単語ノートは、英単語や漢字、資格試験の用語などを「自分専用」にまとめるための道具です。
ちゃんと作れば、TOEICや受験のスコアアップに直結しますが、やり方を間違えると「作るだけで満足して終わるノート」になってしまいます。
この記事では、カード・ノート・ルーズリーフ・市販単語帳・アプリなど、さまざまな形式を比較しながら、あなたに合う単語ノートの選び方と、覚えやすい作り方・続け方を具体的に解説します。
- 単語ノート・単語帳・単語カードの違いと役割分担がわかる
- 目的別に最適な形式(カード/ノート/ルーズリーフ/アプリ)が選べる
- 覚えやすい単語ノートの書き方・レイアウト・文房具の工夫がわかる
- 続けやすい復習サイクルと整理方法・挫折しないルールが身につく
単語ノートの種類と選び方
最初の章では、「単語ノート」と聞いて多くの人がイメージする道具を整理します。
カード型・ノート型・ルーズリーフ型・市販単語帳・アプリなど、それぞれの違いとメリット・デメリットを押さえると、自分に合う1冊(1セット)が選びやすくなります。
単語ノートと単語帳の違い
まずは用語の整理から始めます。ここでは、次のように区別して話します。
よくある組み合わせ方は、「市販単語帳+自作英単語ノート」です。
市販単語帳で語彙の全体像をつかみ、そこから「知らなかった単語」「何度見ても覚えられない単語」だけを、自分の英単語ノートに転記していきます。
このやり方なら、ノートは苦手語だけの「弱点辞書」になります。単語帳を全部覚えようとするより、復習の効率が大きく上がります。
形式別の特徴とメリデメ
代表的な形式を、特徴とメリット・デメリットで整理します。
| 形式 | 主な特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 単語カード(リング式) | 小さなカードをリングで束ねる。1枚1〜数語。 | 携帯しやすい/並べ替え・取外しが簡単/苦手だけ残せる | 書ける情報が少ない/なくしやすい/量が増えると管理が大変 |
| 細長い単語ノート(スパイラル) | 174×75mmなどの縦長ノート。左右に単語と意味を書く。 | コンパクト/1冊にまとまる/片側を隠してテストしやすい | ページ順の入れ替え不可/分野ごとの整理はやや苦手 |
| 普通のノート(B5/A5) | 横罫や方眼の一般的なノート。 | 情報をたくさん書ける/どこでも買える/学習履歴が残る | 途中の挿入・並べ替えがしにくい/冊数が増えるとかさばる |
| ルーズリーフ(単語罫など) | バインダーに入れる穴あき用紙。単語専用罫もある。 | 差し替え自由/分野別に整理しやすい/必要ページだけ持ち歩ける | バインダーがかさばることがある/穴が破れやすい |
| 市販単語帳 | 単語・意味・例文が印刷された本。 | 必要語彙がまとまっている/レベル別で選びやすい | 自分には簡単すぎる・難しすぎる場合がある/全部覚えようとすると重い |
| アプリ・Webサービス | スマホで単語を登録・復習。 | スキマ時間に便利/自動で復習間隔を管理してくれるものもある | 手を動かさないので記憶に残りにくい人もいる/画面上だと一覧性が低いことも |
たとえば、通学電車で立ったまま覚えたい人には、コクヨ「キャンパス単語帳」などの細長いスパイラルノートや、リング単語カードが向きます。
じっくり書き込みたい人には、マルマンの「B5スパイラルノート単語罫」のような、単語専用罫入りのリングノートやルーズリーフが便利です。
どの形式にも一長一短があるので、「覚える場面」と「書きたい情報量」で選ぶのがポイントです。
目的別のおすすめ形式
目的やレベル別に、おすすめの形式を整理します。
受験やTOEICなどで必要な語彙数の目安は、たとえばTOEIC600点で約5,000語、700点で約7,000語とも言われています(出版社や教材によってばらつきあり)。
この量を全部「自作ノートだけ」でカバーしようとすると、ほぼ確実に挫折します。
そのため、基礎〜頻出語は市販単語帳に任せて、ノートやカードには「苦手語だけ」を集約するのがおすすめです。
TOEICなどの必要語彙の考え方は、たとえば公益財団法人などが公開しているデータや、大学の英語教育センターの記事が参考になります。語彙レベルの目安をつかみたいときは、大学の語学センターなど信頼できる情報も合わせて見ると安心です(例:東京外国語大学 語学教育関連ページ など)。

覚えやすい単語ノートの作り方
形式を決めたら、次は「中身の作り方」です。
ここでは、何を書けばよいか、どこまで書けば十分か、レイアウトや文房具の工夫まで、実際の書き方を具体的に見ていきます。
基本フォーマットと書く内容
英単語ノートに書く情報は、多ければ多いほどよいわけではありません。
最初は、次の3〜4点にしぼるのがおすすめです。
たとえば、B5ノート1ページを縦に線を引いて2分割し、左に「英単語+発音」、右に「日本語の意味+例文」を書く形です。
例:
左:
book /bʊk/
右:本 I read a book every night.
