TOEIC SW(TOEIC Speaking & Writing)は、TOEIC L&Rと比べると情報が少ないこともあり、どう対策すべきか分からない人が多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では
- そもそもTOEIC SWってどんなテスト?
- TOEIC SWってどんな問題が出題されるの?
- TOEIC SWの対策方法は?
- オススメの参考書は?
など、詳しく解説してまいります。
TOEIC SW(TOEIC Speaking & Writing)とは
では、そもそもTOEIC SWとは何なのか、お伝えしていきたいと思います。
世間の多くの人が受けているTOEIC試験は、TOEICL&Rという試験で受験者のリスニング力とリーディング力を測定するためのものです。
それに対してTOEIC SW試験は、受験者のスピーキング力とライティング力を測定します。
ですから、TOEICL&RとTOEIC SWの2つの試験をマスターすれば英語の4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)を全て攻略できることになります。
またTOEIC SWは、TOEICL&Rの試験とは異なり、問題用紙が配布されて解くのではなく、パソコン上で行うのが最大の特徴です。
スピーキングはヘッドホンを使い、ライティングはパソコンにタイピングして解答します。
これが基本的なTOEICSW試験の概要になります。
TOEIC SWの問題数と試験時間と問題傾向
まずスピーキング&ライティングの問題数についてお伝えします。
TOEIC SW speaking
speaking:問題数11問&試験時間20分
TOEIC SWのスピーキング項目では、約20分間かけて11問行います。
基本的に質問された内容に対して、正しい発音で答えることができているのか、正しい文法表現で答えることができているのか、質問に対して的確な回答をしているのか。
などの観点から、総合的なスピーキング力がどれくらいあるのかチェックされます。
英会話は、正しい文法を使わなければ相手に伝えたいことを伝えることができないですし、そもそも発音が間違っていれば言いたいことが伝わらないです。
また、大前提として質問を理解して正しい受け答えができていなければ、コミュニケーションが成立していないと判断されてしまいます。
なので、
- 正しい文法表現
- 正しい発音
- 的確な受け答え
これら3点が重要視されているのです。
これら3点のどれかが欠けているだけで、英会話が成立しないのでTOEIC SWは良く作られた試験だなぁと思います。
ちなみに個人的な話ですが、まだ英語の発音を勉強していなかった頃、外国人に「ストロベリー」と伝えたかった場面があったのですが、「ストロベリー」の発音がLとRが混在していて、上手く発音できず、「ストロベリー」を諦めて「オレンジ」に変えた経験があります。
このことから、英会話において発音の重要性を改めて実感し勉強を開始しました。
今後とも英会話を伸ばしていきたいのなら、発音はTOEIC SW対策の中で完璧にやりきってしまう方がよいのではないかと思います。
TOEIC SW writing
次に、TOEIC SW writingの問題傾向についてお伝えします。
TOEIC SW writing:問題数8問&試験時間60分
ライティングは、質問に対して正しい文法表現で、的確な単語表現で、論理的な文章を書けているのかなどを評価されます。
特に最も大切なのは、正しい文法表現を駆使して英文を1文1文作れているのかです。
また、それと同時に1文1文の英文を接続詞を使って上手く繋ぎ合わせていくことができるのかも見られています。
そのため、あなた自身が英文法を使いこなせるようにしておかないと、英文を書くなんて到底難しいでしょう。
TOEIC SWの各UNIT問題解説
では、具体的な問題傾向について解説してまいります。
改めてお伝えしますが、スピーキングは11問です。
TOEIC SW speaking
UNIT1:音読問題
音読問題は、英会話能力を求められているのではなく、出題された英文を制限時間内に音読することであなたの発音のレベルが測定されます。
発音やアクセント、イントネーションなど細かいところまでかなりチェックされているのが特徴です。
※発音の勉強法についても後半で解説しているので気になる人は読み進めてみてください。
UNIT2:写真問題
ここでは、スピーキング力の土台があるのかどうか測定されます。
写真をみて、その写真の特徴をあなた自身で捉えて、その内容を英語で表現していきます。
イメージとしては、TOEICL&Rのpart1で出題される写真とほぼ同じようなものと思えばわかりやすいかなと思います。
