IELTSの参考書は種類が多く、「どれを選べばいいのか分からない」「自分のレベルに合っているか不安」という人は多いです。
しかも、TOEICや英検とは試験の形がかなり違うため、何となく教材を選ぶと、時間をかけてもスコアに結びつかないことがあります。
この記事では、IELTS6.0〜7.5を目指す人向けに、教材の種類、レベル別・目標スコア別の選び方、そして実際の勉強の進め方まで、一本の流れで整理します。
最後まで読めば、「自分用の教材セット」と「明日からの勉強プラン」をその場で決められる状態になるはずです。
- IELTS対策に必要な4種類の教材と役割が分かる
- レベル別・目標スコア別の参考書・問題集・単語帳の選び方が分かる
- 日本語教材と英語教材の切り替えタイミングが分かる
- 選んだ教材を使った具体的な学習プランの立て方が分かる
IELTS参考書選びの結論
最初に、この章では「どんな教材を、どの順番でそろえるか」の全体像と、レベル別の結論をまとめます。
細かいおすすめ本の前に、まずは地図を頭に入れておくイメージです。
IELTS教材4系統の全体像
IELTS対策に使う教材は、大きく分けて4つの系統があります。
4系統をセットで考えることが、ムダのない参考書選びの出発点です。
参考書は、試験の仕組みや各セクションの攻略法を知るための「教科書」です。
まず1冊、全体像をつかめる日本語の総合本を読むと、学習の迷いが大きく減ります。
問題集・模試は「本番形式に慣れるためのトレーニング」です。
ケンブリッジ公式問題集や、ブリティッシュ・カウンシル公認問題集、IDP公認模試などが、この役割を担います。
単語帳は、ReadingやWritingで必要な語彙を一気に増やすために使います。
特にスコア6.0以上を目指すなら、IELTS専用の単語帳を1〜2冊決めてやり切ることが重要です。
オンラインツール・添削サービスは、主にWritingとSpeaking向けです。
この2技能は自分で採点しにくいため、公式サイトの無料教材や、オンライン添削を組み合わせて、第三者のフィードバックを受けると伸びが大きく変わります。
レベル別に必要な教材セット
次に、現在レベル別に「最低限そろえたい教材セット」の例を示します。
ここでいうレベルは、おおよその現在スコアの目安です。
目安:OA 5.0〜5.5(初受験〜基礎固め)
この段階では、英語オンリーの難しい教材を無理に増やすより、形式理解と基礎語彙に時間を使った方が効率的です。
目安:OA 6.0〜6.5(中級・スコア停滞中)
6.0付近で伸び悩む人は、「公式系模試での実戦」と「弱点セクションの特化本」の組み合わせが鍵になります。
目安:OA 7.0以上(上級・高得点狙い)
このレベルでは、演習量とフィードバックの質がスコアを分けます。
日本語解説よりも、英語環境にできるだけ近い教材にシフトしていきます。
目標スコア別の優先順位
同じ教材でも、目標スコアによって「どこに力を入れるか」が変わります。
ここでは、よくある目標「6.0/6.5/7.0」で、優先順位の違いを整理します。
目標6.0
最重要は、形式理解と語彙・文法の土台です。
日本語の総合本+単語帳+公認問題集1冊をやり切ることを優先し、教材数はできるだけ絞ります。
Listening/Readingは、まずは正答率を安定させることを重視し、Writing/Speakingは「タスクを落とさない構成」を覚えるイメージです。
目標6.5
6.0と7.0の間には、表現の幅や一貫性などの質的な差があります。
このゾーンでは、ケンブリッジ公式問題集を1〜2冊追加し、弱点セクション用の技能別参考書を組み合わせます。
特にWritingとSpeakingでは、採点基準を意識した表現練習と、添削の活用が効果的です。
目標7.0以上
7.0以上では、「ミスを減らす」だけでなく、「プラス評価を積み上げる」必要があります。
公式問題集を2〜3冊使い、本番と同じ条件で何度も模試演習を行いましょう。
語彙は上級単語帳で類義語・コロケーション(よく一緒に使う組み合わせ)まで広げ、Writing/Speakingではオンライン添削やスクールを組み込むと効率が上がります。

IELTS専用教材を使うべき理由
この章では、「TOEICや英検の教材じゃだめなのか?」という疑問に答えます。
IELTS専用参考書を勧めるのは、単なる雰囲気ではなく、試験の仕組みが根本的に違うからです。
