英語の形容詞は、「人・物・こと」がどんな状態かをくわしく説明する、とても大事な品詞です。
ですが、「形容詞と副詞の違い」「どこに置くか」「OSASCOMP という語順」など、まとまっていないと混乱しやすいところでもあります。
この記事では、文法書でバラバラに説明されがちなポイントを一つにまとめ、例文と一緒に整理します。
中学〜高校レベルの英語をベースにしているので、学校英語の復習にも、英会話や試験対策にもそのまま使えます。
- 英語の形容詞の役割と、副詞との違いがはっきり分かる
- 限定用法・叙述用法や SVC/SVOC の形を例文つきで理解できる
- OSASCOMP の語順で、自然な名詞句を自分で作れるようになる
- 場面別の頻出形容詞と、副詞化ルール・学習のコツを押さえられる
英語の形容詞の基本と副詞との違い
まずは「形容詞とは何か」「副詞と何が違うのか」をおさえます。ここをはっきりさせると、その後の用法や語順も理解しやすくなります。代表的な語尾パターンや、形が同じで見分けにくい語もあわせて整理します。
形容詞の定義と役割
結論から言うと、形容詞は「名詞の性質・状態・属性を表し、その名詞を説明する品詞」です。
名詞が「どんな人・物・ことか」をくわしくする働きがあります。
日本語で言うと、
と考えるとイメージしやすいです。
英語では、次のように使います。
-
英語:This is a big house.
日本語:これは大きな家です。 -
英語:She is very kind.
日本語:彼女はとても親切です。 -
英語:It was a difficult question.
日本語:それは難しい質問でした。
どの例でも、形容詞は「house, she, question」といった名詞(や名詞の働きをする語)について、その性質や状態を説明しています。
辞書的には「名詞を修飾する語(a word that qualifies nouns)」と定義されますが、まずは「名詞に“どんな?”を足す語」と考えると理解しやすいです。
形容詞と副詞の違い
形容詞とよくセットで出てくるのが副詞です。両方とも「何かをくわしくする語」ですが、修飾する相手が違います。
基本ルールは次のとおりです。
| 品詞 | 主な役割 | 修飾するもの | 例 |
|---|---|---|---|
| 形容詞 | 名詞の性質・状態を説明する | 名詞 | a beautiful flower, a difficult exam |
| 副詞 | 動きや程度、文全体の様子を説明する | 動詞・形容詞・副詞・文全体 | run quickly, very beautiful, fortunately |
つまり、名詞を説明していれば形容詞、それ以外(動詞・形容詞・副詞・文全体)を説明していれば副詞と考えて良いです。
例文で比べてみましょう。
-
英語:He is a good student.
日本語:彼は良い生徒です。
(good は「student」という名詞を説明 → 形容詞) -
英語:He studies well.
日本語:彼はよく勉強します。
(well は「studies」という動詞を説明 → 副詞) -
英語:The movie was very interesting.
日本語:その映画はとても面白かった。
(interesting は movie を説明する形容詞、very は interesting を説明する副詞)
多くの副詞は「形容詞 + ly」で作られますが、すべてではありません。fast, hard などは形容詞と副詞が同じ形なので、意味と文の中での役割から判断します。副詞の作り方については、後半の「副詞化と綴り変化ルール」でくわしく説明します。
副詞形成の一般的なルールは、英語学習サイトの EF Education First Japan の解説 でも確認できます。
語尾と同形語のパターン
次に、「これは形容詞っぽい」と判断しやすくなる語尾パターンと、形容詞と副詞が同じ形の単語をまとめます。単語帳を見たときに、「これは形容詞」「これは副詞」と感覚で分かるようになるのが目標です。
形容詞になりやすい代表的な語尾には、次のようなものがあります。
また、動詞や名詞に -ed / -ing がついて形容詞として使われることも多いです。
-
英語:I am tired.
日本語:私は疲れています。(動詞 tire から来た形容詞) -
英語:It was an exciting game.
日本語:それはわくわくする試合でした。(動詞 excite から来た形容詞)
いっぽうで、「形容詞にも副詞にもなる同形語」にも注意が必要です。代表的なものは次のとおりです。
例を見てみます。
-
英語:This is a fast car.