ここは、そこまで難易度が高くはないので確実に正解しておきたいところですね。
UNIT3:応答問題
ここでは、英語を使って受け答えする能力が備わっているのか測定されます。
例えば、日本語でいうと
「今日は何をする予定ですか?」
「あなたはどれくらいの頻度で運動をしますか?」
などの問題が出題され、それに対してあなた自身が考えたことを答えます。
評価ポイントは、質問に対して妥当な解答ができているのか・正しい英語表現を使えているのかです。
TOEICSW試験初心者の頃は、「今日何する予定?」と質問されたら、真面目に悩んでしまうかもしれませんが、ここではあなたが本当に今日何をするのかの情報が求められているのではなく、実際に英語で「今日何する予定?」と質問されたときに、受け答えができるのかです。
それゆえ、よっぽど倫理的におかしな内容でなければ、何を答えても問題はないと思います。
肝心なのは正しい英語を使えているかどうかだけですので。
UNIT4:与えられた情報を使用して答える問題
表示された英文広告を使用して受け答えする問題です。
シチュエーションとしては、その英文広告を読んだ人から、あなたに広告内容についてお問い合わせがあり、その問い合わせ内容に対して答えていきます。
ここでは、UNIT3のように自分で考えて0から英文を作るのではなく、広告の情報を基に問題に答えます。
そのため、正しい英語表現で、そして正しい情報を他者に伝えることができるのかを測定されます。
このUNIT4からは少しずつ問題のレベルが上がっていきます。
UNIT5:解決策の提案
UNIT5は、あなた自身がコールセンターのオペレーターになったつもりで質問に答える問題です。
例えば
「郵送した荷物が届いていない」
「カードが使用できない」
など、何らかのトラブルに対しオペレーターとして、どんな悩みを抱えているのか理解に努めながら、解決策を提示します。
解決策を提示するのというと、すごく難しい印象を抱いてしまいますが、解決策自体の精度が求められているのではありません。
そうではなく、オペレーターとして状況を理解していて、その状況に関連した簡単な解決策を提示できるかです。
UNIT6:意見を主張する問題
ここは、質問された内容に対してあなたの考えを主張し、その理由も踏まえて論理的に答えきる問題です。
例えば、「少子高齢化が進んでいる日本社会に対してどう思うか」などの質問に対して、
「私はこうすべきだと考えている」
なぜなら、「理由➀」「理由②」「理由➂」
だから、私はこうすべき。
この流れで、主張するだけなので、慣れればやりやすいと思います。
TOEIC SW writing
ここからはライティング問題について解説していきます。
改めてお伝えしますが、問題数は8問です。
UNIT7:写真問題
画面に表示された写真を見て、指定された2つの英単語を使いながら写真を描写する問題です。
ここでの評価ポイントは、正しく写真の描写をライティングできているのか、また文法表現や英単語は適切なのかどうか。
UNIT7はそこまで難しくないので、確実に正解しておきたいですね。
UNIT8:Eメール問題
画面にあなた宛に送られたとするEメールが表示されるので、内容を理解して、正しい返信文を考えてライティングしていきます。
このメール問題でも求められるポイントは、UNIT7と同じで正しい文法と英単語を駆使してライティングできているのかです。
またそれに加えて、メールの返信内容として妥当性があるかどうかです。
UNIT9:意見を記述
最後の問題です。
画面に表示された質問に対して300文字程度でライティングしていく問題。
例えば
「仕事を見つけるためには、新聞、SNS、求人広告何を使えばいいのか」
などの社会的問題が出題され、それに対してあなたの考えとその理由を述べていきます。
基本的に
「あなたの主張」
→「その理由」
→「あなたの主張」
という構成で作ればいいのですが、質問される問題自体が少し難しいです。
TOEIC SW speakingへの対策・勉強法と参考書
では、TOEIC SW speakingの勉強法について解説していきます。
ステップ1 文法習得
先ほどまで解説していた、問題傾向の箇所を見れば分かると思いますが、TOEIC SWで求められているスピーキング力は「基本的な受け答えができているのかどうか」です。
ですから、まずは簡単にでもいいので英語表現できるようにすることが大切になります。
しかし、そのためには英文法自体の理解が必要です。
そこで、「1億人の英文法」を使って英文法を習得しましょう。
また、この1億人の英文法の良いところはただ退屈で難解な文法書ではなく、英会話に活かすための英文法が学べる画期的な本です。
言い方を変えれば、1億人の英文法で習得した知識はそのまま英会話で使えるので、かなり勉強効率が良く、おすすめです。
