2周目:チェックが多いところ・間違えた問題を重点的に
・1周目でチェックした単語だけをまとめて復習
・間違えた問題だけを解き直し、「なぜその選択肢が間違いか」を説明できるまで読む
③ 3周目:本番を意識したスピードで
・単語は「見た瞬間1秒以内に意味が出るか」を基準にする
・問題集は、時間を測って解く、英文を音読・シャドーイングするなど、本番に近い形で回す
復習のタイミングは、
・1日後:前日の分を軽く見直し
・3日後:その週の分の中であいまいな部分を再チェック
・1週間後:まとめてざっと確認
というサイクルがおすすめです。
アウトプット補強とサービス活用
ライティングとスピーキングは、テキストだけでは「分かったつもり」で止まりやすい分野です。
必ず、誰か(人間 or AI)からのフィードバックを受ける仕組みを入れましょう。
また、時事系の背景知識と語彙を増やすために、ニュースアプリも1つ決めておくと便利です。
たとえば、NHKが提供する英語ニュースアプリ「NHK WORLD-JAPAN」は、日本のニュースを中心に英語で読めるので、内容がイメージしやすく準一級の長文・ライティング・面接にも直結します。
詳細は、NHK WORLD-JAPANの公式サイトから確認できます。
失敗パターンとよくある疑問
最後に、準一級対策でありがちな失敗パターンと、その対策をまとめます。
よくある失敗①:テキストを買いすぎて、どれも中途半端
→ 分野ごとにメイン本を1冊決め、それ以外は「やり切った後の追加」と考える。
よくある失敗②:過去問を後回しにする
→ レベル感が分からないまま勉強してしまい、無駄が増える。早めに1回分だけでも解く。
よくある失敗③:語彙を軽視して、問題演習ばかり
→ 読解・リスニング・ライティングすべてで「分からない単語だらけ」になり、点が伸びない。毎日少しでも単語学習を入れる。
よくある失敗④:ライティング・面接の練習が「なんとなく」だけ
→ 本番で時間配分・構成・表現に戸惑い、大きく失点。テンプレートを決め、必ず添削やフィードバックを受ける。
Q. 独学でも本当に合格できますか?
A. きちんとしたテキスト選びと計画、日々の学習習慣があれば、独学でも十分可能です。
ただし、ライティングとスピーキングだけは、オンライン英会話・添削サービス・AIなど、外部リソースをうまく使うと、合格までの距離がかなり縮まります。
Q. 1日どれくらい勉強すればいいですか?
A. 目安として、3か月で合格を狙うなら、平日1〜2時間・休日3〜4時間ほどは欲しいところです。
最低ラインとして、毎日
・単語:20〜50語
・長文またはリスニング:1題
・英作文:2〜3日に1本
といった「小さなノルマ」を決めておくと、習慣化しやすくなります。

まとめ
ここまで、英検準一級テキストの選び方と勉強法を、レベル別・分野別・期間別に整理してきました。
最後に、実践の際に見返しやすいよう、要点をまとめます。
この記事を参考に、「自分のレベル」「試験日までの期間」「使えそうな時間」から逆算して、テキストの組み合わせと学習計画を1枚の紙に書き出してみてください。
あとは、その計画に沿って「小さなノルマ」を毎日クリアしていけば、準一級合格は十分に現実的な目標になります。

