「get to」は中学英語で習う単語だけでできていますが、意味がとても多くて、英語学習者をよく悩ませる表現です。
場所に「着く」という意味だけでなく、「取りかかる」「〜する機会がある」「心に響く・イライラさせる」など、文脈で意味が大きく変わります。
この記事では、たくさんある意味をバラバラに覚えるのではなく、「ある地点・状態・心に到達する」というコアイメージから整理して理解できるように解説します。
会話ですぐに使える定番フレーズも多く紹介するので、読み終わるころには「get to」が一気に使いやすくなるはずです。
- 「get to」のコアイメージと主要な意味グループが分かる
- get to + 場所・名詞・動詞原形・人 のパターン別の使い分けができる
- can / arrive / start / have a chance to などとの違いが理解できる
- 「Did you get to ~?」「Don’t let it get to you.」を自然に使えるようになる
「get to」の核心と主要用法
まずは「get to」がもつ共通のイメージと、そこから広がる主な意味を整理します。
ここをつかんでおくと、あとで出てくる細かい用法も理解しやすくなります。
コアイメージと基本概念
「get to」の中心にあるイメージは、「ある場所・段階・状態・心にたどり着く(到達する)」です。
この「到達」のイメージが、次のように広がっています。
つまり、「どこに・何に到達しているのか」を見ると、意味をかなり絞り込めます。
この「到達」を頭に置きながら、次の意味グループを読んでみてください。
主な意味グループ整理
「get to」は、次の5つのグループで考えると整理しやすくなります。
このほかにも「連絡がつく」「人をどこかに連れていく」「どこへ行ったのか(Where has he got to?)」などの意味もありますが、日常会話で特によく使うのは上の5つです。
この記事でも、この5つを中心に詳しく見ていきます。
より詳しい意味一覧は、大手英和辞書サイトでも確認できます。
たとえば Weblio英和辞典(weblio.jp) では、用法ごとに例文付きで整理されています。
口語性と使用頻度
「get to」はとても口語的で、ネイティブの会話で頻出する表現です。
フォーマルすぎず、くだけすぎてもいない、ちょうどよいラフさがあります。
たとえば、次のような場面でよく使われます。
フォーマルな文書では「arrive, start, have an opportunity to」などに言い換えることもありますが、日常の会話やビジネス会話では「get to」のままでまったく問題ありません。
むしろ「Did you get to ~ ?」「Don’t let it get to you.」のような決まり文句は、そのまま使えないと不自然に感じられることも多いです。

用法別「get to」の使い分け
ここからは、意味グループごとに「get to」の使い方を詳しく見ていきます。
それぞれの用法に、よく出るフレーズと会話例をセットで覚えていきましょう。
場所や本題への到達
まずは一番イメージしやすい、「どこかに着く」「本題にたどり着く」という意味です。
形はどちらも get to + 名詞 ですが、名詞が「場所」か「話題」かで意味が変わります。
代表的なパターンは次のとおりです。
例文で確認してみましょう。
-
英語:How can I get to the station from here?
日本語:ここからどうやって駅に行けばいいですか。 -
英語:It took me an hour to get to Tokyo.
日本語:東京に着くのに1時間かかりました。 -
英語:Let’s get to the point.
日本語:本題に入りましょう。 -
英語:We finally got to the main issue.
日本語:ようやく本題にたどり着きました。
場所の話なら「到着」、会議や説明の話なら「本題に到達」と考えると、迷いにくくなります。
仕事や作業への取りかかり
次は「〜に取りかかる」「〜を始める」という意味です。
ここでも形は get to + 名詞(仕事・作業・質問など) が基本です。
start とほぼ同じ意味ですが、get to の方が会話的で自然に聞こえることが多いです。
-
英語:Let’s get to work.
日本語:仕事を始めましょう。 -
英語:Did you get to your homework yet?
日本語:もう宿題に取りかかった? -
英語:We’ll get to the questions later.
日本語:質問にはあとで取りかかります。 -
英語:I’ll get right to it.
日本語:すぐにそれに取りかかります。
「get to it」「get to that」の it / that は、「今からやること・本題」を指すことが多いです。
会議や仕事でとてもよく出てくるので、そのまま丸ごと覚えてしまうのがおすすめです。
状態やレベルへの到達
「ある状態・レベルに達する」「〜になる」という意味でも「get to」がよく使われます。
ここでは「場所」ではなく「状態」に到達するイメージです。
よくあるパターンは次のとおりです。
-
英語:He got to a high level in just two years.
日本語:彼はたった2年で高いレベルに達しました。 -
英語:I finally got to my goal weight.
日本語:ついに目標の体重にたどり着きました。 -
英語:She got to be very popular.
日本語:彼女はとても人気者になりました。 -
英語:We got to a better decision in the end.