試験形式と他試験との違い
IELTSは、「読む・聞く・書く・話す」の4技能をすべて同じくらい重視する試験です。
TOEICや英検などと比べると、次の点が大きく違います。
採点も「バンドディスクリプター」という評価基準に沿って行われます。
たとえばライティングでは、
・タスク達成度(お題に答えているか)
・一貫性とまとまり(論理の流れ)
・語彙の幅と正確さ
・文法の正確さとバリエーション
など、細かい観点で評価されます。
このため、他試験用の教材だけで勉強すると、
・IELTS特有の形式に慣れない
・「点の取り方」が分からない
という問題が出やすくなります。
基礎英語力のアップにはTOEIC・英検の教材も有効ですが、「スコアに直結する力」はIELTS専用参考書・問題集から学ぶ方が近道です。
公益財団法人 日本英語検定協会も、IELTSの受験者向けに専用教材・サンプル問題をまとめています。
公式の学習サポートは次のページから確認できます。
AcademicとGeneralの違い
IELTSには、「Academic(アカデミック)」と「General Training(ジェネラル)」の2種類があります。
大きく違うのは、ReadingとWritingです。
| セクション | Academic | General |
|---|---|---|
| Listening | 共通(同じ問題) | |
| Reading | 学術的な長文(論文・レポートなど) | 日常生活・仕事に関する文章が中心 |
| Writing Task 1 | グラフ・表・図・プロセスの説明 | 手紙やメールの文章 |
| Writing Task 2 | 意見エッセイ(共通だがトピックの傾向は少し異なる) | |
| Speaking | 共通(同じ形式) | |
教材を選ぶときに、特に注意したいのは次の点です。
・ReadingとWritingは、必ず自分が受けるモジュール(Academic or General)専用の教材を選ぶ
・モジュールの表記がない本の多くはAcademic向けと考える
ジェネラル受験なのに、アカデミックのTask1(グラフ説明)だけで練習していると、本番で「手紙の書き方が全く分からない」という事態になりかねません。
単語帳は、Academic/General共通で使って問題ありません。
日本語教材と英語教材の役割
IELTS教材には、日本語で書かれたものと、英語だけで書かれたものがあります。
どちらが良いかは、レベルと目的で変わります。
日本語教材の役割
・試験の全体像をつかむ
・ルール・採点基準を正確に理解する
・間違えた理由を細かく確認する
特に、バンドスコア6.0以下、初受験の人には、日本語解説のある本が圧倒的に効率的です。
英語教材の役割
・英語を英語で理解する力をつける
・本番に近い環境で練習する
・上級レベルの表現に慣れる
ケンブリッジ公式問題集やCollinsシリーズは全て英語ですが、そのぶん試験にかなり近い内容になっています。
一つの目安として、
・OA 6.0までは「日本語教材メイン+英語教材は少し」
・OA 6.5〜7.0を目指す段階から「英語教材メイン+日本語教材は補助」
という切り替えを意識すると、無理なくステップアップしやすいです。

タイプ別おすすめ参考書と選び方
ここからは、教材のタイプごとに「どんな本を、どんな人が選ぶとよいか」を整理します。
総合本・技能別本・単語帳・公式問題集の4つの柱に分けて考えると、自分に必要な1冊が選びやすくなります。
総合対策本と使いどころ
総合対策本は、「IELTSってそもそも何?」「どんな力が必要?」という疑問をまとめて解消してくれる本です。
1冊持っておくと、学習の軸がぶれにくくなります。
おすすめの総合本のタイプ
たとえば、
・セルフスタディIELTS完全攻略:初受験者が全体像をつかむのに最適
・IELTS 一発で合格スコアをとる勉強法:勉強の進め方や学習計画づくりに強い
・IELTS完全対策&トリプル模試:総合解説+模試3回分でコスパが高い
といった本があります。
総合本の使いどころは、
・対策開始〜1か月目:ざっと通読しながら軽く練習問題を解く
・途中で迷ったとき:各セクションの「基本」に立ち返るために読み直す
という2つです。
細かいテクニックよりも、「試験全体のルールとゴール」を押さえるための本と考えると良いでしょう。
技能別参考書の選び方
