「most」と「most of」は、どちらも「ほとんど・大部分」を表すとてもよく使う表現です。
しかし、使い分けを間違えると「most of students」「most of people」のような不自然な英語になってしまいます。
この記事では、「一般的な集団」と「特定された集団」という視点から、「most」と「most of」のコア原則を整理します。
そのうえで、試験や英作文、ビジネスメールですぐに使える判断フローや定番フレーズまでまとめて解説します。
- 「most」と「most of」のコアな違い(一般論 vs 特定グループ)がわかる
- 「most people」「most of the people」の正しい使い分けができる
- 「most of students」などの誤りを一瞬で直せるようになる
- ビジネス・研究文書で使える「大部分」を表す英語表現をストックできる
「most」と「most of」の結論整理
最初に、この章では「most」と「most of」の全体像をざっくりつかみます。
細かい文法や例文の前に、「意味の共通点」と「使い分けの軸」をはっきりさせておきましょう。
共通する基本の意味
結論から言うと、「most」と「most of」は、どちらも意味はほぼ同じで「ほとんど・大部分」を表します。
ちがうのは「どんな集団を指しているか」です。
まずはそれぞれの基本イメージをつかんでおきましょう。
most + 名詞
→ 「(一般的に見て)ほとんどの〜」「大抵の〜」という一般論
例:Most people are busy these days.(最近は人はだいたい忙しい)
most of + 限定された名詞/代名詞
→ 「〜のほとんど」「〜の大部分」という特定グループの話
例:Most of the people in my office are busy.(私の職場の人たちのほとんどは忙しい)
どちらも「割合が多い」ことを言っているのは同じです。
ただし、「世の中全体の話なのか」「あるグループの中での話なのか」が変わります。
一般と特定のコア原則
「most」と「most of」の使い分けは、次の一言にまとまります。
一般的な集団 → most + 名詞 / 特定された集団 → most of + 限定詞+名詞 or 代名詞
ここでいう「特定された集団」とは、次のようなものです。
反対に、「people」「students」「cats」のように前に何もついていない名詞は、「人一般」「学生全体」「猫全体」のような広いイメージになります。
この場合は「of」を入れずに、単純に「most people」「most students」のように言います。
この「一般 vs 特定」を意識するだけで、ほとんどの場面で迷わなくなります。
日本語との対応関係
英語で迷う原因の一つは、日本語ではどちらも「ほとんど」と訳せてしまうことです。
そこで、次のように日本語と対応させて覚えると整理しやすくなります。
・most + 名詞 = 「ほとんどのA」(A全体についての一般論)
例:Most people = ほとんどの人(人は一般的に)
Most Japanese people = ほとんどの日本人(日本人全体について)
・most of + A = 「Aのほとんど」(すでに分かっているAの集団の中の話)
例:Most of the people at the party = パーティーにいた人のほとんど
Most of my time = 私の時間のほとんど
英作文で迷ったら、まず日本語で
「ほとんどのA」と言いたいのか、「Aのほとんど」と言いたいのかを意識してみてください。
これだけで選ぶべき形がかなりはっきりします。

文法ルールと典型パターン
ここからは、実際の文の形に落とし込んでいきます。
「mostの後ろに何が来るか」「most ofの後ろには何が必要か」を文型で整理すると、誤用をかなり防げます。
mostの後ろに来る名詞
「most」は、そのまま名詞の前に置いて「ほとんどの〜」を作ります。
基本の形は次のとおりです。
most + 名詞(複数形 / 不可算名詞)
※前に the / my / these などの限定詞は原則つけません。
例として、よく使うパターンを見てみましょう。
-
英語:Most people love sushi.
日本語:ほとんどの人は寿司が好きです。 -
英語:Most students find kanji difficult.
日本語:ほとんどの学生は漢字を難しいと感じています。 -
英語:Most cars still run on gasoline.
日本語:ほとんどの車はいまだにガソリンで走っています。 -
英語:Most information is available online now.
日本語:今ではほとんどの情報がオンラインで手に入ります。
「information」のような数えられない名詞(不可算名詞)にも、そのままmostをつけてかまいません。
このとき、the informationとは言わない点に注意しましょう。
文法的な位置づけとしては、「most」は「数を表す限定詞」の一種です。
つまり、「the」「my」と同じポジションに来るので、ふつうは一緒に並べません(× most the people)。
この点は、学校文法や英和辞書でも説明されています。文法用語が気になる場合は、たとえば語学スクールの詳しい解説も参考になります。
most ofの後ろに来る形
次に、「most of」のパターンを整理します。
ここで一番大事なのが、ofのあとには必ず「限定された何か」が来るというルールです。
形は次の2つにしぼれます。
例文でイメージをつかみましょう。
-
英語:Most of the students in this class want to study abroad.
