「英語はほぼゼロ。学生時代も苦手だった。でも社会人になって必要になってきた…」。
そんな人が、今からでもムリなく英語をやり直す一番現実的な方法が、スマホアプリを軸にした学習です。
ただし、やみくもにアプリを入れても、続かなかったり、遠回りになったりします。
この記事では、英語ゼロからでも迷わないように、ゴール設定・ロードマップ・アプリの選び方と組み合わせ・忙しい社会人向けの具体的な勉強モデルまでを、順番に整理します。
- 「英語ゼロから」が意味するレベルと、まず目指すべきゴールがわかる
- ゼロから話せるようになるまでの学習ステップと必要時間の目安がわかる
- 目的別のアプリの選び方と、「メイン1+サブ2」の現実的な組み合わせ例がわかる
- 忙しい社会人でも続けられる1日の学習モデルと、挫折しにくい工夫がわかる
社会人が英語ゼロから目指すゴール
最初に、「ゼロからどこを目指すのか」を決めておくと、アプリ選びも学習計画もブレません。
この章では、出発点・最初のゴール・アプリで届く範囲と限界を整理します。
英語ゼロからの出発点を定義
この記事でいう「英語ゼロから」とは、次のような状態を指します。
ここからやり直す場合、まず固めるべきは次の3つです。
中学レベルの文法・基礎単語・基本の発音です。
これは、NHKなどの学習サイトでも繰り返し言われている王道の考え方です。たとえば、NHKの語学学習サービスでは、中学生向けの「基礎英語」シリーズでこの3つをバランスよく扱っています(参考:NHKゴガク公式サイト)。
最初の目安としては、
・中学3年間の文法
・よく使う単語2,000〜3,000語
・カタカナ発音から脱出し、通じるレベルの発音
ここまで行けば、「日常会話の土台」ができたと考えてよいです。
まず目指すべき到達レベル
多くの社会人にとって、最初のゴールは次のどれかになります。
共通して必要なのが、
中学文法の理解+3,000語前後の語彙+簡単なフレーズを自分で声に出せることです。
時間の目安としては、
・毎日30〜60分の学習を6〜12か月続ける
・総学習時間300〜500時間ほど
で、このラインに届く人が多いです(もちろん個人差はあります)。
ここまでは、アプリ中心の学習でも十分に狙えます。
アプリ学習で届く範囲と限界
アプリだけでどこまで行けるのかも、最初に知っておきましょう。
アプリ中心で十分狙えるレベルは、だいたい次の通りです。
総合アプリ+単語アプリ+発音/会話アプリを組み合わせれば、文法・語彙・リスニング・スピーキングの基礎は、かなりのところまで伸ばせます。
一方で、アプリだけでは限界もあります。たとえば、
・長いビジネスメールを0から書く力
・英語でのディスカッションや交渉
・専門分野(IT・金融など)の深い話
ここまで行くには、
・紙の専門書やニュース記事での多読
・オンライン英会話や実際の会議での実戦練習
など、「生の英語」との接触が必要です。
つまり、アプリは土台づくりと基礎〜中級レベルの加速装置と考え、「ある程度まで行ったら実戦も足す」というイメージを持つとよいです。

ゼロから話せるまでの学習ロードマップ
次に、「何から・どの順番で」学べばいいかを、ステップごとに整理します。
ここで紹介するロードマップに沿ってアプリを選べば、無駄な回り道を減らせます。
基礎単語と中学文法の固め方
最初の2〜3か月は、インプット中心でOKです。
特に、
・中学英文法(be動詞/一般動詞/疑問文/時制/助動詞/不定詞など)
・よく使う単語1,000〜2,000語
を一気に押さえると、その後がとても楽になります。
やることの順番は、次のイメージです。
中学文法を学び直すには、Try ITなどの無料動画アプリや、ゲーム感覚で解ける「早打ち英文法」などが使いやすいです。
単語は、mikan のような反復型アプリと相性が良いです。反復機能があるアプリを使うと、忘れたころに自動で出してくれるので効率的です。
目安としては、
・文法:中学3年間分を1回さらっと終える(完璧でなくてOK)
・単語:3か月で延べ3,000〜5,000語に触れ、そのうち1,000〜1,500語は「見てすぐわかる」状態
このくらいの土台ができると、簡単なニュースや会話フレーズが理解しやすくなります。
発音とリスニングの土台作り
次に大事なのが、発音とリスニングです。
多くの人が「読む文法」から入ってしまいますが、発音を後回しにすると、
・自分の英語が通じない
・相手の英語も聞き取れない
という壁にぶつかりやすくなります。
発音・リスニングのステップは、次の流れがおすすめです。
ELSA Speak や「英語発音トレーニング」などのアプリは、AIが音を細かくチェックしてくれるので、自分では気づかないクセを修正しやすいです。
リスニングは、NHKゴガクやポケット語学のような「15分完結レッスン」を毎日1本聞くやり方が続けやすいです。
発音をきちんとやると、リスニング力も一緒に伸びます。最初の3か月で、毎日10分でも発音練習を入れておくと、その後の伸びが大きく変わります。
アウトプット開始と強化の流れ
「話す」練習は、基礎インプットをある程度やったら、できるだけ早く始めます。
完璧になるのを待っていると、いつまでも話す練習に進めません。
おすすめのアウトプットの段階は、次の通りです。
特に段階3では、AI英会話アプリ(スピークバディ、Talkful、ELSAの会話機能など)が役に立ちます。
AI相手なら、
・間違えても恥ずかしくない
・時間や場所を選ばない
・何度でも同じフレーズをやり直せる
というメリットがあり、初心者にとって良い練習台です。
最初は、「自己紹介」「趣味」「仕事の内容」など、自分がよく話すテーマから始めると、実際の会話にもつながりやすいです。