Listening/Reading/Writing/Speakingの4技能は、それぞれ別の力が必要です。
総合本だけでは、弱点セクションを集中的に伸ばすのが難しいので、スコアが伸び悩んできたら技能別参考書を追加します。
選び方のポイント
代表的な教材として、
・実践IELTS技能別問題集 リーディング/リスニング(旺文社)
・IELTS ライティング徹底攻略(アクエアリーズ)
・IELTSスピーキング完全対策(アルク)
・Collins「Listening for IELTS」「Speaking for IELTS」シリーズ
などがあります。
たとえば、Readingが苦手なら、「実践IELTS技能別問題集 リーディング」で設問タイプごとの解き方を身につけると、ケンブリッジ公式問題集での得点も安定しやすくなります。
単語帳の選び方とレベル別軸
IELTSでは、語彙力がスコアに直結します。
特に、ReadingとWritingでスコア6.5以上を狙うなら、「なんとなく意味は分かる」レベルから「自分で使える」レベルまで引き上げる必要があります。
単語帳を選ぶときの基準
代表的な単語帳の位置づけは次の通りです。
実践IELTS英単語3500(旺文社)
・基本語1000+重要語2500の構成
・500語ごとにレベル分け(5.0〜7.5以上)
・イギリス英語音声付き
初受験〜高得点まで長く使える1冊で、まずはこれを軸にすると良いでしょう。
IELTS必須英単語4400
・英単語3300語+英熟語1100語
・A〜Dの4レベル分け
・例文や関連表現が豊富
熟語やコロケーションまでしっかり押さえたい人、6.0〜7.0を安定させたい人に向きます。
文脈で覚えるIELTS英単語
・長めの文章の中で語彙を覚える形式
・基本1400語+類義語3200語(計4600語)
・Readingの練習にもなる
文章で覚えるのが好きな人や、7.0以上を狙う人におすすめです。
レベル別のおすすめパターンは、
・〜6.0:実践IELTS英単語3500を1冊やり切る
・6.0〜7.0:3500+IELTS必須英単語4400
・7.0以上:3500を回しつつ、文脈で覚えるIELTS英単語で表現の幅を広げる
と考えると、無理なく段階を踏めます。
公式問題集と模試教材の位置づけ
IELTSには、TOEICのような「過去問集」はありません。
その代わりに、本番とほぼ同じ形式の「公式問題集」「公認模試」がいくつかあります。
主な公式系教材
これらは、
・実際の試験に近い問題に触れる
・自分の現在スコアを把握する
・時間配分の感覚を身につける
ための教材です。
使い方の基本は、
・1セットずつ、本番と同じ時間で通しで解く
・自己採点後、間違えた理由を分析してノートにまとめる
・同じ問題集を2〜3周する
というサイクルです。
公式問題集は、直前期だけでなく、学習初期のレベルチェックにも使えます。
特に、ケンブリッジ公式問題集は難度が本番に近いため、6.0以上を目指す人は早めに1冊持っておくと安心です。

効く使い方と学習プラン
どんなに良い参考書をそろえても、使い方を間違えるとスコアは伸びません。
この章では、「参考書・問題集・単語帳をどう組み合わせ、毎日の勉強時間をどう配分するか」を具体的に説明します。
参考書と問題集の使い分け
勉強がうまくいかない人の多くは、「いきなり問題集だけを解き続ける」パターンになっています。
IELTSでは、
1)参考書で形式と解き方を理解する
2)問題集・公式模試で実戦練習をする
3)間違いを参考書に戻って確認する
というループを回すことが大切です。
おすすめの使う順番(1サイクル)
このように、「読む→解く→戻る」をセットにしておくと、
・知識だけで終わらない
・問題を解きっぱなしにしない
という良い学習サイクルができます。
弱点別の時間配分モデル
1日に取れる勉強時間は限られています。
どの技能にどのくらい時間をかけるかを決めておかないと、得意科目だけ勉強してしまい、全体スコアが伸びません。
目安として、
1日の学習時間のうち「弱点セクションに7割、残り3割を他の技能」に使うモデルがおすすめです。
例えば、1日2時間勉強できるとして、
・Readingが一番低い場合
→ Reading:80分(技能別本+問題集)
→ Listening:20分(ディクテーションなど)
→ 単語・文法:20分
のように配分します。
弱点が2つある場合は、