日本語:このクラスの生徒のほとんどが留学を望んでいます。 -
英語:Most of my friends are married.
日本語:私の友人のほとんどは結婚しています。 -
英語:I’ve read most of Higashino Keigo’s books.
日本語:私は東野圭吾の本のほとんどを読んでいます。 -
英語:We spent most of the time discussing the schedule.
日本語:私たちは時間のほとんどをスケジュールの話に使いました。
「most of students」のように、ofの後ろに限定詞がない形は基本的に誤りです。
必ず the / my / these などで「どの集団か」をはっきりさせてください。
この「限定された集団の中の大部分」という考え方は、英和辞書や英語学習サイトでも共通して説明されています。
詳しく文脈別の例を見たい方は、例えばHapa英会話の解説記事なども参考になります。
代名詞と組み合わせる場合
代名詞(us, them, you など)と組み合わせるときは、ルールがひとつだけあります。
most + 代名詞 は不可、必ず most of + 代名詞
× most us / most them
○ most of us / most of them / most of you
例文で確認しておきましょう。
-
英語:Most of us agree with this proposal.
日本語:私たちのほとんどはこの提案に賛成です。 -
英語:Most of them arrived on time.
日本語:彼らのほとんどは時間通りに到着しました。 -
英語:Most of you have probably heard this story before.
日本語:おそらく皆さんのほとんどは、この話を以前に聞いたことがあるでしょう。
代名詞そのものが「特定されたグループ」を表しているので、「of」を使って「その中の大部分」と言うイメージです。
ここを「most us」としてしまうミスが非常に多いので、セットで覚えてしまいましょう。

具体例と誤用パターン
ここでは、実際の例文を通してニュアンスの違いや、学習者がよく間違えるパターンを確認します。
特に「most people」と「most of the people」の差、「most of students」がダメな理由をしっかり理解しておきましょう。
most peopleとmost of
まずは、多くの人が迷う「most people」と「most of the people」の違いから見ていきます。
次の2文を比べてください。
-
英語:Most people like cake.
日本語:ほとんどの子どもはケーキが好きです。※一般論(peopleでも同じイメージ) -
英語:Most of the people at the party liked cake.
日本語:そのパーティーにいた人のほとんどがケーキを気に入っていました。
1文目は、「人はたいていケーキが好きだよね」という世の中全体の話です。
特定のパーティーやグループには結びついていません。
2文目は、「そのパーティーにいた人たち」という特定のグループの中での割合を言っています。
話し手の頭の中には、すでにそのメンバーがはっきりイメージされています。
ビジネスや学校の例でも同じです。
-
英語:Most people work too much.
日本語:多くの人は働きすぎです。(一般的な話) -
英語:Most of the people in my company work too much.
日本語:私の会社の人のほとんどは働きすぎです。(自分の会社という特定グループ)
このように、「most people」はふつう「世界の人」や「世の中の人」をなんとなくイメージします。
「most of the people」は、前後の文脈の中で共有されているグループをイメージします。
よくある誤りと修正例
次に、入試やテストでよく出る誤文を、理由と一緒に直してみましょう。
| 誤りの例 | なぜダメか | 正しい形 |
|---|---|---|
| × Most of people like ramen. | of の後ろに限定詞がない / peopleが一般的な意味 | Most people like ramen. |
| × Most of students are tired. | 「students」が一般論なのにofをつけている / theなどがない | Most students are tired. または Most of the students are tired. |
| × Most of Japanese people are polite. | ofの後ろに限定詞がない / Japanese peopleが一般論 | Most Japanese people are polite. または Most of the Japanese people I know are polite. |
| × Most of colleagues work remotely. | 「colleagues」の前に所有格などがない | Most of my colleagues work remotely. |
| × Most us agree with this idea. | 代名詞には必ずofが必要 | Most of us agree with this idea. |
これらに共通する直し方はシンプルです。
この3ステップを意識するだけで、多くの誤りをその場で修正できます。
ビジネス文書での例文
最後に、ビジネスメールやレポートでよく使う「most / most of」の定番パターンを紹介します。
どれもそのままコピペして、自分の内容に置き換えやすいフレーズです。
<社内・顧客について>
-
英語:Most customers prefer the simpler option.