日本語:最終的により良い決断にたどり着きました。
get to be + 形容詞/名詞 は「〜になるようになる」というニュアンスで、「変化の結果として今そうなっている」という感じを出したいときに便利です。
機会や許可としてのできる
学習者が一番混乱しやすいのが、この「機会・許可としての『〜できる』」という意味です。
形は get to + 動詞の原形 で、「〜する機会がある」「〜させてもらえる」「〜できてラッキーだ」という気持ちを表します。
大事なポイントは、次の2つです。
-
英語:I got to see her yesterday.
日本語:昨日、彼女に会う機会がありました。(会えてうれしかった) -
英語:I didn’t get to see her yesterday.
日本語:昨日は彼女に会う機会がありませんでした。(会えなくて残念) -
英語:We got to meet the CEO.
日本語:私たちはCEOに会うチャンスを得ました。 -
英語:I get to watch TV until eleven.
日本語:(許可があって)11時までテレビを見ていいんです。
can や be able to と違って、「やろうと思えばできる能力」があるかどうかは問題にしていません。
「時間があるか」「許可があるか」「そういう環境・立場にいるか」といった、「外側の条件」がポイントです。
感情や体への影響
最後に、感情や体への「影響」を表す用法です。
この用法では get to + 人 という形をとり、「〜にこたえる」「〜をイライラさせる」「心に響く」「効く」という意味になります。
主な意味のパターンは次の3つです。
-
英語:This job is really getting to me.
日本語:この仕事は本当にこたえます。(精神的にきつい) -
英語:Don’t let it get to you.
日本語:そんなこと気にしないで。(イライラするな/くよくよしないで) -
英語:The movie really got to me.
日本語:その映画は本当に心に響きました。 -
英語:Maybe the heat has gotten to me.
日本語:たぶん暑さにやられました。
ポジティブかネガティブかは、前後の文脈で判断します。
「tragedy(悲劇)」「criticism(批判)」「stress」などが主語ならネガティブ、「movie, song, story」などならポジティブになることが多いです。

よく使う型と類似表現比較
ここでは、「get to」の代表的な型(特に動詞原形・人の感情)と、似た表現との違いをまとめて確認します。
どの場面でどちらを使うと自然なのかも、あわせて整理していきます。
get to +動詞原形の特徴
あらためて、「get to + 動詞原形」の特徴をまとめます。
意味は大きく分けて次の2つです。
どちらも、外的な条件のおかげで「できる」という点が共通しています。
-
英語:I got to travel to Canada last year.
日本語:去年カナダへ旅行する機会がありました。 -
英語:She gets to work from home twice a week.
日本語:彼女は週に2回在宅勤務をすることができます。(その制度がある) -
英語:We didn’t get to finish the project.
日本語:そのプロジェクトを終わらせる時間(機会)がありませんでした。
「やろうと思えばできるか」は関係なく、「チャンスがあったか/許可があったか」を言いたいときに使うと自然です。
Did you get to ~ の用法
「Did you get to ~ ?」は、ビジネスでもプライベートでもとてもよく使われる質問表現です。
意味は「〜できましたか?」「〜する機会はありましたか?」で、「Did you ~ ?」よりも柔らかく、相手に配慮した聞き方になります。
次のような場面で使います。
-
英語:I just got back from Canada.
日本語:カナダから戻ってきたところです。
英語:Did you get to see your parents?
日本語:ご両親には会えましたか。 -
英語:Did you get to talk to the client?
日本語:クライアントと話すことはできましたか。 -
英語:Did you get to read my email?
日本語:私のメールを読む時間はありましたか。
「Did you finish the report?」だと、少しプレッシャーが強い聞き方になります。
「Did you get to finish the report?」なら、「忙しい中で時間とれた?」という気遣いが伝わります。
この表現については、ビジネス英会話スクールの解説も参考になります。
例えば Bizmates チャンネル(bizmates.jp) では、会話例と発音まで丁寧に説明されています。
get to +人の感情表現
「get to + 人」は、感情や体への影響を表す重要なパターンです。
ここでのポイントは、ポジティブな意味とネガティブな意味の両方があることです。
典型的なフレーズをいくつか見てみましょう。
-
英語:Don’t let it get to you.
日本語:そんなこと気にしないで。 -
英語:My boss is really getting to me.
日本語:上司には本当にまいっています。(イライラ・ストレス) -
英語:The story really got to me.
日本語:その話は本当に心に響きました。 -
英語:The humidity is starting to get to me.
日本語:湿気でだんだんまいってきました。
ポジティブかネガティブかを判断するときは、次の2点をチェックするとよいです。
arriveやstartとの違い
「get to」は arrive / start などと意味が近いですが、ニュアンスに違いがあります。
分かりやすくするため、簡単な表にまとめます。
| 表現 | 主な意味 | ニュアンス・使いどころ |
|---|---|---|
| get to 場所 | 〜に着く | 会話的。所要時間や行き方、苦労も含みやすい。 |
| arrive at / in 場所 | 〜に到着する | ややフォーマル。到着という事実にフォーカス。 |
| get to work / the point | 仕事・本題に取りかかる | 会話でとてもよく使う、軽い表現。 |
| start work / start the meeting | 仕事・会議を始める | 意味はほぼ同じだが、少し固めで説明的。 |
次のように考えると区別しやすくなります。
chanceやopportunityとの違い
「〜する機会がある」と言いたいとき、「get to」と「have a chance to / have an opportunity to」のどちらも使えます。
違いは主に「固さ」と「長さ」です。
次の3つを比べてみましょう。
-
英語:I got to meet the CEO.