この程度でも、単語だけを見るよりずっとイメージしやすくなります。
最初から類義語・語源・派生語などを全部書こうとすると、時間がかかりすぎて続かなくなるので、まずは「単語+意味+1例文」から始めて、余裕が出てきたら情報を足す形が現実的です。
漢字や資格用語でも同じで、「読み+意味+1例文(または使う場面)」にしぼると、覚えやすくなります。
情報を絞るコツとNG例
単語ノートが続かない人の多くは、情報を盛りすぎています。
次のようなパターンは、一度見直した方がよいケースです。
こうしたノートは、作っている間は満足感がありますが、復習しにくく、長続きしません。
目安として、1語あたり30〜60秒以内で書ける量におさえると、毎日コツコツ続けやすくなります。
反対に、NGなのは「単語と日本語訳だけを、だらだらと縦に並べる」形です。
これだと市販単語帳とあまり変わらず、「自分で作る意味」が薄くなります。最低でも、発音か例文のどちらかは書きたいところです。
どうしても時間がない日は、「単語+意味」だけにしておき、あとから余裕のあるときに例文やメモを足すという運用でも大丈夫です。「完璧なノート」より、「続くノート」を優先しましょう。
レイアウトと文房具の工夫
レイアウトと文房具を少し工夫するだけで、暗記効率は大きく変わります。基本のポイントは次の3つです。
左右で隠せる配置は、普通のノートでもできます。ページを縦半分に折って線を引き、「左:英語」「右:日本語」と決めて書きます。
復習時は、右側だけ手や紙で隠しながら、左の英語を見て意味を答える練習をします。逆方向(日→英)も同じようにできます。
市販の「単語罫ノート」や「暗記ノート」には、あらかじめ単語と意味を分けて書きやすい罫線や、赤シートで隠せる印刷が入っているものもあります。マルマンの「スマートレビュー」シリーズや、コクヨの「キャンパス単語帳」などが代表例です。
こうした専用罫線ノートは、書き方を自分で考えなくてよいので、すぐに学習を始められるメリットがあります。
また、色ペン・マーカーは使いすぎないのがコツです。
おすすめは、次のように「役割を決めて使う」ことです。
・赤:まだ覚えていない単語に丸をつける
・青:まあまあ覚えているが不安な単語に下線
・緑:完全に覚えた単語にチェック
こうしておくと、見返したときに「今日どこを復習すべきか」が一目でわかり、勉強時間を効率よく使えます。
紙質やリングの種類も、意外と大事です。書き心地やにじみにくさは、メーカーの学習ノート紹介ページなどで詳しく説明されています(例:コクヨ「キャンパス」シリーズ紹介ページ)。こうした情報も参考にしながら、自分がストレスなく書けるノートを選んでください。

単語ノートの復習と活用法
単語ノートは、書いたあとが本番です。
この章では、効率のよい復習サイクルと、単語ノートをアウトプットにつなげる方法、紙とアプリの組み合わせ方を解説します。
復習サイクルとチェック法
単語は、「忘れかけたころにもう一度思い出す」ことで長く覚えられます。
目安として、次のような復習サイクルがよく使われます。
毎回、新しく書いたページだけでなく、「前に書いたページの一部」も一緒に見るイメージです。
このとき、前章で決めた色分けルールが役に立ちます。
・赤丸:完全に覚えていない → 優先的に復習
・青線:あいまい → 余裕があればもう一度チェック
・緑チェック:ほぼ大丈夫 → 時々まとめて見直すだけ
ページの右端に小さなチェック欄を作り、「復習した日」をメモする方法もおすすめです。
たとえば、ページのはしに「1/10・1/11・1/14・1/21・2/10」のように日付を書いておくと、どのくらい間をあけて復習できているか一目でわかります。
単語カードを使う場合は、「覚えたカードを後ろに回す」「完全に覚えたら束から外す」といった工夫で、自然に復習回数が調整できます。
アウトプットへのつなげ方
単語ノートは、ただ見るだけでは不十分です。覚えた単語を「自分から使ってみる」と、記憶が一気に安定します。
アウトプットの方法として、次のようなものがあります。
たとえば「negotiate(交渉する)」という単語を覚えたら、次のような短文を書いてみます。
I negotiated the price with the seller.