日本語:ほとんどの顧客は、よりシンプルな選択肢を好みます。 -
英語:Most of our customers prefer the simpler option.
日本語:当社の顧客のほとんどは、よりシンプルな選択肢を好みます。 -
英語:Most of the participants completed the survey.
日本語:参加者のほとんどがアンケートを完了しました。
<時間・仕事量について>
-
英語:I spent most of the time preparing the presentation.
日本語:私はほとんどの時間をプレゼンの準備に費やしました。 -
英語:She does most of the work on this project.
日本語:このプロジェクトの仕事のほとんどを彼女が担当しています。 -
英語:We covered most of the key points in today’s meeting.
日本語:今日の会議で主要な点のほとんどを取り上げました。
特に「most of the time」「most of our customers」「most of the data」は、ビジネス文書で頻出の定番表現です。
自分の分野の名詞を入れ替えて、何パターンか作っておくととても便利です。

関連表現との比較と整理
最後に、「almost / nearly / hardly」との違いや、「some / many」など別の数量表現との共通ルールを整理します。
また、試験や英作文で使えるシンプルな判断フローもまとめておきます。
almostなどとの違い
「almost」「nearly」「hardly」も「ほとんど」という日本語に対応するので、よく「most」と混ざってしまいます。
ですが、役割がまったく違います。
ポイントは、almost / nearly / hardly は副詞で、名詞を直接は修飾できないということです。
次の例を見てください。
× Almost Japanese people make this mistake.(文法的に誤り)
○ Almost all Japanese people make this mistake.
→ ほとんどの日本人がこのミスをします。
「almost」は「all」「no」「never」などの前に置いて、「ほとんど〜」「ほとんど〜ない」を作ります。
一方、most / most of は「名詞とセット」で使う語です。
「ほとんどのA」と言いたいときは、基本的に
・一般論 → most A
・特定グループ → most of the / my / our + A
・より強く言いたい → almost all A
という使い分けになります。
また、「hardly」は「ほとんど〜ない」という意味の副詞です。
「almost no」「almost never」と対応して、次のような関係になります。
almost no ~ ≒ hardly any ~
almost never ~ ≒ hardly ever ~
例:
-
英語:Unfortunately, there has been hardly any interest in our latest promotion.
日本語:残念ながら、最新のキャンペーンにはほとんど関心がありません。 -
英語:I hardly ever watch TV these days.
日本語:最近はほとんどテレビを見ません。
「most」とこれらの副詞は、役割がまったく違うことを意識しておきましょう。
他の数量表現との共通点
実は、「of の有無で『一般的な集団』か『特定の集団』かが変わる」というルールは、most以外の語にも当てはまります。
たとえば「some」「many」「much」なども同じです。
・一般的な集団
some students / many people / much water
・特定された集団
some of the students / many of my friends / much of the water
つまり、次のような共通パターンがあると考えてください。
この「一般 vs 特定」という考え方をひとつ身につけると、most以外の表現にもそのまま応用できます。
試験問題で「some of」「many of」と出てきても、迷いにくくなります。
試験で使う判断フロー
最後に、「ほとんどの〜」を英作文で書くときの判断フローをまとめます。
これを頭の中でなぞるだけで、ほとんどのケースを正しく書けます。
-
まず日本語で考える
→ 「ほとんどのA」と言いたいのか、「Aのほとんど」と言いたいのかを確認する。 -
「A」が世の中全体・一般論なら
→ most A(Most people / Most students / Most Japanese cities など) -
「A」が文脈の中で特定されているなら
→ most of the A / most of my A / most of these A / most of us などの形を選ぶ。 -
代名詞を使うとき
→ most us ではなく、必ず most of us / them / you にする。 -
almost / nearly / hardly と迷ったら
→ 名詞を直接修飾したいならmost / most of、
→ 動詞や形容詞、all / no などを修飾したいならalmost / nearly / hardlyを使う。
このフローにそって、実際に自分の言いたい文をいくつか作ってみると、理解が一気に深まります。
特に「一般論なのか」「文脈で特定されている集団なのか」を毎回意識するクセをつけるのが、上達への近道です。

総括
最後に、「most」と「most of」のポイントを一覧で振り返ります。復習や暗記に使ってください。
この記事の内容をもとに、自分の身の回りのこと(クラス、仕事、趣味など)について「most / most of」を使った文をいくつか作ってみてください。
実際に手を動かしてみることで、「一般」と「特定」の感覚が自然と身についていきます。

