英検は「なんとなく受ける」よりも、「いつまでに何級を取り、入試や将来にどう生かすか」を考えて動くと効果が大きくなります。
その一方で、級ごとのレベル差や新形式への対応、独学と塾の使い分けなど、考えることが多くて迷いやすい試験でもあります。
この記事では、英検3級〜準1級を中心に、必要な学習時間の目安、級別・技能別の勉強法、独学と対策サービスの選び方まで、順番に整理して解説します。
お子さんの英検を考えている保護者の方にも、自分で受験を考えている中高生にも役立つ内容をまとめました。
- 英検各級のレベルと合格までの学習時間・期間の目安がわかる
- 3級〜準1級に向けた具体的な勉強手順と1週間の学習配分がイメージできる
- リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの技能別対策がわかる
- 独学・塾・オンライン指導など英検対策サービスの選び方と使いどころがわかる
英検対策の結論と全体像
まずは、英検対策の「全体像」と「結論」を押さえます。
ここがはっきりすると、自分やお子さんに合った級の選び方や、どのくらいのペースで進めればよいかが見えてきます。
英検各級のレベル感と目安
英検は級によって求められるレベルがかなり違います。
まずは大まかなレベルと、学校の学年との目安を整理しておきましょう。
| 級 | レベル目安 | 学校の学年イメージ | 用途の目安 |
|---|---|---|---|
| 5級 | 基礎的な単語と表現 | 中1前半程度 | 英語入門、力試し |
| 4級 | 基本文法+短い文の理解 | 中1〜中2程度 | 基礎固め |
| 3級 | 日常的な内容を読んで聞ける | 中3程度 | 中学卒業レベルの確認 |
| 準2級 | 身近な社会的話題も扱える | 高校中級程度 | 高校入試の加点・出願に活用 |
| 2級 | 高校卒業レベルの総合力 | 高校卒業程度 | 高校・大学入試での優遇に直結 |
| 準1級 | 大学中級レベル、時事・社会問題 | 大学中級程度 | 難関大学入試・出願資格で有利 |
合格点はCSEスコアで決まっていますが、受験生がまず意識すべきなのは「自分の学校の学年+1つ上」あたりが、挑戦級になりやすいという点です。
たとえば、中2で3級に合格しているなら、準2級に挑戦する、というイメージです。
合格までの学習時間と期間
英語ゼロから各級に合格するまでの、おおよその必要学習時間の目安は次の通りです。
(一般的なデータをもとにした目安で、個人差は大きいと考えてください。)
たとえば、英検2級を高2の1月までに取りたい場合、中1〜高1のあいだに「年間200時間×4年=800時間」前後の学習を積み上げるイメージになります。
逆にいうと、残り半年でゼロから2級を目指すのはかなり厳しく、相当な集中と工夫が必要だとわかります。
英検は年3回(第1〜第3回)ありますから、「この1年でどの級を取り、そのために週に何時間使えるか」を最初に決めることがとても大切です。
最短で合格する基本ステップ
どの級にも共通する、最短合格のための基本ステップは3つです。
まず、学校の定期テストや模試の英語の点数、これまでの英検合格級からざっくりしたレベルを確認します。
次に、受けたい級の過去問を、時間を計って1回分通して解きます。
ここで大事なのは、点数だけでなく「どの大問で何点落としているか」「語彙・文法・長文・リスニング・ライティングのどこが弱いか」をメモすることです。
最後に、その結果をもとに、1〜2か月単位の計画を作ります。
たとえば、準2級で「語彙が弱くて長文が読めない」なら、最初の1か月は単語と短い長文に集中し、2か月目から本格的に過去問演習に入る、というイメージです。
この「診断→計画→学習→再診断」のサイクルを、試験日までに2〜3回まわせると、合格の可能性が一気に高まります。
なお、英検公式サイトでは出題形式やCSEスコアの説明が公開されています。細かい仕様は、日本英語検定協会公式サイトもあわせて確認しておくと安心です。

級別の英検対策と学習計画
ここからは、「自分(またはお子さん)はどの級から、どんなペースで進めるべきか」を具体的に考えていきます。
特に3級〜2級は、入試にもつながる重要なゾーンなので、現実的な計画を立てることが大切です。
現状レベル診断と級の選び方
「どの級から受けるか」は、多くの人が迷うポイントです。
基本の考え方はシンプルで、「80%前後取れる級は通過級」「60%前後の級が挑戦級」と考えると、計画が立てやすくなります。
具体的には、次のように進めます。
3級で60%前後しか取れない場合は、まず3級合格を目標にする方が現実的です。
お子さんの場合は、学校の授業進度とのバランスも大切です。
「先取りしすぎて学校の授業がわからなくなる」よりは、「学校内容+少し先」を目指す方が、英語全体の理解が安定しやすくなります。