・WritingとSpeakingが弱い場合(1日3時間)
→ Writing:70分(ライティング本+添削)
→ Speaking:50分(音読・オンライン英会話)
→ Reading/Listening:30分ずつ
のように、弱点2技能で合計7割を目安にします。
この配分を最低1〜2か月続けると、弱点セクションのスコアが全体を引き上げる形になりやすいです。
模試演習と復習の進め方
模試(公式問題集の1セット)は、「実力チェック」と「時間感覚の調整」の両方に役立ちます。
ただし、解いて満足してしまうと伸びは止まるので、復習の仕方がとても大事です。
1回分の模試のおすすめ手順
ライティングとスピーキングは、
・自分の解答を録音・保存しておく
・モデル解答と比べて、語彙・構成・文法の差をチェックする
・可能なら添削サービスやスクールでフィードバックをもらう
という流れで復習します。
同じ模試を2〜3周する際は、
・2周目:制限時間を少し短くしてスピードを意識
・3周目:ほぼノーミスで解けるまで仕上げる
というように、目標を少しずつ上げていくと、実力が着実に上がっていきます。

よくある疑問と注意点
最後に、多くの受験者が迷いやすいポイントをまとめて解説します。
日本語教材から英語教材への移行、アウトプット科目の対策、学習時間の目安などを整理しておきましょう。
日本語教材から英語教材への移行
「いつから英語オンリーの教材に切り替えるべきか」は、よく出る質問です。
目安は、
・現在スコアがOA5.5〜6.0に近づいてきた
・日本語の総合本を一通り読み終えている
・日本語解説がなくても、ある程度問題文の意味は取れる
この3つを満たしたタイミングです。
切り替え方法としては、
・まずはケンブリッジ公式問題集を1冊だけ追加し、日本語教材と並行して使う
・Collinsシリーズなど英語の技能別本は、「得意なセクション」から始める
というステップが安全です。
また、日本英語検定協会の公式サイトには、IELTSのサンプル問題や学習教材一覧、オンラインツールの情報がまとまっています。
レベル別の参考書一覧PDFも公開されているので、参考書選びの補助として使うと安心です。
ライティングとスピーキング対策
ライティングとスピーキングは、「自分で採点しづらい」「何が悪いか分かりにくい」科目です。
この2技能は、参考書だけでなく、オンライン添削やスクールを組み合わせた方が効率的です。
ライティング対策のポイント
スピーキング対策のポイント
・「IELTSスピーキング完全対策」や「Speaking for IELTS」で頻出トピックを練習
・自分の回答を録音し、モデル回答と比べて語彙・流暢さ・論理の違いを確認
・オンライン英会話やIELTSコースで、週数回は本番形式の練習をする
ライティング・スピーキングは、独学だけではどうしても限界が来やすい部分です。
短期間でスコアを引き上げたい場合は、
・IELTS専用のオンライン添削講座(例:Strong Essay Writingなど)
・IELTS対策スクールやオンライン英会話のIELTSコース
の利用も検討しましょう。
スコア別の学習時間と伸び方
「どれくらい勉強すれば、スコアが何点上がるのか」も、気になるところだと思います。
もちろん個人差はありますが、多くのスクールや専門家が目安としているのは、
バンドスコア+1.0に約200時間前後の学習です。
たとえば、
・現在5.5 → 目標6.5なら、約400時間
・1日2時間の学習なら、約200日(およそ6〜7か月)
というイメージになります。
学習時間を確保するだけでなく、
・毎月1回は公式模試で進捗チェック
・結果に応じて、次の1か月の教材と時間配分を調整
というPDCAを回すことが大切です。
※あくまで目安なので、「200時間勉強したのに1.0上がらない」と落ち込む必要はありません。元の英語力や学習の質によって、必要時間は前後します。
大切なのは、
・自分の現在スコアを正しく把握する
・現実的な目標スコアと試験日を決め、逆算して学習計画を立てる
・途中で計画を見直しながら、継続する
という3つです。

総括
最後に、この記事の要点を整理します。
「万能の1冊」はありませんが、「レベル・モジュール・弱点」の3つを整理すれば、自分に合った教材セットは必ず見つかります。
この記事を参考に、まずは使う本を絞り込み、今日からの1週間の学習スケジュールを具体的に決めてみてください。