ステップ2 瞬間英作文
瞬間英作文は、英会話においても反射的に英文を作れ受け答えの速度を高めるための勉強法です。
英文法力をつけた上で、この瞬間英作文をしっかりやると最低限度の英会話力は身に付きますので、英会話なんてお手上げだ…って人は
1億人の英文法→瞬間英作文
の順番で勉強するようにしてください。
瞬間英作文の詳しいやり方については「瞬間英作文が英会話に効果的な理由と最短最速で伸ばすやり方とは!」で、かなり詳しく解説しましたので読んでみてください。
ステップ3 発音向上
発音書「英語耳」を使って、発音を磨きましょう。
私もこの「英語耳」のやり方を参考にして、発音へたくそな状態から、ある程度ネイティブにも通用するレベルにまで到達することができました。
本書は、「発音記号を通して発音の基礎を学ぶ」
→「洋楽や英語スピーチを通して発音習得」
という構成で学習します。
学習には最低でも3カ月くらいかかりますし、正直ハードではありますが、ここは頑張りましょう。
ステップ4 TOEIC SW speakingの練習アプリ
ここからは実践編です。
ステップ1,2,3をしっかりやれば英会話の土台は完成しているので、後はスタディサプリで英会話の実践をしましょう。
スタディサプリは、スマホ1台で英会話トレーニングができるアプリです。
「スタディサプリEnglish日常英会話【実際の効果検証】口コミ評判も」の記事で詳しく解説していますが、私の英会話力はこのスタディサプリEnglishによって培われたと言っても過言ではないくらいの質。
ステップ5 過去問演習
最後はこちらのTOEICSW過去問を使って、実践してみてください。
基本的な勉強法は以上の5ステップになります。
<まずは英会話の土台を作るため>
- 1億人の英文法で文法をインプット
- 瞬間英作文で基礎英会話力をつける
- 英語耳で正しい発音を学ぶ
<英語を実践の中で使うため>
- スタディサプリEnglishでアウトプット
- TOEICSWで実践練習
この流れで勉強すれば、TOEICSWのスピーキングは問題ないレベルになります。
TOEIC SW writingの対策・勉強法と参考書
最後にTOEIC SW writingの勉強法について解説してまいりますが、ライティングもスピーキングも英語をアウトプットするという点においては同じです。
逆に言えば唯一違うのは、あなたが考えた英語を声に出すならスピーキングですし、紙に書くならライティングになります。
つまり、自分で英文を1から考える所はスピーキングと同じなので、勉強法も一部スピーキングと共通しています。
では、具体的にどこが共通している部分なのかというと
「1億人の英文法でのインプット」と「瞬間英作文」です。
この2つは、自分で英語をアウトプットするための土台に当たる部分ですので、まずは「1億人の英文法」と「瞬間英作文」をしっかりやるようにしましょう。
徹底的に問題演習を繰り返す
「1億人の英文法」と「瞬間英作文」をしっかりこなしていれば、基本的な英文は既に作れるレベルに到達しています。
そこからは、TOEIC SW専用の問題集を使用して、ひたすら英作文の実践をしていきましょう。
そこで、おすすめするのが「TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策」と「頂上制覇 TOEICテスト スピーキング/ライティング 究極の技術」です。
これらの問題集は、ライティングに限らずTOEICSWの基礎的な部分を勉強できる問題集であり、解答テクニックも学べます。
ですので上記2冊を行い、基礎学習とテクニック習得が終わったら、後は「TOEICテスト スピーキング/ライティング 完全模試」を使って、ガツガツ問題をやりこみましょう。
問題を解いていくなかで、
「どうしても、この英文が作れない…」
なんて事態になった場合、その原因の大半は、英文法の知識が足りないだけなので、そしたら「1億人の英文法」で文法知識を再インプットするようにしましょう。
これを繰り返すだけで、表現できない英文はなくなります。
おわりに
今回の記事ではTOEIC SW試験の概要やその勉強法について解説してきました。
何度もお伝えしていますが、スピーキングでもライティングでもポイントは英語をアウトプットするための基礎力がしっかり備わっているかどうかです。
ですので、そのためにまずは「1億人の英文法」と「瞬間英作文」で土台を作ること。
そして、アウトプットを行いながら問題傾向に慣れていき、間違えた箇所があれば再度知識をインプットしていく。TOEIC SWの勉強は常にこの流れです。
また、TOEIC speaking writingは就職・就活にも有利と言われています。
ぜひ、実践してみてください。