英語学習アプリの選び方と組み合わせ
次は、具体的なアプリの選び方と、「メイン1+サブ2」の組み合わせ方です。
アプリの役割を知り、自分の目的に合うものを絞れば、迷いが減り、学習が続きやすくなります。
アプリの種類と役割を整理
英語学習アプリには、大きく分けて次の種類があります。
| 種類 | 主な役割 | 代表的なアプリ例 |
|---|---|---|
| 総合型 | 文法・単語・リスニングなどをまとめて学ぶ | スタディサプリENGLISH、Duolingo、レシピー |
| 基礎特化(文法・単語) | 中学文法や語彙を集中的に鍛える | Try IT、早打ち英文法、mikan、ターゲットの友 |
| 会話・発音特化 | スピーキング・発音・会話の瞬発力を鍛える | AI英会話スピークバディ、Talkful、ELSA Speak |
| 試験特化 | TOEICや英検などの点数アップ | スタディサプリTOEIC、Santaアルク |
| 動画・ニュース型 | ニュースや動画で「生の英語」をインプット | VoiceTube、TED、NHKゴガク |
ゼロからの社会人は、まず、
・総合型 or 基礎特化から1つ(メイン)
・会話・発音特化から1つ(サブ)
・単語特化 or ニュース型から1つ(サブ)
という構成にすると、バランスがよくなります。
目的別の最適アプリの見極め方
アプリは「目的」と「今のレベル」で選びます。
次のように考えると、必要な種類が見えやすくなります。
どの目的でも共通して大事なのは、「レベルチェック機能」があるアプリを選ぶことです。
多くの総合型・試験特化アプリには、最初にテストをしてくれる機能があり、自分のスタートラインを確認できます。
また、日本人の英語学習者に向けたカリキュラムがあるかどうかもポイントです。たとえば、学研の社会人向け学び直しサービスでは、日本人がつまずきやすいポイントを踏まえた教材設計が紹介されています(参考:学研リスキル公式サイトの記事)。こうした情報も、アプリ選びのヒントになります。
メイン1+サブ2のモデルケース
ここからは、ゼロからの社会人に現実的な「メイン1+サブ2」モデルをいくつか挙げます。
大事なのは、「メインアプリは1つに絞る」ことです。
メインは、毎日必ず開くアプリ。サブ2つは、
・スキマ時間に短時間だけ使う
・特定スキル(単語・発音など)を補強する
という位置づけにします。
アプリを5つも6つも並行して使うと、復習が回らなくなり、どれも中途半端になりがちです。「メイン1+サブ2」を基準に整理しましょう。

忙しい社会人向け実践法と注意点
最後に、仕事で忙しい社会人が、現実的に続けられる勉強法と注意点をまとめます。
ここを押さえておけば、「アプリを入れただけで終わる」状態を避けられます。
スキマ時間の一日学習モデル
社会人が現実的に確保しやすいのは「連続1時間」ではなく、
・通勤15分×2回
・昼休み15分
・寝る前15分
のようなスキマ時間です。
アプリ学習は、このスキマにぴったり合います。1日のモデルを例にすると、次のようなイメージです。
これだけで、1日合計60分の勉強時間になります。
「毎日60分」と聞くと大変そうですが、「15分×4回」なら現実的に感じられるのではないでしょうか。
ポイントは、
・時間帯とやる内容をセットに決めておく
・スマホを触る前に「まず英語アプリ」の習慣をつくる
ことです。
無料と有料アプリの使い分け
お金の面も気になるところです。
結論から言うと、
最初の1〜2か月は無料中心で試し、その後「続けられそう」と感じたアプリにだけ有料課金するのがおすすめです。
無料アプリ/無料プランのメリットは、
・コストゼロで気軽に試せる
・複数アプリを比較しやすい
デメリットは、
・コンテンツ量や機能に制限がある
・広告が多く、集中が切れやすい場合もある
一方で有料アプリのメリットは、
・コンテンツを制限なく使える
・発音採点・AIカリキュラム・学習記録など、高機能が使える
・お金を払うことで「元を取りたい」という心理が働き、継続動機になる
多くの有料アプリは、月1,000〜3,000円台です。英会話教室に比べるとかなり低コストで、「自己投資」としては現実的なラインと言えます。
目安としては、
・毎日使うメインアプリ:有料も検討
・サブの単語・リスニング:まずは無料中心
というバランスにすると、費用対効果が高くなります。
挫折しやすい落とし穴と回避策
最後に、アプリ学習でありがちな「失敗パターン」と、その防ぎ方をまとめます。
※「聞き流し」自体が悪いわけではありませんが、基礎力がない段階で長時間聞いても、効果は限定的です。短い音声を集中して何度も聞く方が効率的です。
また、アプリだけでは鍛えにくい、「書く力」「長文読解」は、
・簡単な英語日記アプリやSNSでの英語投稿
・紙の文法書で例文を書き写す
・やさしい英語ニュースや多読本を読む
などで少しずつ補っていくと、バランスの良い力がつきます。