日本語:これは速い車です。(fast=形容詞、car を説明) -
英語:He drives fast.
日本語:彼は速く運転します。(fast=副詞、drives を説明) -
英語:I was late for work.
日本語:私は仕事に遅れました。(late=形容詞、I の状態) -
英語:The train arrived 10 minutes late.
日本語:その電車は10分遅れて到着しました。(late=副詞、arrived を説明)
このような語は、「どの単語を説明しているか」で品詞を判断します。形だけではなく、文の中での役割を見ることが大切です。

形容詞の位置と用法ルール
次に、形容詞を文のどこに置くかという「位置」のルールを整理します。ポイントは、限定用法(名詞の前)と叙述用法(be 動詞などの後ろ)の2つです。あわせて、SVC・SVOC の基本形と、置ける位置が決まっている形容詞も見ていきます。
限定用法と叙述用法
形容詞の使い方は、大きく「限定用法」と「叙述用法」に分かれます。
意味の違いというより、位置と役割の違いをおさえるイメージです。
1つずつ見ていきます。
① 限定用法(attributive use)
限定用法では、形容詞は名詞の前に置かれ、「どの〜か」をしぼりこみます。
形:形容詞 + 名詞
例:
-
英語:a small cat
日本語:小さな猫 -
英語:an old temple
日本語:古い寺 -
英語:hot weather
日本語:暑い天気
また、something / anything / nothing など「-thing, -one, -body」で終わる語を修飾するときは、名詞の後ろに置くのが基本です。
-
英語:I want something cold.
日本語:何か冷たいものが欲しいです。
② 叙述用法(predicative use)
叙述用法では、形容詞は be 動詞や look, feel などの後ろに置かれ、主語の状態を「〜である」と述べます。
形:主語 + 動詞 + 形容詞
例:
-
英語:The food is delicious.
日本語:その食べ物はおいしいです。 -
英語:I am tired.
日本語:私は疲れています。 -
英語:She looks happy.
日本語:彼女はうれしそうに見えます。
限定用法と叙述用法は、同じ形容詞でも使い方が変わるだけで、基本的な意味はあまり変わりません。ただし、のちほど紹介する present, certain, late など、一部は用法で意味が変わるので注意が必要です。
SVCとSVOCの基本型
叙述用法をより正確に理解するには、文型 SVC/SVOC の中での形容詞の役割を見るのが近道です。
① SVC 型(主語=形容詞)
SVC 型では、C(補語)の位置に形容詞が入り、主語の状態を説明します。
S と C は「=(イコール)」の関係です。
形:S + V + C(形容詞)
-
英語:He is smart.
日本語:彼は頭がよいです。(He = smart) -
英語:The room became quiet.
日本語:部屋は静かになりました。(The room = quiet) -
英語:You look tired.
日本語:あなたは疲れているように見えます。(You = tired)
be 動詞のほかに、look, seem, feel, become, get などもよく一緒に使われます。
② SVOC 型(目的語=形容詞)
SVOC 型では、C が O(目的語)の状態を説明します。
O と C が「=」の関係です。
形:S + V + O + C(形容詞)
-
英語:I found the movie interesting.
日本語:私はその映画を面白いと思いました。(the movie = interesting) -
英語:She painted the wall white.
日本語:彼女は壁を白く塗りました。(the wall = white) -
英語:They kept the door closed.
日本語:彼らはドアを閉じたままにしました。(the door = closed)
SVOC の形を見たら、「O と C をイコールで結んで意味が通るか」をチェックすると理解しやすくなります。
SVOC は入試や資格試験でもよく出るので、形とセットでよく使う動詞(find, keep, paint, make など)を覚えておくと役立ちます。
位置が限定される形容詞
形容詞の多くは、限定用法・叙述用法のどちらでも使えますが、中には「この位置でしか使えない」というものがあります。ここは試験でよく狙われるポイントなので、代表的なものだけでも押さえておくと安心です。
① 限定用法にしか使えない形容詞(名詞の前だけ)
例:
-
英語:He is my elder brother.
日本語:彼は私の兄です。 -
英語:This is my favorite book.