3級〜2級の勉強法と配分
3級〜2級は、英検対策の山場です。
それぞれの級で、どの技能にどれくらい時間をかけるべきか、ざっくりした目安を示します(週7〜8時間前後の学習を想定)。
3級(中3レベル)
準2級(高1〜高2レベル)
準2級では、長文とリスニングの比重がぐっと上がります。
語彙・長文・リスニングをほぼ同じくらいの重さで考え、「毎日どれかには必ず触れる」ペースを作ると良いです。
2級(高卒レベル)
2級になると、抽象的な内容や社会的な話題が増えます。
語彙は「高校入試レベル+ニュースでもよく聞く単語」をセットで押さえ、長文はスラッシュリーディングで読み進める練習をしておきましょう。
ライティングは「型+よく使う理由3〜4パターン」を身につけることで、時間内に書き終えやすくなります。
準1級以上の対策と入試活用
準1級以上は、「受かればラッキー」ではなく、「明確な目的を持って狙う級」です。
特に大学入試では、英検準1級を出願条件や加点条件にしている大学も多くあります。
準1級対策で意識したいのは、次の3点です。
準1級の英作文や面接では、「環境問題」「テクノロジー」「教育」「労働」などのテーマで、自分の意見とその理由を述べることが求められます。
日本語でも答えにくいテーマは、英語ではさらに難しいので、普段からニュースや解説記事に触れ、「自分ならどう考えるか」をまとめる癖をつけましょう。
入試活用の観点では、各大学の入試要項を必ずチェックしてください。外部検定利用入試や総合型選抜では、「2級以上」「準1級以上」を条件にしているケースも多くあります。
大学の公式サイトの入試情報ページ(例:国公立大学の入試案内など。参考:文部科学省公式サイト)から、最新情報を確認しておくと安心です。

技能別対策と新形式への対応
同じ級でも、「単語は得意だけどリスニングが苦手」「読むのはできるが書けない」など、得意・不得意は人によって違います。
この章では、語彙・リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの技能別に、英検向けの具体的なトレーニング方法を整理します。
語彙文法とリーディング対策
英検の合否は、かなりの部分を語彙力が左右します。
まずは、受ける級に合った単語帳を1冊決め、次のようなサイクルで覚えていきましょう。
「つづり+意味」だけでなく、品詞(名詞・動詞など)や、例文の中での使われ方まで一緒に覚えると、長文で意味がとりやすくなります。
文法は、特に準2級以上で重要です。
関係代名詞、仮定法、分詞構文など、学校ではあいまいにしてしまいがちな部分を、一度きちんと整理しておきましょう。
リーディングでは、スラッシュリーディングが有効です。
英文を意味のまとまりごとに「 / 」で区切り、前から意味をとりながら読んでいく練習を続けると、読むスピードと理解度が上がります。
リスニングとスピーキング対策
リスニングは、「聞く量」だけでなく、「どう聞くか」が大切です。
特に効果が高いのが、シャドーイングです。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、少し遅れて同じように発音していく練習です。
英検の過去問音声や、市販のリスニング教材を使って、1日5〜10分でも続けると、「速すぎて聞き取れない」が少しずつ減ってきます。
スピーキング対策では、3級以上の二次試験(面接)を意識した練習が必要です。
ポイントは、「完全な文で答える」習慣をつけることです。
たとえば、「Do you like sports?」と聞かれたら、「Yes.」だけで終わらせず、「Yes, I like sports. I often play soccer with my friends.」のように、2文セットで答える癖をつけましょう。
自分の答えをスマホで録音して聞き返すだけでも、文法や発音の気づきが増えます。
ライティング対策と新形式対応
3級以上では、ライティング(英作文)が合否に大きく影響します。
英検のライティングは、基本的に「減点方式」です。難しい表現に挑戦してミスを増やすより、「正しく書ける表現」を確実に使う方が得点につながります。
対策の流れは、次のように考えましょう。
たとえば、2級の意見作文なら、「I agree / I disagree. 」「There are two reasons.」「First, … Second, …」「For these reasons, …」といった型を覚えておき、どのテーマにも応用して使えるようにします。
2024年度から、3級以上で新形式が始まり、一部の大問構成や試験時間が変わっています。
そのため、過去問はできるだけ「新形式に対応した最新版」を使い、時間配分も新しい制限時間に合わせて練習しましょう。