(私は売り手と値段を交渉しました。)
実際に声に出して読んでみたり、AI英会話アプリで話してみたりすると、「この場面ではこう言うのか」と体で覚えられます。
TOEICや受験勉強でも、模擬試験や過去問の復習時に、間違えた問題の単語をノートに書き足しつつ、自分で例文を作ると、同じミスをくり返しにくくなります。
重要なのは、「ノートにある単語を、1日1語でも実際に使ってみる」という小さな習慣を作ることです。
紙とアプリの組み合わせ
紙のノートとアプリには、それぞれ強みがあります。両方をうまく組み合わせると、暗記のスピードと定着率を高められます。おすすめのパターンは次の通りです。
たとえば、「スマ単」のようなノート+アプリ連携タイプでは、紙に書いたページをスマホで撮影すると、自動で単語カード化されます。
これなら、「書いて覚える」と「スキマ時間にスマホでテストする」の両方を一度にできるので、時間を有効に使えます。
また、AI英会話アプリを使えば、ノートの単語を会話の中で試す場として活用できます。
文法があやふやでも、AIが意図をくんで正しい表現を教えてくれるタイプのアプリなら、初心者でも挑戦しやすいです。
紙とデジタルのどちらか一方にしぼる必要はありません。
「書くときは紙、テストや会話練習はアプリ」というように、役割を分けて使うのが、現代の単語学習ではとても効率的です。

継続と整理のコツとQ&A
最後の章では、「続かない」「ノートが増えすぎて困る」といった悩みを解決します。
挫折しないルール作りや、増えた単語ノート・単語カードの整理方法、よくある質問への答えをまとめました。
挫折しない運用ルール
単語ノートが続かない最大の原因は、「最初にがんばりすぎる」ことです。
次のようなシンプルなルールを決めておくと、長く続けやすくなります。
たとえば、「平日は毎日3語だけ」「休日は5〜10語まで」と決めてしまえば、「時間がないから今日はやめよう」となりにくくなります。
また、「ノートをきれいに書くこと」は目的ではありません。むしろ、多少ぐちゃぐちゃでも、その分速く書いてたくさん復習できる方が、点数アップには近道です。
どうしても続かない場合は、「週に2〜3日だけ単語ノートの日を作る」「テスト前の2週間だけ集中的に使う」など、期間や頻度をしぼるのも一つの方法です。
増えた単語ノートの整理法
勉強を続けていると、ノートやカードがどんどん増えていきます。
ここでは、整理の基本ルールを紹介します。
単語カードの場合は、カードリングや小さなケース・ポーチを使い、
「未習得」「要復習」「ほぼOK」の3つに束を分けておくと、持ち運びと整理が楽になります。
ルーズリーフを使うなら、バインダーの中を次のようなタブで区切るのがおすすめです。
・頻出単語
・苦手単語
・試験別(中間テスト・期末テスト・模試など)
使わなくなった古いノートは、すぐ手の届かない棚や箱にまとめて保管し、机の近くには「今使っている1〜2冊だけ」を置くようにすると、勉強スペースがすっきりします。
必要なときに見返せればよいので、すべてのノートを常に机の上に置いておく必要はありません。
よくある疑問と回答
最後に、単語ノートに関してよくある質問にまとめて答えます。
A. 基礎や頻出語を広くカバーしたいなら、市販単語帳が土台です。
単語ノートは、「その中で覚えにくかった単語」「テストで間違えた単語」だけを集める補助ツールと考えると、効率がよくなります。
A. 最初は「自分が意味をイメージできる1文」で十分です。
教科書や市販単語帳の例文をそのまま写してもよいですし、自分で短い文を作ってもかまいません。長く難しい文を書く必要はありません。
A. 手を動かした方が覚えやすい人は紙、スキマ時間を最大限使いたい人はアプリとの相性がよいです。
ただ、多くの場合は「紙で書いて覚える+アプリでテストする」という組み合わせが最も効果的です。
A. すべてをノートに書き出す必要はありません。
TOEIC600点で約5,000語、700点で約7,000語が目安と言われる中、ノートに書くべきなのはそのうちの「苦手でよく間違える数百語〜1,000語程度」と考えた方が現実的です。

総括
最後に、この記事の内容を一気に振り返ります。単語ノート作りで迷ったときは、ここだけ読み返してもOKです。
単語ノートは、「自分だけの弱点辞書」を作る作業でもあります。
今日からまず1ページ、3語だけでよいので、自分の単語ノートを始めてみてください。その一歩が、受験やTOEICの点数アップ、そして実際に使える語彙力につながっていきます。