日本語:これは私のお気に入りの本です。
He is elder.(×) のように、叙述用法ではふつう使いません。
「年上だ」と言いたいときは He is older than me. のように、普通の比較級を使います。
② 叙述用法にしか使えない形容詞(be 動詞などの後ろだけ)
例:
-
英語:The baby is asleep.
日本語:赤ちゃんは眠っています。 -
英語:She was afraid of dogs.
日本語:彼女は犬を怖がっていました。
a asleep baby(×)、an alive man(×)のように、名詞の前には置きません。
このタイプは「a + 過去分詞」の形から来ていることが多く、「ある状態になっている様子」を表す、と覚えておくとまとまりで記憶しやすくなります。

語順OSASCOMPと意味の変化
ここでは、複数の形容詞を名詞の前に並べるときの語順ルール「OSASCOMP」と、それを使って自然な名詞句を作るコツを解説します。さらに、用法によって意味が変わる形容詞にも注意を向けていきます。
OSASCOMPの語順ルール
英語では、形容詞を好きな順に並べてよいわけではありません。
感覚的に「この順だと自然」「この順は変」と決まっていて、その目安になるのが OSASCOMP です。
OSASCOMP は、複数形容詞の並ぶ順番を次のように表したものです。
たとえば「かわいい・小さな・日本の・犬」と言いたいときは、Opinion → Size → Origin の順にして、
It’s a cute small Japanese dog.
とします。
試しに順番を変えてみると、不自然さが分かります。
a Japanese small cute dog(×) は、意味は通じてもネイティブにはかなり違和感があります。
OSASCOMP を完全に暗記しなくても、「意見 → 大きさ → 年齢 → 形 → 色 → 出身 → 素材 → 目的」というおおまかな流れは頭に入れておくと安心です。
自然な名詞句の作り方
OSASCOMP を意識しながら、実際に自然な名詞句を作るステップを確認しましょう。ここでは「日本語で言いたいこと → 英語の順に並べ替える」という流れで考えます。
例1:「このかわいい小さな赤いバッグ」
日本語の情報を OSASCOMP に当てはめると、
となるので、英語では:
This is a cute small red bag.
のように並べます。
例2:「古い大きな日本の木の家」
OSASCOMP に当てはめると、
なので、英語では:
an old big Japanese wooden house
のように並べていきます(実際の会話では、old Japanese wooden house のように、必要な情報だけ選ぶことも多いです)。
コツは、「形容詞を全部言おうとしないこと」です。
情報が多すぎて不自然なときは、Opinion と Size だけ、Size と Color だけ、など必要なものにしぼります。特に会話では、2〜3 個程度におさえると自然になります。
用法で意味が変わる形容詞
同じ形容詞でも、限定用法と叙述用法で意味が変わるものがあります。ここは誤解が生まれやすいので、代表的なものを表で整理しておきましょう。
| 形容詞 | 限定用法(名詞の前) | 叙述用法(be 動詞などの後ろ) | 例 |
|---|---|---|---|
| present | 現在の、当面の | 出席している、その場にいる | a present job / He is present. |
| certain | ある〜、特定の | 確信している、確かな | a certain person / I’m certain. |
| late | 最近の、後期の | 遅れている、遅刻した | the late 20th century / I was late. |
| right | 右の、右側の | 正しい | the right hand / You are right. |
| able | 有能な | 〜できる(be able to) | an able worker / I’m able to swim. |
例文で確認してみます。
-
英語:I met a certain doctor yesterday.
日本語:私は昨日、ある医者に会いました。(特定のだが名前は出さないニュアンス) -
英語:I’m certain that he will come.
日本語:彼が来ると私は確信しています。 -
英語:We studied the history of the late 19th century.
日本語:私たちは19世紀後半の歴史を学びました。 -
英語:I was late for the meeting.