※古い年度の過去問は、問題の質そのものは役立ちますが、時間配分や一部形式が異なる場合があります。最新年度の問題を基準にしつつ、古い年度を補助的に使うのが安全です。

独学と英検対策サービスの比較
英検は、5級から準1級まで、独学で合格している人も多くいます。
一方で、ライティングやスピーキング、準1級レベル以上では、第三者のサポートを受けたほうが効率的な場面も増えてきます。
ここでは、独学でできること・限界、そして塾やオンライン指導・ICT教材の特徴と、向いている人のタイプを整理します。
独学でできることと限界
独学でも、次の3つがそろっていれば、3級〜2級までの合格は十分に狙えます。
これらを使い、「単語→文法→長文・リスニング→過去問」という流れで学習すれば、紙とペンだけでもかなりのところまで到達できます。
ただし、独学で限界が出やすいのは、「ライティング」「スピーキング」の2つです。
自分の書いた英文や話した内容が、「どのくらい伝わるのか」「どこが不自然なのか」は、自分では判断しづらいからです。
特に準2級以上で得点を安定させるには、どこかのタイミングで、少なくとも数回は添削や模擬面接を受けた方が安心です。
塾・オンライン指導の選び方
英検対策サービスには、大きく分けて次のようなタイプがあります。
たとえば、小学生向けのECCジュニア英検対策コースでは、少人数クラスで、一人ひとりの性格に合わせた指導と、音声ペンによる反復学習を組み合わせています。
ネイティブ音声付きの音声ペンで、何度も聞き直しや録音ができるため、発音やリスニングの力を楽しく伸ばしやすいという声が多くあります。
一方、オンラインのマンツーマン個別指導(例:トライの英検対策講座など)では、Zoomを使った1対1授業で、4技能すべてを個別に対策できます。
特に、ライティングの添削や、面接の模擬練習など、「独学ではやりにくい部分」に絞って指導を受けられるのが強みです。
ICT教材(例:すらら英語など)は、自宅でいつでも取り組めるのがメリットです。
キャラクターと一緒に学ぶインタラクティブな画面で、文法やリスニングを少しずつ進められるので、英語が苦手な子や、勉強へのハードルが高い子にも向きます。
子どもの英検と保護者の関わり方
小学生〜中学生のお子さんの英検では、保護者の関わり方が、合否以上に「英語嫌いにならないかどうか」に影響します。
意識したいポイントは、次の3つです。
たとえば、小学生であれば、まず5級・4級で「合格できた」という達成感を味わってから、3級以上に進むと、英語への自信がつきやすくなります。
また、学習管理アプリや音声ペン、オンライン教材などを使うことで、「今日はどれくらいやったか」が目に見えやすくなり、保護者もサポートしやすくなります。
英検はあくまで通過点であり、「英語で自分の考えを伝えられるようになる」ことがゴールです。
テスト結果だけでなく、発音が良くなった、単語を家族に教えてくれるようになった、などの変化を見つけて、しっかり言葉にして伝えてあげてください。

失敗しない英検対策Q&Aと総括
最後に、英検対策でよくある誤解やつまずきを整理しながら、「続けやすく、入試にも生きる」現実的なプランの考え方をまとめます。
ここまでの内容を、もう一度自分の状況に当てはめて見直す時間にしてみてください。
ありがちな誤解と注意点
英検対策でよくある誤解をいくつか挙げ、それぞれの注意点を整理します。
過去問は「診断」と「本番慣れ」のための道具です。
単語や文法の土台がないまま解き続けても、点数は大きくは伸びません。
必ず、「単語・文法のインプット」とセットで進めましょう。
3〜4か月で準2級・2級に合格する人もいますが、それはそれまでの蓄積があってこそです。
英語ゼロから数か月で2級・準1級を狙う、といった計画は、かなり現実離れしています。
入試で使う場合は、「出願締切から逆算しても、十分な学習時間が確保できるか」を冷静に考え、無理のない級とタイミングを選びましょう。
学習継続のコツと環境づくり
英検対策は、中長期の取り組みになります。
続けるためのコツは、「ハードルを下げる」「見える化する」「小さな達成感を積む」の3つです。
オンライン英検講座では、学習管理アプリやAI教材を活用し、弱点診断や学習時間の「見える化」を行っているところも多いです。
こうしたツールをうまく使うと、保護者も進み具合を把握しやすく、声かけのタイミングがわかりやすくなります。
目標級から逆算した行動まとめ
最後に、「目標級から逆算して、今何をすべきか」を、できるだけシンプルな形でまとめます。
どの級を目指す場合も、「過去問1セットで診断→弱点に絞った学習→再診断」というサイクルは共通です。
無理なく続けられるペースで、このサイクルを回し続けることが、最終的には一番の近道になります。