日本語:CEOに会う機会がありました。(会話的) -
英語:I had a chance to meet the CEO.
日本語:CEOに会う機会がありました。(少し丁寧) -
英語:I had an opportunity to meet the CEO.
日本語:CEOに会う機会を得ました。(かたい・フォーマル)
日常会話やカジュアルなビジネス会話では「get to」が一番よく使われます。
メールや公式文書などで、少しきちんと言いたいときは「have a chance to」を使うとよいでしょう。

誤解しやすい点とQ&A
最後に、多くの学習者がつまずきやすいポイントをQ&A形式で整理します。
特に「機会のget to」と「義務のhave got to(gotta)」の違いは、音も似ているので注意が必要です。
機会のget toとcanの違い
Q:「〜できた」と言いたいとき、get to と can(could)はどう違うのですか。
A:ざっくり言うと、can は「能力」、get to は「機会・許可・環境」です。
次の文を比べてみてください。
-
英語:I can swim.
日本語:私は泳げます。(泳ぐ能力がある) -
英語:I got to swim in Hawaii.
日本語:ハワイで泳ぐ機会がありました。(泳げてうれしかった) -
英語:I didn’t get to swim in Hawaii.
日本語:ハワイで泳ぐ機会がありませんでした。(泳げなくて残念)
ポイントは、「できなかった」理由です。
能力がなくてできない → can’t / couldn’t を使う。
時間やチャンスがなくてできない → didn’t get to を使う。
このように使い分ければ、自然な英語になります。
get toとhave got toの違い
Q:「We got to ~」と「We have got to ~(gotta)」の違いがわかりません。どちらも「ガタ」に聞こえます。
A:意味はまったく別物です。形と後ろをよく見る習慣をつけましょう。
-
英語:We got to visit Paris last year.
日本語:去年パリを訪れる機会がありました。 -
英語:We have got to finish this today.
日本語:これは今日中に終わらせないといけません。 -
英語:We’ve gotta go.
日本語:もう行かなきゃ。(We have got to go. の口語形)
※「have」があるかどうかで意味が180度変わります。
「have」が入れば「義務」、「ない」なら「機会」と覚えておきましょう。
文脈で意味を見分ける手順
「get to」は多義語なので、文脈から意味を判断する力が大切です。
次のステップで考えると、かなり楽になります。
慣れるまでは、例文を読むときに「これはどのグループの get to か?」とラベルを付ける練習をすると、上達が早くなります。
学習者のよくある誤解
最後に、「get to」でよく起こる誤解と、その対策をまとめます。
対策としては、「get to」を見たらすぐ訳さず、まず「どこに到達しているのか?」を考えるクセをつけることです。
そのうえで、この記事で紹介した意味グループのどれに当てはまるかを判断していけば、大きな間違いは減っていきます。

総括
最後に、「get to」のポイントをまとめます。復習や確認に使ってください。
- 「get to」のコアイメージは「ある場所・状態・心に到達する」で、そこから到着・開始・状態変化・機会・感情への影響などの意味が生まれている。
- get to + 場所/本題 で「〜に着く」「本題に到達する」、get to work などで「仕事・作業に取りかかる」を表す。
- get to + 名詞(level, goal など)や get to be + 形容詞/名詞 で「あるレベル・状態に達する/〜になる」と言える。
- get to + 動詞原形 は「〜する機会がある・〜させてもらえる」という意味で、能力の can とは違い、機会・許可・環境のおかげの「できる」を表す。
- 「Did you get to ~ ?」は「チャンスはあった?時間とれた?」という配慮を含んだ丁寧な聞き方で、ビジネスでも日常でも頻出する。
- get to + 人 は、文脈により「イライラさせる・こたえる」というネガティブな意味と、「心に響く・感動させる」というポジティブな意味の両方を持つ。
- arrive / start / have a chance to / have an opportunity to などは、よりフォーマルで説明的な言い方であり、会話では get to を使うと自然なことが多い。
- We got to ~(〜する機会があった)と We have got to ~ / gotta(〜しなければならない)は意味がまったく違い、「have」の有無で必ず区別する。
- 意味を見分けるときは、「後ろに来ている語(場所・名詞・動詞原形・人)」「文の話題(旅行・仕事・感情など)」「全体の雰囲気(うれしい/つらい)」の3点を確認するとよい。
- 日常会話やビジネスでよく出る「Let’s get to work.」「I’ll get to it.」「Don’t let it get to you.」「Did you get to ~ ?」などの定番フレーズは、そのまま丸暗記して使い始めるのが上達への近道。