日本語:私は会議に遅れました。
このような形容詞は、「名詞の前にあるか」「be 動詞の後ろか」で意味が変わるとあらかじめ知っておくと、読むときにも誤解しにくくなります。
長文読解などで出会ったら、ノートに「限定=〜/叙述=〜」とセットでメモしておくと定着しやすいです。

頻出形容詞リストと学習法
最後に、場面別の代表的な形容詞と、副詞化ルール、誤用しやすいポイント、効果的な学習法をまとめます。ここを押さえておけば、日常会話でも試験でも「形容詞まわり」で困る場面がぐっと減ります。
場面別の代表的形容詞
ここでは、よく使う形容詞を「感情・性格・外見・五感・ビジネス」などの場面ごとにざっと整理します。意味をなんとなく知っていても、カテゴリ別にまとまっていると記憶しやすくなります。
① 感情を表す形容詞
よく出る形:be 動詞 + 形容詞、make + 人 + 形容詞
例:I’m nervous about the test.(テストが心配です)
② 性格・性質を表す形容詞
例:She is very open-minded.(彼女はとても心が広いです)
③ 外見を表す形容詞
見た目や体型を説明するときに便利です。
例:He is tall and slim.(彼は背が高く、細身です)
④ 五感(見た目・音・味・触感・におい)を表す形容詞
例:The soup is very spicy.(そのスープはとても辛いです)
⑤ ビジネス・仕事でよく使う形容詞
TOEIC や職場のメールなどで頻出です。
例:She is a very reliable coworker.(彼女はとても頼りになる同僚です)
こうしたカテゴリ別の形容詞リストは、英語学習サイトや教材にも多くあります。たとえば、国内のオンライン英会話サービスの記事などでも大きな一覧がまとまっているので、必要に応じて参照してみてください(例:形容詞をまとめた学習用コラム など)。
副詞化と綴り変化ルール
形容詞から副詞を作るときは、基本的に語尾に -ly をつけますが、綴りが少し変化するパターンもあります。ここでは、代表的なものだけ整理しましょう。
① そのまま -ly をつけるタイプ
② 語尾が -y のとき:y → i に変えて -ly
③ 語尾が -able / -ible / -le のとき:e → y に変える
④ 語尾が -ic のとき:-ally をつける(例外あり)
ただし public → publicly のように、例外もあるので注意しましょう。
⑤ 形容詞と副詞が同じ形のもの
すでに見たように、early, fast, hard, high, late などは形容詞と副詞が同形です。
good と well だけはペアでしっかり整理しておきましょう。
-
英語:He is a good singer.
日本語:彼は歌が上手です。(good=形容詞) -
英語:He sings well.
日本語:彼は上手に歌います。(well=副詞) -
英語:I hope you get well soon.
日本語:早く良くなりますように。(well=「健康な」という形容詞の意味もある)
good / well は、試験でも会話でも非常によく出ます。「good は名詞を説明、well は動詞を説明」が基本と覚えておくと、迷いにくくなります。
典型的な誤用と学習のコツ
最後に、形容詞まわりでよくある間違いと、それを避けるための学習のコツをまとめます。
① 形容詞と副詞の取り違え
よくあるパターンは、「動詞を説明しているのに形容詞を使ってしまう」ケースです。
-
誤:He speaks very good.
正:He speaks very well.
日本語:彼はとても上手に話します。 -
誤:She drives careful.
正:She drives carefully.
日本語:彼女は注意深く運転します。
対策としては、「その単語は名詞を説明しているか?それとも動詞か?」と一度問い直す習慣をつけることです。
② 限定用法・叙述用法の制限を無視する
先ほど見た asleep, afraid などを名詞の前に置いてしまうミスです。
誤:an asleep baby → 正:The baby is asleep.
誤:an afraid boy → 正:The boy is afraid.
このタイプは数が多くないので、代表的なものを「叙述のみグループ」としてまとめて覚えてしまうのが効率的です。
③ OSASCOMP を無視した語順
a red nice dress(×)など、日本語の順で並べてしまうケースです。
→ a nice red dress(○)が自然な順になります。
学習のコツ:
たとえば「curious」という単語を覚えるとき、a curious boy(好奇心の強い少年)、I’m curious about it.(それが気になる)のように、2パターンの例文をノートに書き分けておくと、実際の会話で使いやすくなります。

まとめ
最後に、この記事で学んだ「英語の形容詞」のポイントをまとめます。復習するときや、テスト前にざっと見返すときのチェックリストとして使ってください。
これらのポイントを意識しながら、身近なものや最近あった出来事を英語で「形容詞たっぷりの文」にしてみてください。自分の感情や考えを、より細かく自然に表現できるようになっていきます。

